A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【クラウド盤魔殿 第3弾 公開前夜!!】FREE ZINE『盤魔殿アマルガム』最新号+『盤魔殿TV』公開!!!!!!!!!!!

2020年05月31日 01時36分41秒 | 素晴らしき変態音楽

異端DJイベント『盤魔殿』のSoundcloud版『クラウド盤魔殿 第3弾 Disque Daemonium Soundcloud vol.3』の正式オープンは6月1日午前0時を予定しています。その前夜祭として、Free Zine『盤魔殿アマルガム』最新号の一部を誌上公開(ダウンロード用電子版は明日掲載予定)。さらにDJ Athmodeusこと持田保がスタートした『盤魔殿TV』も公開。レアな音楽情報が満載です。

【盤魔殿アマルガム】


【盤魔殿TV】
盤魔殿TV vol.1 「盤魔殿とは何か?」


盤魔殿TV vol.2 「世界の霊界音源集について」


秩序より
カオスのほうが
面白い

●クラウド盤魔殿 第1弾(April 2020)


●クラウド盤魔殿 第2弾(May 2020)


FREE ZINE『盤魔殿アマルガム』電子版28号分+歴代フライヤー33点期間限定無料ダウンロードclick


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【クラウド盤魔殿 第3弾速報】DJ+Sax即興デュオ、DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武+橋本孝之(.es) 最新音源『Cloudy Blue MIX』公開中!

2020年05月30日 01時26分26秒 | 素晴らしき変態音楽


6月1日に正式オープンになる『クラウド盤魔殿 第3弾 Disque Daemonium Soundcloud vol.3』のために、DJ Necronomicon(剛田武)とコンテンポラリー・ミュージック・ユニット.esのサックス奏者・橋本孝之のコラボレーションMIX音源を制作した。これまで3回ライヴでコラボレーションしたが、今回はリアルタイムではなく、録音された橋本の演奏に、PC上で既存の音源を重ねるバーチャル・コラボである。手法的にはいわゆる「即興演奏」とは呼べないかもしれない。そもそもDJプレイとは録音された音源を用いる手法であり、レコードをスクラッチしたり、ピッチやBPMを操作したりといったギミックなしで、元の音源をそのまま聴かせるのがDJ Necronomiconのポリシーである。しかし、音源を直感的に選び再生すること、すなわちレディメイドを無作為に組み合わせることで、本来の制作者(元の音源の演奏者)はもちろん、二次制作者(DJ)も予期しない偶然性の音楽が生み出される。これはIMPROVISATIONと言えないだろうか?
橋本が<最弱音>という条件付きで新たな演奏法に挑んだアルトサックスを核とする30分のMIXが、アフターコロナの即興演奏のひとつの在り方を提示できたすれば、引き籠りGWも悪くない、と言えるだろう。

●DJ Necronomicon + 橋本孝之- "Cloudy Blue MIX"

リアル盤魔殿で生まれたユニット、DJ Necronomicon a.k.a.剛田武とサックス奏者・橋本孝之のヴァーチャル・コラボレーション。
『Cloudy Blue』とは橋本が2018年に自室で密かにレコーディングして温めていた未発表サックスソロ作品の仮タイトル。成仏した音楽が昇天していく先は曇りの青空に違いない。緊急事態宣言下のゴールデンウィークの西東京は霹靂すらない青天だった。

【使用音源】
1. .es / Speaking -予兆 from the album ".es" (2010) 


2. atomicfarm / かくれんぼ from the album "usoneue" (2020)

参考記事⇒【地下音楽の新たな波】ノイエ・シズオカ・ヴェレ ~atomicfarm(アトミックファーム)の新作2作『utaneue(うたのいえ)』『usoneue(うそのいえ)』を聴く。

3. Pierre Henry / Sauts from the album "Mise En Musique Du Corticalart De Roger Lafosse" (1971)

参考記事⇒【お悔やみ】ピエール・アンリ死去〜フランスの作曲家にしてミュージックコンクレートの父

4. Krishna Das / Devi Kirtan and Puja from the album "Love Serve Remember" (1973)

参考記事⇒【私のB級サイケ蒐集癖】第27夜:LSDの先駆者からニューエイジの伝道師へ〜ババ・ラム・ダス(Baba Ram Dass)と『LOVE SERVE REMEMBER』

5. 透過性分子 / Luverd from the album "Meta-Inorganicmatter Meta-Newlon" (1986)

参考記事⇒【私のB級サイケ蒐集癖】第20夜:サイケな魂は透明塩ビ盤に宿る『ファウスト』『C.C.C.C.』『透過性分子』

6. Luc Ferrai / Music Promenade from the album "Und So Weiter / Music Promenade" (1969)

参考記事⇒具体音楽のエチュード/ミュージック・コンクレートの素晴らしき世界

7. .es / Entrance / Exit -世界 from the album ".es" (2010)


8. Field Recording : 東京都立 小金井公園 2020/5/6 11:00am


9. Horacio Vaggione / Ash from the album "Points Critiques" (2012)


【録音クレジット】
橋本孝之:Alto Saxophone
2018/6/3 東京
2016/9/9 福島パスタン
2013/7 大阪

剛田武:Reed Flute
2020/3/8 吉祥寺スタジオペンタ

Mixed by DJ Necronomicon 2020/5/23,24

【プロフィール】
橋本孝之 Takayuki Hashimoto - alto sax, guitar, harmonica
.esとしての活動に加え、ジャンルを縦横無尽に横断する音楽家として独自の存在感を放つ。
ソロアルバムとしては2014年サックスソロ「COLOURFUL」、藤本由紀夫作のオルゴール・ギターソロ「Sound Drops」、2016年ハーモニカソロ「SIGNAL」、2017年2ndサックスソロ「ASIA」と実験的なリリースを短期間で成し遂げ、エクスペリメンタル音楽シーン屈指の存在として国内外のメディアで高評を博する。
2015年kito-mizukumi rouber(キト-ミズクミロウバー)正式参加、2016年に結成37周年を迎えた日本の前衛ロック界の伝説的グループ「グンジョーガクレヨン」新譜にアルトサックスでゲスト参加。2017年より内田静男とのユニット「UH(ユー)」始動。
橋本孝之(.es)インタビュー:確かな「心」の芽生えと「自己」の消失の先にあるもの

剛田武 Takeshi Goda
1962年千葉県生まれ。1978年から「ALAMAR」「GLANDES」「鰺tation」「OTHER ROOM」「Rajio」等のバンドとソロ・ユニット「Euqisumorih」で音楽活動、「FLOWER TRIP」でTV番組『イカ天』に出演するも94年に解散。サラリーマン生活を続けながら、2005年からブログ『A Challenge To Fate』をスタートし地下ブロガーとして活動。2016年著書『地下音楽への招待』(ロフトブックス)を出版。DJイベント『盤魔殿』を宇田川岳夫らと主宰し、DJ Necronomiconとして活動する。
『地下音楽への招待』刊行: 剛田武インタビュー

DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武+橋本孝之(.es) ライヴ記録
2019/4/12 fri 【∵23∵盤魔殿】盤魔殿Vol.23@幡ヶ谷FORESTLIMIT
2020/1/26 sun 盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會Vol.32』 @渋谷DJ Bar EdgeEnd
2020/1/27 mon FIRE MUSIC極秘上映会@渋谷DJ Bar EdgeEnd

いろいろな
実験あります
盤魔殿

▼橋本孝之が参加するkito-mizukumi rouber(キト-ミズクミロウバー)LIVE PV解禁!
【Live】Kito mizukumi rouber 「Na guri Bo toke」※最後におまけMCあり


Kito mizukumi rouber facebook
https://www.facebook.com/kitomizukumi...

【MEMBER】
(Guitar) Papekyowance Pyorotomy
(Guitar,Vo) Tecondo ookuninushino Makoto
(ThanksSax) Mar mar sumol Ma rmar
(Drums) Papa Big Papa


▼『春日井直樹&剛田武 - Walk 2020 / 1 / 30』 (カセット+QRコードポストカード付きLP盤) 発売中

Naoki Kasugai(春日井直樹) / Takeshi ‎ Goda(剛田武)– Walk 2020 / 1 / 30

【特別寄稿】“パンデミックの中で生き延びる希望” (宇田川岳夫)~『春日井直樹&剛田武 - Walk 2020 / 1 /30』『春日井直樹 / VINYL MASOCHISM』レコード評
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【100フォークスのススメ】第6回:いにしえの旅路の果てに辿り着く新たな世界~吟遊詩人・長谷川きよしの啓示

2020年05月28日 02時12分43秒 | こんな音楽も聴くんです


緊急事態宣言に伴う外出自粛期間中、ほとんど誰も外出せず自動車も走らない静かな世界で、もしこのまま死にゆくとすれば最後に聴く音楽は何がいいだろうか、と妄想した。世界の静寂を破るけたたましいノイズやフリージャズは言語道断、かといって静謐な讃美歌や中世音楽じゃ宗教的過ぎる。アンビエントやヒーリングミュージックは嘘臭いし、ポール(といえばモーリア)等のラブサウンドでは甘ったるい。もっと優しく、世界の死滅に寄り添う音楽はないものか、と考えながら1年半ほど前に買ったっきり針を落とすのを忘れていた100円レコードをターンテーブルに乗せた。盲目のシンガーソングライターであり、日本版ホセ・フェリシアーナと呼ばれた長谷川きよしのアルバムだった。

長谷川きよし

プロフィール
1949年、東京生まれ。ホセ・フェリシアーノを彷彿とさせる盲目のシンガー・ソングライターで、さまざまな国の音楽をポップスに取り入れた、日本におけるワールド・ミュージックの先駆者的存在。2歳の時に失明し、12歳でクラシック・ギターを始める。69年にシングル「別れのサンバ」でデビュー。71年のシングル「黒の舟歌」がヒットを記録。74年発表の加藤登紀子とのデュエット・シングル「灰色の瞳」はフォルクローレ・ブームの先駆けとなった。エリゼッチ・カルドーゾやピエール・バルーら世界のミュージシャンと共演多数。

●長谷川きよし『いにしえ坂』(Vertigo FX-8601 / 1972)


フォーク・ロックやニュー・ロックの時代に機敏に呼応。アメリカン・フォークにシンパシーを寄せたようなフォーキーなナンバーや、バンド・サウンドを積極的に取り入れたダイナミックなロック調ナンバーにも挑戦したスタジオ4thアルバム。1972年作品。

セピア・グリーンの厚手の見開きジャケットを開くと、廃墟に座るポートレートをはじめ、モノクロのアンダーグラウンド臭漂うフォトグラフがレイアウトされている。バックを務めるのはフリージャズ・ドラマーとして高柳昌行や阿部薫らと共演する山崎弘を中心とするジャズ・セクステット。山崎の他にパーカッションが二人いるのが特徴。レーベル面のVertigoの渦巻き模様を見ただけでブリティッシュ・プログレやフォークの馨しい香りがする。

A面はリリカルなフォークロック「かなしい兵隊」、バンドサウンドを活かしたアメリカン・ロック「コーヒー・ショップ」、得意のボサノヴァ「秋だから」、弦楽カルテット入りのクラシカルなバラード「椅子」、ギター弾き語り「ティ・タイム」、ロッド・スチュワートのカヴァー「Seems Like A Long Time」を収録。フォルクローレSSWというイメージを払しょくするバラエティの豊かさをみせる。

しかし肝心なのはB面。イラン歌謡に日本語訳をつけた「ダリオ・ダリオ(海へ)」は、ジプシー・ヴァイオリンのフリーキーなイントロに続いて、大陸的なワルツのリズムに乗ってオリエンタルなメロディが流れ出す。張りのあるテノールで朗々と歌う声は、コーランの詠唱を掻き消す威風堂々ぶり。サイケなオルガンとエキゾチックなヴァイオリンが宙を舞い、照り付ける黄色い直射日光をサウンドの砂塵で濁らせる。喉の渇きを忘れさせるドラムとパーカッションの土埃が、一転してヴァイオリン・ソロに導かれ2曲目「ハイウェイ」で砂漠の旅が始まる。イコライジングされたロボトミーヴォイスが孤独な旅人を導き、消えた砂漠の民が眠るオアシスの墓場へ歩を進める。死の旅路のBGMだ、と直感した。レコードはそのままアメリカ民謡「Black is the Colour of My True Love's Hair」へ。あのパティ・ウォーターズがESP DISKの1stアルバムのB面すべてを使ってバートン・グリーンのピアノをバックに囁き・喘ぎ・叫び続けたナンバーである。BLACK(黒)をテーマにした長谷川きよしの歌は野坂昭如の「黒の舟歌」が有名だが、「黒が真実の愛の髪の色」と歌うこの曲での深く沈み込む歌も「黒を歌う歌手」としてのきよしの真骨頂である。B面ラストはアルバム・タイトル・ナンバー「古(いにしえ)坂」。曲調がドラマティックに展開するプログレ・フォーク組曲で幕を閉じる。B面を聴き終わり、しばらく放心状態が続いた。長い旅を終えた気分だが、戻ってきた場所は自分の居場所ではなかった。

ダリオ・ダリオ (海よ)



●長谷川きよし『遠く離れたおまえに』(Flash Records ‎– SKS-1030 / 1979)


モロッコ、スペイン、ギリシャの各地でのライヴ・レコーディングを収録した、長谷川きよしの弾き語りアルバム。初の弾き語りアルバムにして、長谷川きよしの"吟遊詩人"のイメージを決定付けた名盤。1979年作。

長谷川きよしは更なる旅に出発した。今度はバンドを従えず、ギター一本持った孤独な旅である。モロッコの街並、アルハンブラ宮殿、エーゲ海を巡り人々の雑踏や自然の中で演奏する旅路は楽しかったようで、封入ブックレットの笑顔がまぶしい。その一方で歌の暗闇はさらに深みを増している。いきなりモロッコで「砂地獄」にハマり、気狂い天気が闇の底から明けて行く(「マラガは港町」)。孤独な闇の中で冷えた体を抱きしめ(「ゆれてる ゆれてる」)、生きてゆくことの苦しさを嘆き(「アモーレ ミオ」)ながら、「あなたの為に死ぬ」覚悟を決める(以上A面)。心の壁を歌が好きなただの人に崩され(「城壁」)、やっと心に愛の火がもえはじめた(「キャティ」)と思ったら、胸のコサージュをひなげしのような赤い血で染め、まどるむがごとあの娘は倒れていた(「小さなひなげしのように」)。傷心の心を「トレドの風」で癒しながら、「遠く離れたおまえに」想いを寄せつつも、俺はこの街を離れない、と決意する(以上B面)。

エピダウロスの「砂地獄」


歌の旅を終えた長谷川きよしは日本へ戻り何事もなかったように音楽活動を続けたが、果たして彼の心はあの街に置き去りにされたままではなかろうか。その秘密を探るために、レコードショップの100円コーナーに長谷川きよしの他のレコードを探しに行かなければならない。

「古坂なんて どこにもない峠 そのくせ みんなが知ってる峠 だってね みんなそれぞれ あなたの中の 古坂を 越えていくのさ」

死滅する世界(古坂)を越えた先に新たな世界が見つかるという吟遊詩人・長谷川きよしの啓示は、100フォークスを探す筆者の終わりなき旅の始まりを告げている。

この旅には
終わりはないと
間章も言っていた

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【私の地下ジャズ愛好癖】それはファグスとアイラ―から始まった~ESP DISKとの出会いと私的バートン・グリーン論への序章

2020年05月27日 00時48分29秒 | 素晴らしき変態音楽


最初に買ったESP DISKのレコードはファグス『Fugs 4, Rounders Score』だった。80年1月高2のとき中古レコード店吉祥寺ジョージにて購入。おそらく『Player』誌の八木康夫(現ヤギヤスオ)のコラムでパンクやアヴァンギャルドロックのルーツとしてファグスを知って聴きたいと思っていた。チンパンジーが描いた落書きをジャケットにしたベスト盤でヘタウマの極致の演奏は刺激的でもあり同時にバカバカしく感じた。初めて聴いたときから「I Couldn't Get High」という曲が「絶対以前に聴いたことがある」という強烈なデジャブ感があり、40年後の今までどこで聴いたのか解決できない謎として自分の中にわだかまっている。それはさておき、レコードジャケットの中にESP DISKのレコードリストが入っていた。その頃は貪欲に音楽知識を求めていたので、知らないアーティスト名が並ぶリストを詳細に眺めながら、どんな音楽だろうと妄想していた。FUGSやGODZ以外にもSUN RA、ALBERT AYLER、PHAROAH SANDERSといった名前が知らず知らず頭の中にインプットされたかもしれない。



Fugs - I Couldn't Get High


その次に遭遇したESP DISKは、81年浪人中にやはり中古で見つけたアルバート・アイラー『スピリッツ・リジョイス』だった。1年の間にフリージャズのことを多少は勉強したので、アイラ―がキャプテン・ビーフハートやポップ・グループやジェームス・チャンスなどのアヴァンギャルドロックに影響を与えたサックス奏者ということは知っていたが、テナー、アルト、トレランペットの三管にハープシコード、2ベース+ドラムの集団即興はどんな前衛ロックにも負けずにスリリングで、勉強一本やりの浪人生活に大いなる刺激を与えてくれた。予備校でたまたま隣の席に座った学生がフリージャズ好きだったので、お互いのレコードを貸し借りすることになり、彼が貸してくれたのがアルバート・アイラー・トリオの『スピリチュアル・ユニティ』だった。贅肉を削ぎ落したワンホーン・トリオの演奏は、『スピリッツ・リジョイス』とはまた違ったパンキッシュな魅力を感じた。ライナーノーツを間章が書いていて、私小説風の難解な文章に戸惑うとともに妙な憧れを感じた。



その当時ファグスとアイラ―が同じESP DISKだと意識していたかどうかは覚えていないが、モノクロ写真をメインにしたジャケットのセンスの良さ(チンパン・アートも見方によっては現代アート)と、それ以上にパンクロックに通じる粗削りで迫真性たっぷりの録音が、ティーンエイジャーの筆者には自由な表現の証と感じられたことは確かである。逆に洗練された音、例えばECMレコードの優等生的録音が苦手なのは、先にESPの奔放な音を知ってしまったからかもしれない。

Albert Ayler : Spirits Rejoice


レーベルとしてESPを意識したのは82年に大学に進学してからである。大学生協で年に2回開催される中古レコードセールで一番安い500円コーナーには、なぜかフリージャズ系レコードが多くESPのレコードもたくさんあった。日本盤もあればアメリカ盤やイギリス盤もあり、ESP以外にニュー・ジャズ・シンジケートやEEU(近藤等則・高木元輝・吉田盛夫)の自主制作盤もあったので、おそらく一人のフリージャズファンがコレクションを放出したのだろう。とはいっても1回限りではなく半年後のセールの際もフリージャズが安売りされていた記憶があるので、単に業者が価値を知らなかったためとも考えられる。ニューヨーク・アート・カルテット、チャールズ・タイラー、バイロン・アレン、ジュゼッピ・ローガン、パティ・ウォーターズ、バートン・グリーンなどESP DISKのレコードを生協で安く手に入れた。お金が足りず買えなかった盤もあるし、知識があればもっとレアなレコードを見つけられたかもしれない。タイムマシーンがあったらあの頃の大学生協セールに戻りたいものである。



ESP DISKの中で特に筆者が愛聴していたのはアルトサックス奏者のバイロン・アレンとピアニストのバートン・グリーンだった。バイロン・アレンについては以前ブログで取り上げたので、バートン・グリーンについて書こうと思ったが、ついつい回想モードに浸ってしまい紙幅が尽きた。たった2枚のアルバムしか存在が確認されていないバイロン・アレンと違って、60年代から現在まで多数の作品を残し、実直な活動を続けるバートン・グリーンに関しては、日本での評価や知名度が不当に低いと感じている。次回はそんな不遇のピアニストへの想いを書き連ねたいと思っているので、ご期待ください。

The Byron Allen Trio ‎– The Byron Allen Trio (full album) 1965

謎のフリージャズ・サックス奏者バイロン・アレン『バイロン・アレン・トリオ』『インターフェイス』

ESP
テレパシーの
自由音楽






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【5月25日誕生日のふたりのアーティスト配信動画観戦記】サン・ラ・アーケストラ(マーシャル・アレン)/バラナンブ(山崎怠雅)

2020年05月26日 01時44分29秒 | ネコ動画


2020年5月25日コロナウィルス感染防止のための緊急事態宣言が全国で解除されることが発表になった。まだ第二派感染が起こる危険があるだけでなく、ライヴハウスの自粛要請が解除される見込みはかなり先になりそうなので、決して喜んだり安堵したりする気分ではない。しかしながら、そんな5月25日に誕生日を迎える二人のマイ・フェイヴァリット・アーティストが奇しくも揃って前日に配信したライヴ動画を観たら、引きこもりも解除も関係なしにオレのコロロはウキウキモードで舞い上がった。ひとりは90代のアメリカのジャズ・ミュージシャン、マーシャル・アレン。もう一人は40代の日本のサイケデリック・ロッカー、山崎怠雅。タイプの異なる二人だが、音楽の歓びと安堵感を伝えるパワーは世界一。これこそ音楽の力である。

●バラナンブ


バラナンブ × 四谷Outbreak! 配信ライブ‬
2020 ‪5/24(日) 19時~ 
ライヴハウス・四谷アウトブレイク無観客ライブ、映像配信。チケット500円



藤井政英(Vo,G)、南部輝久(Dr)、山崎怠雅(B,Cho)からなるヘヴィ・サイケデリック・ロックバンド。昨年夏に1stCD『ファズ、光線、花』をリリース。日本のロックの妖しさを現代に継承するスタイルは音楽面だけでなく、ヘア、メイク、ファッションも徹底している。初めて観た時は時代錯誤感がマニア心をくすぐったが、3年経ってみてレトロ感よりも現在進行形のロックバンドのリアリズムが輝きを増している。ロックンロール誕生から70年近く経ったが、語源である「卑猥」「バカ騒ぎ」「妖しさ」をそのままに継承するバラナンブは間違いなく「正統派」である。
真っ赤なバラの花束を飾ったライヴ配信は恐ろしいほどの高音質でファズギターとヘヴィなビートと泣きのヴォーカルが生々しく迫るエモーショナルなパフォーマンスだった。



‪1.孤独の創造‬
‪2.箱よ‬
‪3.サテツ‬
‪4.漂泊‬
‪5.フェザージャニュアリー‬




●サン・ラ・アーケストラ


Celebrate Sun Ra & Marshall Allen's Earth Arrival Days
5月24日(日)~26日(火)
ドネーション
The Sun Ra Arkestra Under the Direction of Marshall Allen | Sounds of Justice
March 4 at The Town Hall



サン・ラ・アーケストラとニューヨークの前衛芸術団体アーツ・フォー・アートの支援オンライン・イベント。5月22日生まれの故・サン・ラ亡きあと5月25日に96歳の誕生日を迎えるマーシャル・アレンの指揮の元、世界中で公演活動を続けるフリージャズ・オーケストラ、サン・ラ・アーケストラが、コロナウィルス感染爆発直前の3月1日にニューヨークのタウン・ホールで開催されたアーツ・フォー・アート主催イベント「サウンド・オブ・ジャスティス」でのライヴ全編の動画を限定公開。さらに誕生日前夜5月24日夜にはZOOMによるマーシャル・アレンとのチャット・インタビューも行われた(日本時間早朝のため観れず残念)。



ハープと弦楽2名を含む18人編成のアーケストラを飄々と指揮するマーシャル・アレンは、大柄の女性ヴォーカル、タラ・ミドルトンと並ぶと対比が面白い。それにしてもアーケストラのメンバーの異様な風体に改めて驚く。6~70年代ニューヨークのロフトジャズ・シーンのヒッピーや芸術家崩れのブラック・カルチャーを思わせるスタイルは、地なのか装いなのか?現代のブラック系の若者はジャズよりもラップ・ヒップホップに惹かれる傾向が強いと言われて久しいが、アーケストラのメンバーになろうとする若者は多いのだろうか?いずれも高度な演奏テクニックを持ちながら、サン・ラの誇大妄想的な音楽をマーシャル・アレンの気紛れ(に見える)ディレクションに従って演奏する気持ちはどうなのだろうか。作曲と即興の境目のない自由空間の音楽に酔いながら、そんなことを考えていた。



The Sun Ra Akestra at Sounds of Justice:
Music & Lyrics by Sun Ra
Marshall Allen - director, arranger, alto sax, flute
Tara Middleton - vocals
D. Hotep - guitar
Melanie Dyer - viola
Gwen Laster - violin
Nina Bogomas - harp
Knoel Scott - vocals, saxes
Robert Landham - alto sax
James Stewart - tenor sax
Michael Ray - trumpet
Dave Davis - trombone
Emmett McDonald - trombone
Robert Stringer - trombone
Vincent Chancey - french horn
Elson Nascimento - percussion, surdo
Ron McBee - percussion
Tyler Mitchell - bass
Wayne A. Smith - drums
Marvin Bugalu Smith - drums

Guest visual artist: William Mazza - live painting & video



ニューヨーク生まれのヴィジュアル・アーティストWilliam Mazzaのライヴ・ペインティングが動画では全貌がわからなかったのが仕方がないとはいえ残念。やはり生でライヴを観たいものだ。音楽を体験できる場を解放することが何よりも緊急である。

誕生日
配信ライヴと
太陽と薔薇

サン・ラ / 太陽の薔薇色のマンション
Sun Ra - The Rose Hue Mansions of the Sun


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【地下音楽への招待】吉祥寺マイナーYouTube音源集~阿部薫・豊住芳三郎/ガセネタ/SYZE/竹田賢一/光束夜/THE STALIN/タコ/角谷美知夫etc.

2020年05月23日 02時50分47秒 | 素晴らしき変態音楽


最近SNSで、70~80年代の日本のパンクやニューウィヴのチラシやレコード、ソノシート、ライヴ録音カセットの投稿を見ることが多い。ステイホームの徒然に部屋の掃除や片づけ、断捨離をしていて押入れの奥から出てきたり、実家の物置で発見されたりしたのだろう。COVID-19の数少ない恩恵と言ったら不謹慎かもしれないが、貴重な音源や映像が世に出ることは歓迎したい。できれば自分一人で楽しむのではなく、共有してくれれば嬉しい。権利関係など難しい面もあるかもしれないが、密かにシェアしていただけないだろうか。

そのお返しという訳ではないが、7,80年代東京の地下音楽の発祥の場であったライヴスペース「吉祥寺マイナー」で録音された音源をYouTubeから探しだしてまとめてみた。動画に付属するコメント・解説も転載させていただいた。意外な音源もあり、大変興味深い。今のうちに聴かないと、削除されてしまうものもあるかもしれないので、お早めにお楽しみください。時系列順に掲載した。

●1978年7月7日(土) 阿部薫・豊住芳三郎
Kaoru Abe/Sabu Toyozumi - Mannyoka


Song For Mithue Totozumi = 豊住 満江に捧げる
1 Part I 21:14
2 Part II 14:44
Song For Sakamoto Kikuyo = 坂本 喜久代に捧げる
3 Part I 4:43
4 Part II 14:18
5 Part III 18:28

First two tracks recorded live at Minor, Kichijôji, Tokyo, Saturday, 7th July, 1978
The rest of the tracks recorded live at Gaïa, Hatsudai, Tokyo, Friday, 13th January, 1978


●1978年9月14日(木) アナルキス
アナルキス 『 ラモーンズ 』


1978年9月14日 木曜日 @ 吉祥寺マイナー 対バン: Speed, 自殺, Pain
Anrkissアナルキス:
ボーカル 山崎春美
ギター 大里俊晴
ギター 園田佐登志
ベース 浜野純
ドラム 佐藤隆史


●1979年2月25日 地表に蠢く音楽ども
地表に蠢く音楽ども SIDE A


地表に蠢く音楽ども SIDE B


2.25.1979 吉祥寺マイナー (録音:鈴木健雄)

日時:1979年2月25日
場所:吉祥寺マイナー
イベント名:『地表に蠢く音楽ども』
参加:
竹田賢一(el-大正琴,fl,el-p,etc)
大木公一(el-g,etc)
河本きの(b,etc)、
河原淳一(cl,etc)、
白石民夫(エレクトロニクス技術)
風巻隆(perc)

チラシ:河原淳一


●1979年3月30日 ガセネタ
ガセネタ Last Live at 吉祥寺マイナー 1979.03.30「父ちゃんのポーが聞こえる」


「さらばガセネタ」(解説/JOJO広重)

人間とは裏腹な生き物だ。なければ欲しがるし、あれば欲しがらないくせに、またなくなると欲しがる。限定版のなんとか、とかはそういった類の心理をネタに商売をする卑怯なやり方だが、そもそも人間とはそういった姑息で卑怯な側面があるのだろう。

ガセネタ。
ガセネタは文字通り伝説のバンドだった。1978~1979年のわずかな間、関東でのみライブを演っていたバンド。実際のライブを見た観客の人数は全部あわせてMAXでも百数十人だろうか。メンバーは大里俊晴、山崎春美、浜野純、ドラムは数回変わったが最後は吉祥寺マイナーのオーナー・佐藤隆史。とにかくなにもかもがグッシャグシャで、ものすごいスピードで駆け抜けていったロックとパンクとサイケと現代音楽と文学もゴミもアクタも混濁の極みにして、つまりは最高で最低の音楽を演奏していたバンド。その後はPSFからのCD1枚、大里の執筆した単行本『ガセネタの荒野』あたりが情報源にして、しかしさらに不透明なままだったバンド。世間的にはそんな評価だったのではないか。なんだかわからないけどもの凄かったバンド・ガセネタ。

だが2009年、大里の死を契機にその全貌をまとめようという作業が始まる。大里の追悼文集、著作集、『ガセネタの荒野』の復刊、そしてこのCD10枚組『ちらかしっぱなし ガセネタ In The Box』のリリースである。特にこのCD-BOXはたった4曲しかレパートリーがなかったバンドの、現存するほとんどの音源を収録したもので、音楽を聞くためのCDというよりは記録して残すという資料集的な意味合いが強いアイテムだ。それにしてもこういったものが商品として制作発売され、それが完売したという事実は驚異に属するものだろう。
当時ガセネタのライブを見た人間の一人として、ガセネタのライブ音源をたまたま持っていた人物として、私はこのCD-BOXに関わることになった。CDディスク4の11曲目、「父ちゃんのポーが聞こえる」は私が持っていたカセットテープからのトラックだからだ。

私は1978年から京都のロック喫茶「どらっぐすとぅぁ」のスタッフとなり、プログレ、パンク、現代音楽、フリージャズ、即興演奏などの世界にどっぷり浸ることになり、その流れでウルトラビデというバンドを結成することになった。このあたりの経緯は私の別のバンド・非常階段の単行本やあちこちの雑誌への原稿で触れているが、ガセネタの活動拠点となった吉祥寺マイナーと京都どらっぐすとぅあの共通点は多い。同じような時代に場として存在し、それぞれの地方で同じような役割を担ったということも興味深い。端的に言えば一般世間ではまるで相手にされていなかった音楽を愛好し、演奏し、追求しようとしていた若者が集った場所が東京は吉祥寺マイナーであり、関西では京都どらっぐすとぅあだったということだ。この2軒の店を橋渡ししたのがウルトラビデのエレクトロニクス奏者・渡邊浩一郎であり、NOISEの工藤冬里だった。渡邊浩一郎は東京から京都に転居してきた予備校生だったが、彼が個人的に東京方面でのライブを録音したカセットテープを大量にどらっぐすとぅあに持ち込んだのである。そこには当時のアンダーグラウンドなバンドの音源の他、灰野、大里、浜野などのセッション音源もたくさんあった。渡邊浩一郎は「この灰野と浜野のギターがすごいんだ」と言って、我々に解説付きで音源を聞かせてくれたものだった。思えば初期ガセネタや即興セッションによる演奏のテープだったはずで、当時関西に住んでいた人間にはまず聞くことの出来なかったような音をたくさん聞かせてもらったように思う。

やがて工藤がマイナーのライブのチラシやポスターをどらっぐすとぅあに持ち込むようになり、ガセネタというバンドの存在がわかった。そこに大里、浜野、山崎の名前があることも、我々は予備知識があった上で認識していたことになる。ほう、山崎春美は大阪の雑誌・ロックマガジンに寄稿していたヤツじゃなかったっけ、今は東京にいるのか、などと思ったことを覚えている。

ガセネタのライブを初めて見たのは1979年2月だった。同年3月に関西のバンド、ウルトラビデ/INU/SS/アーント・サリーで関東方面のツアーをすることが決定しており、事前に関東のライブハウスを見ておこうということで上京したのだ。マイナーはその前年に工藤のライブを見に行っていたので場所の認識はあったのだが、ガセネタが当日の出演予定にあったので足を運んだのだったと思う。

初めて見るガセネタは衝撃だった。特に浜野の顔。そう、顔だ。まるで殺人鬼のような、そんな殺気に満ちていたのを覚えている。ギタリストの顔じゃない、これはキチガイの顔だ、そう思った。ステージで山崎がビール瓶を割って転げ回っていたような記憶もあるが、私の目は演奏が始まるとあっという間に両手が血で染まっていくほどに無茶苦茶にギターをかきむしる浜野のギターに圧倒されてた。ベースやドラムが楽曲らしきコードとリズムをキープしているからロックバンド然とはしているが、訳の分からない歌詞を叫びまくる山崎と血まみれギターの浜野の二人はもう常人ではなかった。本当に訳の分からないバンド、疾走感、ロックの極地、そういう印象だった。

その約1ヶ月後、3月24日に私はウルトラビデで吉祥寺マイナーに出演することになった。確か昼の12時頃からスタートしたロングランのライブイベントで、我々の他にはファーストノイズ、黒涯槍、ガセネタ、不失者、オッド・ジョン、INUが出演した。ガセネタと対バンということで、私には“このバンドには負けたくない“といったようなヘンなライバル心があったのを覚えている。同じ4人編成、ある程度の楽曲ベースはあるが基本即興演奏、訳の分からない音を目指しているといった、どこか曖昧ではあるが同じような音を目指しているという認識はあったのだろう。そして出来うることなら自分たちの音の方が新しくありたいと思っていたのである。
会場のマイナーに到着して、すぐに一番驚いたのは浜野の人相だった。2月に見た時のような狂気の様相はもうまるでなく、どこか普通の兄ちゃんのような形相になっている。これがあの浜野なのか? 同一人物なのか? と、非常に驚いた。そのことと、椎間板ヘルニアを煩っていた大里がとんでもないガニマタで、誰かに支えられながら歩きにくそうに階段を上ってきた光景を妙に覚えている。

この24日のウルトラビデの演奏もろくでもなかったが、ガセネタの演奏は2月に見た時のような緊張感、疾走感はなかったように記憶している。バンドとしてのピークは終わったのかも。そういう印象だった。なにより浜野のギターに迫力がなくなっていた。

3月中に数本、吉祥寺マイナーでガセネタのライブがあったようだが、私は見に行けなかった。ウルトラビデのツアー日程があり、吉祥寺には行けなかったからだ。知人経由で後日、3月30日のガセネタのライブを収録したカセットをもらった。その演奏は24日の演奏とは比較にならないくらいテンションの高いものだった。3月30日のライブがガセネタとしての最後の演奏だったと聞いて、会場に行けなかったことを悔やんだ記憶がある。

1979年8月、私は学生ならではの夏休みを利用して、後年非常階段のメンバーとなるZUKEと関東方面に旅行に来ていた。その流れで彼の友人宅がある茨城県に遊びに行ったところ、明日地元バンドのロックコンサートが公民館の講堂のような場所で開催される、東京のライブハウスにウルトラビデで活躍している私にはぜひ出演してもらい、地元の若者にハッパをかけてほしいと懇願された。一宿一飯の恩義がある私は断れず、当日演奏する高校生バンドにガセネタの「父ちゃんのポーが聞こえる」のカセットを聞かせ、当日のリハでベースとドラムにこの曲のリフを延々と繰り返すよう指示した。ライブ本番、私はその音をバックに浜野のコピーのように借り物のギターを無茶苦茶に掻きむしり、山崎のコピーのようにステージで絶叫して転げ回った。もちろん会場の観客はドン引きだった。

後日、そのZUKEの友人が語ったことには、あのライブの楽奏には観客は大変驚いたが感銘を受けた若者もおり、あの音楽はなんなのだと何度も聞かれた。あれはパンクだと答えたところ、地元のレコード屋にパンクのレコードはないかと買いに行った面々が何人もいた、というエピソードを聞かせてくれた。

ガセネタが私の非常階段での演奏に影響を与えたかどうかは、わからない。私にとっては同時期に演奏していたウルトラビデの頃のほうがガセネタを意識していたかもしれない。しかし非常階段でテレキャスターのギターを弾いていた時、渡邊浩一郎に「浜野が(テレキャスターを)弾いていたからだろう」と揶揄されたのを覚えている。彼も浜野のギターが大好きだったのだ。私も3月30日のガセネタ「父ちゃんのポーが聞こえる」のカセットテープは若い頃はずっと愛聴していた。この音よりももっとグシャグシャでもっと疾走感のある演奏を自分はするのだ、しなくてはいけないのだ、そう意識していたように思う。

ガセネタの伝説は終わった。このCD-BOXがすべてだ。売り切れたのならそれでいい。買わなかった人間には結局は必要のないものだったのだ。ないなら欲しいか。ならばいつか手に入るだろう。でもガセネタはガセネタだ。本物であり、偽物なのだ。それでも聞きたければ聞けばよい。私が保証できるのは、こいつらはあの時代の最先端であり、最も異端であったし、最高に訳がわからないヤツラだったことだ。

これは誉め言葉である。

(雑誌『nobody』36号から転載)


●1979年6月20日 マイナー・セッション
マイナー・セッション(Live at 吉祥寺マイナー 1979.06.20)


「敏子さんがドラムを叩いているのはそれまでも何度か目にしたことがあった。ご一緒できて、しかも記録まで残っていることが今となっては、はかない夢のように思われる。ぐるぐると愚直なまでにストロークを回し、超然たるマイペースで叩き続けるそのドラムの力強さは特筆すべきものだ」園田佐登志

佐藤隆史(b)…元ガセネタ
渡辺敏子(ds)…佐藤夫人(故人)
工藤冬里(syn)…Maher Shalal Hash Baz
園田佐登志(g, tape, monky toy)


●1979年7月13日 SYZE / Friction
SYZE - TVイージー @吉祥寺マイナー 1979.7.13 fri


79年高校2年のときに『東京ロッカーズ』と『東京ニューウェイヴ』がリリースされ衝撃を受けた。フリクションやミラーズ、SEXが名前を変えたSYZEや自殺を観にライヴハウスへ通い始めた。最初に行った荻窪ロフトで観たSYZEがMCで「次のギグは吉祥寺マイナー」と言っていたので1週間後にマイナーへ観に行った。ビルの上ににある小さなスペースで、芝居小屋風のベンチが並ぶ店内はロフトに比べて質素な感じがした。開演間近になってもドリンクの注文を取りに来ないので、店員と思われるお姉さんにコカ・コーラを頼んだら、えっほんとにオーダーするの?と尋ねられた。今思えばその女性がオーナーの佐藤隆史氏の奥さんの渡辺敏子さんだったのかもしれない。その後数回マイナーに通った。この頃のSYZEは川田良の他にもうひとりギタリストがいる5人組だった。1979年7月13日のフリクションとSYZEの対バンのときは、最初に出たフリクションのレックのヴォーカルが殆ど聞こえず残念だった。しかしトリのSYZEの伊藤耕の歌は歌詞まではっきり聞き取れた。今思えば東京ロッカーズを快く思っていなかったスタッフがわざとレックのマイクのヴォリュームをオフにしたのではないだろうか。山崎春美の話では「マイナーは東京ロッカーズと喧嘩しているから出演しない」と電話してきた関西NO WAVEの女性アーティストがいたという。
その日マジソンスクエアガーデンのスポーツバッグに忍ばせたラジカセで録音したライヴ・カセットは、恐らく生涯で最も回数多く聴いた音源だと思う。その年の高校の文化祭でバンドで「TVイージー」をカヴァーした。SYZEは3回程観たっきりで、伊藤耕と川田良のその後のバンドを追うことはなかった。しかし自分のロック衝動の最初期にSYZEがあることは間違いない。(剛田武)


●1979年12月14日 光束夜
光束夜 - Untitled [1]


Artist - Kousokuya .. part of the Tokyo underground psych-noise scene through the 80's [ ファースト・ライブ1979 吉祥寺マイナー ] CD "first live" released 2006
Recorded live at Minor, Kichijoji, Tokyo on 14 December, 1979.


●1980年5月14日 Brain
Brain Live at "Kichijoji Minor" 14th May, 1980


No overdubbing, all sounds were performed with analog equipments at the timepoint of 1980


●1980年8月8日 THE STALIN
THE STALIN / YŌKO (SOUND ONLY)


1980.08.08 吉祥寺マイナー
スターリン結成当初の80年に行われたライブ。冒頭では“記憶”とコールされているようにも聞こえますが、聞き取れる歌詞の内容から巷で「YŌKO」と呼ばれている曲がコレでしょうか。


●1980年9月28日 タコ@愛欲人民十時劇場
タコ - 1980.9.28 吉祥寺マイナー「愛欲人民十時劇場」

TAKO - Disc 1 , Track 1 on Box Vol.1 甘ちゃん


【関連アルバムFULL】
●愛欲人民十時劇場


Recorded 1980 Tokyo, Japan
Produced by Takafumi Sato
Art Direction Toshiko Watanabe
Pinakotheca Record

side A
1. Untitled / 白石民夫
2. Untitled / 佐藤隆史+ヤタスミ+石渡明広+篠田昌巳
3. 21 Century Game / ハネムーンズ(佳村+天鼓)
4. Untitled / インテンション(横山宏+芝淳子)
5. Untitled / 板橋克郎+吉沢元治
6. Untitled / 山崎春美+大里俊晴+美沢真之助+山内正文+松本順正+高橋文子+ニシャコフスキー
side B
7. Untitled / 灰野敬二
8. Untitled / ヴェッダ ミュージック ワークショップ
9. リュウチシンゾウ / キノ
10. Untitled / 田中トシ+後飯塚遼+ニシャコフスキー
11. Untitled / マシンガン タンゴ(工藤冬里+菅波ゆり子+小沢靖+白石民夫+ヤタスミ+佐藤隆史)
Recorded 1980 Tokyo, Japan
Produced by Takafumi Sato
Art Direction Toshiko Watanabe
Released in 1980
Pinakotheca Record (PRL-1)


●角谷美知夫 - 腐っていくテレパシーズ(FULL)


80年代初頭、東京のアンダーグラウンド・シーンで異彩を放っていた故・角谷美知夫の宅録音源。他に例えようもない、特異な感性から放射される音霊。

1.テレパシーなんかウンザリだ
2.俺のそばに
3.青い再会
4.エスケイプ・アウェイ
5.Live at JAM '82年2月5日
6.Live at ぎゃてい '82年4月28日
7.LIVE at Goodman '82年1月7日
8.死ぬほど普通のふりをしなければ
9.
10.同時の2人
11.現実
12.無題

腐っていくテレパシーズは1970年代後半から1980年代前半にかけて活動していた天然サイケデリック・ロックバンド。中心人物は吉祥寺マイナー周辺のライブハウスで活動していたアンダーグラウンドなミュージシャンの角谷美知夫。1959年生まれの山口県出身のアーティストである。裕福な家庭に育つが1974年に中学を退学後、住所不定のヒッピーとなる。1977年に東京に移り住み、1978年から工藤冬里や木村礼子と共に音楽活動を開始。1979年にオット・ジョンを結成し吉祥寺マイナーを中心に活動する、その後、オット・ジョンは自然消滅し、以降は「腐っていくテレパシーズ」として活動するが、この頃から重度の躁鬱と幻覚幻聴に悩まされるようになる。精神分裂病がもたらす幻覚作用や霊的感覚を表現した、どうしようもなく崩れ落ちていく陰鬱なロック音楽は「他に例えようもない、特異な感性から放射される音霊」と評された。その後、ジヒドロコデインリン酸塩というドラッグにはまり、1990年8月5日に31歳の若さでオーバードーズによるとみられる膵臓炎で夭折した。翌1991年6月、PSFレコードから生前の自宅録音とライブテープを再編集した追悼盤『腐っていくテレパシーズ』が発売される。なお中島らものドラッグ・エッセイ『アマニタ・パンセリナ』や自伝的小説『バンド・オブ・ザ・ナイト』には「分裂病のガド君」として角谷が度々登場している。

「彼が死んでしまった結果として、人は彼を、そんな自分の生き方を貫いた人として見るかもしれない。でも、人間は誰も、なにかを貫くことなどできはしない。どこにも至れない思いを常に抱えながら、生きてゆくしかない。そのことは、彼自身よく知っていた。だから、終わりたいというような言い方を万一したとしても、死にたいという直接的なことばを使ったことは最後までなかった……」(ライナーノーツに寄せられた東玲子の文章の一節)

角谷インタビュー(1979年『Jam』特別ゲリラ号)
http://kougasetumei.hatenablog.com/en...

角谷について、「日本のパンクの典型的な魂」という言葉を聞いた。この言葉には問題があるが、彼がこの現代の日本でいわゆるパンクをやるといういささか奇妙なこころみの真面目な負の曲率の極致だということは確かだろう。彼の下宿を訪ねて行くと、そこは表から見ると何気ないアパートだったが、中に入ると、30近くはあると思われる部屋がいびつな空間を形作り、廊下と階段は奇妙な方向を向いていた。そこは江戸川乱歩の小説の舞台を思わせる一方、何故か未来的な感じをおこさせた。ふと目についたある部屋のドアには次のような張り紙があった。

●新聞勧誘、セールスマンお断り。第一、新聞など読むことが出来ません。

(この腐ってくテレパシーズ・インタビューは、角谷がお目当のテープをかけようとするのだが、どうしてもワーグナーがかかってしまうところからはじまる)

角谷(K):あれ、おかしいな、このテープちょっとおかしいぞ。やっぱりおこりはじめたかなあ。物質の反乱。こういうのって共振みたいにして、緊張してて会話なんかを上手くやろうとするとおきるみたい。

X・BOY(X):物との間に。

K:そう、物と対応するわけ。本なんかの場合もあって、偶然開けた本の中に、あまりにも自分が問題にしていることが書いてあったりするわけ。

X:それはC・ウイルソンも、「オカルト」を書いている間に何度もそういう、「暗号」があったって書いているね。それが単なる妄想だったらわりと簡単なことなんだけど……。ボクも、ものすごく緊張して女の娘と公園を歩いていたら、むこうから来た子供連れの家庭の主婦が突然、「証拠を見つけたぞ」って喋ったのが聞こえてきたことがあるよ。それは女の娘も聞いているの。

K:(角谷の“僕ら糞ったれキリスト”のテープを聞きながら)そんなふうにして、ボクの波動の影響を他人が受けるわけ。だから、もうしかたがないから、どんどんかけていくわけ。

X:ははは、それはスゴイ。

K:それは正常な考えでやるわけだけど、ただ同時に、それが荒廃してきたら自分で制御できないわけ。エロティシズムの領域になってくるから。

X:はは、でもそれは他人も感じるわけ。たとえばさ、自分だけが……

K:みんな知ってる。

X:ああ、他人も知ってるわけか。それは気付いてなくてもいいわけ。

K:気付いていない人は一発で気付く。それはやっぱり困るわけよ。おかしい。腐っている。

X:物との関係ではそういうのないの。

K:ヴィアンの「心臓抜き」読んだ?

X:いや、読んでない。

K:閉鎖しているから、何もおきないから物の配列だけで変えていこうとするんだろうけど、それがなけりゃアナーキズムのような政治形態や宗教形態になるわけ。

X:閉鎖しているから並びかえるっていうのは、全てがこちらを向いているから並びかえて外部におけるっていうか…..閉鎖している状態っていうのは、あまりに並び方が秩序正しいから。自分の配列でもないし、他人の配列でもないし……。

K:でも、秩序正しいのもいいと思う。気持いいしさ。ところが、中年のだささとかにくたらしさとか糞ったれが浮き上ってくるとファシズムになるわけ。だけど、宗教の模型性(?)ていうのがあまりにきつすぎて、俺は宗教には行けなかったわけ。だから、「糞ったれキリスト」。自分自身にそのような妄想があるから。

X:だから、キャンディーズのように、「もう普通になりたい」

K:そう、そういう俗っぽいような、地獄のようなところもあるのね。問題はもう分っているんだけど、動けないんだ。全てを止めて外国に行くか、山にこもるか、「夜のはての旅」のようになしくずしになっていくか。

(中略。食事の後、新宿に出て、喫茶店に入る。注文をするとすぐ、隣のテーブルにコンパ帰りらしき大学生の一団がなだれ込んで来る)

────てめえうるさいよこの野郎。

K:喧嘩だ。喧嘩だ。糞ったれ。気どりやがって、糞。

X:どんなコンサートをやりたい。

K:この間は、緊張して前に出れなくて、かえってそういうところがうけちゃったけど。

X:角谷はどちらかというと、毅然とやりたい方じゃないの。

K:毅然というか、めちゃくちゃ踊り狂ってやりたいけどね。それから、マースみたいに割れたサングラスに黄色い光をつけるとかさ。原始時代の混棒があるじゃない。

X:えっ?

K:石の棒で先が太くなっていてギザギザがいっぱいついたやつ。あんなので頭蓋骨をボクッとかガキッとか殴っていくわけ。ちょっと前に考えていたのは、握りがゴムの赤いハンマーとかね。

X:山手線の電車の中で、懐から突然力ナズチを取りだして、隣に坐ってた奴の頭をぶんなぐって殺した奴がいたけどね。

K:だから、よっぽど腹がたってたんだよ。

────人間は人間なんだよ、お前な

X:原始人みたい。

K:だけど、原始人はあんなに喋らないよ。東京の奴ってさ、結局、恥を内側に持ってて、いきがって喋っている。

バンドでやりたいのは痙レン。それに、粒子的な音のいらいらしたロックンロール。

X:粒子的って?

K:原子のドアを開いてね……うーん、開くっていうのはあまり好きじゃなくて、むしろ閉鎖した内側での電子の放電。

────人間なんていうのはな、学年じゃないんだ。人間性なんだよ。

K:気狂い。臭い。

(喫茶店を出た後、ピカデリーで「さらば青春の光」を見、再び下宿に帰ってくる)

K:ここはいろんな音が入るんだ。TVとか自衛隊の無線とかね。すごい時には、自衛隊のヘリからのやつが五分おきに入ってくるの。信じられないくらい、すごく飛んでいるよ。

X:西武池袋線の江古田駅の踏み切りのわきにビデオ・テレビがあってね。そこの二階にカラオケ・スナックがあって、客が歌っているところをビデオで表に映しだしているわけなんだけど、夕方時のまだ何もやっていないんだけどスイッチだけは入っている時の画面がとてもきれいなんだ。様々な色の粒子が飛びかっていて、それが電車がわきを通るたびに変化をおこすんだ。

K:俺の場合は、そんな音の粒子をキャッチして、それをどんどんミックスダウンしていくわけ。

X:J・ケージのパーフォーマンスにそんなのがあるけど、あれは他人のやっているのを聞くより、自分でやった方がずっと面白いね。

K:低周波っぽい音になっていくみたい。

X:低周波といえば、あの装置をはじめて作ったやつが、どんな効果があるのか実験したら、内臓破裂かなんかで、あっという間に実験だいになったやつは死んじゃったらしいね。

K:ひでえ話だ。(文責・隅田川乱一)


【関連書籍】
●剛田武『地下音楽への招待』
Underground Music Go Underground


剛田武『地下音楽への招待』http://bit.ly/2cEpL9I

A-Musik - 釜山港へ帰れ


from the album which was packaged together with the book 《地下音楽への招待》(Japanese Underground Music In The Late 70s And 80s) by 剛田武 (Takeshi Goda), published by Loft Books.

Anode/Cathode - Interview; Next Question Please


Compilation "地下音楽への招待" Extract of Side B off「Anode/Cathode - Punkanachrock」(Pinakotheca 1981.7)


【参考サイト】
椅子物語【吉祥寺マイナー セレクション 1978 - 1980】
特殊音楽の世界24「特別編の4;ロックマガジンと吉祥寺マイナー」by F.M.N.石橋
孤立無援が吹き溜まった“箱”~最暗黒のライヴ・スペース、吉祥寺マイナーについての極私的回想録by 松山晋也
LOFT BOOKS 地下音楽への招待
synchronize


地下音楽
音だけ聴いても
話し半分

▼吉祥寺マイナーと同時期に地下音楽のメッカだった吉祥寺羅宇屋でのライブ音源。
●1978年8月6日 GAP@吉祥寺羅宇屋
GAP - 阿頼耶の世界から 1978.8.6 /Record.


GAP - 阿頼耶の世界から 1978.8.6 / Part 2 Live 吉祥寺 羅宇屋にて
40分23秒。(全体70分25秒)

♩ 佐野清彦(vo,pf,syn)、曽我傑(syn,per)、多田正美(pf,per)、+ 三浦崇史(sax,per)
コメント (2)
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【華麗なるラブ・サウンドへの招待】第2回:ポール・モーリア vs.日本の歌姫。魅惑のラブ・サウンド名曲日本語カヴァー~森山良子/天地真理/あべ静江/麻丘めぐみ/いしだあゆみ/ザ・ピーナッツ他

2020年05月22日 01時30分28秒 | こんな音楽も聴くんです


自粛期間中にますますポール(といえばモーリア)とラブ・サウンドの魅惑に取り憑かれている。24時間ほとんど外出しないで同じ部屋に引き籠って一日ずっと好きな地下音楽やフリージャズやパンクロックや現代音楽ばかり聴いていると、何をしていても音楽しか頭に入ってこないので耳と脳だけが肥大化していく気分になる。そのうち頭が水膨れならぬ”音”膨れになって、破裂してしまうのではないか?と危機感が募るパニック障害のデトックスとして、ポールをはじめとするラブ・サウンド、またの名をムード音楽、またの名をイージーリスニングが大変有効であることに気づいた。それ以来、ポールの13枚組LP各面20分×2(AB面)×13枚=約8時間半を仕事中ずっと流しっぱなしにしている。時折アクセントとしてCBSソニー系のレイ・コニフ・シンガーズ、カラベリときらめくストリングス、パーシー・フェイス・オーケストラをコンパイルした7枚組LPや、フランク・プゥルセルやレイモン・ルフェーブルなどポールのライバルのレコードを聴いたりもするが、さすがにインストばかりだと物足りなくなる。だからと言って、パンクやロックやクラシックのヴォーカル曲は圧が高すぎる。もっとムードがあってイージーに聴ける女性ヴォーカルはないかと思い、YouTube検索したところ、ラブ・サウンドの日本語ヴァージョンが次々見つかった。しかも日本の歌謡ポップス界を象徴する人気歌手が多い。”ラブ・サウンドの王様”ポールの必殺スマイルは、歴代大物女性歌手をも虜にするのだろう。ポールが導いてくれた素敵なご縁に感謝するしかない。愛のメッセージを交換するムッシュ・ポールと日本の歌姫の聴き比べをお楽しみあれ。

●恋はみずいろ L'amour est bleu
1967年発表。ピエール・クール(英語版) (Pierre Cour) 作詞、アンドレ・ポップ (Andre Popp) 作曲。はじめはヨーロッパで、ユーロビジョン・ソング・コンテスト1967においてヴィッキーの歌唱で発表され4位に入賞。翌年にはポール・モーリア編曲のインストゥルメンタルバージョンがヒットチャート5週連続1位を獲得するなど爆発的にヒットし、数多くのアーティストによってカバーされ、1960年代 - 1970年代に突出した頻度で各メディアで流れた曲であり、また現在でもイージーリスニング音楽やBGMの定番のひとつとして用いられており、世界中の多くの人々に親しまれている曲である。

ポール・モーリアPaul Mauriat /恋はみずいろL'amour est bleu (Love is Blue) (1967年)

 
森山良子 恋はみずいろ 1967


天地真理 恋は水色


あべ静江 恋はみずいろ


由紀さおり 恋は水色


石川ひとみ 恋は水色


Chara - 恋はみずいろ



●オリーブの首飾り El Bimbo
もとはフランスのグループ、ビンボー・ジェット(Bimbo Jet)の70年代ディスコミュージックで、作曲はリーダーのClaude Morgan。日本でも「嘆きのビンボー」として発売された。これをポール・モーリア楽団がカバーし、「オリーブの首飾り」の邦題が付けられた。ビンボー・ジェットはクラビネット、ポール・モーリアはチェンバロでメロディを奏でている。奇術界を代表する女性マジシャン、松旭斎すみえがポール・モーリア版をBGMに起用したために、手品のバックミュージックとして有名になったと言われている。

ポール・モーリア PAUL MAURIAT /オリーブの首飾りEL BIMBO (1975年)


ローレン中野 ゆうわく(オリーブの首飾り)1976 / El Bimbo


石井明美  オリーブの首飾り



●シェルブールの雨傘 Les parapluis de Cherbourg 
1964年フランスのジャック・ドゥミ監督ミュージカル映画。ミェル・ルグランが音楽を担当し、第17回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した。映画中ではダニエル・リカーリが歌った主題歌はスタンダード・ナンバーとして多くの歌手により歌われている。

シェルブールの雨傘 ポール・モーリア  Les parapluis de Cherbourg Paul Mauriat


麻丘めぐみ シェルブールの雨傘 1976 / Les Parapluies De Cherbourg



●愛の賛歌 Hymne à l'amour
フランスのシャンソン歌手:エディット・ピアフの歌。作詞はピアフ、作曲はマルグリット・モノー(フランス語版、英語版)による。シャンソンを代表する楽曲として世界中で親しまれている。

Paul Mauriat --HYMNE A L'AMOUR 愛の賛歌


倍賞千恵子 愛の讃歌 1975 / Hymne a L'amour



●サバの女王 La Reine de Saba
1967年にチュニジア出身の男性歌手ミシェル・ローラン(フランス語版)が作詞・作曲し、フランスで発売されたシャンソンの楽曲。

ポール・モーリア Paul Mauriat/サバの女王 La Reine de Saba(1968年)


ペドロ&カプリシャス シバの女王


今陽子 サバの女王



●白い恋人たち 13 Jours en France
1968年に製作されたクロード・ルルーシュ監督による同名のフランス映画のためにフランシス・レイが作曲したメインテーマ曲。

Paul Mauriat 白い恋人たち


ザ・ピーナッツ 白い恋人たち 1971 / 13 Jours en France


いしだあゆみ 白い恋人たち 1973 / 13 Jours en France



●ある愛の詩 Love Story
数多くの映画音楽を手がけてきたフランシス・レイがアメリカ映画『ある愛の詩』(1970年公開)のテーマ曲として作曲した。同曲は1970年の『アカデミー賞』音楽賞を受賞している。同時にアメリカの男子歌手アンディ・ウイリアムスが「ある愛の詩 (Where Do I Begin) Love Story」として歌いヒットを記録した。
 
Paul Mauriat ある愛の詩


平山三紀  ある愛の詩 1971 / Love Story



●マイ・ウェイ My Way
フランク・シナトラのポピュラー・ソング。作詞はポール・アンカ、作曲はクロード・フランソワ、ジャック・ルヴォー(英語版)。原曲は1967年のクロード・フランソワのフランス語の歌「Comme d'habitude」で、ポール・アンカが新たに英語の詞を書き、1969年にフランク・シナトラのシングル及び同名のアルバムとして発売された。後にエルヴィス・プレスリーはじめ多くの歌手によりカバーされ、カバーされた回数が史上第2位の曲(第1位はビートルズの「イエスタデイ」)だと言われている。

Paul Mauriat マイ・ウェイ


いとう愛子 マイ・ウェイ 1970's / My Way



●この胸のときめきを Io che non vivo senza te
もともとは1965年のサンレモ音楽祭で歌われたイタリアの楽曲で、原題は『君なしに生きていられない僕(Io che non vivo senza te)』。作曲者のピノ・ドナッジョが創唱した。その後、ダスティ・スプリングフィールドが歌い、のちにエルヴィス・プレスリーもカヴァーした。英語タイトル「You Don't Have to Say You Love Me」。

ポール・モーリアPaul Mauriat/この胸のときめきをIo Che Non Vivo (1966年)


藤圭子 この胸のときめきを



●エマニエル夫人 Emmanuelle
エマニュエル・アルサンのベストセラー小説を映画化した、1974年のフランス映画。シルヴィア・クリステル主演のソフトコア・ポルノとして、特に日本で女性中心に大ヒットした。である。フランスのシンガー・ソングライター、ピエール・バシュレによるテーマ曲もヒットした。

Paul Mauriat - Emmanuelle


アンヌ・アンデルセン エマニエル夫人(日本語)1975 / Emmanuel



●ユー・キープ・ミー・ハンギング・オン You Keep Me Hangin' On
スプリームスの1966年のシングル。作曲はホーランド=ドジャー=ホーランド。本作はグループの8番目のナンバーワンシングルであり、Billboard Hot 100において1966年11月13日から11月27日まで1位の座を保った。その後もロッド・スチュワート、ヴァニラ・ファッジ、ボックス・トップス、カラーボックス、リーバ・マッキンタイア、キム・ワイルド、アレサ・フランクリンと言った様々なアーティストによってカヴァーされている。

Paul Mauriat - You Keep Me Hangin' On (The Supremes Cover)


キャンディーズ  ユー・キープ・ミー・ハンギング・オン


Risa Yamamoto (山本理沙) - キープ・ミー・ハンギン・オン (You Keep Me Hangin' On)



カラオケで
ラブ・サウンドを
歌いまくりたい

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【オンライン配信ライブのススメ】でんぱ組.inc/坂田明/爆裂女子/キノコホテル

2020年05月21日 01時39分31秒 | 動画の歓び




新型コロナウィルス感染症拡大防止のため(最近こればっかり)観客を収容してのライヴイベントが当分望めない状況になり、ライヴハウスやミュージシャン・アーティストはオンライン・配信パフォーマンスへと移行している。いわゆる無観客配信ライブや、オンラインでデジタル技術を駆使してのバーチャルライブなどである。チケット制の有料配信と投げ銭制の無料配信があり、併せてスペシャル物販やオンラインサイン会を実施する場合もある。本来は他のファンと一緒に生で観るのがリアルであるが、オンラインならではの楽しみ方もある。第一に全員が最前列で観れる。第二に好きな格好で観れる。さらにアーカイヴ配信がある場合は好きな時間に観れる。そんな「三楽」があふれるオンライン配信ライブ現場をおススメしよう。

5月16日(土)
でんぱ組.inc / THE FAMILY TOUR 2020 ONLINE

コロナ禍で延期になったレコ発ツアー「THE FAMILY TOUR」のセトリ全曲生歌披露。6人が別々のブースに入り、画面上で共演する映像にVJがリアルタイムでエフェクトを加える試みは、リアルライブの代替えではなく、全く新しいライブスタイルを提示した。全編ミュージックビデオといえるクオリティの臨場感は、リアルライブを超える感動をもたらした。
アーカイブで視聴できます。チケット¥2,000→5/23(土)23:59まで購入可能 購入URL⇒https://dearstage.zaiko.io/_item/326149




5月18日(月)
【無観客配信】坂田明 ソロ
@千駄木Bar Isshee

千駄木Bar Issheeの無観客配信ライブにフリージャズ・サックスのレジェンド・坂田明が登場。特別な演出はなく、演奏をじっくりと聴かせる。音質も映像もとてもクリアで、生のライブでは見えない手元や口元のクローズアップは、ファンならずとも興味深いに違いない。これほどミュージシャンの魅力に迫れるのは配信ならでは。Bar Issheeの営業スタイル通りの投げ銭制。感謝をこめてチップを弾むべし。
Bar Isshee今後の配信ライブ、イベント予定⇒Bar Isshee公式サイト




5月19日(火)
爆裂女子配信ライブ-爆迎-
@新宿ロフト

新メンバー”若”のお披露目ライブ。観客がいなくてもいつもと同じ、いや、会場が広く使える分いつも以上に爆裂したパフォーマンスを披露。ハンドカメラを奪うように迫ってくるメンバーがパソコンの画面から飛び出してきそうなリアリズムは、ライブで一番輝くパンクロックアイドルならでは。新曲「Against the Drain」も予想外の振り付けで披露。思わず画面の前で踊って汗だくになった。早く現場で騒げる日が来てほしい。
5/22(金)までアーカイブ視聴できます。配信チケット¥1000 購入URL⇒https://loft-prj.zaiko.io/_item/326138




5月20日(水)
キノコホテル 無観客生配信実演会・第三夜
サロン・ド・キノコ 初夏のナマ出し

@新宿ロフト

3/25、5/5に続く3回目の無観客配信ライブ。かなり手慣れた感じで客の不在を感じさせないパフォーマンスだったが、マリアンヌ東雲に言わせると「目の前に人がいないと集中力が保てない。気が付いたらライブ終わったら何食るかなんて考えちゃう」とのこと。そんな話をライブ終了後のトークコーナーで聴けたり、おっとりした従業員(バンドメンバー)の素顔がかいま見れて面白い。こんなお楽しみも配信の魅力である。



最近、配信ライブののスケジュールでカレンダーが埋まってきた。

オンライン
推しメン眺め
胸躍る

BURST GIRL 爆裂女子 5月9日の配信ライブ:セルフプロデュースならではの手作り配信。

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【地下音楽の新たな波】ノイエ・シズオカ・ヴェレ ~atomicfarm(アトミックファーム)の新作2作『utaneue(うたのいえ)』『usoneue(うそのいえ)』を聴く。

2020年05月20日 01時21分24秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


Neue Shidzuoka Welle - Aus Grün Atomic Ranch
~ノイエ・シズオカ・ヴェレ(新しい静岡の波) - 緑色の原子の牧場から


atomicfarm(アトミックファーム)は静岡で2010年に当時19歳の女性もよぽん(vo.b)と41歳の男性もたん(g)を中心に原子力牧場という名前で活動を開始した。地元でライヴ活動をしつつ自主制作CDRをネットを通じて配給。偶々入手した1stアルバム『原子力牧場I』は70'sハードロックと80's日本のニューウェイヴを通過しつつ、マヘルシャラルハッシュバズや初期ゆらゆら帝国に通じる裏日本的妖怪気質が幽かに漂う、しかしながら100%ポップに振り切れた快作だった。⇒静岡から奇才バンド登場!~原子力牧場「原子力牧場I」

徐々に話題になり東京にも年数回ライヴで訪れるようになった。GS/ガレージ系ガールズバンドのイベント出演も多く、当時ガレージ女子にぞっこんだった筆者とっては一挙両得だったが、雑多な音楽要素と内に秘めた情念を捻じれたポップに込める彼らのサウンドとスタンスは、前向きなR&Rで突っ走るガレージパンクとは別次元だった。その異物感は、2015年にatomicfarmと改名してサザナミレーベルから全国デビューした後も変わらない。前作から3年ぶりの3rdアルバムが、エレキ盤『utaneue』とアコースティック盤『usoneue』の2バージョンでリリースされると聞いたときには、正直言って驚いた。地上・地下含め日本のロックの流れとシンクロしない突然変異種であり、ネオアコ/ガレージ/パンク/サイケ/プログレ/アイドルロックetc.どの売り場に置いても居心地の悪いホームレス感。コロナ禍の緊急事態で同調圧力が異様に高まる中、彼らのような反乱分子、反動主義、異議申し立ての作品を世に出そうとする支援者がいるという事実は、ポストコロナの世界に向けての希望の光である。

”異議申し立て”と書いたが、それはあくまで傍観者側の視点であり、主体であるもよぽん、もたん、こうずけ(ds)の三人には、世界に挑戦状を叩きつけようなどという気負いは全くない。極めて自然体の音と言葉の異種交配から生まれる歌の子供たち。デビュー当時に感じたハードロックやニューウェイヴ色は見事に消化・吸収・代謝され、表面上には現れない。代わりに音の狭間から気泡のように湧き上がるフォークとジャズとエスノの香りは、聴覚に留まることなく、耳の奥から脳髄に滲み亘り、血液中に流れ込む。吸収されず未消化のまま身体を巡り続ける音の残滓の痼(しこり)は、裏を返せば社会に順応することを良しとしない地下生活者の勲章と言えるだろう。

●atomicfarm『utaneue』DIW/Sazanami SZDW-1082


エレキ盤、とはいってもデビュー当時標榜していたShock Pop/Venom Rockバンドはここにはいない。激しいビートやラウドなロックではなく、飄々としたフォーキーなジャズロックという感触。ジャジーなフレットレスベースとクリアな音色のギター、ビート感より歌心を重視するドラムに、幼児のキュートさと老女のドゥームさを兼ねそなえた両性具有ヴォーカルが重なるドリームポップは聴きやすいが、進むにつれて墓場の鬼太郎の世界へ迷い込むような浮遊感に包まれる。さり気なく超絶テクニックを誇示するギターや、非共鳴和音のコーラスのレイヤーは、行き過ぎることを恐れない地下音楽精神の発露と言える。

【Trailer】atomicfarm / utaneue **5/20 on sale!!DIW/Sazanami SZDW-1083

Disk Union Online Shop

●atomicfarm『usoneue』


アコースティック盤。ヴォーカル曲の間にインストナンバーがサンドイッチされたコンセプチュアルな構成になっている。アコギやジャンベを使った演奏は確かにアコースティックだが、いわゆるアンプラグドとは全く異なり、ライヴでは再現できない実験やエスニックな冒険に挑戦した"Other Side of atomicfarm"を提示している。音数が少ない分、詩情豊かなもよぽんのヴォーカルが強調され、カネコアヤノや角銅真実を思わせる部分もある。感情の起伏の穏やかさで考えれば、こちらのほうが万人向けかもしれない。ただしサブリミナルな中毒度は高いので要注意。

【Trailer】atomicfarm / usoneue **5/20 on sale!!

Disk Union Online Shop

静岡県は、ノイズユニット庭や轟音サイケバンドUp-Tightなど、一癖ある地下音楽が育まれる土地であり、80年代からCurrent 93やNurse With Woundといった秘境インダストリアル/リチュアル系の大御所と繋がりのあったバンドMagic Lantern Cycle(MLC)を生んだ土地である。どこにも収まり切れないatomicfarmの音楽は、この土地だからこそ生まれ得た奇跡と言えるだろう。もよぽんの描く奇妙な物語と変幻自在のヴォーカルは、まさしくMLCの世界を継承している。80年代にドイツでDAF、Palais Schaumburg、Der Plan、Einstürzende Neubautenなどが推進した新たなパンク、ニューウェイヴの波を意味するノイエ・ドイチェ・ヴェレ(Neue Deutsche Welle, N.D.W)のように、atomocfarmが起こした静岡の新しい波(ノイエ・シズオカ・ヴェレ)が、徐々に世界中に滲み亘る未来が楽しみだ。

atomicfarm公式サイト

【参考動画】
Magick Lantern Cycle - Cities Of The Red Night


Plan - Space Bob


Einstürzende Neubauten (Halber Mensch 1985) [01] Armenia


この二枚
聴けばあなたも
アトミックファーム市民

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【5/20推しメン揃い踏み】爆裂女子/atomicfarm(アトミックファーム)/壊れかけのテープレコーダーズ/キノコホテル 【お楽しみクイズあり!】

2020年05月19日 01時02分18秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


新型コロナウィルスの国内感染者が1日30人前後に減り自粛解禁ムードが高まっているが、まだ解放感に気を許すわけにはいかない。在宅勤務は6月上旬まで続く模様だし、ライヴハウスやイベントが再開されるのはいつになるかわからない。そんな不安と我慢の日々にまもなく救いの光が差す。
2020年5月20日(水)は筆者の推しメンが揃って新たな姿を見せる奇跡の一日になるのだ。

●爆裂女子-Burst Girl-


1週間前の5月13日(水)に元偶想Dropのわかぴくこと”若”が加入し新体制になることを電撃発表した、最強で最狂のパンクロックアイドル”爆裂女子”の新作EP『Story』が5月20日(水)に発売になる。楽曲提供に後藤まりこ、THE STARBEMSの日高央、そしてKING BROTHERS、N'夙川BOYS、リンダ&マーヤのマーヤの楽曲に編曲でおやすみホログラムのオガワコウイチが参加した珠玉の3曲は、今までのイメージから飛躍する新たなスタイルを提示する意欲作。新天地のロックンロールへ突き抜けた爆裂女子がポストコロナのアイドルシーンを更新するのは間違いない。誰かがイメチェン?と聞いていたが、”チェンジ”ではなく”マシマシ”であることは明らか。前日のフラゲライブでネットと夢の中でしか今カノ都子に会えないやるせなさも吹っ飛ぶだろう。

5月19日(火)
わかぴくお披露目ライブ「#爆裂女子 配信ライブ-爆迎-」
場所:新宿LOFT
配信時間:20:00
配信URL:http://loft-prj.zaiko.io/_item/326138
チケット:1,000円

爆裂女子 2020年5月20日発売『story』告知



●atomicfarm(アトミックファーム)


2011年に耳にして即座に”ポスト・ゆら帝、新世代ロックの超新星!”と興奮した静岡の3ピースバンド「原子力牧場」が「atomicfarm(アトミックファーム)」に改名してから3作目のアルバムを、エレキ盤『utaneue』とアコースティック盤『usoneue』の2バージョンで5月20日(水)にリリースする。自由と解放をテーマに制作された本作は、少しハスキーで不思議な歌声が祈りのように彼方に伸び行く新境地。出会った当時20歳だった女性ベースボーカル”もよぽん”も今や29歳の大人女子。東京と静岡で離れていて、久々に会う姪っ子の成長ぶりに驚く叔父さんになったような気分がする。

【MV】atomicfarm / ゆめみて



●壊れかけのテープレコーダーズ


21世紀東京New Waveシーン(なんてあるのか知らないが)を代表するロックバンド「壊れかけのテープレコーダーズ」の4年ぶりの6thアルバム『End of the Innocent Age』も5月20日(水)リリース。ボーカル、ギターの小森清貴とキーボードの遊佐春菜は10年以上前中央線沿いのライヴハウスで頻繁に遭遇した。筆者の主現場が地下アイドルに移行すると共に、山崎ハコ似の黒髪と透明な歌声で心をときめかせた遊佐と会う機会が減ってしまった。新ドラマーを迎えた新生壊れかけのテープレコーダーズが提示するロック・フリーダムで心と身体を清めると同時に、久々に幼馴染に会えるような歓びに身震する。

壊れかけのテープレコーダーズ/ boys & girls



●キノコホテル


2008年にInter FMで聴いた「真っ赤なゼリー」で虜になって以来、2015年頃まで追っかけていたキノコホテルだが、アイドル沼にハマるとともに足が遠のいてしまっていた。しかしながら2018年にネクロ魔と対バンしたのをきっかけに、マリアンヌ東雲がネクロ魔に楽曲提供したり、自主イベントのゲストにネクロ魔や爆裂女子のメンバーを呼んだりして、筆者の主現場に接近してきた。そして5月20日(水)に無観客生配信実演会でライブ配信が決定。元カノとの再会にドキドキする未練がましい男になった気分も悪くない。

2020年5月20日(水)
キノコホテル 無観客生配信実演会・第三夜 【サロン・ド・キノコ〜初夏のナマだし】
【配信時間】21:00
【視聴チケット】¥1,000 ※投げ銭あり
チケット購入⇒https://loft-prj.zaiko.io/_item/326135

キノコ大迷宮ノ悪夢/キノコホテル


推しメンが
一挙に迫る
ウェンズデー

▼ポストコロナの世界で、こんな激しいライヴができるのはいつだろうか? 
2020年1月7日ワンマン『爆裂大解放』@新宿MARZ

【お楽しみクイズ】上の映像に筆者が映っているよ。探してみてね。
わかった方はコメント欄にて回答してください。正解者にはお楽しみあり。
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