(衆議院第2議員会館第1会議室で日本被団協主催の抗議集会にて)
久間発言があったのは土曜日だった。翌日の日曜日、地元の世田谷にお住まいの被爆者団体東友会の三宅信雄さんと連絡を取り、昨日の緊急院内集会の相談を行った。おりしも、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の会議が夕刻まで予定されていて、午後5時なら国会議員会館に何人かで行くことは可能とのことだった。
そして、野党各党にも連絡を取り相談を重ねて、社民党の福島みずほ党首はもちろんのこと、民主党から菅直人代表代行、日本共産党から市田忠義書記局長、国民新党の亀井久興幹事長と党首・幹事長クラスが勢ぞろいで駆けつけてくれた。
日本被団協の人々からは、生々しい被爆体験が語られた。生と死の間をさまよい、また原爆が一瞬にしてどれだけ多くの人の生命を奪いまた傷つけたのか。そして、後遺症と戦ってきた重い歴史を痛恨をこめて語る中で「久間発言は許さない」と声をそろえた。
社民党の福島党首は、いまだに原子爆弾の被害に苦しんでいる人がたくさんいるのに、そうした人たちの苦しみを考えない発言だ。久間大臣の罷免を強く求めていきたい」と野党結束しての安倍内閣への罷免要求を訴えた。青森から駆けつけた民主党の菅代表代行は、「久間防衛大臣の発言は、人類が否定してきた核兵器を、理由があれば使ってもかまわないという内容であり許し難い。安倍総理大臣に対し、久間大臣の罷免を求めたい。さいわいまだ国会の会期中なので、内閣不信任案が否決された後で個別閣僚の不信任決議案が提出できるのか国対の方とも詰めてみたい」と述べた。
また、共産党の市田書記局長は「久間氏は大臣の資格がないだけでなく、人間の資格にも欠ける。久間氏の罷免はもちろん、久間氏をかばい続ける安倍総理大臣の責任もきわめて重大。防衛大臣出席のもと予算委員会を開会を要求したい」とアピール。会場には、多数の共産党議員の姿があった。また、国民新党の亀井久興幹事長は「信じがたい発言だ。野党各党で力を合わせて、久間氏の罷免を要求していく。アメリカの考え方をそのまま久間氏は言っているわけで、まったく理解出来ない」と発言した。
集会での発言後、福島党首と菅直人氏、亀井久興氏が今後の行動を協議して、野党3党で官邸に対して「罷免要求」を突きつけることを確認した。与党内からも罷免要求の声があがっていて、長崎県議会は全会一致で「久間発言に抗議する決議」を採択し、早くも「安倍カラー」はダッチロール状態である。早晩、久間大臣は辞任に追い込まれるかもしれないが、支持率低下で「ぶれない政治家」などと周辺に客観的な判断が出来ないブレーンを抱えている「チーム安倍」に、火中の栗を拾う人物が見当たらない。
久間大臣に「注意」をした程度で事をすまそうという安倍総理の政治姿勢に厳しい目が注がれている。古来、「綸言汗の如し」と言われるように、口から出た言葉は、身体から出た汗がふたたび戻ることはないように、取り消すことは出来ない。安倍内閣に、核廃絶を世界に訴えてきた被爆国日本の「閣僚の発言」をこのまま放置するのかどうか「頭の整理」をしてもらいたい。
このブログをアップした数分後に電話があり、「今、テレビのニュース速報で『久間大臣辞任』と流れました」との一報あり。これで問題が終わるわけではない。国会会期中だから、予算委員会でしっかり久間大臣の真意をただすべきである。
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