私の旅行体験記,

私は南米に6年間勤務しました。その際撮影した写真が700枚ほどあります。これから逐次ご紹介します。

最高の技術を駆使したらイネ一粒は何倍に増えるでしょうか?

2009-07-13 17:04:20 | Weblog
 最高の技術を駆使したらイネ一粒は何倍に増えるでしょうか?
一粒のモミからどれくらいのコメが作れるか?水稲一粒栽培コンクールで、当時私は農林水産省統計情報部東海近畿作況研究室に勤務しておりましたが、(当時39歳)一粒から五万七千百粒という記録をつくりました。(なお供試品名は「金南風」でした)。
 
 当時各種新聞・NHKのテレビ放送(当時録画でなく早朝の生放送で名古屋放送局までそのイネの株を持って一番の電車でに出かけたことを思い出します)はなどで広く広報されました。茫々40年私は81歳になりました。
ここに当時の読売新聞(1967年昭和42年11月26日付け)の新聞の記事をそのまま掲載し、ご参考に供したいと思います。そして、今日的なブログで残したいと思います。
                    
                   記事内容
 
 農林水産省の星野和生(39)技官が五万七千百粒という驚異的な記録をつくった。普通つくられているイネの三十五倍。カネと努力にイトめをつけず”一粒ダネ”に全精力を注ぎ込んだ成果だけに、この作法をこのまま一般の水田に持ち込むのはムリとしても、今後の稲作改良の一つの指針にはなりそうだ。
 このコンクールは、農林水産省のサークル活動お一つとして毎年行われているもの。春先、省内の300人の同好会員たちに同一種のモミ種を配布、役所の庭や自宅のベランダなどで育成し、それぞれの創意工夫でモミ一粒の最大収穫量を競い”稲作の限界”に挑戦しようというわけだ。
 星野技官は普通より一月早い二月末、温室のハチにタネを播き、五月初旬、上に土、下に砂利を敷いたドラムかんの特製”たんぼ”(上記の写真右側、写真がうまく収まりませんでしたが、スクロールバーを右へ動かすとドラムかんたんぼと、私の若い時代の写真が出てきます。左へスクロールすると一粒から成長したイネの株が出てきます)。に苗を植えた。大量の化学肥料を定期的にやり、根を腐らせないように、時おりまわりの土を掘り起こし、クキの間に土をはさんで光りを中まで入れるようくふうするなど、手塩をかけて”子福者イネ”を作り上げた。

 11月25日に開かれたコンクールの審査結果によると、穂数七百七十二本(うち米粒のついていない無効穂数百本)シイナなどを除いた有効モミ数五万七千百粒。一粒のタネが千八十五グラム(約五合)の玄米を生み出したわけ。

 これまでの記録は、有効穂数二百七七本、モミ数三万粒、普通の農家でつくられる稲の一株あたりのモミ数は千六百粒~二千粒が限度だから、この記録的な多産ぶりがわかろうというもの。またこれによって「一株のモミ数は、五万粒ぐらいまで
生産可能」という農学者の机上計算が初めて実証された。

 このイネ株は農林水産省の玄関に一年間展示されました。私に取っては、とても懐かしく、若い時代の思い出になります。