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台風がすぎて、ようやく強い風がおさまって青空がひろがっている。今度の台風で、被害を受けたり、犠牲になった方々にお見舞いとお悔やみの気持ちを捧げたい。四国から上陸して日本列島をクシ刺しにするように進んだ台風だったが、私たち人間がつくりあげた社会も、大自然の力に対して「畏怖」することを忘れるなというメッセージを運んできたようにも感じた。

 来週15日、沖縄泡瀬干潟の埋め立て事業の中止を求める住民訴訟の控訴審判決が予定されている。この泡瀬干潟の埋め立て事業計画だが、八ッ場ダムほど大昔の計画ではないが1987年のバブル崩壊前の完全に時代遅れのものだ。事業は干潟を含む約187㌶を埋め立てホテルや人工砂浜などリゾート施設を誘致し、国と県による埋め立て予算に国と沖縄県で490億円、沖縄市の海浜開発で276億円ものカネがかかる大型開発事業だ。

 元社民党衆議院議員だった東門美津子市長が「開発に慎重」な姿勢を示しながら、「推進派」市長候補を破って06年に当選した。推進派が圧倒的多数を占める沖縄市議会に包囲された東門市長は、「1期工事」に限り事業規模を縮小して開発を容認する姿勢に転じた。たしかに埋め立てによる人工島の規模は縮小したが、干潟の生態系に与える影響は重大だ。
さらに首を傾げるのは、規模を縮小した「1期工事」の埋め立て地に何を建設し、どのような用途・目的で開発するのかが「未定」のままに工事着工へと走り出したことだ。

 昨年の11月、約600人の住民が原告となって、沖縄県と沖縄市を相手取って「事業予算の差し止め」を求めた訴訟で、那覇地裁は「公金の支出は違法」として住民側勝訴の判決を出した。画期的な判決だったが、県と市は控訴し、さらに判決などなかったかのように今年の1月に1期工事を強行着工した。海を浚渫したヘドロが干潟に投入される工事が始まったことは大きな衝撃を与えた。「司法判断を見守る」というのが最低限の対応だったにもかかわらず、「止まらない公共事業」は暴走を止めなかった。

 公共事業チェック議員の会でも2月に緊急現地視察を組んでいる。詳細なレポートを発表しているので御覧いただきたい。

公共事業チェック議員の会「沖縄・泡瀬干潟等視察報告書」上
公共事業チェック議員の会「沖縄・泡瀬干潟等視察報告書 」下

 政権交代後、前原沖縄・北方担当大臣が現地を視察して、「一期中断・二期中止」という方針を示した。そして、まもなく出る高裁判決に注目していきたい。


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