HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

Cちゃんがんばってるね。

2017年03月21日 | レッスン日記(小中高生)
Cちゃん(年中):
毎週 かならず弾く「お気に入り曲」、ここ3週間くらいは「いとまき」です。
「いとまきまき、いとまきまき、ひっぱってとんとんとん」というこの歌、8分音符の連続でメロディーを弾くのが難しく、いちばん最初に習った頃は とても苦戦していました。
特に難しいのは「まきまき」のところで、「ソミドミ」と弾くのが難しく、どうしても「ファ」や「レ」の指までつられて音が出てしまいます。
Cちゃんは「ファ」や「レ」の音が出てしまわないように、レッスンの時も左手でファとレの指を押さえて、何度も「ソミドミ」を練習していたんですよ。
この努力、すごいよね?!
それでも8分音符のスリルは楽しく、毎週「いとまきひく!」といって 最初に弾いています。
そのうち練習の甲斐あって、「ソミドミ」が確実に弾けるようになりました。
カスタネットで「タタタタ」と八分音符をたたくのもお気に入りです。

今日もいつものように「いとまきひく!」と言って弾き始めたのですが、いつもちゃんと見ながら弾いていた楽譜を見ていません。
楽譜を見ないので、次に何の音を弾くんだったか思い出せなかったり、まちがった音を弾いてしまったりします。
いつもちゃんと楽譜を見ているのになあ・・・と思いながら、Cちゃんが迷っている音を
「ファーミ・・・」とか歌って手助けしようとすると、
「あっ、言わないで!」と手で制止し、自分で一生懸命に思い出して弾こうとしています。
そのうち何と、片手で目を押さえて、楽譜が見えないようにして弾こうとしているのです。
そうか・・・
難しかった「いとまき」が がんばって弾けるようになったから、今度はCちゃん、自分でハードル上げたんだ。
「楽譜を見ないで弾けるようにする」っていう、新たなハードルを設定したんだね。
苦労しながら音符を思い出し、Cちゃんは楽譜を見ないで最後まで「いとまき」を弾きました。

難しいテクニックに取り組むということ、ともすれば「楽しくないこと」「子どもは嫌がること」と大人は考えがちですが、そんなことはありません。
子どもたちは、「難しいことを克服したい」「ひとつ克服したら、さらに上のレベルに挑戦したい」という気持ちを持っているものです。
たとえば、三輪車から補助付き自転車へ、そして補助輪を外して乗れるようになったら、今度はもっと大きいサイズの自転車へ、とバージョンアップするのと同じように。
「できなかった所が弾けるようになった」「今度はもっと速く弾けるようになりたい」などと 自らはっきりとした憧れや目標を持った時、子どもたちは 時として驚くような粘り強さや努力を見せてくれます。
そんな彼らの 小さな、だけど純粋な喜びや達成感を、私たち指導者も、一緒に味わい、フォローしていきたいなあと思っています。

「ラの音(440hz)」の神秘

2017年03月21日 | 音楽のツボ
S子ちゃん(小3):
新しく「バーナム」をやり始めたS子ちゃんに、今日は英語の音名について説明しました。
「ドレミファソ、っていうのは何語だか知ってる?」
「イタリア語」
「そう!よく知ってるね。そして、その他に英語の言い方もあるの。真ん中の、この『ド』の音、これは『Cの音』っていう名前なの。」
「C...」
「そう、なぜなら、ここが『A』だから。」
先生はドより2つ下の音を押さえます。
「ラの音?」
「そう、ここがAなの。だから、隣のシの音がB。で、ドの音はC。」
そして、ドの音から順々に押さえながら アルファベットを言っていきます。
「C、D、E、次は?」
「F、G...」
S子ちゃんも一緒に声をそろえ始めます。
「F、G、...と来て、おおっと、Hはない。Gまで行ったら、またAに戻るの。ほら、さっきと同じラの音でしょ」
「ほんとだ!」
「で、その次はB、で、そしたらほら!次のドは?」
「あっ、またCになった!」
思いがけないパズルが解けたみたいに、S子ちゃんの顔がパッと輝きました。
「なんで『ド』がAじゃないんだろうね?」
という声は、たった今レッスン室に入ってきたHちゃん(小3)です。
S子ちゃんとクラスメートのHちゃんも仲間に入って、先生の説明に耳を傾け始めました。
「そうだね。ドが主役じゃなくてラが主役なんてね」
先生が答えます。
「この『ラ』の音はね、特別な音なの。だから『A』って、主役の名前なのかもしれないね。オーケストラの演奏をするとき、まず この『A』の音をオーボエの人が出して、ほかの人たちはみんなその音に、自分の楽器を合わせていくのよ」
「へ~」
S子ちゃんとHちゃんは感心して聞いています。
「それにね、赤ちゃんが生まれたとき、最初に『オギャー』って泣く声は、世界中どの子もみーんな、この『ラ』の音なんだって」
「え~っ!」
二人ともびっくりして、大声で叫びました。ラの音で!
「ほら、今、二人ともラの声だったじゃない。『え~っ』て」
先生はピアノの「ラ」の音を弾き、それに合わせて「え~っ」と、さっきの二人の声を再現しました。
二人ともまたまたびっくり。
だけど私もびっくりでした。
ラの音・・・専門的に言うと「440hz(ヘルツ)」という高さの音。
自然界に一番たくさん存在する高さと言われ、赤ちゃんの産声がみんなこの音だということは学会でも立証されているらしいけど、まさかS子ちゃんとHちゃんが思わず叫んだ声も、その『ラ』の音だなんて!
しかも二人そろって!
『ラの音』恐るべし。
440hzの神秘を、実際に目の当たりにすることがあろうとは 貴重な体験であった...