hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

宮下奈都『はじめからその話をすればよかった』を読む

2014年01月08日 | 読書2

宮下奈都著『はじめからその話をすればよかった』(2013年10月実業之日本社発行)を読んだ。

著者初のエッセイ集と言っても、エッセイ43編と、掌編小説4編、気に入った本について27、自書の解説10、人様の本の解説6からなる。
「日々つれづれ」と題するエッセイは、三人の子供たちとの出来事、旦那さんとの出会い、故郷福井についての話題が多い。創作をめぐる苦労話もある。

冒頭の「ひよこ豆、おはじき、蝉の抜け殻」は本当にあったの? 小さな兄と弟、そして赤ん坊の娘と出かけ、路地で拾ってきた題名の物がなくなったと息子たちが騒ぐ。その晩、娘がお腹を下した。おむつの中には、題名の3つがあった。

表紙の写真と、中の口絵がまったく同じなのはなぜ? 口絵は写真が透明な紙で、下の別紙の題字が透けて見えるようになっているから? それだけ?



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

なんという事ないと言えば言える内容だが、宮下さんの小説をいくつか読んだ人なら興味を持って読むかも。旦那さんとの出会いにも触れている。なにしろ初のエッセイ集だ。
3人の子育てをして、地に足が付いた生活からのエッセイだから、とくに感心することも、びっくりすることもない。しかし、地元の福井に住んでいたと思ったら、北海道へ移ったという。しかも、辺鄙そう。なぜ?

いまだかって私の本がすごく売れたという事実はないが、たまにぴょんと売れることがある。・・・ただ、気になるのは、その本がなぜ売れたのかよくわからない点だ。・・・
問題なのはその逆の場合だ。要するに、こんなにいい小説なのになぜ売れないのか、と作者が思っている場合である。・・・
「窓の向こうのガーシュウィン」は、さいわいなことに、少数の人には愛された。・・・でも、売れなかった。・・・ああ、私はこの物語を愛している。

ここまで言われたら、読んでみるしかないでしょう。



宮下奈都(みやした・なつ)
1967年福井県生れ。 上智大学文学部哲学科卒。
2004年、「静かな雨」が文學界新人賞佳作に入選、デビュー。
2007年『スコーレNo.4
その他、『遠くの声に耳を澄ませて』『よろこびの歌』『太陽のパスタ、豆のスープ』『田舎の紳士服店のモデルの妻』『 誰かが足りない』、『メロディ・フェア』。
参考「作家の読書道


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