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9価のHPVワクチン (日本でいうところの“子宮頸がんワクチン”)

2010-11-28 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
現在Merck社がPhaseⅢ試験をしている9価のワクチンは2012年頃認可されるのでは?という見通しとの話。

Merck社の9価のHPVワクチンには、現在のガーダシルに入っている、6、11 、16 、18、に加えて、31, 33, 45, 52, 58が含まれています。

米国の臨床試験サイト
http://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=V503
A Better HPV Vaccine in Phase III Trials(Vaccines Work 11月15日)
http://vaccineswork.blogspot.com/2010/11/better-hpv-vaccine-in-phase-iii-trials.html

小児の肺炎球菌ワクチンも日本がやっと7価のワクチンを認可する頃、世界は13価を、というでしたが。やがて、HPVワクチンも「どちらにしようかな」ではなく「どれにしようかな」になるのかもしれません。


学校の先生や保護者はHPVワクチンが現在2種類あることはあまり知りません(一般の人も知りません)。
医療関係者、特に医師や薬剤師は知っている人も多いですね。先にGardasilを接種しに来ている女性は本人か親が医療関係者というのも、なるほど、です。

日本で2009年12月に接種できるようになったグラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」は、万有(当時、現在はMSD)の「ガーダシル」よりもあとに臨床試験を始めたのですが先に認可されました。

そのMSDの4価のHPVワクチンといえば、臨床試験をやった施設に視察が入ったので、承認もすぐだろうと産婦人科の先生方がいっています。

どれくらい遅れたか?ですが、

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2006年6月9日 米国:FDAがGarasilを承認。

2006年7月12日 日本:「子宮頸癌ワクチン「ガーダシル」‐国内治験に着手」
        http://www.yakuji.co.jp/entry755.html

2006年9月22日 EU25ヶ国で「ガーダシル」承認。

2007年4月27日 日本:「万有製薬・子宮頸癌ワクチン「ガーダシル」‐今年中に申請へ」
        http://www.yakuji.co.jp/entry2950.html

2009年10月 グラクソ・スミスクライン「サーバリックス」承認

2009年12月 グラクソ・スミスクライン「サーバリックス」発売

(2010年12月  MSD 「ガーダシル」未承認状態)

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ふー。2006年から数えて5年目です。社内あるいは厚労省で何かあったんでしょうか。

補正予算がとおりましたが単年度予算です。
早く定期接種と任意の枠の壁がなくなるとよいのですが。
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