昨日も昼から4時過ぎまで街頭演説、そして今朝もまた朝の街頭演説を続けていると、折からの強風にあおられて「花粉襲来」の密度が濃くなっていたらしく、目がムズかゆく、鼻もグズグズいっている。ご親切に鼻を洗う治療法の御案内も読者からいただいたので、試してみようと思うが、これからしばらく辛い季節が続く。さて、私の予算委員会の「かんぽの宿・郵政民営化」の調査検証をめぐる追及は、日本郵政が巨大な不動産事業を始めていることに焦点を当てて問うたものだった。今日のニュースを見ると、先週から東京中央郵便局を大半取り壊して38階建てのJPタワーを建設することに疑問を呈していた鳩山邦夫総務大臣が、現場の視察を行ったという。すでに、一部では建物の取り壊しが始まっている様子だが、どうやら鳩山総務大臣は二度目の「待った」をかけたようだ。「かんぽの宿」と違って、郵政民営化の後に「不動産資産」を中核的な収益事業に位置づけようとしている日本郵政グループ・郵便局会社にとって、その中枢神経にメスが入るような衝撃をもたらしている。
鳩山総務相「利益追求で国の恥」 東京中央郵便局取り壊しで
鳩山邦夫総務相は2日午前、日本郵政が再開発計画で東京中央郵便局(東京都千代田区)の取り壊しに着手したことについて「利益追求主義で文化を壊していいのか、世論に問いたい。国の恥で国辱ものだ」と述べ、日本郵政を厳しく批判した。工事現場を視察した後、記者団に語った。
同時に「河村建夫官房長官や塩谷立文部科学相も保存したいと言っており、3人の間で方針はできている」として、政府で対応を協議する考えを重ねて表明。河村氏は午前の記者会見で「建設当時の日本の象徴的な建築物だ。残せるものなら(残したい)。重要文化財的な価値があると聞いている」と指摘した。
建て替えに関して総務相に権限はないが、重要文化財としての価値があるとの指摘に配慮しているとみられる。
JR東京駅前にある同郵便局は1931年に完成。当時のモダニズム建築の代表例として保存を求める声が上がっていたが、日本郵政は老朽化などを理由に高さ約200メートルの高層ビルに建て替える計画を策定。2011年の完成を目指している。
[47ニュース・共同通信]
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総務相、建て直し異議の郵便局を視察(TBSニュース)
私の予感では、「かんぽの宿」の問題が一段落したかに見えているのは束の間で、「逆郵政政局」が近づいているように思う。なぜなら、「改革の本丸」と位置づけた郵政民営化の既成事実の積み上げの中で、日本郵政の公有地再開発の不動産事業は、重点的に戦略化された事業だからだ。「郵政民営化の本丸」のひとつが駅前の超一等地の再開発事業である。国鉄と異なり、黒字事業だった郵政を民営化するにあたって、何の議論もなく2兆7千億円の不動産資産が郵政各社に転がり込む。その土地を使って、「民間会社」として何でも出来るというのが民営化のうまみである。鳩山総務大臣の「2回目の待った」は、この不動産事業戦略の起点である東京中央郵便局の再開発計画(JPタワー)を直撃する。
民営化推進派は黙っていないだろう。そして、明後日には小泉元総理が「欠席」を表明している「定額給付金」の再可決がある。私が、「逆郵政政局」と呼ぶのは、「改革」「改革」という呪文が効力を失い、「国民共有の財産を特定企業に横流し」という「改革利権」の究明と、誰のための何のための改革なのかを徹底して明らかにする必要があるからだ。小泉自民党は、3年半前、鮮やかに勝ちすぎた。まさに圧勝した勢いであらゆる議論を封じ込めたかに見える「郵政民営化の検証」が冷静になされ、国民・有権者が客観的に評価を下すことが出来るようにしていきたい。因果応報、行き過ぎた結果は必ず歴史の教訓となり、社会はまたひとつ賢くなる……という具合に解散総選挙の「争点設定」をしていきたい。
(参考)こちらの記事も参照ください
「かんぽの宿や社宅の叩き売り」と「駅前巨大開発事業」の落差 (どこどこ日記09年2月26日)

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