年金記録問題で昨年6月から追及してきた「旧台帳」(年金記録「旧台帳」早分かり図解)の行方について、解散・総選挙に向うドタバタの中で、気になるニュースが流れている。1972年に「旧台帳」を260万件廃棄したというものだ。昨年以来、社会保険庁と社会保険業務センターに何度も問い合わせて、ヒアリングを重ね、国会でも質問してきたが、トータルでどれだけの「旧台帳」が保存されているのかも不明だと説明不能の事態が続いてきた。何か重要なことをひた隠しにしていることは判ったが、大量の「旧台帳」を廃棄していたことが表面化してきた。
読売新聞の記事はこう伝えている。
[引用]
年金の手書き紙台帳、社保庁が過去に260万件廃棄
社会保険庁が、公的年金記録の原本である手書きの紙台帳約260万件を過去に廃棄していたことが14日、わかった。
廃棄された記録は1950年代の古い厚生年金記録で、社保庁はコンピューターに入力済みで、記録漏れは起きていないとしている。ただ、年金記録の内容の正確性が問題視されており、社保庁が今後、取り組む紙台帳とコンピューター記録の全件照合に支障が出る可能性もある。
260万件は、1954年5月以降、厚生年金に新規加入し、57年10月時点で引き続き加入者だった人の記録。「旧台帳」と呼ばれる記録の一部で、廃棄されずに残った記録は約1167万件ある。これらの記録は、年金記録管理システムへデータが移行されている。
社保庁の内部資料から、72年に260万件の記録を廃棄したことが確認され、理由や経緯は不明という。社保庁は「永年保存すべき文書ではなく、法令違反には当たらない」としている。
(2008年9月15日03時13分 読売新聞)
今日はあまり時間がないので詳述は出来ないが、旧台帳に記録されている年金記録がすべてコンピュータ入力されているという社会保険庁の説明は説得力がない。なぜなら、サンプル調査さえ拒んでいるからである。廃棄されていない「旧台帳」が1167万件あると記事は伝えているが、廃棄した分が260万件だとすると、1427万件となり、これまで説明を受けてきた「1365万件」と帳尻が合わない。明日の夕方、社会保険庁・社会保険業務センターを呼んで確かめてみることにしたい。この旧台帳については、昨年から徹底的にマークして調べてきた。なぜ、今このような事実が判ったのか。解散・総選挙が近く、国会での議論が封印されている時にドサクサ紛れの発表にも思えるが、まずは経過説明を聞いてみたいと思う。

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