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昨日から、産経新聞社が新たに4件、岩手日報、河北新報、西日本新聞と、裁判所や中央省庁と共催した「官製イベント」で、バイト謝礼を支払って動員していた実態が次々と明らかになってきている。「裁判員制度」では産経新聞社と法務省が共催するイベントが、12月17日に和歌山市で行われ、99人のバイト代を支払ったサクラを集めていたことには、腹がたつ。なぜなら、「司法制度改革タウンミーティング」で大量動員が明らかになり、また「やらせ」が発覚したことを私が国会で追及したのが、12月13日の衆議院教育基本法特別委委員会だったからだ。法務大臣に注意を促し警告をしておいたにもかかわらず、99人のバイト・サクラを集めた会場で催しが行われていたというのだ。

各地方新聞社も報道機関として、「不適切だった」と謝罪しているが、認識が甘い。これは、「虚偽報道」の中でも質の悪い「自作自演の捏造報道」で「納豆」より始末が悪いということだ。この数日、調査を続けているが、「裁判員制度」はそう高い関心があるテーマではない。最高裁判所と各地方新聞が共催した各地でのイベントも、事業をとり行う新聞社の担当者は苦労していた。思ったように募集がはかどらないから、社員に呼びかけ、また知人・友人・関係団体に働きかける。つまり「頼んできて貰った」という動員組で相当数の座席を埋める。それでも足りないから、「バイト・サクラ」に手を出すという順番だ。そして、無理矢理に満席状態を作り出す。

すると、翌日の新聞に「裁判員制度全国フォーラム 400人の市民が参加 真剣なまなざし」などの見出しで記事が掲載されるというパターンが繰り返されてきた。本当は、応募した市民は200人で、130人が関係者動員で、70人がバイト・サクラであったとしたら、「400人の市民が参加」という記事は事実を反映していない。正確に報道するならば、「裁判員制度全国フォーラム、関心広がらず関係者動員・バイト含めて400人(本紙主催)」ということになるだろう。記事は、「事件」として告発され社会面に載るべき内容だ。

なぜなら、「400人の市民が座席を埋めた」と報道すれば、「裁判員制度の関心は高いな」という誤認識を拡散することになってしまう。しかも、地方紙にはシンポジウムの詳細が後日掲載されて、裁判所や各省庁が税金から出費する広告が掲載される。ただし、「国の機関」や「役所」と共催事業をすることに慣れきってしまい、現在の時点でも「サクラのどこが悪いのか」という認識が関係者のもとにあるのだろう。明日も、各地で官製イベントがある。報道機関として自社のイベントであっても、「出口調査」を行ってほしい。「誰に誘われたか」という動員組の割合、「謝礼はもらったか」との謝金の有無……これは、新聞にとって「報道とは何か」を問う危機的な事態であるとの認識を持って、地方新聞内から議論を始めてほしい。

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