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先刻、「かんぽの宿疑惑」についての3回目の予算委員会質疑を行った。1回目こそ30分の時間が取れたが、続く2回は15分ずつだった。他に準備していた「道路問題」「雇用保険」などいくつものテーマを先送りにしながら、この問題に取り組んだのは、解散・総選挙を前に「郵政民営化」という「改革の本丸」(小泉元総理)で何が起きていたのかを検証することは、4年前の「9・11選挙」を本気で検証し客観的な評価をしていく上でたいへんに重要だと判断したからだ。昨日、予算委員会をはじめとして、この問題を扱った議事録を取り寄せてみたら、総務委員会、財政金融委員会などで相当のボリュームとなった。

私は日本郵政が標榜していた「競争入札」の内容を徹底検証することから作業を開始した。社民党と国民新党の合同ヒアリング、民主党・社民党・国民新党の3党で形成する「『かんぽの宿』疑惑追及チーム」の結成と、「鳩山大臣の独り舞台」とさせずに野党が結束して「民営化利権」の背景を追及する構図をつくることに力を注いだ。「適正な競争入札だった」という大新聞の思い込みはやがて転換し、日本郵政と竹中元大臣の言い分のみに偏っていたメディアも、一部を除いて「疑惑は解明を」という論調に変化してきた。

各党の論客がそれぞれの得意分野で走り出したこともあって、郵政公社時代に行われたバルク叩き売り問題からも、次々と疑惑が浮上した。誰がどのような形で売り急いだのか検証が必要だし、今回のオリックス不動産への譲渡手続きと共に共通の人脈図が浮き彫りになってくるのではないか。

今日の予算委員会で取りあげたのは、西川善文社長自らのイニシアティブで日本郵政がCRE(コーポレート・リアル・エステート)部門を民営化と共に発足させて、総額2兆7千億円の不動産資産の積極的、戦略的な「再開発・活用」を掲げていることと、今回明らかになった「叩き売り」との落差についてだ。

(引用開始)

日本郵政 全国の不動産活用へ「CRE部門」設置 年度末めどに方針
(20071009建設工業)

 郵政民営化で1日に発足した日本郵政グループは、本年度末をめどに、郵便局、病院、宿舎、社宅、研修施設といった保有不動産の活用方針をまとめる。全国にある膨大な不動産について、建て替え、売却、運用などあらゆる方法を視野に、具体的な活用策を検討する。日本郵政グループは、持ち株会社の「日本郵政」と、「郵便事業」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」「郵便局」の4事業会社で構成。日本郵政に不動産事業を進める「コーポレート・リアル・エステート(CRE)部門」を設け、各社の不動産活用を統括するセクションとした。

 日本郵政は、簡易保険保養センター(かんぽの宿)やメルパルクなどの宿泊・保養施設すべてを民営化から5年以内に売却・廃止する方針を決めているが、老朽化した郵便局庁舎については、建て替え計画が進む東京と大阪の両中央郵便局以外は活用方針が明らかになっていない。ほかにも病院、社宅、研修施設といった不動産が全国各地にあり、いずれも今後、具体的な活用方針が検討されることになる。CRE部門では、郵便局の施設について、広いスペースが必要な郵便物の集配拠点機能は、必ずしも駅前の一等地などにある必要はないとみており、集配拠点機能を別の場所に移した上で、建物や土地をさまざまな用途に有効活用することを検討する考えだ。

(引用終了)

この間、「かんぽの宿」等の叩き売り情報でげんなりしていた人も多いと思うが、その日本郵政が考えていることは「不動産資産」への無関心とは真逆の「積極的な活用と大胆な再開発」なのである。

「われわれはたぶん日本で最初にCRE部門を称したグループです。民営化前に流動化資産の売約や活用はどういうやり方をしていたかと言うと、郵便・貯金・保険という郵政3時業が全体を決定していました。それを施設全体のとりまとめで,設計、管財、維持管理をやっていました。
それが民営化後にどう変わったか。CRE部をつくりました。西川善文ガCRE部をつくろうということでつくったのですが、その結果、意思決定をホールディングカンパニーのほうに全部まとめよう。結果として各事業会社はここの戦略に基づいて自分たちの資産をいじりましょうということです」
(『不動産経済』85号 「JP日本郵政グループが目指すCRE戦略」日本郵政CRE部門不動産企画部次長 斎藤隆司)

ということだそうだ。不動産資産にはひときわ敏感になり、郵貯資金をつぎ込んでも、次々と駅前大型開発を展開するだけでなく、マンション分譲・賃貸の建設も積極的にやっていくというのがグループ全体の意志だということが判ってくる。ならば、なぜ「叩き売り」「一括譲渡」を急いだのか。過去・現在・未来を貫いている哲学と理念が存在するのかどうか。札幌、東京、名古屋、大阪、福岡ですでに駅前の一等地の再開発が動き出している。郵便局会社が中核になって、年々赤字を増やしていくことが予想される「郵便配達」の赤字補てんの柱が「不動産収益事業」だとしている。

「かんぽの宿」は出直すことが出来るが、これらの巨大開発は失敗したらとんでもないことになる。今回の一括譲渡問題で明らかになった実に頼りなく不透明な契約手続きからは、おいおい大丈夫なのかと心から不安になる。不動産景況を見誤ったために空き室だらけの高層ビルを建てました。収益はほとんどないから、ゼロ評価で早く民間に売ってしまいましょうということになれば、「郵便」は支えを失うという構図だ。

いよいよ明日は、衆議院を予算案が通過する予定。民主党は無抵抗で「麻生内閣温存作戦」のようだが、野党が解散・総選挙に攻めなくてどうすると思うが、すでに自民党との間で合意済のようだ。かんぽの宿売却問題の追及も、来週から舞台は参議院に移ることになる。


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