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大臣 嘘いうな

2011-07-05 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
裁判官が科学的に間違った情報をもとにした判断をしたことは歴史に残る事実ですが、

現時点で厚生労働大臣が科学的に正しくないことを語ったり、
十分な恩恵の得られていない予防接種制度を放置したまま、国民に利益などとどの口でいうのか。

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B型肝炎和解金の財源「増税も選択肢」 細川厚労相
朝日新聞 7月5日

B型肝炎訴訟の和解金の財源問題で、細川厚生労働相は5日の閣議後会見で「増税も選択肢の一つ」と述べ、増税の可能性に言及。

「B型肝炎の問題は予防接種で起きた。予防接種は国民全体の利益にもなっている。不幸にも感染した方を国民全体で支え合うことが必要」との認識を示した。

厚労省によると、B型肝炎の救済対象者は約43万人と見込む。和解金は約30年間で最大3.2兆円、今後5年間だけでも1.1兆円かかるとみている。
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米国の旅行者向けサイトでは、日本に滞在する米国人に対してB型肝炎ワクチンを接種していくよう推奨しています。

日本を含めたアジアは流行国だからですね。

そう指摘されている国では赤ちゃんが接種をしてもらえません。

目に見える血液がなくても感染事故はおきています。
それがB型肝炎ウイルスの特徴です。

日本の「B型肝炎は予防注射で広がった」ということではないです。

総額3兆円ともいわれるお金の負担を、十分な予防接種アクセスのない子や、自己負担を強いられている子育て世代が負わなくてはいけない意味を、メディアも報じるべきです。

そして今後このような誤った判決をうみださないような仕組みも大事です。
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1 コメント

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嘘というより説明不足なのでは? (bloom)
2011-07-06 20:28:24
日本のB型肝炎の患者総数における予防接種被害者の割合が分からないと何とも言えませんが、「嘘」とは違うと思います。

また、予防接種被害の救済と、予防接種制度の不備も分けて議論出来るのではないでしょうか。

最近政治家や権力のある人を激しい言葉で罵倒するのが流行しているようですが、問題解決には役に立たないと思います。
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