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本日、与党はガソリン税等にかかる暫定税率を衆議院で「再議決」を強行した。
しかも、参議院に送付されていた地方税3法案、国税2法案がいずれも審議中であるのに「60日間」を経過したことをもって「参議院が否決したとみなす動議」を提出して議決してしまったのは、昭和27年・1952年以来、なんと56年ぶりのことで、吉田内閣の時代にまでさかのぼる。この年の通常国会は、4度延長した上に、なお1日を大乱闘の下で延長し、怒号の中で「再議決」するというものだった。憲法に規定があるのは間違いないが、あの自民・自由・公明連立政権時代(この時も、衆議院の与党議席は3分の2を超えていたが、参議院も与党多数であった)に盗聴法から国旗国歌法、住民基本台帳法と次々と土石流のように通過させた99年通常国会や、17回の強行採決を繰り返した安倍政権下の昨年の通常国会。この「強行体質」が参議院が逆転した後もなお続いていることに注目してほしい。

ガソリンはただちに原油値上がり分もあわせてこれまでの最高値を上回る160円に近い大幅値上げとなる。道路特定財源を使って湯水のような税金を使ってつくられてきた「世界一高い日本の道路予算」にメスを入れることなく、族議員の意のままに「3分の2再議決」をふりまわす福田内閣と自民・公明連立政権は「既得権維持」のための暴走を始めた。これまで与党の追及や調査で明らかになった「道路利権」などほとんどない。

 保守の牙城であった山口2区の衆議院補欠選挙で平岡秀夫候補(民主公認・社民推薦)が勝利したのは、福田内閣が「道路」の無駄遣いを放置しながら、「年金」の記録整理を中途半端にしか出来ないのに、「後期高齢者医療制度」で年金からの天引きを始めたことへの怒りの表明だった。与党は、この民意には背を向けて過去の「郵政選挙」で得た「3分の2」をふりかざす。これこそ、権力の濫用ではなくて何なのか。

衆議院「3分の2」を使った再議決は、インド洋給油再開のために1月に行ってから2回目である。早くも5月12日には、「道路特定財源の一般財源化」とは正反対の「道路整備特別会計」の骨格を固めるための「再議決」を与党は予定している。 福田内閣は、この先何度でも「3分の2再議決」をためらわずに強行採決を続けようとしている。一度手を染めたら、二度三度と抵抗がなくなる「再議決」の暴挙を繰り返せば繰り返すほどに、「自民・公明」には政権を降りてもらいたいという民意が拡がる。去年の参議院選挙の自民大敗は、直接的には「年金記録問題」と言われているが、底流にあったのは安倍政権の「強行採決中毒症」に対しての嫌悪感だった。

「小泉に騙されて自民党を勝たせすぎた。強行採決ってのはいけないね。自民党が増えすぎたのは困ったもんだ」という自民党支持者の商店主の声を昨年の夏の選挙では鮮明に聞いた。最後は、選挙で決着をつけるしかない。

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