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先週、長いこと激しい反対運動と裁判闘争を重ねてきた熊本県の川辺川ダムについて蒲島郁夫知事が反対を表明したことで、「動き出したら止まらない公共事業」は大きな転換点を迎えた。もうひとつ、八ッ場(やんば)ダムが止まれば「日本が変わる」ことを示したシグナルになる。総額1兆円にも届きかねない大型公共事業は55年前に企画され、激烈な反対運動を巻き起こしながら「半世紀」のスパンで動いている公共事業である。今日は、シンポジウム「ダムに負けない村---八ッ場から地域の再生を考える」(東京大学弥生講堂に参加した。午後から開催されていたシンポジウムには、杉並区内の街頭演説(7カ所)のため参加出来なかったが、ようやく終了間際に駆けつけた。

八ッ場ダム事業こそ総事業費と関連事業費をあわせて9000億円という究極の無駄な事業である。そもそも、草津温泉上流の強酸性の水質は、飲用には適さない。このダムが計画された頃、「酸性なら中和すゃいいじゃないか」という自然征服思想そのものの発想で当時の建設省は草津温泉に中和工場を建設した。中和工場とは簡単で酸性の川に「石灰」を投下していって、水質を中性化するもの。しかし、中学校の理科(小学校だっけ)で習うように、酸性の水を石灰で中和するとドロドロの石灰生成物が出来るということを思い出そう。だから、この中和生成物(ヘドロ)を貯めておくダムが必要だと品木(しなき)ダムがつくられた。1963年(昭和38年)に中和工場が完成し、1965年(昭和40年)にはこの品木ダムが完成している。

品木ダムとは、この世のものとは思えない「エメラルドの湖」である。深さ40メートルのダム湖には中和生成物と土砂が溜まり、7〜8メートルの水深になってしまい、1985年(昭和60年)から石灰浚渫船を湖面に浮かべて一日60トンの中和生成物と土砂のヘドロを浚渫している。これを脱水・圧縮する工場が建設され、またダンプが横付けされて山に捨てにいくといことが営々と続けられている。

こうして無理やり中性化して吾妻川は魚の生息出来る環境になったというのが国土交通省の自慢である。しかし、そもそも何のために中和事業(年間10億円)が発案されたのかと言えば、八ッ場ダムを建設し「首都圏の水ガメ」とするためだった。ところが、この「利水」についてはまったく需要がなく、現在ではダム建設目的から外れている。このダムは「治水」のために50年かけてつくられようとしているが、実は防災上ダムの存在が水害をもたらす危険性が高いことが従来から指摘されている。

それでも、ダム事業は止まらない。小泉政権とは、こうした巨大公共事業に税金を垂れ流す自民党政権だったのである。それでいて、「改革」とはちゃんちゃらおかしい。私たち野党が中心となって政権交代を果たせば、「日本が変わる」という号砲として「八ッ場ダム事業」を中止する。もちろん、半世紀にわたって国策る翻弄されてきた地元住民の生活再建をしっかり補償していくモデルケースにしたいと思う。

次の新聞記事を読めば、巨大公共事業を止めることが解散・総選挙の焦点となりえることが判ってくる。

[朝日新聞]

国土交通省が熊本県相良村に計画していた川辺川ダム建設に蒲島郁夫知事が反対を表明したことは、次期総選挙にも波紋を投げかけそうだ。ダム反対を主張してきた野党は追い風にしようと選挙戦の争点に位置づけたいと意気込む。一方、ダム推進を掲げてきた自民党は、逆風になりかねないこの問題を避けたいのが本音だ。

 川辺川とその本流の球磨川が流れる熊本5区。選挙区内の15市町村のうち八代、人吉両市など12市町村が流域にある。自民現職の金子恭之氏(47)に、社民新顔で民主推薦の旧八代市長中島隆利氏(65)が挑む構図だ。

 知事がダム反対を表明した日の翌12日、中島氏は「民意が実る!」という見出しのビラを手に八代市内の街頭に立った。「これまでは大っぴらに反対を言いにくい雰囲気があった」という市町村にも出向いた。「知事に『ダム反対』を言わせた流域の民意を国政に反映できる政治家が必要だ」と強調する。

 社民党県連合の高嶋英俊幹事長も「知事の反対で、有権者もダム反対を言いやすい雰囲気になった」と歓迎。中島氏を推薦する民主党も「次期総選挙のマニフェストでは積極的にダム問題に踏み込む」(県連代表の松野信夫参院議員)と意気上がる。

 対する金子氏は現職の国土交通副大臣で、国の河川政策を代表する立場にある。知事がダムに頼らない治水を唱えたことについては「反対するわけではないが、本当に大丈夫か、検証の必要があるのではないか」と慎重に言葉を選びつつ、懸念を示した。

[引用終わり]

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