今日、衆議院本会議で「3分間」の反対討論をした。道路整備財源等特例法改正案、とどのつまり「道路特定財源」の余剰金の一部を「一般財源化」したように見せかけて、その実は次年度の「道路財源」に積みましていくという姑息で、幼稚なトリックの「一般財源化の擬態」を策する法案の採決前の討論だった。この1カ月で、道路特定財源の使途についてずいぶんと資料も集めたけれど、たった「3分間」しかなかったので欲張れない。そこで、先週入手していた各国道事務所の『ミュージカル』に出費した財源を列挙してみせた。どこから「1ステージ平均500万円」の予算が繰り出されたのか資料請求をして国土交通省が持参した一覧表は驚くべきものだった。
道路特定財源を使ったミュージカルは、全国106ヶ所で展開されていた。その予算の項目はなんと10を超えている。(同じ項目で出費されたケースは除いて、それぞれ異なる項目で実施されたものを紹介することにする)
H15年8月27日 静岡(清水テルサ) (項)道路事業費(目)交通連携推進事業費
H15年8月29日 愛知(名古屋市民会館) 〃 (目)直轄道路維持修繕費
H15年8月31日 三重(阿児アリーナ) 〃 (目)一般国道改修費
H15年9月19日 静岡(アクトシティ浜松) (項)道路環境整備事業費 (目)沿道環境改善事業費
H16年1月14日 香川(香川県民ホール) (項)道路事業費(目)地域連携推進事業費
H16年1月17日 岩手(岩手県民会館) (項)道路環境整備事業費(目)交通安全施設等整備費
H16年2月28日 新潟(新潟テルサ) (項)道路事業費(目)道路事業調査費
H16年3月2日 石川(金沢市文化ホール)(項)道路環境整備事業費(目)共同電線溝整備事業費
H16年9月27日 福島(飯館中学校体育館)(項)道路事業費(目)道路調査費
H16年9月30日 大阪(豊中市立市民会館) 〃 (目)交通円滑化事業費
H17年11月8日 兵庫(加古川市市民会館)(項)道路事業工事諸費(目)工事雑費
あるいは見落としがあるかもしれないが、およそ10を超えるこの財源一覧表は何を語るのか。なぜ、ミュージカルが道路修繕や、電線共同溝や、工事雑費なのか。
全国の国道事務所の財布は、ゴチャゴチャでどこからでも金は出せる、上限もなければ基準もない。道路特定財源は、不特定持ち出し財源であり、不特定何でもあり財源ではないか。
衆議院本会議の壇上から右後方に「改革断行」の人がいた。そこで一言付け加えた。
「よもや小泉元総理がこのような時代に逆行した法案に賛成されることはないでしょう」
降壇して10秒後に採決があり、「その人」は巨大与党に埋もれるように、照れ笑いをしながら立っていた。
「3分間の反対討論」をつくるのに、ぎりきりまで細切れの時間を使って資料と格闘した。この一覧表に対しての読者の皆さんの感想を聞いてみたい。

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