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【衆院選二〇一七】自民公明連立与党313議席獲得で圧勝,野党希望の党惨敗と立憲民主党躍進

2017-10-23 20:09:09 | 国際・政治
■連立与党,民意獲得と責任重大
 衆議院総選挙二〇一七、台風21号の影響で遅れていた開票が本日完了しました、連立与党圧勝です。

 衆議院総選挙二〇一七、衆議院総選挙は憲法上の衆議院の参議院に対する優越として総理大臣指名選挙を行う為、政権選挙となります。即ち、衆議院議員が首班指名選挙を行う事で内閣総理大臣が決定する民意表明の重要な選挙で、総理大臣は政府専用機含め自衛隊の最高指揮官を選ぶという選挙でもある。森友加計学園問題への追及を契機に安倍総理大臣により衆議院解散が決断された総選挙は、昨日日曜日に投票日を迎えました。

 台風21号、投票日当日は季節外れの超大型台風の直撃を受け、投票箱の一部が開票作業を開始できない等、紆余曲折がありましたが、安全保障問題と経済政策の重視を掲げた与党と、森友加計学園問題追及や安全保障関連法廃止と教育無償化改革に消費税増勢反対と花粉症全廃等様々な政策を提示した野党との全面対決となり、野党再編含め激論となります。

 自由民主党は284議席を獲得し解散前の284議席を維持しました。自民党は単独過半数を維持している他、当初劣勢と云われた森友加計学園問題を背景に奮戦したといえます。連立与党を組む公明党は29議席と解散前の34議席から5議席を失いました。しかし、獲得議席は連立与党で313議席と過半数233議席を大きく上回り、三分の二議席も越え、衆議院総選挙二〇一七から衆議院議員定数が10議席削減されまして自民党の284議席確保は、圧勝と云えるでしょう。

 北朝鮮の相次ぐ核実験と弾道ミサイル実験、中国による南西諸島への軍事圧力増大、フィリピンへ及んだイスラム過激派ISILの脅威等を背景に、野党はそれ以上に森友加計学園問題追及を重要視し国会での徹底追及を掲げた訳ですが、私見で森友加計学園問題追及はミクロ的問題であり、安全保障や経済政策等マクロ問題を有権者は求めたのかもしれません。

 希望の党は、今回の衆議院解散を受け元自民党で現東京都知事の小池百合子知事が立ち上げた新党です。東京都議選を圧勝した新党都民ファーストの会代表で、このまま国政へ勢いづく公算でしたが、党首衆院選不参加や野党連携の在り方から有権者全般からの不信を買い、特に希望の党が仮に単独過半数を獲得した場合、憲法上総理大臣は衆議院議員しか就任できず、小池都知事は資格がありません、適当な希望の党議員が議員辞職し補選を通じ小池党首が立候補し当選しなければ総理就任も不可能で、50議席と当初政権交代を意気込んでいたものの解散前の57議席を割り惨敗しました。

 立憲民主党は55議席を獲得し解散前の15議席から大躍進を果たします。元々は民主党系民進党リベラル派と左派が合流した新党で、野党一本化へ民進党前原党首が希望の党への合流を発表したものの、保守政党目指す希望の党に全員受け入れを拒否され結集、リベラル層の受け皿として、平和憲法護持や労働改革等を地道に訴え、大勝を果たしたようです。

 共産党は今回12議席と解散前の21議席の大半を失う惨敗といえる惨状です、志位委員長は野党連携の足並みがそろわなかった事を惨敗の理由としていますが、問題はそこではないかもしれません。社会民主党は2議席獲得で解散前の2議席を維持しました。維新の会は11議席を獲得、14議席を割り大阪流改革全国化を掲げるも人口過疎地域では劣勢でした。

 三分の二議席を連立与党が獲得した事は、憲法改正の発議に必要な議席数を確保した事であり、1955年結党以来の憲法改正を掲げている自由民主党による憲法改正へ大きな意味を持つ事となります。安倍総理大臣は自民党党綱領を改訂し第三期目の総裁選出馬に意欲を示しており、次の観艦式には三度連続の観閲官を務める可能性も高そうです。今回自民党は、総選挙に際し憲法改正を重要論点に挙げ、安全保障面での自衛隊と憲法九条二項の戦力不保持の命題を正面から挑む姿勢を明示している為です。

 しかし、安全保障面だけを俯瞰しても我が国には喫緊の課題が山積しています。北朝鮮による水爆実験と水爆による日本への軍事恫喝や緊急発進回数1100回を越えた中国による南西諸島への軍事圧力、ロシア軍による軍事圧力の再興、対して財政難やミサイル防衛やゲリラコマンドー対処と防衛政策の数年単位の右往左往により防衛力は疲弊しています。防衛政策を始め様々な分野で如何に喫緊の課題へ取組み解決するかが、主権者たる国民が切望するところでしょう。

北大路機関:はるな くらま
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