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後の歴史家が、2009年6月11日に解散前の国会で与党多数で採決された「憲法審査会規定」が、折り返し点だった……と嘆くようなことになるのではないかと、私たちは深刻に危惧する。私は、衆議院議院運営委員会で今日の本会議採決に反対する意見表明を行い、本会議では辻元清美さんが反対討論を行った。ここは、彼女のブログから引用することにする。

[つじともWEBより]

憲法審査会規定、衆議院を通過

本日6月11日、衆議院本会議で憲法審査会規定の制定の反対討論を行った。相変わらず汚いヤジがとびかうなかでの採決。

今日に先立つ6月9日、私は衆議院運営委員会で発言者となり、憲法調査特別委員会の各党関係者のひとりとして「あやまちを繰り返すな」と指摘した。このときも感じたことだが、2年前の採決以上に、与党のなかから緊迫感が感じられない。この採決がどのような意味をもつのか、ピンときていない様子だった。自分が歴史のなかで果たす役割を自覚しない国会議員が多すぎる。私たちはいま時代の転換点にいることを、あらためてかみしめるべきだ。

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 社民党の辻元清美です。

私は、社会民主党・市民連合を代表して、衆議院憲法審査会規程の制定に反対の討論をいたします。

 本日、この本会議で採決を強行することは(ヤジ:強行してねえだろ!)、立法府として、2年前と「同じ過ち」を繰り返すことであり、これは、前回以上に愚かな行為であると、まず、申し上げなければなりません。

 みなさん、もうお忘れでしょうか。
2年前、国民投票法案の与党案が、この本会議場が騒然となる中で、強行採決されたときのことを、もう一度思い出していただきたいと思います。
当時、与党推薦の参考人で改憲推進の立場の方からも、「力任せに進めれば、この国が割れてしまう」と、非難の声が上がる中での採決でした。

 新聞でも「廃案にして出直せ」「時期も運びもむちゃくちゃだ」と批判されました。(ヤジ:朝日新聞だろ!)

当時の総理大臣は安倍晋三さんで、「私の内閣で憲法改正を成し遂げる」という発言を繰り返していました。それに対して、「憲法は国会案件であるのに、行政府の総理大臣が音頭を取るのは、三権分立の意味を理解しているのだろうか」という懸念の声が、与党側からも出る中での、強行採決ではなかったではないですか。

この経過は、賛成・反対の立場に関わりなく、憲政史上、「恥ずべき行為」であったということを、皆さんに、思い返していただきたい。

このような政府・与党の強引なやり方に対して、国民は参議院選挙で、ノーを突きつけたのではないですか。(ヤジ:年金だ!)

 憲法という最高法規を論ずるにあたって、もっとも大切なことは、「主権者たる国民の民意」と「議会内のコンセンサス」です。これが、立憲主義の国の、国際的な常識です。

 憲法は今の与党の「私物」ではありません。衆参両院での調整もなく、さらに、衆議院の任期が残り3ヶ月という時期に、憲法審査会規程の制定を強行する必要性は、どこにあるのでしょうか。

 まさか、「政権交代の前に既成事実を作ってしまえ」という意図ではないと信じたいところですが。そのような「浅はかな行為」ととられても仕方がないと申し上げなければならないのは、情けない限りです。みなさんいかがでしょうか。

何をそんなに急いでいるのでしょうか?先ほど自民党の登壇者から、憲法を論ずるにあたって大切なのは、与党の度量と野党の良識だという発言が紹介されました。

本日、与党だけで採決する、それに突っ走ろうとすることが、与党の度量ですか。与党のあせりではないですか、みなさん。(ヤジ:野党の良識はどこいった!)

堂々とやりましょうよ。

 最後に「立法府の良識をとりもどそう」と呼びかけて、私の反対討論を終わります。

[引用終了]

そして、起立採決となる。この時期に「憲法審査会規定」をつくるのは、明らかに「野党分断」の狙いでしかない。それにしても、どんよりとした雨雲の下で憲法を論じるにしては、あまりにも軽い与党側の提案にげんなりしつつも、怒りを感じる。


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