中国で ノーベル文学賞受賞者生まれる。
2012年10月27日 記入
最初に以下の本のく著者「村上春樹」氏とノーベル文学賞受賞を競った、中国の「莫言」氏の作品について触れます。インター
ネットで何度か検索したのですが、作品名なども検索できずあきらめていました。ところが2012年10月28日発行の朝日新
聞の「ニュースの本棚」欄に中央大学教授で専攻中国文学の飯塚 容 先生が「ノーベル賞の「莫言」(モーイエン)氏」として
莫言氏の生まれ経歴、作品集などのご紹介がありました。とても、トテモ嬉しかったです。
私は今年の10月頃から日本では2012年度ノーベル文学賞は日本の「村上春樹」氏が受賞されるではないかと、マスコミその
他で、かしましく報道されていました。そこで村上先生の著書はまだ一冊も読んだことは有りませんでしたので、県立図書館で急
遽借りだし、4冊読了しました。
莫言氏の著書の日本語版も発行されていました。後日県立図書館へ行き、探し、蔵書がなければお願いし、お借りして一読しよう
と希望しております。以下に朝日新聞に掲載された記事を転載します。
莫言氏の略歴と日本語に翻訳された著書名などの概略を転載させて頂きます。
莫言氏略歴 莫言氏は1955年、山東省高密県の農家に生まれた。大躍進政策の失敗から文化大革命にいたる波瀾の時代で、疲
弊した農村の現実を目のあたりにしながら育つ。莫言少年は何とかこの貧困と飢餓の世界から抜け出したいと願い、人民解放軍に
入隊することで、その夢をかなえる。やがて文学創作を始め、解放軍芸術学院に学び、作家としての地歩を固めていった。
莫言の小説の特色は、中国近代史を背景にして、過酷な運命に打ちのめされてもなお、したたかに生きる庶民の原始的エネルギ
ーを描くところにある。文体は荒々しく、グロテスクな描写が多い一方、独特のユーモアとアイロニーにも富んでいる。以下、日
本語で読める作品をいくつか紹介しよう。
「蛙鳴」(あめい)は最新の長編小説。中国の作家(莫言とおぼしい)が師と仰ぐ日本の作家(大江健三郎を想起させる)にあて
た手紙という体裁で、農村の産婦人科医として生きた伯母の話を語る。そして最後に、同じ内容の物語を演劇に仕立てた脚本を付
す。莫言はこの作品で一人っ子政策の功罪という難しいテーマに切り込んだ。
文革期を背景に!!
「牛 築路」は中編二作を収める。「牛」は文化大革命中の農村が舞台。貧しさゆえに牛の数が増えることを恐れた生産隊長は、
人民公社の獣医を呼んで三頭の牛に去勢手術を施す。牛飼いの少年の目を通した描写、勤務と牛の身近な交流、輪廻転生の死生観
などに莫言の創作の特徴がよく出ている。
「築路」は、貧困と愚かさの雨に次々と身の破滅を迎えていく道路建設現場の作業員たちを描く、同じ文化大革命期を背景にして
いるが莫言が表現したかったのは、極限状態における人間の赤裸々な欲望だろう。
さかのっぼって莫言初期の代表作は「赤い高粱」(あかいこうりゃん)。張芸謀(チャンイーモ)監督によって映画化された。
抗日戦争中の山東省高密県で情熱的に生きて壮絶な死を遂げた父祖の世代の奇談を、孫にあたる語り手が叙述する。日本軍の蛮行
が衝撃的だが、莫言の主張は現代人が失ってしまった野性の賛美にこそあった。しばしば指摘されるガルシア=マルケスの影響が
顕著に見られる。
「百檀の刑」(吉田富夫訳・中公文庫・上下各1,150円)は時代設定が清末。鉄道施設権を得て山東を侵略したドイツ軍に
抵抗し逮捕された男と、その処刑を担当する首切り役人をめぐる物語。主要な人物が交代で語り手となる構成や山東省の地方劇を
応用した歌唱の挿入に特色がある。
重版もあいつぐ
長らく品切れとなっていた二作も重版が決まった。やはり高密県シリーズの「豊乳肥臀(ひでん)」(吉田富夫訳、平凡社・上下
各2,100円)は母親を崇拝し乳房に執着する末っ子と八人の姉たちの家族史。中国で刊行されたときには性描写が問題となり
、発禁処分を受けた。作中に登場する北海道に強制連行される男は、実在の劉連仁(リウーレンジン)をモデルにしている。
「酒国 特捜検事丁釣児(ジャック」(藤井省三訳、岩波書店・3,360円)は莫言の都会物の代表作。探偵小説のパロディ
ーという形式で、快楽に耽ける幹部の腐敗を描いていた。
海外から発信する高行建(ガオシンジエン)(フランス在住)の受賞から十二年、国内から発信する莫言の作品もこの機会に新
たな読者を得て、中国語による文学創作の魅力が再認識されることを願いたい。
330、村上春樹 ねむり
331、村上春樹 Ⅰ全作品1979年~1989年 風の歌を聴け、1973年のピンボール Ⅰ
332、村上春樹 Ⅱ全作品1990年~2000年 短編集
333、村上春樹 東京希譚集
334、佐藤 愛子 我が老後
作家・佐藤紅緑『私の少年時代に愛読した、ああ緑盃に花受けて、など感読させてくれた作家です』また作家サトウハチ ローが異母兄にあたります。