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今日は議院運営委員会で政府提案の「日銀総裁・副総裁」候補の意見聴取と各党委員とのやりとりがあった。社民党は阿部知子さんに登板してもらったのだが、いったい政府・与党が何を考えているのかが不可思議な事態となっている。日銀総裁の任期は3月19日までであり、そもそも3月7日に至るまで政府側が「候補者」を提示してこなかったことが「読み違い」の始まりだ。しかも、先週の金曜日に提案した人事は「武藤総裁」「白川・伊藤副総裁」で、とうてい野党が飲める人事案ではない。「武藤・伊藤」は同意せずという反応が出てくるのも、与党側は予想してきたはずだ。今朝の議院運営委員会で野党側は、明日の衆参本会議で同意人事を扱うべしとの提案をしたが、与党はこれを拒否。「14日」を逆提案してきた。

攻守どころが入れ代わる事態だ。野党が早く本会議を開いて決着しようと提案し、与党がいやいやあわてることはないと拒否する。この裏には、同意人事をギリギリまでのばして「日銀総裁空席は野党の責任だ」という世論の重圧をつくりだして、野党第一党の民主党の分裂を誘おうとする姑息な戦略が見え隠れする。明日は、衆議院に先んじて参議院本会議で日銀同意人事を処理(不同意は必定)しようという動きがあり、驚いたことに参議院の与党側は「本会議欠席」まで検討しているという。メチャクチャという以外にない。福田・自民は、自ら日銀総裁人事案を提案しておいて、後は知らないよということなのか。

明日、参議院本会議が開かれて「不同意」が決まれば、巨大与党が多数を占める衆議院本会議で14日に「同意」しても、国会の同意は成立しない。法案のような再議決戦術も使えない。それで、終わりだ。ふたたび、同じ「人事案」を提案するという話もあるが、まさに「一事不再理」原則に反する。これも「野党が日銀総裁を拒否している」という印象で世論形成するためのというのだから、ほとんど理性のカケラもない迷走というしかない。

福田・自民は、未明の夜のイージス艦のように誰も外を見ていない、見ていても視界狭窄となっている状態で「自動操舵」しているのではないか。司令塔が麻痺し、強硬策は裏目に出て、何の展望も描けないままに「3月危機」の序曲を自ら切り開いている。与野党逆転下の政権担当能力はなし、と言わなければならない。

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