感染症診療の原則

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ICAACOnline Early New Antimicrobial Agents #2

2014-04-14 | 青木語録
Early New Antimicrobial Agents続きます。

#4:新しいC.diff用の抗菌薬
Richard Vickers先生 @Summit
・新しいCompoundの名前はSMT19969
・スペクトラムが非常に面白い。何となく日本では「広域」が売りとされますが、このCompoundは「狭域」を売りとしている。(少なくとも発表では・・)
・元々抗菌薬が作り出したCDIに対して、またまた「広域」の抗菌薬を投与するというのは、マッチポンプ的ですから・・
・結論から言うとGNR、GPC、嫌気性GNRに対するスペクトラムは非常に限定的。だから腸管のFloraを大きく変えずにC.diffをAttack可能なのです。
・結論:強力にC.diffに殺菌的に働く薬剤で、耐性が生まれにくく、In vitroではVancomycinより強い?


#5:新しいβラクタマーゼ阻害剤 FPI-1465
・Thomas Parr先生 @FEDORA社
・β-lactamases一番有名な分類法であるAmbler classificationでは、4つのクラス:ABCDがありますが、この全てを阻害するらしい。(SMT19969と異なり広域が売りの阻害剤)恐ろしい事にBestの組み合わせはメロペン(!)
・更にSulbactamのように、阻害剤自身に抗菌活性がある。


#6:新しい抗菌薬Acyclic indole 2-pyridones
Gary M. Karp先生 @PTC Therapeutics, Inc
・作用箇所はGyrase、Topoisomeraseの2箇所を標的に(Dual targeting)でFQ的
・内容はまさに編集長の大好き(嫌い)な亀の甲の、どこが活性に関係するかの検討・・スペクトラムを広げたり、タンパク結合の程度を変えたりできます。
・化学音痴の編集長にも興味深い点はFollwingです。
1)黄色ブドウ球菌についてはWild TypeにはVCMやLineに比較して効きが悪いのですが、MRSAなどのToughな黄色ブドウ球菌には逆に有効なのです。


2)日本、フランス、スペインなどで報告されているCTRX耐性の淋菌にも有効
3)全般に殺菌的に効く
4)Acinetobacterも射程に
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