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政府・与党が総力をあげて死守しようとしている「道路特定財源」。その詳細な使い道をチェックしてみると次から次へと驚くべき事実が登場してくる。昨日、公共事業への国民動員運動として『未知普請』というムーブメントが道路官僚によって推進されていることを紹介し、そのひとつが道路特定財源から5億2600万円を支出したミュージカル『みちぶしん』『カントリーレンジャー』だったことを指摘した。そして、「楽しみの中に正論を忍び込ませる工夫」の一貫としてミュージカルを考案したことを国土交通省道路局国道・防災課専門企画官寺本博明氏が告白している論文も紹介しておいた。その工夫のひとつとして国土交通省近畿地方整備局管内の道路事務所が主催するイベントに登場する水陸両用車『未知普請号』について考えてみたい。

昨日の記者会見で紹介したせいか『未知普請号』を検索すると、次々とページが消されている。まだ、どうにか大阪国道事務所のHPに残っている(2月18日に消えてしまった)『未知普請号』御堂筋パレードだ。いつころから始まったのかは定かでないが、2003年の乗車体験アンケート記録が残っているから、昨日今日始まったイベントではないのだろう。これは財源はどこから出ているのだろうか。

国土交通省姫路河川国道事務所の平成16年1月30日 配布資料

国土交通省近畿地方整備局姫路河川国道事務所では、この度のシンポジウムを 後援するとともに、その場をお借りして、ご来場者の多くの皆様に「未知普請」という言葉とその意味を知っていただきたく、水陸両用車「未知普請号」の展示及び試乗会を開催するものです。

なお、水陸両用車「未知普請号」は、NPO法人大阪・水かいどう808より貸借します。この水陸両用車は昨年3月の「第3回世界水フォーラム」のPR車としても活躍し、昨年3月8日(土)~9日(日)の「世界こども水フォーラムinかこがわ」でも試乗会を行いました。

[引用終わり]

どうやら姫路河川国道事務所は、この『未知普請号』をレンタルしていることがわかった。昨日、国土交通省の担当官を呼んでこの財源について報告することを求めたので、週明けにも回答がくることと思う。河川と道路を自在に行き来する水陸両用車は、なるほど河川国道事務所のシンボリックな乗り物なのだろう。子どもたちの夢と歓声を乗せて、走り回る『未知普請号』が「楽しさの中に正論を忍ばせる」ツールとして企画されたのかのだろうか。道路予算か河川予算が、官の主催である以上は、どちらにせよ税金が投入されている。

いったい国土交通省の「道路事業の広報宣伝費」はいくら計上しているのか。冬柴大臣に聞いても「区分経理をしていないので……」と頼りない答弁。道路局の事務方に聞くと、「○○高速」「○○道路」の事業費の中にビルトインされていて「統合して計算するのは困難です」と言う。もちろん、国土交通省が「道路事業の広報・宣伝費」を把握していないなどという話は通らない。なぜなら、今年もまた
「つかみ金」の道路特定財源を握っている強みを生かしてプロパガンダを用意しているのは歴然としているからだ。

変幻自在の道路特定財源の使途は、まだまだ奥が深い。





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