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官房長官に「企業参加の基金創設」を申し入れる
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2008年12月29日
国会も永田町も静まり返った29日の朝、衆議院議員会館に私たちは集まった。先週から要請していた河村官房長官に「基金創設構想」への協力と理解を求めるためだった。すでに総理官邸が「仕事納め」の後だったので、議員会館での会談となった。午前10時からの会談では、福島党首が「中途解約」や「雇止め」をされた非正規労働者を支援するために自治体が中心となって人員削減した企業にも拠出を求めて緊急雇用安定基金を創設することを提案した。すでに、大分キヤノンでの1100人削減問題でキヤノン幹部とも意見交換をしており、前向きの回答を得ている。もちろん、企業はキヤノンだけではないが大分をモデルケースとして全国に広げてはどうかという内容である。→関連
『キヤノンに『雇用安定基金』の創設を要請、検討へ』(保坂展人のどこどこ日記)
河村官房長官は「私の一存で即答は出来ないが、ひとつの考え方だ。こうした構想を県が打ち上げるのか、国がどう支援していけるのか検討してみる必要があると思う」と述べた。私が、大分県では解雇された非正規労働者の支援を訴えて高校生が街頭募金に立ったり、食糧や住居にと匿名の市民が100万円をカンパしたり、また「義援金」の窓口はないのかと問い合わせがあったり、市民や行政は一生懸命やっている。真面目に働いてきたのに雇用を切られた人たちはまさに被災者。企業も支援に加わるべきだと言うと、河村官房長官は「日本社会には大地震が起きるとみんなで助けあえるという助け合いの精神が美徳して残っている。そういう精神をこういうところへ持っていければ」と前向きの姿勢を示し、「大分県知事とも話してみます」とのことだった。
(2008年12月29日衆議院議員会館にて)
製造業で派遣・請負など非正規労働者が来春までに失業する厚生労働省の予測は、11月の3万人から8万5千人となった。この数は、さらに膨張する可能性が強く緊急の対策を年末年始返上で取り組まなければならない状況だ。政府は二次補正で、1500億円で都道府県に基金をつくり自治体での直接雇用や雇用対策にあてる。また、追加経済対策の2500億円「ふるさと雇用再生特別交付金」もあわせて、自治体の雇用対策を支援していく方向を打ち出しているが、実施までにはなお時間がかかる。
つい先頃までの好景気で巨大な内部留保を抱えている大企業が、1000人単位ですでに雇用を削減している結果、地域経済と雇用環境に大きな影響と負担をかけていることを見逃すわけにはいかない。経済界としても、製造業が一斉に派遣切り・非正規切りになだれをうって動き出した事態を放置をすると、社会不安が拡大し企業の社会的責任が強く問われることを認識すべきだ。
もちろん、企業が安易な大量解雇・削減をやめることが最優先だ。また、そのための非正規労働者の直接雇用への転換や、正社員化が必要である。しかし、一方では「あるべき」論だけではすまされない現実がある。現に雇用カットされた非正規労働者が仕事と住居を同時に奪われて困難な状況にあることをしっかり見なければならない。憲法25条に保障された非正規労働者の「生存権」を守るためにも、市民が民間企業が住居を提供したり、自治体や国が税を投入するだけでなく、雇用を削減した企業も、相応の社会的責任を果たすことが重要だと考える。
今日の申し入れが契機となって、新しいフレームをつくり一刻も早く就労・生活支援網が動き出すことを望んでいる。
→福島社民党首、雇用基金の創設要望=河村官房長官「検討の必要ある」
時事通信
→雇用基金創設求め官房長官に申し入れ(社民党@YOUTUBE)
[参考添付]
2008.12.29
内閣総理大臣 麻生太郎様
大分県知事 広瀬勝貞様
社会民主党 党首 福島みずほ 幹事長 重野安正
緊急雇用安定基金(仮称)創設の申し入れ
米国発の金融不安は世界規模の同時不況となり景気後退を引き起こしています。国内では連日、大量の派遣・期間工・請負社員切りが新聞やテレビ等で報道されているのを見ると心痛まことにたえません。このままでは社会不安を引き起こしつつあります。
大分県では仕事を失った派遣・期間工・請負社員に対する支援が広がって言います。大分市、杵築市等が臨時職員として募集したり公営住宅を提供したりしています。個人が100万円をカンパしたり、企業が仕事を失った派遣・期間工・請負社員を受け入れると表明したりしています。また、高校生が街頭でカンパ活動をするといった全県的な支援の申し出が相次いでいます。
しかし、この未曾有の景気後退が大幅な生産調整に伴う人員削減はとても対処療法では解決できません。政府や自治体が中核となって地震災害などと同様なスキームを立ち上げて現下の情勢に対応することが求められています。
なおかつ、12月22日、重野安正幹事長が諸江昭彦キヤノン株式会社本社専務取締役や飯塚守大分キヤノン株式会社取締役社長たちと面会したところ、請負会社等社員の名前や雇用保険に加入しているかどうかなどは労働省告示第37号によって知ってはいけない旨を滔々と説明された。手を差しのべたい気持ちはあるが手段がないと述べられた。我が党は地元自治体に緊急雇用安定基金(仮称)を創って、それに協力することを提案しましたところ、キヤノン側は応じる気持ちがあることを表明した。
従って、社民党は当面、よりきめ細かい対応をするために、大分県下において緊急雇用安定基金(仮称)の創設を提唱いたします。つきましては、下記の事項をすみやかに実施するよう要請いたします。
記
1,政府と大分県が率先して緊急雇用安定基金(仮称)を創設し生産減による人員削減をした企業を中心に、経済団体、自治体、国民、県民等と一丸となって浄財を集めるとともに、仕事を失った派遣・期間工・請負社員に対する①職業紹介、職業訓練、職業斡旋②住宅をはじめとする生活支援③当面の生活資金の貸与等を行うこと。
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