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まもなく、阿佐ヶ谷ロフトAでトークライブを行なう。「かんぽの宿と郵政民営化」がテーマで、国民新党の長谷川憲正参議院議員と議論する。お互い昨年の末から、社民党と国民新党の意見交換会の窓口を務め、それぞれの党の副幹事長でもある。この1月から、情報交換を重ねて民主党も含めた「かんぽの宿疑惑追及プロジェクト」を結成し、日本郵政からのヒアリングを重ねた。「郵政民営化は改革の本丸」で誰も出来なかったことで、素晴らしいと自画自賛する小泉劇場のイメージコントロールもすっかり薄まった今、私たちは冷静に議論を開始したいと思っている。

小泉・竹中ラインによる「郵政民営化」で、郵政公社は4分社化された。制度も組織も変更されたからこそ、今回の「かんぽの宿等一括譲渡問題」が出てきた。日本郵政は、株式会社とはいえ、国が100%の株式を持つ特殊会社だ。ところが、西川社長以下、この譲渡契約に関わった経営陣は、総務大臣の監督下にある「特殊会社」であるということをほとんど意識しなかったか、意図的に無視して大胆不敵な譲渡手続きを進めた。

本来なら持株会社である日本郵政が、土地や建物、あるいは事業を売却・譲渡する時には総務大臣に届け出た「規定」に従って手続きを進めなければならない。ところが、規定が定めて得る契約手続きは「一般競争入札」「指名競争入札」「随意契約」の三種類しかないのだ。このどれでやったのかと予算委員会で西川社長に問うと「競争入札と企画コンペの混合型だ」(09年2月6日衆議院予算委員会)と苦しい答弁をした。百歩譲って「混合型」でやるというのなら、総務大臣に届け出て「規定」に加えればよかったのだ。

今回の「かんぽの宿等一括譲渡契約」が競争入札で公正に行なわれたという日本郵政の主張は、完全に破綻した。競争入札と言えば、官庁の世界では100%一般競争入札のことを指す。「日本郵政は民間会社なんですから」と竹中元大臣などは言いそうだが、それならなぜ、日本郵政の規定に「随意契約」という文字が刻まれているのか。名前は株式会社でも、株式のすべてを国が保有しているから官公庁に準じた特殊会社として「随意契約」という表現が残り、会計検査院の検査対象となり、官製談合防止法の適用機関となるのである。日本郵政の契約は「一般競争入札」「指名競争入札」ではなく、「随意契約」そのものだったのだ。

売却・譲渡が遅れると国民負担になる。赤字が毎年40億出ているから、今すぐに譲渡しないと国民の損失になるという理屈もおかしい。譲渡・売却益は、かんぽ生命に還元していくわけではなく、配当などは一切ない。総務省が再鑑定を行なっていて、月末にも結果が出てくると思うが、そもそも185億円とした簿価が安すぎるのである。「かんぽの宿は不良債権だ」というのが竹中元大臣の言い分だが、7500坪の世田谷レクセンターや9カ所の社宅、埼玉副都心のラフレさいたまなど優良物件を「オマケ」としてつけているあたりが、まったく理屈にあわない。

この続きはトークライブで話をするが、かんぽの宿疑惑は「郵政民営化」全体を鋭く問うものとして私たちの前にある。


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