hiyamizu's blog

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深町秋生『果てしなき渇き』を読む

2016年08月05日 | 読書2

 

深町秋生著『果てしなき渇き 上下(新装版)』(宝島文庫Cふ-1-3&4、2010年12月18日発行)を読んだ。

 

上巻の裏表紙にはこうある。

第3回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、スマッシュ・ヒットとなった本作が新装版になって登場! 部屋に麻薬のカケラを残し失綜した加奈子。その行方を追う元刑事で父親の藤島。一方、三年前。級友からひどいイジメにあっていた尚人は、唯一自分を助けてくれた加奈子に恋心を抱くようになるが…。現在と過去の物語が交錯し、少しずつ浮かび上がる加奈子という少女の輪郭。彼女は果たして天使なのか悪魔なのか。

 

下巻の裏表紙にはこうある。

尚人は加奈子に会いたいがため、皆が恐れる不良グループ“アポカリプス”のパーティに参加することになる。一方、娘の捜索を続ける藤島は、加奈子がある大きな組織に追われていることを知る。探れば探るほどに深くなる彼女の闇。加奈子に狂わされた男たちの運命は。そして待ち受ける驚愕の結末とは。全選考委員が圧倒された『このミス』大賞受賞作品。読む者の心を震わせる暗き情念の問題作が、新装版になって登場。

 

”渇き”という題名で、役所広司主演で、映画化

 

初出:2005年1月単行本刊行、2007年6月文庫化後、新装版化。

 

深町 秋生 (ふかまち あきお) プロフィール 
1975年、山形県生まれ。専修大学経済学部卒業。

2005年『果てしなき渇き』(「このミステリーがすごい!」大賞受賞)でデビュー

他に『ヒステリック・サバイバー』『東京デッドクルージング』『ダブル』。

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

バイオレンスハードボイルドとはいえ、やたら暴力を振るう、人は殺すは、麻薬はやるはでは、娘を探すどころではないだろう。徐々に果てしない闇に落ちて行くのを“ドライブ感”だとは私は感じなかった。

良質のバイオレンスに感じる爽快感がなく、暗い。

 

加奈子は直接登場しないで、他人に多面的に語らせるので、確かに得体のしれない闇ではあるが、私には魅力ある存在とは思えなかった。

 

ゴシック体(?)で藤島を主人公とする話が書かれ、間に明朝体(?)でいじめられっ子の語りが挿入される。この構成は著者には便利だろうが、読者である私には流れが断ち切られて読みにくかった。

 

それでも、落ちて行く藤島と、一体なぜこんな行為をと疑問が湧く加奈子の不思議にひっぱれれて、最後まで読んでしまった。

 

藤島秋弘(ふじしま・あきひろ) 主人公。かつて大宮署の刑事(係長)。現在は警備員。

藤島加奈子(ふじしま・かなこ) 高校3年生。秋弘と桐子の娘。成績優秀で美人。行方不明となる。

藤島桐子(ふじしま・きりこ)秋弘の元妻。美人。

浅井(あさい)大宮署の刑事。公安部出身で藤島の刑事時代の後輩。

松下恵美(まつした・えみ)加奈子の高校時代の友人。

長野智子(ながの・ともこ)加奈子の高校時代の友人。

瀬岡尚人(せおか・なおと)加奈子の中学の同級生。元野球部員のいじめられっ子。加奈子によって助けられる。

緒方誠一(おがた・せいいち)加奈子の中学の同級生。自殺をする。

棟方泰博(むなかた・やすひろ)加奈子の中学の同級生。不良少年グループ「アポカリプス」のリーダー。

遠藤那美(えんどう・なみ)加奈子の中学の同級生。「アポカリプス」に所属する不良少女。

島津(しまづ)加奈子の中学の同級生。瀬岡をいじめるグループのリーダー格。

辻村(つじむら)加奈子を診療していた精神科医。

咲山(さきやま)暴力団「石丸組」の若頭。

趙義哲(ちょう・よしのり)パチンコ屋などを経営する実業家。

東里恵(あずま・りえ)加奈子の中学生時代の担任教師。

 

 

 

 

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