線香花火(手花火)は、過去のさまざまな事柄を思い出させてくれる。走馬燈の如しだ。
また、線香花火の頼りなさは、現在進行中の現実をも見せてくれているようにも思えてならない。
「そんなマイナス思考でどうすのか!」との苦言もあるが、楽観視していいほど明日は確実なのか。
人の心だって移ろい易い。
最初の小さな嘘や一歩が、ささやかな個人関係を毀損するばかりか、破壊をも起こしかねない。
知らぬは本人ばかりなり。
さよう、この世は危うさに囲まれている。
手花火の烟に泪おのづから ひよどり 一平
(てはなびのけむりになみだおのずから)