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髄膜炎菌性髄膜炎→保健所へ報告(全数報告)

2011-05-19 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
4月1日にかいた本ブログでの髄膜炎ワクチンの記事 米国の最新状況

致死率の高い感染症です。

米国では命をとりとめたサバイバーがワクチンの啓発活動をしています。
「私は生き残った。身体障害が残っただけですんだ

※下二つはニュース動画です。シビアな画像も出てきますので閲覧ご注意ください。
上記サバイバーの切断前の病変
こどものサバイバー

症例数が少なくても、ワクチン接種をしたほうがいいのではないか、というのは治療がとても難しく、死亡したり後遺症が残るリスクが高いからです。


髄膜炎菌性髄膜炎うたがいの時点で、周囲やスタッフへの注意やその後の対応を考えはじめます。
濃厚接触者(家族や友人、診察に関わったスタッフ)への予防内服等の準備が必要になります。
ICTメンバーは必須知識。
学校の養護教諭も、ですね。


宮崎の高校生死亡例での続報がありました。

「寮の調理係も髄膜炎 病院側は届け出ず 小林・高1死亡」西日本新聞 5月19日

「女性は男子寮で調理を担当。4月30日、発熱などで同病院に救急搬送され、約2週間入院した。一時は意識障害などの重症に陥ったという。
 現在、男子寮の生徒3人が発熱などで入院中。いずれも髄膜炎の症状は出ていないが、県は「一定程度感染が広がっている可能性があり、今後も発症者が出る恐れがある」として警戒を強めている」


調理や食事の配膳という接触で感染拡大となると、接触者のリストアップも広がりそうです。

日本でも、一定のリスクプロファイルを検討してワクチン接種推奨が検討されることにつながる可能性もあります。

濃厚接触者への対応と同時に、保健所や衛生研究所の協力を得るために、迅速に報告をする必要があります。書式も大事ですが、まず電話で一報を(感染症法上は5類で1週間以内でOKではありますが)。

感染症疫学の風 2010年 コロラド州のアウトブレイク事例
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