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GMとフォード、エンジンなど開発で提携交渉 イートンは日鐵バルブに追加出資

2008-08-06 20:47:47 | Weblog
GMとフォード、エンジンなど開発で提携交渉 米紙報道 2008年8月5日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080804AT2M0402G04082008.html
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0805/TKY200808050051.html
 経営再建中の米ゼネラル・モーターズ(GM)と米フォード・モーターがエンジンなどの基幹部品の開発で提携交渉を進めていることが4日、明らかになった。両社は北米市場の販売不振から財務体質が急速に悪化し、開発費も含めたコストの大幅削減を迫られている。実現すれば、生き残りを狙う米ビッグスリーの1位と2位の関係が深まりそうだ。
 4日の米紙デトロイト・ニュース(電子版)によると、GMが1カ月以上前にフォード側に協力検討を打診し、協議が続いている。新型エンジンや変速機など駆動系部品のほか、GMが実用化を進める電気自動車技術が協力分野になりうると報じた。エンジン開発には10億ドル、変速機開発には8億ドルの開発費用が必要とされ、両社が協力すれば、コストを減らせるという。

米イートン、日鍛バルブに追加出資 第三者割当増資引き受け 2008年8月5日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080804AT1D0409304082008.html
 米自動車部品メーカーのイートンは4日、日鍛バルブへの出資比率を20%から27%に引き上げると発表した。日鍛バルブが8月中に実施する第三者割当増資を引き受ける。そのうえで海外事業を統括する会社を共同出資で新設。営業や開発面で関係を深めて、日本や韓国の完成車メーカーとの取引拡大を目指す。
 新会社「ニッタン・グローバル・テック」(東京・新宿)は10月から稼働。資本金は1億円で、日鍛バルブが51%、米イートンが日本法人を通じ49%を出資する。



 自動車会社にとって、エンジンや変速機といえば、絶対に外注できない(仮に外注するとしても、絶対に裏切られることのない、ごくごく限られた親密グループ会社に限られるでしょう)最上級ランクの企業秘密分野だと思うのですが、いくら生き残りをかけているとはいえ、この分野で提携交渉を行うとは随分大胆な決断をしたものですね。
 まあ『外資と組んで不利な条件を飲まされる』リスクを考えれば、ライバルとはいえ、同じ国の自動車メーカー同士ということで、海外の自動車メーカーとよりは組みやすかったのかもしれませんが、資材の共同購入や物流の共同化くらいならばまだしも、エンジンや変速機の開発となると、技術流出の心配も出てきますし、普通ここまで踏み込めないもの。言い換えれば、そうせざるを得なくなるほど、今のGMやフォードの経営が厳しいということなんでしょうね…。

 一方、米自動車部品メーカーのイートンが、14億7000万円の第三者割当増資を通じて東証2部上場の日鍛バルブへの出資比率を20%から27%に引き上げることを発表。
 ちなみに、日鍛バルブは自動車の歯車などの精密鍛造品や船舶用の部品、エンジンバルブやバルブリフターといった、『もし部品供給が滞ったら自動車会社や造船会社は大変なことになるだろうな…』という品目を多数扱っている独立系のメーカーですが、利益こそやや落とし気味なものの、財務指標を見てもバランスがとれて(効率性がやや劣りますが、問題のない範囲内です)いますし、こちらに関しては、財務悪化によるグループ入りではなく、海外での事業展開のために、資金増強を兼ねて信頼できる取引先に株をもってもらうといったところでしょうか…。
 自動車会社の生き残り競争同様、自動車部品メーカーの生き残りも激しくなりそうです。


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