A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

独逸前衛サックス奏者『フローリアン・ヴァルター』再来日公演決定! FLORIAN WALTER JAPAN TOUR 2018

2018年10月31日 01時15分51秒 | 素晴らしき変態音楽


Florian Walter Japan Tour 2018

エッセンを拠点にジャズ、実験音楽、即興、現代音楽、劇音楽といった幅広い分野で活動する若手サックス奏者フローリアン・ヴァルターの2回目となる来日ツアーが決定した。2017年11〜12月の初来日ツアー以降、今年のメールス・フェスティバルではNY即興シーンの風雲児クリス・ピッツィオコスとデュオ・コンサートを行う等注目を浴びるヴァルターの進化したプレイに期待したい。
JazzTokyo フローリアン・ヴァルター JAPAN TOUR 2017

12月2日(日)東京 東北沢 OTOOTO http://www.otooto.jp/

Open 19:00 Start 19:30
¥ 2000 w/ 1 free drink.

Trio:
橋本孝之 Takayuki Hashimoto(as, etc)
川島誠 Makoto Kawashima(as, etc )
フローリアン・ヴァルター Florian Walter(as, etc)

Duo:
直江実樹 Miki Naoe(radio)
フローリアン・ヴァルター Florian Walter(as, etc)



12月5日(水)千葉 稲毛Jazz Spot CANDY http://blog.livedoor.jp/jazzspotcandy/

出演:齋藤徹(コントラバス)
   フロリアン・ヴァルター(サックス)
   喜多直毅(ヴァイオリン)
内容:即興演奏

時間:19:30開場/20:00開演
料金:予約¥3,000/当日¥3,500(1ドリンク付き)
予約:043-246-7726 or jazz_candy-lj@infoseek.jp

contrabass: Tetsu Saito
sax: Florian Walter
violin: Naoki Kita

5. December. 19:30open 20:00start

Jazz Spot Candy
http://blog.livedoor.jp/jazzspotcandy/
3-10-1, InageHigashi, Inage-ku, City of Chiba, Chiba Pref.
tel. 043-246-7726

Reservation: ¥3,000
On the dat: 3,500
With one drink

Reservation
tel. 043-246-7726
E-mail: jazz_candy-lj@infoseek.jp



12月8日(土)大阪 ギャラリーノマル Gallery Nomart http://www.nomart.co.jp

名和晃平個展 “Element - Black” 最終日イベント| 音楽Live “Black”

open 19: 00 / start 19: 30
charge: adv 2,500 / door 3,000
Act:
フローリアン・ヴァルター|Florian Walter (sax, clarinet, other) * from Germany
山路敦司|Atsushi Yamaji (laptop)*作曲家/音楽デザイナー/研究者
.es|ドットエス:橋本孝之Takayuki Hashimoto (sax,harmonica) & sara (piano)

日独のアーティストが奏でる、
無であり無限でもある“Black”

2018年11/10-12/8に現代美術画廊 Gallery Nomart (ギャラリーノマル,大阪)で開催する
現代美術作家・名和晃平個展「Element - Black」最終日。
日独の音楽家達が、本展覧会のコンセプトをテーマにClosing Liveを行います。

後援 : ドイツ連邦共和国総領事館 Consulate-General of Germany
   大阪ドイツ文化センター Goethe-Institut Osaka
*Live詳細&前売予約専用ページ:http://www.nomart.co.jp/1208sat/
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展覧会情報:ギャラリーノマル
名和晃平 Kohei Nawa “Element - Black”
展覧会期: 2018年11月10日(土)−12月8日(土)
http://www.nomart.co.jp/gallery/exhibition/2018_nawa.php
----------------------------------------------------------------------------

【 フローリアン・ヴァルター|Florian Walter 】sax, clarinet, other
フローリアン・ヴァルターは、2006年よりサックス、クラリネット奏者として、また現代音楽の作曲家として活動している。
エッセン(ドイツ)で音楽、ジャズ・サクソフォン、作曲、歴史科学を学んだ。実験的なポップ・ミュージック、モダン・ジャズ、即興演奏、現代音楽、演劇音楽といった分野の様々なアンサンブルで演奏し、既成の音楽概念のステレオタイプに後退せずに、音を展開し構築するするための、時代状況を踏まえて演奏するための、新たな方法を模索している。
例えば2010年より始めたコンヴィニエンス・ストアでの即興音楽のコンサート・シリーズのような、同時代の音楽と芸術を提示するための新たな方法をも打ち出している。
www.florianwalter.yolasite.com

【 山路敦司|Atsushi Yamaji 】laptop
 クラシック、現代音楽の作曲家として活動する傍ら、映像音楽からポピュラー音楽まで幅広く手掛ける。特にコンピュータ音楽やノイズ音楽において多くの海外の音楽祭で作品が発表され高く評価されている。Cartier、Panasonic Latin America 等の企業CM音楽の他、クリエイティヴユニット・TOCHKA(トーチカ)とのコラボレーションによる一連のアニメーション作品は上海万国博覧会や世界中の映画祭で入選し上映されている。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了。スタンフォード大学 Center for Computer Research in Music and Acoustics(CCRMA)客員研究員、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)を経て、現在は大阪電気通信大学総合情報学部教授を務める。武満徹のポピュラー・ソングと映画音楽に関する実証研究により京都市立芸術大学にて博士号取得。映画『悲しき天使』(監督:大森一樹)で第2回おおさかシネマフェスティバル音楽賞受賞。デレク・ジャーマン監督の盟友として『カラヴァッジオ』『ラスト・オブ・イングランド』『BLUE』など多くの作品を手掛けた音楽家、サイモン・フィッシャー・ターナーとの協同作業による映像作品『Dies Irae』でミラノ・ファッションフィルム・フェスティヴァル入選。その他、ビデオゲーム『龍が如く』『けいおん!放課後ライブ!!』ほか長年に渡りゲーム音楽を多数手掛ける等、ニューメディアとしてのサウンド表現の可能性を追求しながらアートとエンタテインメントの領域を横断する活動は多岐にわたる。
http://sushilab.jp

【 .es|ドットエス:橋本孝之 Takayuki Hashimoto (sax,harmonica) & sara (piano) 】
2009年、大阪の現代美術画廊「Gallery Nomart(ギャラリーノマル)」をホームに結成。橋本孝之(alto sax, guitar, harmonica)+ sara(piano, others)の二人によるコンテンポラリー・ミュージック・ユニット。 現代美術ディレクター林聡がプロデュース。
結成当初より現代美術をはじめ様々な表現領域とのコラボレーションを行い、国内外にて活動を展開。2013年 P.S.F. Recordsよりアルバム「void」リリース。あらゆるジャンルを縦横無尽に横断する音楽家として独自の存在感を放っている。
アートシーンでは2011年「させぼアートプロジェクト」(長崎)、2013年 静岡市美術館、2016年 大分県立美術館にて招聘公演。2017年/2018年「龍野アートプロジェクト」(兵庫) 連続出演。
音楽領域においては、即興、ノイズ、電子音楽、ジャズ、ロック、クラシック、現代音楽など国内外の音楽家達とのコラボレーションによって生まれるボーダレスな世界ー “音”と“音楽”の間(ま)で交錯する感覚を表現する。
http://www.nomart.co.jp/dotes




12月9日(日)東京 阿佐ヶ谷天(Ten) 
Florian Walter+山崎正明+玉響海月
森順治+玉響海星
紺野将敬+横山玲+堀込美穂

19:30 open  20:00 start
charge 1000yen+1drink

独逸から
やってくるのは
どこのどいつだ

Florian Walter | live at Makroscope | 14.04.2018
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『NO NOT JAZZ』灰野敬二+ナスノミツル@渋谷LUSH 2018.10.24 (wed)

2018年10月30日 09時06分14秒 | 灰野敬二さんのこと


NO NOT JAZZ

OPEN 19:30 / START 20:00
ADV 3000 / DOOR 3500 (+1D)

LIVE 灰野敬二(ds.etc) / ナスノミツル(b)



灰野敬二とナスノミツルは不失者、サンヘドリン、静寂などのバンドだけでなく様々なプロジェクトやセッションで共演を重ねてきた。数えたことは無いが、吉田達也と並んでここ10年間で灰野と最も共演回数の多いミュージシャンではないだろうか。しかしながら灰野とナスノの完全なデュオは記憶に無い。もしかしたら組み合わせを変えるセッション形式でデュオをやったことはあるかもしれないが、デュオオンリーのライヴを行うのは初めてに違いない(記憶違いがあったらご指摘ください)。

今回の企画の発端が灰野かナスノかどちらかは分からないが、対バン無し/共演者無し/デュオのみ/ベースとドラム、という条件は灰野から提案されたらしい。NO NOT JAZZという二重否定のタイトルは如何にも灰野らしい命名である。つまり「ジャズじゃないけれど、ジャズでなくはないものは何?」という謎掛け問答である。



左にベースアンプ一台、右にスネアスタンド一台、真ん中にマイクスタンドが一本立つシンプルなステージはまるでアートギャラリーのディスプレイのよう。ひんやりした空気は決して空調だけの仕業ではない。暗い間接照明の中二人の影が浮かび上がる。ナスノのベースは弦の振動に加え、指や身体とベースのボディの摩擦や軋轢がアンプで増幅される。一瞬、深夜に真っ暗な海に漕ぎ出す幽霊船に乗り込んだ錯覚を起こす。灰野はピッコロスネアをブラシで撫で、擦り、叩き、震わせる。かつて10年間リズムの研究だけをしていたというエピソードを思い出す。その時もスネアの前に座って何時間も過ごしたのだろうか。そんな夢想を突き破る灰野の気合い。時折ハッとかオォとか掛け声を発する他は歌もなし。極めてストイックな演奏が続く。エフェクトでリバーブの深さをコントロールするナスノのプレイが聴き手の意識の深淵に澱みを産み、それを灰野の鋭角的なスネアの打音が撹拌し浄化する。



十数分の休憩を挟みのべ九十分の演奏は、ある意味で苦行であり、同時に至福でもあった。ジャズでありジャズでなかったが、音楽であることは確かだった。「みんながアッと驚くことをする」というのが最近の灰野の姿勢らしい。次はどんな驚きを与えてくれるのか、楽しみにしていたい。

音楽は
音我苦になる
御嶽は

<灰野敬二 LIVE SCHEDULE>

11月1日(木) 下北沢THREE


灰野敬二×ヤマジカズヒデ(dip)

開場:18時30分 開演:19時
前売:2900円 当日:3400円
(入場時にTHREEパス提示で1000円割引)
共に別途ドリンク代600円

出演:
灰野敬二×ヤマジカズヒデ(dip)
割礼
ZOV

※前売完売いたしました。
現在、キャンセル待ちの受付をしております。
開催日・お名前・人数をinfo@yoasa.jpへご連絡ください。
‪2日以内に整理番号付の返信が届かない方は、お手数ですが別のアドレスかTwitterのDMからご連絡ください。‬
特に@ezweb.ne.jp等の携帯キャリアメールは拒否設定等により届いていないことがあるようです。


11月11日(日)東京 高円寺メウノータ


灰野敬二 ソロライブ

18:30 開場 20:00 開演
4,500円(食事・1ドリンク付)

出演:
灰野敬二 (Polygonola ・その他(未定))

予約:
1111.Reservation@gmail.com へお名前・人数をご連絡ください。
折り返し予約番号を添えて返信いたします。折り返しの連絡をもって、受付完了とさせていただきます。


12月30日(日)東京 高円寺ShowBoat 


灰野敬二 Keiji Haino -2018年最終公演-
​不失者


​open 18:00 / start 19:00 
adv.¥4300 / door.¥4800

​Ticket
ShowBoat 発売中(店頭販売/代引郵送販売)
プレイガイド:LAWSON/e+ 11/17(土)10:00発売   
コメント (1)
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【完全セットリスト+MIX音源公開】盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.18

2018年10月25日 10時45分39秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.18
Bataille décisive d'Halloween


2018.10.19 fri DJ Bar 渋谷EdgeEnd
19:00 Open/Start
Charge ¥1,000 incl. 1 drink

DJ×DJ BATTLE & COLLABO SPECIAL!!:
ハロウィン:バトル&コラボ・スペシャル by 盤魔殿DJ ALL STARS
+
GUEST : DJ Pathosonicus a.k.a. 草深公秀(K2)


19:00-20:00 DJ Battle : FREE ZONE
20:00-20:30 DJ BEKATAROU aka 伊藤元 x DJ Vaby aka 大場弘規
20:30-21:00 DJ Bothis aka 山田遼 x DJ Athmodeus aka 持田保
21:00-21:30 DJ Necronomicon aka 剛田武 x DJ Paimon aka Moppy
21:30-22:00 DJ Pathosonicus aka 草深公秀(K2)
22:00-22:30 DJ Qliphoth aka 宇田川岳夫+DJ Ipetam aka 福田理恵


COMPLETE SET LIST
●DJ Battle : FREE ZONE


DJ Necronomicon (N)、DJ Vaby (V)、DJ BEKATAROU (B)
1. NECRONOMIDOL / thanatogenesis (N)
2. Profondo Rosso(サスペリア2)/Profondo Rosso (V)
3. 八十八ヵ所巡礼 / 虚夢虚夢 (N)
4. The Living Dead At The Manchester Morgue(悪魔の墓場)/ Trance (V)
5. nerine / -forgive- (N)
6. J.A.シーザー/首吊りの木 (V)
7. ザ・モップス / ブラインド・バード (N)
8. White Zombie/Electric Head Pt. 1 (The Agony) (V)
9. xoxo(Kiss&Hug) EXTREME & MELLOW GREEN WONDER / ν- Romantica (N)
10. 大魔神の足音(大魔神怒る)/ 伊福部昭 (B)
11. Andre Jolivet / Hymn a Saint Andre (N)
12. 大魔神怒る(大魔神怒る) / 伊福部昭 (B)
13. Ron Geesin / A Raise of Eyebrows (N)
14. HAMIDASYSTEM / 物語のおしまいに (N)


●DJ BEKATAROU aka 伊藤元 x DJ Vaby aka 大場弘規


DJ Vaby (V) vs DJ BEKATAROU (B)
1. 百物語・おいてけ堀(妖怪百物語) / 渡辺宙明 (B)
2. The Omen(オーメン)/Ave Satani (V)
3. ろくろ首(妖怪百物語) / 渡辺宙明 (声:毛利郁子) (B)
4. Suspiria(サスペリア)/Suspiria (V)
5. 蛇骨婆(東海道お化け道中) / 渡辺宙明 (B)
6. Profondo Rosso(サスペリア2)/School At Night (Lullaby - Child Version) (V)
7. 八つ墓の怪(東海道お化け道中) / 渡辺宙明 (B)
8. Paura Nella Citta Dei Morti(地獄の門)/Apoteosi Del Mistero (V)
9. ダイモンの魔手(妖怪大戦争) / 池野 成 (B)
10. Zombi(ゾンビ)/L'alba Dei Morti Viventi (V)
11. Ghost Bell(Midnight Hour) / Ralph Lundsten (B)
12. 透過性分子/Glace2 (V)
13. 震震 / 森下登喜彦 (B)




●DJ Bothis aka 山田遼 x DJ Athmodeus aka 持田保


DJ Athmodeus (A) vs DJ Bothis (B)
1. David Bowie / Ashes to Ashes (A)
2. Toukaseibunshi - Alive To The Sky (B)
3. ゲロゲリゲゲゲ / Anal Beethovenven - LSD (A)
4. Techno Menses - Requiem In The Sun (B)
5. Atrax Morgue / Tetramixing (A)
6. Ground Zero - Thema Mao 1 (B)
7. Nurse With Wound / Swallowhead (A)
8. 野坂昭如 - 黒の舟唄 (B)
9. Hairstylistics / Bloodsucking Stupit (A)
10. Coil - Fire Of The Mind (B)
11. G.I.Gurdjieff / New York Numbers #2 (A)


●DJ Necronomicon aka 剛田武 x DJ Paimon aka Moppy


DJ Paimon (P) vs DJ Necronomicon (N)
1. Morena y Clara - No Llores Más (P)
2. The Underground Set / Eastern Longitude (N)
3. Haku - Japanese Naration (P)
4. Ron Geesin / The Eye That Nearly Saw (N)
5. Raja Zahr - Dabke (P)
6. ゆらゆら帝国 / 太陽の白い粉 (N)
7. Jackie Mittoo - Ayatolah (P)
8. 原田依幸 / META (N)
9. Delusion Men - Phaser Train (P)
10. 嶺川貴子 / Brioche (N)
11. P.Adrix - Zelda Shyt (P)
12. Johnnys’ ジュニア スペシャル / ゲゲゲの鬼太郎 (N)


●DJ Pathosonicus aka 草深公秀(K2)


1. Naoki Kasugai “Image”
2. He Was “カイバル峠”
3. Merzbow “Ecobondage part 1”
4. Pseudo Code “Moon Effect”
5. Kas Production “Happy Feet”
6. Silicon Teens “Let’s Dance”
7, Stefan Weisser “Poextentions”
8. Flipper “Sex Bomb”
9. 陰猟腐厭 (タイトルなし)
10. Thorax Bach “Huckepack und zu Hunderten”
11. Perfect Mother “Dark-Disco-Da-Da-Da-Run”
12. 19(Juke) “For Several Years”
13. Inflatable Boy Clams “Skeleton”
14. Minimal Man “She Was A Visitor”
15. Permutative Distortion “Bruchenkopf im Niemandsland”
16. Linija Mass “Proletkult”
17. VKTMS “Ballad of Pincushion Smith”


●DJ Qliphoth aka 宇田川岳夫+DJ Ipetam aka 福田理恵


曲馬舘台本「王国と覇蔟」「地獄の天使たち」朗読
1. unknown dispair /DISSECTING TABLE
2. Pieces /Z'ev
3. Glasfedd eu hancwyn /T EST DEPT.
4. 溺愛 /火取ゆきfeaturing 柴田菜穂
5. Requiem Ⅱ /Sarry
6. Legend /ANGELITE &HUUN, HUUN,TU


ミックス音源公開

盤魔殿 Vol.18 前半:FREE ZONE〜DJ Vaby vs DJ BEKATAROU〜DJ Athmodeus vs DJ Bothis


盤魔殿 Vol.18 後半:DJ Paimon vs DJ Necronomicon〜DJ Pathosonicus〜DJ Qliphoth+DJ Ipetam 



盤魔殿
次回のゲストは
超豪華

次回開催
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.19
Nuit païenne en novembre
2018.11.25 sun DJ Bar 渋谷EdgeEnd
18:00 Open/Start
Charge ¥1,000 incl. 1 drink

盤魔殿DJ ALL STAR +
Guest Live(投げ銭ライヴ)
One Third Of Paganz :
Chihiro S. (vo, saz, MEL9) & Tarot 続木 (violin, chorus)

音楽で交歓する快楽空間
Avant-garde, Noise, Industrial, Dark Ambient, Neofolk, Punk, Hardcore, Idol, Black Metal, Middle-east, Ethnic, Ritual, Medieval, UnderGround,… Everything Weirdness About Music!
★来場者にZINE『盤魔殿アマルガム』無料進呈!
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【私のB級サイケ蒐集癖】第19夜:サイケ/ガレージの目印は半円マーク〜『デイヴィー・アラン&ジ・アロウズ』『テディ&ザ・パンダズ』

2018年10月22日 01時29分54秒 | 素晴らしき変態音楽


筆者がB級サイケを求めてレコード屋巡りをしていて、知らないレコードを買い求める時の目安のひとつに「ジャケット右上の半円マーク」がある。ビーチ・ボーイズやビートルズのアメリカ盤など、60年代キャピトルレコードUS盤のジャケットに入っているマークである。筆者の想像ではレーベル本社のキャピトル・タワーの円形を模していると思われるが、確かなことは分からない(正しい由来を知っている方がいたらご教示願いたい)。



とは言っても筆者がこのマークに気付いたのはビートルズやビーチ・ボーイズではない。きっかけは80年代半ばに大学生協の中古レコードセールの格安コーナーで購入したDavie Allan and The ArrowsのLPである。ベンチャーズのパクリだと思ったら、ビリビリ痺れるファズギター全開のガレージサイケインストロックで仰天した。レーベルは「Tower Records」。丁度その頃渋谷に初のタワーレコードがオープンした時期でもあり、関係あるのか気になったが、これも調べること無く現在に至る。そのジャケットに入っていたのが「半円マーク」だった。

Davie Allan&The arrows ‎– Cycle-Delic Sounds [Full Album]

【私のB級サイケ蒐集癖】第8夜<バイク映画のファズギター>デイヴィ・アラン&ジ・アローズ

それ以来「半円マーク」を意識して中古レコード屋を探すと、いかにも妖しいレコを幾つも見つけた。The Standells、The Chocolate Watchbandといったガレージサイケの有名バンド、The Smoke、Teddy and the Pandas、Max Frost & The Troopersといった企画もの風のB級バンド、それらを集めたRiot on Sunset Stripのサントラ盤などいずれもTowerレーベルだが、そのうちにクイックシルヴァー・メッセンジャー・サービスやスティーヴ・ミラー・バンドなどサンフランシスコ・ロックのレコードにも同じマークがあることに気付いた。それで自然に「半円マークはサイケの目印」と考えたわけである。もちろんキャピトル・レコードはアメリカの大メジャーだから、サイケやガレージロック以外のメインストリームのレコードも多数出ているはずだが、筆者の主現場である「サイケ/ガレージロック」コーナーで出会う半円は、大抵ハズレはなかった。

Teddy and the Pandas - Searchin' For the Good Times


半円マーク以外にも筆者のB級サイケ・ハンティングの目印は幾つかあるが、いずれも個人的な経験を基にした勝手な思い込みなので、真似したからと言って当たるとは限らないのでご了承いただきたい。

半円の
秘密を知らず
サイケ知る

本当はキャピトル・レコードのPEOPLEというバンドの紹介をしようと思ったのだが、半円マークで紙幅を使い果たした。PEOPLEについては別の機会に書くこととして、この辺で筆を置くことにしよう。

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【地下アイドルへの招待】第12回:自己解放的電雑アイドル〜テンテンコ/沖縄電子少女彩

2018年10月21日 00時15分03秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


地下アイドルへの招待  
第12回:異端アイドルは電子雑音の夢を見るか?~自己解放的デンザツアイドル

DJ Necronomicon ネクロノミコン(aka 剛田武)


2018年4月1日(日)に高円寺パンディットで開催された『オキュパイ・スクール 2018 たま爆発・ザ・公開制作』にて、筆者は『Extreme Music from Japan~ジャパノイズと地下アイドル』というテーマでレクチャーを行った。主題は音楽性や楽曲ではなく、文化的背景・存在としての類似性を論ずるものであった。しかし一部の受講者やフォロワーから音楽としてのノイズとアイドルの近似性を追求するよう提言をいただいた。もちろんBiS階段、ゆるめるモ!×非常階段『解体的交歓』、あヴぁ階段など非常階段を主体としたノイズ+アイドルの試みは画期的であったが、基本的にアイドルは歌と踊りを普段通り担当し、ノイズ要素は非常階段が担うスタイルであった。しかしその流れから、アイドルが電子楽器のスキルを磨き、自らノイジシャンとしてアイドル現場を超えた活動を行う事例が増えてきた。普通ならジャンルを越境するといわゆるアウェーな環境に陥りがちだが、地下アイドルヲタクは本能的に「Step Across The Boarder」を求めている。どんなに逆境的な立場に置かれても、推しの笑顔が見れるならコール&ケチャを場合によっては心の中で誰憚ることなく繰り出す悦楽は、たとえは悪いが立ちションや野グソのように人間が生まれつき心の奥に秘めている自己解放欲求につながる、禁断の快楽に違いない。そんな悦びを歌と踊りとノイズで与えてくれる電子雑音系偶像女子を紹介する。

テンテンコ (Tentenko)


1990年8月27日生まれ。北海道出身。身長142cm。 2013年アイドルグループBiSに加入しアイドル・デビュー。それ以前にロックバンドのヴォーカリストとして非常階段のJOJO広重と対バン歴がある。その時広重は「小学生に歌わせて児童虐待ではないか?」と思ったという。2014年のBiS解散とともにフリーランスとして活動を始め、「娘にしたい」とラヴコールを送った美川俊治(インキャパシタンツ、非常階段)の教えを乞いエレクトロニクス/ノイズ演奏を身に着ける。「90年代からの日本の"インディー霊"を全て背負っているといっても過言ではない、ヴァリエーションに富んだアヴァンギャルド表現者」と評されるスタンスは、もはやアイドルとは言い切れない独自性を持つ。30作を超える自主CDRシリーズは、サン・ラ/メルツバウ/Hair Stylisticsに対抗する。美川俊治とのMIKATEN、伊藤篤宏とのZVIZMO、KΣITOとの幡ヶ谷ちっちゃいものクラブなど、プロジェクトユニットも迷宮的。

テンテンコ / なんとなくあぶない



沖縄電子少女彩 (Okinawa Electric Girl Saya)


2000年8月7日生まれ。沖縄出身。身長:160cm。2016年6月沖縄アヴァンギャルドテクノアイドルTincyに加入、Tincyメンバーとして、沖縄を中心に東京や台湾でライブ活動の他にテレビや雑誌などへの掲載、4枚のCDをリリース。沖縄電子少女彩名義で2017年3月より活動開始。沖縄音楽、ノイズ、アンビエント、アブストラクトヒップホップ、フレンチポップなど多岐に渡る楽曲を展開。今年9月から東京に活動拠点を移し、アイドル現場はもちろん、ノイズイベントや路上パフォーマンスをはじめとするゲリラ活動も行う。初めて観てから半年間に彼女自身の人生も大きく変化したわけだが、ブロンドヘアにJK制服でエレクトロニクス機器を嬉々として鳴らすルーズソックスの御足に、衆人環視のライヴハウスで半立ちエレクトの危機に陥ったのは筆者だけではあるまい。現在18歳にしてONNAの色香が弾ける長身のスレンダー女子には、美川やドラびでおの他にASTRO、若林美保などがお手合わせしている。アイドルや女子枠に関係なく若手ノイジシャンとして期待したい。

沖縄電子少女彩 『サンジェルマンの終末』


ノイズとは
電子少女の
メルトダウン

メルトダウン タイマーズ
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ウィリアム・パーカー/八木美知依@六本木SuperDeluxe 2018.10.15(mon)

2018年10月18日 08時35分31秒 | 素晴らしき変態音楽


William Parker ウィリアム・パーカー
Open: 19:30 | Start: 20:00 SuperDeluxe
前売/Advance: 予約終了/Reservations closed | 当日/Door: ¥4,300
ドリンク別/Plus drink

ウィリアム・パーカー ソロ
オープニングアクト:八木美知依 ソロ

ウィリアム・パーカー奇跡的にスーパー・デラックス登場!ぜひお見逃しなく!
“The most consistently brilliant free jazz bassist of all time” -The Village Voice

ウィリアム・パーカーの名前は知っていたが存在を強く意識したのは2014年にリリースされたフランク・ロウの未発表ライヴLP『アウト・ラウド』(Triple Point Records TPR 209)だった。Frank Lowe (ts,ss,fl,vo,perc,hca,etc.)、Joseph Bowie (tb,congas)、William Parker (b)、Steve Reid (ds)のカルテットによる1974年ニューヨークのサバイバルスタジオとスタジオ・リヴビーでのライヴ演奏は、ロフトジャズの真髄を極めたドス黒くも解放感に満ちた叫びを記録していた。
【Disc Review】変態音楽今月の1枚~フランク・ロウ・カルテット『アウト・ラウド』

その原動力がウィリアム・パーカーの生命感に満ちたベースプレイだった。2015年7月超フリージャズと題してエヴァン・パーカー、土取利行とのトリオで日本公演。ブラックパワーに満ちたファンキーなベースに心が浄化された。
エヴァン・パーカー×土取利行×ウィリアム・パーカー@青山 草月ホール 2015.7.22(wed)

そのウィリアム・パーカーが単身来日しソロライヴを行った。10月13日に中国深センのOCT-LOFT Jazz Festivalに出演し、45年前『生活向上委員会NY支部』で共演した原田依幸と再会した。70年代ニューヨークと東京の先端音楽交流の縁は45年後の現在も受け継がれているのである。
#1341 『生活向上委員会ニューヨーク支部 / SEIKATSU KOJO IINKAI』ニューヨークの屋根裏に飛び込んだ音楽革命戦士の戦利品。

●八木美知依


オープニング・アクトを務めたのはハイパー箏奏者・八木美知依。17絃箏による謡(うたい)と即興の二部構成のソロ。最前列から観ると、謡の伴奏としての箏演奏と、破調のインプロヴィゼーションの楽器と精神セッティングの違いが顕著になる。それは伝統と革新の違いではなく、同じ楽器から表裏一体の聖と俗を分離させる試みと言えようか。駒を頻りに動かしながら最も感性にハマるチューニングポイントを探る演奏は、テクニックや音色を磨くだけでは楽器の力を100%発揮できないことに気がついた自覚的プレイヤーにのみ与えられた希有の業と呼ぶのが相応しい。ウィリアム・パーカー登場前に場を清めるステージだった。

●ウィリアム・パーカー


超フリージャズで魅せたブラックミュージック特有のグルーヴがウッドベースから溢れ出す。それは生命の祝祭である。一頻り演奏すると、ランディ・ウェストン、チャールズ・ミンガス、ソニー・ロリンズ、ビリー・ヒギンズ、アンドリュー・ヒル、デイヴィッド・S・ウェア、サニー・マレイ、ウィルバー・ウェア・・・様々なジャズメンとの個人的な逸話を止めどなく語り出す。昔話しではなく、今/ここで/発せられる言葉は、ベースから紡ぎ出される音/旋律と同じライヴパフォーマンス(生きた表現行為)であった。言葉とサウンドだけでなくパーカーは踊った。全身から発する生命感は単身演奏に於いてより輝きを見せた。「ベースの弦は光、弓はプリズム」と語るパーカーの肉体こそ「光の大聖堂(Cathedral of Light )」に違いない。

●ウィリアム・パーカー × 八木美知依


初めてのデュオ演奏はパーカーの尺八と八木の箏でスタート。和楽器同士であるが、その響き・彩りはコスモポリタニズムに満ちていた。伝統と革新が自然な形で肉体化された二人だからこその交歓模様が繰り広げられる。その印象はパーカーが踊るベースに移行した後半も変わらない。共演者を包み込む光の束はウィリアム・パーカーの真髄であろう。

OPTION: William Parker


話の続きを聞きたければ朝6時にニューヨークの自宅のベルを鳴らせ、とパーカーは語る。そんな気さくなベーシストに再び合いたいと願うのは筆者だけではないだろう。
JazzRightNow: ウィリアム・パーカー・インタビュー<前編>
JazzRightNow: ウィリアム・パーカー・インタビュー<後編>

明日は無い
今日を奏でる
感じるままに

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【告知:10/19 FRI 開催】盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.18〜ハロウィン・バトル&コラボ特集+ゲスト:草深公秀(K2)

2018年10月14日 02時50分03秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.18
Bataille décisive d'Halloween


2018.10.19 fri DJ Bar 渋谷EdgeEnd
19:00 Open/Start
Charge ¥1,000 incl. 1 drink

DJ×DJ BATTLE & COLLABO SPECIAL!!:
ハロウィン:バトル&コラボ・スペシャル by 盤魔殿DJ ALL STARS
+
GUEST : DJ Pathosonicus a.k.a. 草深公秀(K2)

音楽を解放するコミュニティ空間
Avant-garde, Noise, Industrial, Dark Ambient, Neofolk, Punk, Hardcore, Idol, Black Metal, Middle-east, Ethnic, Ritual, Medieval, UnderGround,… Everything Weirdness About Music!

★平日金曜日開催。仕事帰りにどうぞ
★FREE ZONE【自由参加コーナー】拡大60分。CD/LP等音源持参で参加できます。
★無料ZINE『盤魔殿アマルガム』配布(予定)


Time Table
19:00-20:00 DJ Battle : FREE ZONE
20:00-20:30 DJ BEKATAROU aka 伊藤元 x DJ Vaby aka 大場弘規
20:30-21:00 DJ Bothis aka 山田遼 x DJ Athmodeus aka 持田保
21:00-21:30 DJ Necronomicon aka 剛田武 x DJ Paimon aka Moppy
21:30-22:00 DJ Pathosonicus aka 草深公秀(K2)
22:00-22:30 DJ Qliphoth aka 宇田川岳夫+DJ Ipetam aka 福田理恵


今回の聴かせどころ
●DJ BEKATAROU aka 伊藤元 x DJ Vaby aka 大場弘規
皆さんのトラウマになるような夜にすべくDJ BEKATAROU x DJ Vaby のバトルはハロウィンに因んで古今東西ホラーサントラを中心にお互い攻めていく予定です!




●DJ Bothis aka 山田遼 x DJ Athmodeus aka 持田保
今回は山田遼氏とのバトルということで、事前にどんなスタイルでいくか氏に相談したところ「いや、フリースタイルで」との返答!これはきっとフリースタイル・ダンジョン的な氏からの戦線布告だと判断しエミネムばりに工場仕事の傍らリリックを磨く俺。"俺が最強!レペゼン盤魔殿!お前じゃ無理wマジ追いつけねぇ及第点!!"とYo Yoしてたら社長に見つかってメチャ怒られたのでやっぱ普通にATRAX MORGUEとかかけます。
DJ Athmodeus


https://www.youtube.com/watch?v=c5LZvcY4UMs&feature=youtu.be

今回のバトルの相手はいつもお世話になっている持田さんということですが、やらせ、ドッキリ、一切なしのガチンコファイトバトル並みの真剣勝負を挑みたいと存じます。ガチ・ムチ異端体育会系DJたちのほとばしる汗にご期待ください。
DJ Bothis





●DJ Necronomicon aka 剛田武 x DJ Paimon aka Moppy
情け無用のハンディキャップコラボ。DJ Necronomiconはアイドルと地下音楽/DJ Paimonはトルコと日本の自主盤、お互いの得意分野を封印したコラボレーション。生粋の音盤マニアで知られる両DJならネタには困らないだろうが、何をかけるかは相手任せ。深い信頼関係が詳らかにされるのか、疑心暗鬼のディスリ合い地獄が暴かれるのか、逝きつく先は誰にも分からない。

NO IDOL & NO UNDERGROUND MUSIC


NO TURKEY & NO J-INDIES



●GUEST : DJ Pathosonicus パトソニクス aka 草深公秀(K2)
プロフィール:
1983年からノイズ・ミュージック一筋、35年間。K2先生こと、DJ Pathosonicus(病理音響)! パンクに洗礼を受けたMB育ちのノイズ人。本業も某病院の病理医です。ただ今第3期K2にて、多量の作品をリリースし続けている。座右の銘「口頭発表はライブ、論文作成はレコーディング」音楽と病理学は全くのイコール。国内より海外でカルト的人気を誇り、「ジャバノイズ」とか「ハーシュ」とか言われたくない孤高のノイズ・メイカー。常に新しい音楽の発掘に余念がありません。今回、聴いたことのない音楽のに特化してお皿を回す予定です。




●DJ Qliphoth aka 宇田川岳夫+DJ Ipetam aka 福田理恵
排除された詩的言語と黒い悲しみのロマンセの共謀による暗殺者の夜



今回の
ドレスコードは
仮装か白塗り
(強制ではありません)

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【私の地下ジャズ愛好癖】フリー・ミュージック不死鳥伝説!来日するシュリッぺンバッハ・トリオのパンク・スピリット。

2018年10月11日 01時43分47秒 | 素晴らしき変態音楽


フリージャズや即興音楽のことを筆者はいつ頃知ったのか。最初はポップ・グループやジェームス・チャンスやラウンジ・リザーズといったニューウェイヴ系、さらにキャプテン・ビーフハートやフランク・ザッパで、彼らがオーネット・コールマンやアルバート・アイラー、サン・ラと言ったアメリカの黒人ジャズメンへの入り口になったのは確かである。だが、ヨーロッパのフリー・ミュージックを知ったのきっかけは?思い返してみると、70年代後半愛読していたパンク雑誌『ZOO』(のちの『DOLL』)に、何故かヨーロッパ・フリー・ミュージックの紹介記事が載っていたことを思い出した。79年発行、DEVOが表紙のNo.21に「パンクとフリー・ミュージック」、PILが表紙のNo.22に「80年代の音楽『即興』」と題して飛田俊英というライターがコラムを書いていた。当時高校2年生で音楽欲が旺盛だった筆者にとって未知のジャンルはとても魅力的だったし、パンクと同様に古い音楽を破壊する存在としてフリー・ミュージックを説く文章に共感を覚えた。



とは言っても高校生の小遣いで買えるレコード枚数は限られていて、当時ビクターから「フリー&プログレッシヴ・ミュージック」シリーズとして日本盤が出たカンパニーやデレク・ベイリーやスティーヴ・レイシーなどLPを聴けるはずもなかった。実際に観たり聴したりするようになったのは、82年のICPオーケストラの来日以降だったと思う。『ZOO』の他に『Fool's Mate』や『MARQUEE』と言ったプログレ誌にも掲載されたフリー・ミュージックの記事から、極度にストイックでシリアス一辺倒の求道者のイメージを持っていた即興演奏家たちが、ワルツで踊ったり、音楽でずっこけギャグをかましたり、犬の遠吠えを真似したり、ユーモアたっぷりのエンターテイメントを見せつけたICPオーケストラを目の当たりにして、フリー・ミュージックで笑ってもいいんだ、と目から鱗の体験だった。

Kwela (live) MISHA MENGELBERG and ICP ORCHESTRA (1982 aud)


筆者の印象では、ヨーロピアン・フリー・ミュージックの二大巨頭がデレク・ベイリーとエヴァン・パーカーだった。両者にハン・ベニンクを加えたトリオによる『トポグラフィ・オブ・ラングス』は筆者が最初に買ったフリー・ミュージックのLPであり、今でも聴く度に背筋が正される思いがする。しかしながら、ドイツのFMP、オランダのICP、イギリスのINCUSという三大レーベルの作品は殆どが、ソロやセッションやワークショップ的集団即興ばかりで、所謂コンスタントなグループは少ない。フリー・ミュージックの演奏家はみんな特定のグループに属すことを良しとしない一匹狼、というイメージがあるのは確かだろう。実際ジャズの場合はロックと違って「○○トリオ」などと名乗っても、リーダー以外は流動的なのが普通である。いわんやフリー・ミュージックをや、という訳だ。

Evan Parker / Derek Bailey / Han Bennink - The Topography Of The Lungs (FULL ALBUM)


そう考えると70年代初頭から同じメンバーで現在まで活動しているシュリッペンバッハ・トリオは極めて異例である。アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ(p)、エヴァン・パーカー(sax)、パウル・ローフェンス(ds)という山下洋輔トリオと同じ編成で、「音の一回性」というフリー・ミュージック精神を貫き通すトリオの在り方は、積み重ねた学習・経験や、同じ相手と四十年以上付き合う馴れ合いや慣習を、一旦ゼロにリセットしてから再スタートする気構えが無ければ成り立たないに違いない。特定の音楽集団が、因習に支配されない、つまり既存の音楽語法に依らない(デレク・ベイリー流に言えば「ノンイディオマティック」、灰野敬二の言を借りれば「なぞらない」)演奏行為を、いつまでやり続ける、即ちインプロヴィゼーションの理想形を保ち続けることが可能なのか、という挑戦である。それは恰も「一度失った無垢の魂を、学習により多数のイディオムを身につけた後で取り戻すことが出来るか[1]」という、筆者が演奏者に期待する命題を身を以て実践してくれているような気がする。なんてパンクな3人組であろうか。

Alexander von Schlippenbach Trio ‎- Pakistani Pomade (1973) FULL ALBUM


それを確かめる為にも、11月に予定されているシュリッペンバッハ・トリオの来日公演は大きな意義がある。来日するドラマーはローフェンスではなくポール・リットンだが、フリー・ミュージック・ドラマー界の”二大PAUL”の片割れで2歳年上のリットンならば完全に同志と考えていい。5回(うち1回は講演会)予定されている来日公演の中でも、2年前に「生活向上委員会大管弦楽団2016」として原田依幸(p)、梅津和時(sax)、ドン・モイエ(ds)が奇跡の熱演を繰り広げた座・高円寺2に同じ編成のシュリッペンバッハ・トリオが出演する11月23日は、生向委の「フリージャズ不死鳥伝説[2]」に続いて「フリー・ミュージック不死鳥伝説」の奇跡が起こるに違いない。ぜひ多くの愛好家に体験していただきたいものである。

Schlippenbach Trio Live @ Area Sismica


参考文献
1) 剛田武 Cross Review:ピーター・エヴァンス@Jazz Art せんがわ2018 at JazzTokyo Live Report #1033
2) 剛田武 生活向上委員会大管弦楽団2016 at JazzTokyo Live Report #922

不死鳥は
何回死んでも
ぶっ生き返す



シュリッペンバッハ・トリオ+高瀬アキ「冬の旅:日本編」
Schlippenbach Trio + Aki Takase “Winterreise in Japan”




伝説ではない!
ヨーロッパ・フリーのパイオニアでドイツを代表するジャズ/フリージャズ・ピアニスト、作編曲家のアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハが、1970年代初めより活動を続けているトリオで遂に来日!メンバーは、サックスの革新者エヴァン・パーカー、オリジナル・メンバーであるパウル・ローフェンスに変わって近年トリオのドラマーを務めることが多いポール・リットン。 また、座・高円寺2では高瀬アキとシュリッペンバッハそれぞれのソロとピアノ・デュオ(連弾)も。

シュリッペンバッハ・トリオ:
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ(ピアノ)
エヴァン・パーカー(サックス)
ポール・リットン(ドラムス)

高瀬 アキ(ピアノ)

詳細なスケジュール⇒JazzTokyo 11/23〜27 シュリッペンバッハ・トリオ+高瀬アキ「冬の旅:日本編」
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是巨人+宮本玲/xoxo(Kiss&Hug) EXTREME/Akiko's Cosmo Space@吉祥寺シルバーエレファント 2018.10.6 (sat)

2018年10月09日 01時57分55秒 | 素晴らしき変態音楽


"Prog Tokyo 2018 Autumn"
10月6日(土)吉祥寺Silver Elephant
開演 17:00 開場 17:30 / 前売 ¥4,000 当日 ¥4,500

出演(出順通り)
Akiko's Cosmo Space
xoxo(Kiss&Hug) EXTREME
是巨人 with 宮本玲

吉祥寺シルバーエレファントは1978年オープンの歴史のあるライヴハウス。当時高校〜大学生だった筆者は吉祥寺マイナーやGATTYといった地下音楽系のライヴハウスに通っていたので、余り縁がなかったが、90年代初めに知り合いがやっていたジェネシス風のプログレバンド「シンデレラサーチ」を観に何度か観に行った。当時筆者がよく出演していた下北沢屋根裏や高円寺20000Vはスタンディングだったが、シルエレには座席があり、さすがプログレ専門店と妙に感心したことを覚えている。しかしそれ以降足を運ぶこと少なくなり、2000年以降は定期的にワンマンライヴをやっていたOverhang Partyを観に行く程度だった。

一昨年、L.L.E.の忘年会に参加したことをきっかけに、カトゥラ・トゥラーナ/ラクリモーザの齊藤千尋やネガスフィアのメンバーと知り合い、齊藤が主宰するプログレ系ライヴを観にシルエレに行った。ステージ後ろ上方に鏡があるステージは十数年前と殆ど変わっていない気がした。奏でられる音楽も、スペースロックやジャズロックやペイガンフォークで大きな変化はない。学生時代のサークルで、クリムゾンやジェネシス等プログレのカヴァーバンドをやっていたが、好んで聴いていたのはレコメン系チェンバーロックやザッパやビーフハートやフリージャズばかりだったので、所謂メジャーなプログレには弱い筆者だが、時代が巡り再会したプログレにノスタルジーよりも新鮮な感動を覚えた。

3,4年前に70年代王道ロックの名盤を安売りアナログコーナーで探し出すことに凝っていて、クリムゾンやイエス、ELP、ジェネシスのアルバムを買い集めていたが、今はSoptifyで五大プログレ以外のバンドも簡単に聴けるようになった。最近個人的に評価しているのはキャメルである。全盛期はファンタジー・ロックと呼ばれ、ムード先行のソフトなイメージがあって真剣に聴かなかったのだが、フルート入のクラシカルなフレーズや、意外にテクニカルな構成や展開、何よりも癖の無いヴォーカルが、すんなりと耳に入り飽きさせない。マグマのカヴァーでプログレ界の知名度を上げたキスエクも、「鬱」や「イロノナイセカイ」などキャメルに通じるファンタジックな曲が多い。現在もアンディ・ラティマーを中心に活動するキャメルはもっと再評価されてもいいのではないだろうか。

Camel in Birmingham 2014 - The Great Marsh / Rhayader / Rhayader Goes to Town


話が脱線したが、ほぼ1年ぶりにシルエレに行くことになったのは、プログレッシヴ・アイドル、キス&ハグエクストリーム(キスエク)のお陰であることは確かだが、吉田達也、ナスノミツル、宮崎理絵といった灰野敬二と所縁のあるミュージシャンが出演するオレ得のラインナップにも心が弾む。

●Akiko’s Cosmo Space


高橋明子(vo.dr.mac.)、宮崎理絵(b)、村上常博(g)、中嶋美香(key)
ゲスト:金澤京子(ウクレレ)from ARSNOVA、フェイ・ターン(テルミン)

1年前も観た「宇宙から来た宇宙人バンド」という設定の女3男1の4人組。ドラムのAkikoのハッチャけたMCと観客を巻き込んでの元気のいいパフォーマンスが名物。バカらしいと言わないで一緒に盛り上がるのが吉。ゲストに二人の女性ミュージシャンが加わった後半は加速度アップ。海外で受けるのも納得のお祭り空間の楽しさはアイドルにも負けない。

●xoxo(Kiss&Hug) EXTREME


楠芽瑠、一色萌、小日向まお、小嶋りん
林隆史 (g)、吉田一夫 (fl)、瀬戸尚幸 (b)、吉川弾 (ds)、杉直樹(key)

受験のため活動を休止していた小日向まおが復帰し、久々に4人組に戻ったキスエクがバンドセットで出演。プログレの聖地に本格的な生演奏で登場することは、メンバーや運営は勿論、ジャズロックバンド「Qui」のメンバーを中心とするバックバンドにとっても大きな意義がある。それぞれの本気がぶつかり合い、これまで観た中で最も迫力と気合いに満ちたステージを展開した。プレグレファンにとっても、いやプロフレファンだからこそ、この演奏とこの歌とこの踊りがひとつになる奇跡が実感できるに違いない。終演後にナスノミツルと話したら「かなり衝撃的だった」との感想だった。

●是巨人 with 宮本玲


吉田達也(ds)、鬼怒無月(g)、ナスノミツル(b)、guest:宮本玲(vln)

吉田とナスノは灰野敬二とのコラボを含め様々なユニットで観ているが、鬼怒のライヴを観るのは2012年12月のユミ・ハラ・コークウェルとの共演ライヴ以来5年半ぶり。鬼怒も灰野とは何度も共演したことがある。凄腕トリオにゲスト参加の紅一点はVampiliaのメンバーの宮本玲。キリッとした美形ヴァイオリニストだ。変拍子を超えた変幻自在のリズムで超早弾きでギターとヴァイオリンが鬩ぎあう。ドラムもベースもキメまくる。怒濤の展開過ぎて意識を失いかけた。是巨人を単独で観るのは初めてなので比べ様はないが、いつも以上に激しかったとしたら「玲ちゃん」の参加に加え、キスエクの気合いが伝染したからかもしれない。
ユミ・ハラ・コークウェル+浅野淳+吉田達也+鬼怒無月@荻窪ルースター 2012.12.11 (tue)

「プログレッシヴ・ロック」という括りの元に集まった三つのバンドにいずれもが、プログレの規制概念から逸脱するパフォーマンスを魅せてくれた素晴らしいシルエレの一夜は、アイドルイベントの既成概念ど真ん中の特典会で更けていった。

この巨人
明子の宇宙に
口づけを

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【JazzTokyo#246更新】『パク・ハンアル、C.シコラ、N.ディドゥコフスキー/エリス 136199』『Jazz Art せんがわ2018』『ピーター・エヴァンス』

2018年10月07日 23時23分43秒 | 素晴らしき変態音楽


Jazz Tokyo #246 が更新された。カバーストーリーは初来日を果たしたピーター・エヴァンス。他に「追悼:ランディ・ウェストン」「Jazz Art せんがわ2018」。剛田武は以下のディスク・レヴュー、ライヴ・レポート(一部を含む)を寄稿。

『パク・ハンアル、キャスリン・シコラ、ニック・ディドゥコフスキー/エリス 136199』

#1551 『Han-earl Park, Catherine Sikora and Nick Didkovsky / Eris 136199』

逸脱の極みは伝統賛美に通ず。
逸脱を極めれば極めるほど、古典や伝統への親和性が高くなる。異才ギタリスト、パク・ハンアル率いる無名の小惑星の名前を持つトリオの演奏は、まだ誰も提唱していない「特殊逸脱性理論(Special Deviation Theory)」の確立なのかもしれない。

Monopod: Eris 136199: Han-earl Park, Catherine Sikora and Nick Didkovsky (Brooklyn, 06-05-13)



JAZZ ART せんがわ 2018

#1030 JAZZ ART せんがわ 2018

何百億円も費やす国家的一大イベントに引けを取らない市民レベルの国際音楽交流の場『Jazz Art せんがわ』を経験出来る僕たちは、メダリストにも負けない貴重な記憶の更新者なのである。

9月15日(土)
坂本弘道ディレクション:ピーター・エヴァンス×石川高×今西紅雪/千野秀一/坂本弘道
巻上公一ディレクション:ヒカシュー×SAICOBAB

9月16日(日)
Quebec/Japanプログラム:ルネ・リュシエクインテット/原田節×巻上公一 Alive Painting:中山晃子
藤原清登ディレクション:坂田明×ピーター・エヴァンス×藤原清登×レジー・ニコルソン×藤山裕子

「JAZZ ART せんがわ」ダイジェスト



Cross Review:ピーター・エヴァンス@Jazz Art せんがわ2018

#1033 Cross Review:ピーター・エヴァンス@Jazz Art せんがわ2018

注目のトランペット奏者ピーター・エヴァンスの初来日公演「JAZZ ART せんがわ2018」でのステージを3人のコントリビューターがクロス・レビュー。それぞれ異なる視点から分析する。

Peter Evans- solo trumpet: Mirrors of Infinity


こどもたち
学習したら
おとなたち



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