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「私は20歳からマジメに国民年金を一月の未納もなく払っているのよ」という一言が口癖のような女性がいた。歳の頃は50歳前後か。私が「年金記録問題」に取り組んで、「消えた年金」や「年金倉庫」を追いかけてきたが、「私は大丈夫だから」と自信をもって言いながら、今ひとつ関心が薄いようだった。しかし、最近になって話し中でつながらなかった年金相談ダイヤルに電話したところ、彼女の顔色が変わった。「納めていたはずの国民年金が『免除申請』になっていたり、『未納』になって8年分が行方不明になっているということが判ったのだ。まさか、自分の記録も飛んでいたなんてと、すっかり落ち込んだ声で電話があった。

今日、『年金をとり戻せ大シンポジウム』(北沢タウンホール夕方6時半~)をやるにあたって、私の身近かにいる人たち数人が「俺の年金も消えている」「私が働いていた時の記録がない」と声があがっている。自分の事になると真剣さが違うのだが、『ねんきん特別便』も『5000万件の浮いた年金記録』の当事者に送達されたにもかかわらず多くの人が「自分は問題がない」と書いて送り返してきたように、「自分は大丈夫」と思っている人がいかに多いことか。「自分は大丈夫」でも「隣の被害者」と手をつないで立ち上がるというのがムーブメントであり、市民の想像力ではないか。

「自分は戦争で死ななかったから良かった」ではなく、「二度と戦争で死ぬ人が出ないように」(次の戦争で自分が死なないように)考えて声をあげるのが、市民としての想像力だと思う。今日の昼、久しぶりに社会保険庁の話を聞いた。「5000万件」の年金記録を名寄せした段階で基礎年金番号に結びついた記録が「1200万件」あまりで、約4割の2000万件は「今後も探します」ということらしい。公約破綻は目に見えている。「記録が消えた人」も「とりあえず大丈夫」な人も手を組んで、
この惨状を生んだ政府・厚生労働省・社会保険庁を監視し、ドサクサ紛れの「年金解体」を阻止しなければならない。

国会の方は相変わらず与党が迷走を続けている。参議院本会議で日銀同意人事は白川氏以外の「武藤・伊藤」が不同意となり、与党側は急に明日の昼に衆議院本会議を開いて日銀同意人事の採決をしたいという。(ここで巨大与党が可決しても、参議院で不同意が決まっているので国会同意とはならない) そして、ふたたび同じ人選で提案をするという旧帝国陸軍のような勝利の展望も見えないのに「撤退なき主戦論」が与党内でくすぶっているというからあきれてしまう。

さて、「年金記録」「道路特定財源」に「日銀人事」も三つ巴となって、3月危機がいっそう深まりつつある。福田・自民は自動操舵かと昨日書いたが、巨船沈まずというのは幻想で、福田内閣という船が大岩に乗り上げて座礁しているのが今日の姿かもしれない。

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