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今里の蛇巻き&鍵の蛇巻き

2019-06-03 | 日記
一昨年のウオーキングで田原本町の行事「今里の蛇巻き」と「鍵の蛇巻き」(じゃまき)を知った。藁の蛇が樹に巻きついていたのである。龍ではなく蛇というのが面白い。(無形の文化財に指定されているらしい。)その時からその行事を見たいと思っていたのだが、6月の第1日曜日がその日で、今年は昨日であった。共に5月5日の端午の節句にちなむ行事らしく、主役は12~15歳の男の子だそうだ。
   鍵の蛇巻き(下り蛇)→   ←今里の蛇巻き(昇り蛇)

  6月2日(日)
午後1時過ぎに今里の杵築神社に着くと、中学生を含む大人の方達が集まって藁の蛇作りを始められるところであった。社殿から伸びた綱を撚って裸麦の藁の束をひっかけ、掛け声をかけながら編み上げて行かれる。一方、女性の方達は一ケ所に集まって煮炊き料理を担当されるそうだ。後水尾天皇時代から400年以上も伝え続けられてきた村総出の野神行事であるらしい。写真もOKして下さった。
        (画像はクリックすると拡大する)

蛇が出来上がるまで時間があるので鍵の八坂神社に回った。2つの神社は徒歩5分余りの距離に在る。
こちらでは午前中に作られた蛇が完成していた。神主様の祝詞奏上とお祓いと塩でお清めの作法が済むと、可愛い幼児さんまで参加して村の中を練り歩かれる。
          
  
300kgの大きな稲藁の塊が蛇の頭で、17歳の男の子と当屋さんが担ぎ、後ろに続く蛇綱を他の男の子達が引っ張っての、皆で元気よく大きな声で「おめでとう!」と言って歩かれる。
すると村で結婚式があったり、赤ちゃんが生まれたり、家の普請等お祝い事のあった家からご祝儀が出て、先導する2人の子供が担ぐ長い竹竿に括り付けた箱に入れられるそうだ。
子どもの頃の経験を聞かせて下さったお年寄りが居て「昔、わしらの頃はナ、コレと言って遊びもなかった時代やし、お祝儀を分けてもらったお金で映画館に行くのが楽しみやったんや。」と懐かしそうに話された。
               

途中で小雨が降り出してきたが、蛇行列の人も見物人も雨どころではなく行事の進行に一生懸命で力が入る。カメラ片手に私もその一人だった!(笑)
蛇が保存場所(北中学校前の空き地)の大樹に無事『下り蛇』として巻き収められる迄どうか大雨にならない様に、と心の中で祈りながら先ほどの今里に戻った。


午後2時40分、杵築神社の境内では立派な長い18mの蛇がほぼ完成真近であった。作り手の皆さんはやや疲れた表情ながらも完成を目の前にした安堵感が入り混じったお顔で、「もう少しや頑張って!」とお互いを励まし合っておられた。最後に女竹16本が配置されると、立派な蛇の出来上がり!その瞬間には外者の私も思わず拍手した。
          

社殿の中での行事が済む頃、境内で蛇の出発を待っている参拝者にも藁の先に結わえた「わかめの味噌煮」をおすそ分けして下さって、有難く頂いた。かつて味わったことのない食べ物で、美味しかった。食べるのに全神経が集中し、蛇の頭にお神酒が一升瓶でトクトクと注がれる瞬間をカメラに収めるタイミングを逃してしまった。まだまだ食い意地を張っている自分に苦笑。
      
  
いざ蛇の出発となって、皆んな一斉に動き出した。100軒もあるすべてのお家の玄関で「おめでとう!」と大きな声で言って廻られるそうだ。時々立ち止まっては2・3人をぐるぐる巻きにする。(蛇が暴れるのだそうだ。)ぐるぐる巻きにされた子供には福が来ると言われているので、もがき乍らニコニコして立ち上がり再び蛇を担ぐという具合。それは巻かれた子供も見物人も  歓声をあげて喜ぶ瞬間であった。

      
                      

最後まで追っかけするには時間的にムリがあったので、再び鍵に行って、収納されたはずの蛇の姿を見に行った。どっしりと頭を地に着けた蛇は雨風に打たれながら来年までお役目を果たすわけで、何だか神々しく見えた。。。。。


今日(6月3日)改めて、今里の杵築神社のエゴノ木に巻きつけられた『昇り蛇』を見たく、物好きだと彼に笑われながら、一人で出かけた。(笑)
さすが18mの蛇は大木に胴と尾を巻き付け木の股に蛇頭を今年の恵方、東北東に乗せ、勇ましい姿で天に向かっていた。
そして樹の根元にある小さな祠「八大竜王」さんには昨日祀られた絵馬と農機具のミニチュア作品がそのまま収まっていた。
こちらの行事には、男の子の成人を祝う節句行事であると共に田植え時には雨が降り五穀豊穣の年になるようにとの祈願も込められているとか。
             立派な昇り蛇を見ていると昨日の今里の皆さんの笑顔と頑張りを思い出し、きっときっと実り多い年になるような気がした。。。。。。。















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