A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【失われた女子バンドを求めて】第3回:ザ・クリッツ The Kiltz(メンフィス)/オックスゼッド OXZ(大坂)~日米ロストガールズ、アナログでの再会

2020年04月28日 20時24分04秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


2020年4月、時を同じくして2組のガールズバンドのアナログLPを手に入れたする。ひとつはあるミュージシャンから「気に入るかも」と推薦されたアメリカのバンド「ザ・クリッツ」。もうひとつは以前『失われた女子バンドを求めて』第1回で取り上げた大阪のバンド「OXZ」。どちらも活動期間を網羅したアンソロジー編集盤である。パンク/ニューウェイヴ時代にDIY精神に鼓舞されて楽器を手にしたこと以外に共通点はない両グループだが、筆者のターンテーブル上で出会うことになったのも多生の縁、ブログで共演するのも嫌ではなかろう。ジャケットデザインも何となく似ているし、何よりも輝く女子には時代も国境も関係ないのだから。

●The Klitz ‎『Rocking The Memphis Underground 1978-1980』
Mono-Tone Records ‎– Mono-Tone 027


Lesa Aldridge (g, vo)
Gail Elise Clifton (vo, key)
Marcia Clifton (ds)
Amy Gassner (b) 1978-1980
Sarah Fulcher (b) 1980-

テネシー州メンフィスでアレックス・チルトン(ビッグ・スター)の周辺にいた女の子が1978年に結成したパンク・バンド。地元のバンドや、クランプス、タヴ・ファルコなどのサポートアクトとして活動し、IRSレコードのマイルス・コープランドの尽力でニューヨークにも進出したが、当時はレコードをリリースすることはなく、メンバーのNY移住に伴い80年に解散した。2000年代半ばにGail Elise CliftonとLesa Aldridgeにより再結成されアルバム『Glad We're Girls』をリリースした。



2014,16年にSpacecase Recordsから70年代の音源が7インチシングルで2作リリースされたあと、2018年にフランスのMono-Tone Recordsからリリースされたアンソロジーが本作である。A面はスタジオ録音。プリミティヴなオリジナル・ナンバーと「Wild Thing」「As Tears Go By」「Brown Sugar」などのジャンクなカヴァー、さらにアレックス・チルトンやキャプテン・メンフィスことジム・ディッキンソンらとの気楽なセッションを収録。生まれついてのローファイぶりが凄まじい。ライヴ録音を集めたB面は暴発するガールズロック魂の生々しいドキュメント。割れた音質も含めて初期パンクの破れかぶれのパワーが充満している。「Hanky Panky」「99 Tears」といったガレージパンクの定番曲の自我流カヴァーに虚を突かれる。熱血や根性とは無縁だが、退廃や脱力とも異なる「クールな熱」は本当のノー・ウェイヴと言える。

The KLiTZ Hard Up Sounds of Memphis Spacecase Records


Clits(クリトリス)をもじったきわどいバンド名をメンバーは「ドイツ語でピストルを意味するスラング」と言い張っていたそうだが、ラジオやプレスから拒絶されることが多々あり、オリジナルベーシストのAmyはバンド名が嫌で脱退している。にもかかわらずこの名の下で3年間活動を続けたのは、オリジナルパンク女子のFxxk YouパワーとDIY精神の証である。

The KLITZ Amy Gassner Brown Sugar



●OXZ ‎『Along Ago: 1981-1989』
Captured Tracks ‎– CT-293


Mika (vo, g)
Hikko (b, cho)
Chasen-maru (Emiko Ota) (ds, cho)

1981年大坂の高校の友人同士のMikaとHikkoがライヴ会場で知り合ったChasen-maruと3ピース・バンドを結成。ピストルズ、クラッシュ、ビートルズのカヴァーを練習したがうまくいかずオリジナル志向に転向。82年にライヴ・デビューし、大阪メインで活動。83年から京都のBeat Crazy主催イベントに出演し、大阪以外の東京・関東のバンドとも共演、スターリンのオープニングを務める。夏に初の関東ツアー。84年8インチEP『OXZ』を自主リリース。85年大阪にオープンしたライヴハウスEggplantに定期的に出演。同年12月12インチEP『Fall In The Night』をNight Galleryよりリリース。87年12インチEP『And Blue And Bleed』をBalconyよりリリース。88年コンピレーション『West Psychedeila 2』(Alchemy)に参加。89年音楽的方向の違いでMikaの脱退表明に伴いOXZは解散。MikaとChasen-maru(すぐに脱退)はPlaymatesを結成、93年まで活動。Chasen-maruは95年パリに移り、本名のEmiko Ota名義で打楽器奏者として世界的に活動中。Mikaは最近Bluedieというバンドをスタートしたという。



Kato David Hopkinsのライナーを読んで初めて知ったのだが、OXZのMikaとHikkoは少年ナイフのメンバーと同じ高校の軽音部に所属していたという。方や天真爛漫なポップロック、方やダークなポストパンク。関西80'sガールズロックを代表する対照的な2バンドが同じ場所から発生したことは興味深い。70年代後半に京都どらっぐすとうあから非常階段やUltra Bideなど関西NO WAVEの重要バンドが出現したことを思わせる。関西は東京/関東に比べシーンの規模が小さい分、音楽の新潮流の感染源、いわばクラスターが発生しやすいのだろう。

(我等は何して)老ひぬらん


リリース順に聴くとテクニックの進化と音楽性の変化が顕著だが、このアルバムの選曲はリリース順ではないので、逆にバンドとしての一貫性と個性が際立って聴こえる。特にB面最初のカセット音源の未発表曲は、優れたポップセンスに基づいたソングライティングの才能が良くわかる。スージー&ザ・バンシーズの影響は感じるが、黒服白塗りメイクのポジパン系バンド群のひとつというイメージが間違っていたことに気づかされた。ここにいるのは、時代に流されたその他大勢ではなく、自分だけの音を探し求めたオリジネーターなのである。

OXZ // Boy Boy (Official Lyric Video)


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女子バンド

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【地下音楽への招待】不可知の記憶との共生~高橋幾郎『あの世のできごと』『しりえないものとずっと』

2020年04月24日 02時44分00秒 | 素晴らしき変態音楽


80年代前半に明大前モダーンミュージックで青いインデックスに『青蝕器』と書かれた1本のカセットテープを買った。普段カセットは買わない自分がなぜこのカセットを購入したのかというと、『Fool's Mate』か『Marquee Moon』の情報欄に簡単な記事が載っていて、「セイショクキ」=生殖器だと思って頭にこびり付いていたからである。聴いてみたらピアニカを多用したホームレコーディングで、正直言ってあまりピンと来なかったが、なぜか捨てずにとっておいた。

90年代にアルケミーやPSFの地下音楽に興味を持ち、定期的に購読していた『G-Modern』の記事かインタビューで高橋幾郎の名前を知った。不失者、光束夜、ハイライズ、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ、LSD March、渚にてなど数多くの日本地下音楽の重要バンドのメンバーとして活動してきたドラマーとしてだった。おそらく記事の中で高橋が生まれ故郷の北海道で青蝕器のメンバーとして活動していたことを知ったはずだ。しかしピアニカのチープな音と不失者やハイライズの重い音が同じ人間によるものと信じることはできなかった。しかし、そんなしりえなかった事実を実感したのは、2004年にアメリカでリリースされたホワイトヴァイナルLPだった。

●Ikuro Takahashi ‎『Anoyonodekigoto』 
Siwa ‎– SIWA #10 (2004)


2002年にレコーディングされた、高橋と舞踏家の室野井洋子によるユニット「あの世のできごと」の音源。虫や鳥が鳴くような電子ノイズが延々と続くミニマル/アンビエント音響に、青蝕器のチープながらも実験精神に満ちた音楽の名残を感じた。しかしながら、A面2曲,B面1曲、曲中のサウンドの変化はほとんど皆無で、当時電子音楽やノイズにハマってした筆者にとっても、このアルバムはあまりに禁欲的で単調過ぎて、一度ターンテーブルに乗せたきりだったが、やはり捨てずにとっておいた。

●Ikuro Takahashi 『しりえないものとずっと』
An'archives ‎– [An'16] (2019)


昨年フランスのレーベルAn'archivesからリリースされたLPレコード。これもまた室野井洋子とのコラボ音源を集めたアルバムだが、前作との大きな違いは、室野井が2017年7月に肺がんで急逝したことである。私生活でもパートナーだった室野井を失った高橋の失意は大きかったに違いない。An'archivesのオーナーのCedricによると、高橋に室野井の「回顧作品」のリリースを提案したところ、高橋の手元に室野井との記録音源が残っていなかったため、Cedricが持っている高橋のCDR15枚の中から選曲したのが本作だという。つまりこのアルバムは、高橋本人にもレーベル側にも、単に優れた音楽作品という以上の意味があるわけである。

小杉武久の演奏を思わせる自作のオシレーター(発振器)や、シンバル、金属板、オルゴール、メトロノームを使った物音ミニマル音響は、バラエティがあるせいで、全く単調さを感じさせない。さらにドラム・ソロの音源は、数多くのバンドやミュージシャンとコラボしてきた”ドラマー”高橋幾郎の集大成プレイと言えるだろう。ドスの効いた深みのあるドラムの音の奥に漲る地下音楽の豊潤な恵みを感じてほしい。An'archivesの特徴である手工芸品さながらの美麗ジャケットと封入物(ポストカード、ライナーノーツ、クレジットシート)に作り手の愛情があふれている。

高橋幾郎 - Handmade Oscillators


もう高橋と室野井の「あの世のできごと」を体験することはできない。しかしこのレコード作品を手にして時折ターンテーブルに乗せることで、ふたりの心と体の繋がりのスピリットを世界に解き放つことが出来る。レコード盤は単なる音の記録ではなく、"しりえない(unknowable=不可知)”記憶と共生していくための指南書でもあるのだから。

音楽は
記憶の奥を
照らし出す


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【私のポストパンク禁断症状#7】いのち短し、ポストパンクせよ乙女~デルタ・ファイヴ『モダニズム~情熱への回帰』とザ・モデッツ『ストーリー・ソー・ファー』

2020年04月23日 02時32分33秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


70年代後半のパンク/ニューウェイヴ・ムーヴメントに於いて重要なことは、女性のロック界への進出だった。それまでも女性ロックミュージシャンは少なくなかったが、ロックシーンのヒエラルキーはあくまで男尊女卑で、ガールズロッカーに求められたのは音楽性や才能よりも華やかさやセックスアピールだったと思われる。もちろんそれは音楽界に限らず、社会全体の風潮であり、女性の社会進出は先進国の多くでも大きな課題であった。「やりたいことは自分でやっちまえ!(Do It Yourself)」と叫んだパンクムーヴメントが女性の社会進出を後押ししたことは確かであろう。そしてそれは決して平たんな道でなかったことはザ・スリッツの伝記映画でも描かれた。
【私のポストパンク禁断症状#5】映画『ザ・スリッツ:ヒア・トゥ・ビー・ハード』〜時代に切れ目を入れる系女子の自分自身宣言。

ザ・スリッツと同じようにロック界に進出したガールズパンクロッカーをこよなく愛したい。リディア・ランチ、スージー・スー、ペネトレーション、Xレイ・スペックス、ザ・レインコーツ、ドリー・ミクスチャー・・・。そして今回取り上げる2つのバンド、デルタ・ファイヴとザ・モデッツも重要なポストパンク女子だった。両者に共通するのは、インディーで数枚のシングル、メジャーで1枚のアルバムを残し、3年弱の活動で散っていったことである。総じて女子アーティストの活動期間は男子より短い。筆者が2000年代半ば熱心に追いかけたガールズガレージバンドのほとんどは現在活動していないし、今の推しの地下アイドルシーン然りである。大正時代の流行歌に倣って”いのち短し パンクせよ乙女、ロック魂 失せぬ間に”と洒落てみたい。

●デルタ・ファイヴ Delta 5 『モダニズム~情熱への回帰 See The Whirl'..』


ジュルツ・セール Julz Sale : vo,g 
ロス・アレン Ros Allen : b
ベサン・ピーターズ Bethan Peters : b
ケルヴィン・ナイト Kelvin Knight : ds
アラン・リッグス Alan Riggs : g

1979年にイギリスのリーズにて、地元のロックバンド、Gang Of FourやThe Mekonに影響されたジュルツ、ロス、ベサンの3人の女子の”気まぐれで”結成された。オーディションでケルヴィンとアラン・リッグス(g)が加わり、リーズのポストパンク・シーンで本格的に活動を始める。79年にRough Tradeから1stシングル「Mind Your Own Business」をリリース。Gang Of Fourと共に「ロック・アゲインスト・レイシズム」ムーヴメントの中心バンドとして活動。80年、2ndシングル「You」のリリース後、全米ツアーを成功させ、Rough Tradeを離れカリスマ・レコード傘下のPreレーベルと契約し、81年デビューアルバム『モダニズム~情熱への回帰 See The Whirl'..』をリリースしたが、プレスから酷評され、商業的にも失敗し、同年解散した。

81年にジャパン・レコード(のちの徳間ジャパン)がRough Tradeレーベルを日本で紹介し始めた。第1弾としてザ・ポップ・グループの2ndアルバム『フォー・ハウ・マッチ・ロンガー~』と共に、7インチ・シングルが12枚同時にリリースされた。カタログNo.でいうとキャバレー・ヴォルテール「Nag Nag Nag」(RT-1)、ザ・ポップ・グループ「We are All Prostitutes」(RT-2)の次のRT-3がデルタ・ファイヴの「Mind Your Own Business」だった。邦題は「勝手にしやがれ」でセックス・ピストルズのアルバム・タイトルと同じ。B面の「Now That You've Gone」の邦題は「もう、おれへんで」。なぜか関西弁である。今思えばINUの『メシ喰うな!』が81年3月にジャパン・レコードからリリースされているので、町田町蔵の大阪弁の影響だと思われる。それにしても、Rough Tradeの他のシングルの邦題は「In The Beginning There Was Rhythm=はじめにリズムありき(ザ・スリッツ)」「Where There's A Will..=意志あるところ(ザ・ポップ・グループ)」「At Last I Am Free=生きる歓び(ロバート・ワイアット)」「I Know Where Syd Barrett Lives=シド・バレットはどこ?(T.V.パーソナリティーズ)」と真面目なのに、デルタ・ファイヴだけフザケ半分に思えることは、このバンドの微妙な立ち位置を象徴しているように思われる。イギリスではフェミニズムや反レイシズムといった政治的なメッセージを歌う硬派なバンドとして評価され、それゆえにインディーのRough Tradeからメジャーに移籍したことで総スカンを喰う運命を辿った。日本ではザ・ポップ・グループやキャブスをメインとするRough Tradeのオルタネイティヴなイメージの陰に隠れてメディアに紹介されることもほとんどなかった。アルバムの邦題『モダニズム~情熱への回帰』も情緒を排して機能美を追求する”モダニズム”と真逆の”情熱=エモーショナリズム(情緒主義)”を並べる大矛盾。オーヴァー・プロデュースを批判されるが、今聴くとPigbagやA Certain Ratioやファンカラティーナなどのニューウェイヴ・ファンクと同期する斬新さがあり、決して悪くはない。2006年にCDリリースされた初期シングル+セッション編集盤『Singles & Sessions 1979 - 81』が昨年再発され、再評価されているが、不遇のオリジナル・アルバムにも陽の目を見せてやりたい。

Delta 5 on Something Else 1981 "Make Up" & "Anticipation" (live)



●ザ・モデッツ The Mo-dettes 『ストーリー・ソー・ファー The Story So Far』


ケイト・コッリス Kate Korris : g 
ジェーン・クロックフォード Jane Crockford : b
ジューン・マイルズ=キングストン June Miles-Kingston : ds
ラモーナ・カーリアー Ramona Carlier : vo

1979年、The Slits/The Raincoatsのオリジナル・メンバーだったケイト・コッリスと、元Bank of Dersdenのジェーン・クロックフォードを中心にロンドンにて結成された。1979年自主レーベルMode(配給Rough Trade)から、1stシングル「White Mouse」をリリース、インディーヒットとなる。80年にBBCのJohn Peel Sessionに何度も出演し注目を浴びる。デッカ・レコード傘下のデラムと契約し、1980年11月にアルバム『ストーリー・ソー・ファー The Story So Far』をリリース、ローリング・ストーンズのカヴァー「黒くぬれ Paint It Black」がマイナーヒットした。その後シングルを1枚リリースするもパッとせず、デッカ・レコードからのプレッシャーでメンバーを増員するが、82年2月ヴォーカルのラモーナが脱退、別のヴォ―カルを試すも同年11月に解散。

ザ・モデッツはデルタ・ファイヴとは異なり、日本の音楽誌で良く取り上げられた。それはやはり全員女性のバンドであり、なおかつルックスやファッションがオシャレだったためだろう。当時音楽ばかりでなく風俗・ファッションのキーワードだった「モッズ Mods」を連想させるネーミング、60年代レトロファッションのキュートさは格好のグラビアネタだった。また、デビュー曲「White Mouse」はイギリスのメディアで男女差別の歌と解釈され、”フェミニスト(男嫌い)の女性バンド”として下世話な関心を持たれたという。メンバーはそうした扱いに反感を持っており、当時のインタビューでは「最初の半年は、女がバンドをやるのはどんな感じかって、いつも聞かれる」「フェミニストじゃなかったら、フザケ半分の可愛子ちゃんだろう、とカテゴリー分けされるのが大嫌い」といった発言が多い。さらに自主レーベルの配給をしていたRough Tradeとの軋轢もあった。スペインのプロモーターがザ・モデッツを呼びたいと問合せしたところ、Rough Tradeの担当者が「モデッツなんてとんでもない、ザ・スリッツにしろ」と応えたという。そうしたインディーの圧力に反発してメジャーのデッカ・レコードと契約するが、今度は大手企業の「売るものを作れ」というプレッシャーに直面し、耐え切れず崩壊の道を辿った。ルックスやファッションよりも音楽性を追求したかったに違いないが、時代や環境がそれを許さなかったのだろう。ちなみにドラムのジューンはモデッツ解散後、 Fun Boy Three、Thompson Twins、Everything But the Girl、Communardsなど人気バンドのセッション・ドラマーとして成功を収めることになる。

Madness / The Mo-dettes - Live At Rockstage 1980 FULL CONCERT


解散から30年近く経ってから再評価されたとしても、それはいわば「敗者復活戦」「欠席裁判」「死後評価」に過ぎない。当事者にとっては既に結果は出ているのだから、もう遅すぎる。現役の時に褒められ報われたかったに違いない。それでも彼女たちの残した作品を語り続けることで、産み落とされた「音楽」の魂を本来あるべき場所へ送り届ける助けになることを願ってやまない。

遅すぎた
追悼の辞を
妄想す



他にも短命に終わったポストパンク乙女を思い出した。筆者が80年代前半に学生バンドでカヴァーしていたガールズ・アット・アワ・ベスト Girls At Our Bestについてフィロソフィーのダンスのプロデューサー加茂啓太郎氏が書いている。
音楽にこんがらがって「ガールズ・アット・アワ・ベストが好き」
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DJイベント『盤魔殿』のFREE ZINE『盤魔殿アマルガム』電子版28号分+歴代フライヤー33点が期間限定無料ダウンロード開始!~ノイズ・アヴァンギャルドから地下アイドルまで

2020年04月22日 00時14分08秒 | 素晴らしき変態音楽


”踊れないことに特化したDJイベント”として2017年5月2日に西麻布Bullet'sでスタートした『盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會』は、場所を渋谷DJ Bar EdgeEndに移して毎月一回開催され、2020年2月24日で33回を数えます。また、2018年8月21日にはDOMMUNEにて出張版『盤魔殿』、23回目にあたる2019年4月12日には幡ヶ谷FORESTLIMITにてライヴパフォーマンス中心の『∵23∵盤魔殿』、2019年12月27日は阿佐ヶ谷TABASAにて『第1回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!~地下音楽不法集会』といったスペシャルイベントが開催されたり、盤魔殿DJが個別に『盤魔殿』と冠してトークイベント、魔術イベント、アイドルDJイベントを企画するなど、ますます広がりをみせています。

盤魔殿のもうひとつの特徴が、来場者全員に無料配布されるZINE『盤魔殿アマルガム』です。日本地下音楽の伝説のライヴハウス「吉祥寺マイナー」と自主レーベル「ピナコテカレコード」が発行していたフリーペーパー「AMALGAM」から誌名を取り、盤魔殿DJたちがレアな音楽・文化について書きおろした記事と、『盤魔殿』の全セットリストを掲載したA5判8ページの小冊子は、世界のアンダーグランドカルチャーの豊潤さとその深層に流れるDIY精神の反映といえるでしょう。

主な連載記事
・地下アイドルへの招待/DJ Necronomicon a.k.a.剛田武
・DJ Athmodeusのターン・オン、チューン・イン、スピン・アウト!!!/DJ Athmodeus a.k.a. 持田保
・喪われた地下音楽家、世界の地下音楽 他/DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫
・アナドル・ロック入門/DJ Paimon a.k.a. Moppy
・ナチスドイツの有機農業 他/DJ Bothis a.k.a. 山田遼
・!!!激情のライブ録!!!/DJ BEKATAROU a.k.a. 伊藤元
・スプラッター千夜一夜~~今宵、愛すべきB級ホラーをあなたに!~~/DJ Vaby a.k.a. 大場 弘規
・盤魔殿DJ 今月の1枚/盤魔殿DJs(2020年~)
・盤魔殿 Disque Daemonium 全回完全セットリスト

このたび、2017年10月発行の準備号Vol.0から、コロナ禍で開催中止になった2020年3月に発行予定だった幻のVol.27まで、『盤魔殿アマルガム』全28号分の電子版の無料ダウンロード・サービスを開始しました。
こんな状況だからこそ、皆様に異端音楽や地下カルチャーの面白さを知っていただき、苦難の時を乗り越える助けになれれば幸いです。

登録不要、無料です。
ダウンロード期限:コロナ禍が終息するまで

★『盤魔殿アマルガム』全28号は以下のURLリンク先(Google Drive)でダウンロード可能です。
盤魔殿アマルガムDownload



★DJ Athmodeus a.k.a. 持田保デザインの『盤魔殿フライヤー』全33点のJpeg画像も無料ダウンロードできます。
盤魔殿フライヤーDownload

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【クラウド盤魔殿】DJ Necronomicon MiX音源解説『L.B.M.M. (Looking Back My Music) MiX』『愛は空っぽ Love Is Vacant Mix』

2020年04月21日 02時21分32秒 | 素晴らしき変態音楽

クラウド盤魔殿 Disque Daemonium SoundcloudにDJ Necronomicon a.k.a.剛田武名義で作成したMIXについての解説です。

【L.B.M.M. (Looking Back My Music) MiX】


外出自粛でやる時間を持て余し、部屋の掃除をしていて出てきた段ボール箱に自分が過去にやっていたバンドや宅録音源のカセットテープを見つけた。ひとしきりそれを聴きながら、ノスタルジーに浸りつつ、頭の中に浮かんだのはFAUSTの1stアルバム(拳骨レントゲンジャケット)だった。ラジオのホワイトノイズの中から炙り出しのように浮かび上がるビートルズ「愛こそはすべて」とローリング・ストーンズ「サティスファクション」の一節。高校2年生のときに三鷹にオープンした日本で2番目の貸しレコード店「黎紅堂」で借りてきたこのアルバムは、初めて聴いたときからどこかで聴いたようなデジャヴを強く感じた。男女のささやき、列車の通過音、風の音、歪んだギター、雨の音・・・遠い昔に自分が見た風景の記憶のサウンドトラックのようだと思った。それに似た既視感ならぬ既聴感を生み出そうと思ったのがこのミックスである。自分の音源としては、Glandesは高校時代のパンクのコピーバンド、Euqisumorihは受験生・浪人生時代の宅録音源、Other Roomは大学時代に吉祥寺GATTYで結成した即興バンド、Flower Tripは大学卒業後結成し企画ライヴ「アートロック宣言」で活動していたサイケデリックバンド、さらに今年1,2月に録音した春日井直樹氏のDaytrip Records用デモ音源を収録した。ファウストのノイズやフィールドレコーディングの代わりに5,60年代電子音楽、クラウトロック、フリーミュージック、そして小中学生の頃知らず知らず馴染んでいたいポール・モーリアのラブサウンドを使用した。DJ用機材を持っていないので、YouTube、Spotify、iTunes、スマホの音源をPC上でON/OFF・ヴォリューム調整しながら再生し、PCレコーダーでリアルタイムで録音した。そのため音質が良くないが、それこそ中学生時代にBCLに凝って、安物のラジオで必死に耳をそばだてて聴いた海外の短波放送のノイズだらけの音声を思い出す。

1. Zoltan Jeney / OM


2. ポール・モーリア・グランドオーケストラ / シェルブールの雨傘


3. Derek Bailey / Rain Dance Pt 3


4. 剛田武 / Baby Ducks (2020年1月 自宅で一発録音)

5. Flower Trip / お前に与えられた役をまず果たせ (1993年2月 原宿ロサンゼルススタジオでライヴ録音)

6. Karlheinz Stockhausen / Studie II


7. Pierre Henry / Histoire Naturelle - Premières Funérailles


8. Steve Reich / Clapping Music


9. Other Room / 遠い部屋 #3 (1982年11月 渋谷ラママでライヴ録音)

10. Iannis Xenakis / Orient-Occident


11. Zoltan Jeney / OM


12. Klaus Schulze ‎/ Bayreuth Return


13. Euqisumorih / Punks (1981年9月 自室で多重録音)

14. ポール・モーリア・グランドオーケストラ / オリーブの首飾り


15. Ya Ho Wha 13 / Journey Thru An Elemental Kingdom


16. 剛田武 / FluteSax × MiyakoDoll (2020年2月 自宅で一発録音)

17. Euqisumorih / 蘭妻 (1981年春 自宅で多重録音)

18. Merzbow / Pulse Demon


19. Zoltan Jeney / OM


20. Kemialliset Ystävät / Kajastusmuseo


21. Pierre Henry ‎/ La Reine Verte


22. Glandes / Anarchy in the UK (1980年9月 都立西高でライヴ録音)


【愛は空っぽ Love Is Vacant MiX】 All Music by Takeshi Goda


DD.RecordsやL.L.E.など80年代地下音楽アーティストが現役で活動しているのを観てきて、20年ぶりに創作意欲が沸いてきた。去年から盤魔殿でも橋本孝之氏やRie Fukudaさんとのコラボレーションでライヴをしているが、高校時代していた宅録のように自分一人でも音楽を作りたいという欲求が高まっている。高円寺円盤で購入したノイズドール2体(MiyakoとMichelle)、玩具、エフェクター、コロナ禍対応で無料DL提供されたアプリを使って一発録音した4,50分の音源を、適当に編集したのがこのミックス。最大3チャンネル、音数が限られたローファイノイズ(2曲オーバーダブをしている)は、深く考えずやりたいようにやったことで、”空虚なラブサウンド”と呼べる音楽になった。朗読している歌詞は過去のブログ記事から引用。曲名はラブサウンドの帝王ポール・モーリアへのオマージュ。多少編集して後日アルバムとしてカセットテープでリリースしたいと思う。

1. 首飾り
2. 真珠
3. 涙
4. 想い出
5. 薔薇色
6. 恋
7. 愛
8. 天使
9. 白い渚
10. 星空

使用楽器:Mackie Compact Mixer Mix5 / Vox StompLab IG / Noise Dolls Miyako & Michelle / Wind-up Chicks / Bubbling Ducks / DrumLoops App / Model D App


クラウド盤魔殿
おもしろミックス
満載です

"うちで踊れないDJ"に特化したMIXが満載『クラウド盤魔殿 Disque Daemonium Soundcloud』公開

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【巣ごもり中の音楽愛好家に朗報】"うちで踊れないDJ"に特化したMIXが満載!『クラウド盤魔殿 Disque Daemonium Soundcloud』公開中!

2020年04月19日 12時58分58秒 | 素晴らしき変態音楽


クラウド盤魔殿 Disque Daemonium Soundcloud公開中!
緊急事態宣言で引き籠っている異端音楽愛好家の皆様、異端DJイベント『盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會』のSoundCloud版が公開されました。盤魔殿レギュラーDJはもちろん、国内外のゲストDJも多数参加、ここでしか聴けない個性的なミックス音源(30分)を提供。今後も続々追加予定です。引きこもりの日々をクラウド盤魔殿で乗り切りましょう。

Avant-garde, Noise, Industrial, Dark Ambient, Neofolk, Punk, Hardcore, Idol, Black Metal, Middle-east, Ethnic, Ritual, Medieval, UnderGround,… Everything Weirdness About Music!

参加DJs
盤魔殿:DJ Athmodeus / DJ Vaby / DJ BEKATAROU / DJ Necronomicon / DJ Bothis / DJ Paimon / DJ Qliphoth / DJ Ipetam (予定)
ゲスト:DJ 小川直人 / DJ 涅槃 / DJ ANTASARI / DJ Ken Horiguchi / DJ emamouse / 浅倉 玲音 / DJ Malo23 / DJ Fujii Masahide / 春日井直樹 / DJ TKD / DJ 山崎怠雅 / DJ Keroppy / DJ hAj / and more




【異端DJ MIXの聴かせどころとセットリスト】
●DJ Necronomicon a.k.a.剛田武


【L.B.M.M. (Looking Back My Music) MiX】
自作音源を使ったミックスを2つアップ。L.B.M.M.MiXは高校時代の宅録と参加したバンド(Glandes、Other Room、Flower Trip)のライヴ音源を電子音楽&ラブサウンドの波間にミックス。狙いはFaustの1stアルバム冒頭部分。

1. Zoltan Jeney / OM
2. ポール・モーリア・グランドオーケストラ / シェルブールの雨傘
3. Derek Bailey / Rain Dance Pt 3
4. 剛田武 / Baby Ducks (*rec. Jan. 2020)
5. Flower Trip / お前に与えられた役をまず果たせ (*rec. Feb. 1993)
6. Karlheinz Stockhausen / Studie II
7. Pierre Henry / Histoire Naturelle - Premières Funérailles
8. Steve Reich / Clapping Music
9. Other Room / 遠い部屋 #3 (*rec. Nov. 1982)
10. Iannis Xenakis / Orient-Occident
11. Zoltan Jeney / OM
12. Klaus Schulze ‎/ Bayreuth Return
13. Euqisumorih / Punks (*rec. Sep. 1981)
14. ポール・モーリア・グランドオーケストラ / オリーブの首飾り
15. Ya Ho Wha 13 / Journey Thru An Elemental Kingdom
16. 剛田武 / FluteSax × MiyakoDoll (*rec. Feb. 2020)
17. Euqisumorih / 蘭妻 (*rec. 1981)
18. Merzbow / Pulse Demon
19. Zoltan Jeney / OM
20. Kemialliset Ystävät / Kajastusmuseo
21. Pierre Henry ‎/ La Reine Verte
22. Glandes / Anarchy in the UK (*rec. Sep. 1980)



【愛は空っぽ Love Is Vacant MiX】 All Music by Takeshi Goda
2020年4月18日に制作した最新音源のミックス。テーマはローファイ電雑ラブサウンド。使用楽器:Mackie Compact Mixer Mix5 / Vox StompLab IG / Noise Dolls Miyako & Michelle / Wind-up Chicks / Bubbling Ducks / DrumLoops App / Model D App

1. 首飾り
2. 真珠
3. 涙
4. 想い出
5. 薔薇色
6. 恋
7. 愛
8. 天使
9. 白い渚
10. 星空


●DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫


モダーンミュージックで買った中古盤特集+アルファ。アングラ演劇関連音楽…昭和アングラ歌謡、昭和サイケデリックロック、昭和パンク、吉祥寺マイナーから新宿ジャムスタジオ、西荻窪アケタの店、花園神社から渋谷天井桟敷館、幡ヶ谷から初台、そして明大前といった京王線沿線の音楽、そしてドラッグ文化としてのテクノイズとアウトロー演歌。俺の中で鳴り止まない歌(モノ)。心はいつも1978年。

1. 明日香 / 健さん愛してる
2. 三島由紀夫 / 英霊の声(朗読)
3. 東郷健 / ツブシタレ
4. 土方巽 / わたしはね、はい、夢なんかね、みてる暇がないのよ。
5. 曲馬舘 / 狂騒~嘆きの五月(愚者の謝肉祭)
6. 土方巽 / いやぁ、おがぁはんの記憶なんか全くないです。
7. 山谷初男 / 毛皮のマリー
8. 春日井直樹 / めくらのチャーリー
9. 土方巽 / わたしもね、最近カラスの話はしません。
10. アラン・メリル / 初恋の風
11. YBO2 / 太陽の皇子
12. 増山たか/飯田はる / 飴屋踊り(飴屋)
13. 3/3 / とんでけ
14. ガセネタ / 社会復帰
15. ザ・スターリン / 肉
16. 李麗仙 / 氷いちごの唄
17. ほぶらきん / 俺はなんでも食う男(2) EP「インドの虎狩り」より
18. J・A・シーザー / 荒野より
19. 金子寿徳 / 死期 05/05/01 solo at uramado
20. 曲馬舘 / 夢魔~泪橋哀歌(日本乞食オペラ)
21. 水族館劇場 / この丗のような夢 テーマPART1(新宿 ver.)
22. 森田童子 / ぼくを見つけてくれないかなァ
23. Ah Cama-Sotz / Sweet fragrance of insanity
24. 凡天太郎 / ネンショ数え歌(熊本県人吉少年院)


●DJ Athmodeus a.k.a. 持田保


電波!電波!電波!Do you remember 霊界レディオ‼︎という訳でラジオもんからオウムもん、霊界音源からの第三世界ビートもんまでで悔い改めよ死後裁きにあうmix

1. LOUIS & BEBE BARRON / Forbidden Planet
2. DUM DUM TV / Aum
3. JOHN CAGE / Radio Music
4. FRIEDRICH JURGENSON / Einspielungen
5. DJ SPOOKY / Cadavre Magnetique
6. BILL LASWELL & SCANNER / Oscillations
7. SAINT ABDULLAH / Zeynab
8. RON MORELLI / A Gethering Together
9. THIS HEAT / Horizontal Hold


●DJ Paimon a.k.a. moppy


自粛自粛で色々ストレスが溜まる日々が続いていますが、ゆるい和ンビエントなミックスでリラックスしてください。

1. 原マスミ / 海で暮らす
2. 朝崎郁恵 / よいすら節 Kuniyuki Remix
3. 新崎純とナイン・シープス / かじゃでぃ風節
4. 鈴木慶一 / 月にハートを返してもらいに
5. ダレル / ゆり籠〜まぼろしの祭り〜目覚め


●DJ Bothis a.k.a. 山田遼


史上初のクラウド版盤魔殿ということで、本イベントの根底にある「埋もれた地下音楽の再評価」という精神は忘れずに、DJの顔が見えないことが、今回に限って言えば作品のポテンシャルをむしろ引き立たせる様な、そういった感覚で年代・ジャンルを問わず選曲してみました。その中でも、今回の新型コロナウイルスの世界的大流行を受けて、ドイツのダークアンビエントアーティスト「Apoptose」が急遽WEB上で発表した新曲『Als es vor 49 Tagen begann (Karla 2020 coronaviral edit)』は、今だからこそ生まれてきた労作と言えますのでぜひお聴きいただきたいと思います。

1. Masamichi Amano / Teacher and Students/Final Battle
2. group A / Initiation
3. Apoptose / Hexenring im Herbst
4. Zaliva-D / Human Addict
5. Apoptose Featuring Daniel Sans ‎/ Maria Durch Ein Dornwald Ging
6. Sonnenbrandt / Rotes Telefon
7. Apoptose / Als es vor 49 Tagen begann (Karla 2020 coronaviral edit)


●DJ Vaby a.k.a. 大場弘規


今回は皆様が少しでも元気になれるように「リリックに言霊を乗せて!」をテーマとして、初めての日本語Rapオンリーで攻めていきます。こんな時期ですが、今こそ大和魂の見せ所という事で頑張りましょう!

1. Samurai Champloo Featuring – Riki Azuma(Small Circle Of Friends)/ Fly
2. Small Circle Of Friends / 1・2の3のスモールサークルオブフレンズ
3. Halcali / エレクトリック先生
4. Buddha Brand / Don't Test Da Master
5. 般若 / ちょっとまって
6. Jazzy Upper Cut / Core
7. ガスボーイズ / 公衆ベンジョ


●DJ BEKATAROU a.k.a. 伊藤元

 
2020年必殺!の1枚であるKAYO MAKINOの"melatonin"やJUN KONAGAYA 、GHEDALIA TAZARTES…端末から飛び出す音々の熱量を感じていただければ幸いです。

1. JUN KONAGAYA / マグノリア 
2. Kayo Makino / メラトニン 
3. GHEDALIA TAZARTES / Ouverture Fragile  
4. KUKNACKE /Love Taker  
5. mauthausen orchestra / mafarka 
6. fusiller / VIGILANCE  
7. Kayo Makino / メラトニン


●DJ 小川直人


DJ小川直人は、DJ MIXと同時にシンセサイザー演奏を混ぜ込んでいくというスタイルで主にマイナーなニューウェイヴを選曲。シティポップ、アヴァンギャルド、インダストリアル、ディスコ、ファンク等を「ニューウェイヴ」という接着剤で強引に繋げて電子音をトッピングするファストフードライクなお気楽加減は、しかし十分に批評性を持ってジャンルという境界線を引き剥がすチャレンジでもある、ような気もするがあくまでもエンターテイメントとしてのDJプレイを目指すもの。

1. LZ 130 / Matic Cx2
2. 亜蘭知子 / Lonly Nighit
3. EP-4 / Mineraloid (Cad's Favorite)
4. Ti-Tho / So Groß Wie Der Mond
5. Sympathy Nervous / Anatawa Suguni
6. 秋本奈緒美 / Tennessee Waltz
7. Inyurmania / Your Life Is Bitter Sweet When I Try To Peel The Skin Of Your Feet
8. Die Radierer / Aller Guten Dinge Sind 1, 2, 3
9. 小林泉美 / ROLLING STONE
10. Toni Basil / Space Girls
11. Gorilla Aktiv / Spiegelbild
12. The Tanzdiele / Kleine Schlange
13. Zatopek / Abschiedskuss
14. Yla-Mago / Tyo Rock
15. The Flirts / All You Ever Think About Is (Sex)!


●DJ 涅槃 a.k.a. 田中隆明

 
S.S.H. Selection~私が敬愛するメタル系ゲーム音楽バンド・埼玉最終兵器(S.S.H.)さんより好きな曲を編集してみました。ゲーム音楽にも良い曲があるというのを少しでも知って貰えれば嬉しいです。私はアップテンポな曲が好きですので、その方向で固めてみました。m(_ _)m

1. Travel Demon Medley 悪魔城ドラキュラ
2. Lightning Strikes Again~Metal Squad サンダーフォースⅣ
3. Try To Star グラディウスⅢ
4. To Make The End Of Battle イースⅡ
5. Boss Theme デビルサマナー悪魔召喚師
6. Holy Orders ギルティギアX
7. Explorer 女神転生Ⅱ
8. Omega 女神転生Ⅱ



ツールの使い方に慣れて来たのでテクノ版も作ってみました。3曲目と4曲目はゲームの曲で、1曲目は以前ケン・イシイさんがMIXで使っていた曲です。意図しませんでしたが全体的にミニマルっぽくなりました。

1. Strap Down Part 2 -- Meat Beat Manifesto
2. Dinosaur Tank -- Denki Groove
3. Ghost In The Shell -- Takkyu Ishino
4. Burnout -- Mijk Van Dijk
5. Awakening -- Ken Ishii


●DJ ANTASARI aka. Tetsuya Ishii


今回のミックステーマは「踊りたいのにどうにも体が重くて踊れない」です。イメージは中東あたりの市場をうろうろしてるとどこからともなくシーシャの香りそこにほんのりと大麻の香りふと気づくといろんな国のダークサイドへトリップ徐々に軽快になって冷めてきて懐かしい曲が聴こえるがやっぱりまだ異界でした、とさ

1. Bina / Shawn Lee's Ping Pong Orchestra
2. Sima Edy (Cesar Diaz Remix) / Dub Colossus
3. Oskus Urug / Radik Tyulush
4. Enoralehu / Gigi
5. Estoria Da Boca Exu Remix / City Of God-Remixed
6. September 13 / Deodato
7. Woodstock / Kalya Scintilla re-mix / Joni Mitchel


●DJ Ken Horiguchi


現状の世の中コロナでの状況を実験的なnoise newwave で表現しつつ中盤以降は世界の回復を願って徐々にクリアなsynth音が混ざって来て最後完全なるアンビエントで綺麗になった世界を表現

1. Konstruktivist / Intro
2. M.B. / Amniocentesi
3. Etant Donnes/491
4. Tunnels Of Ah/Here is The Heap
5. SNH /Night Walker
6. Doxa Sinistra/Shuting Yard
7. SNH/Snowfall(Chihei Hatakeyama Remix)
8. Sun Electric/castor&pollux


●DJ emamouse


今回のmixは、心の中で、独りきりでとても寂しい場所に行くためのmixです。私にとって独りきりで寂しいのはとても前向きで健康なことです。

01. Zuzu_chi / Tres A Tres
02. FUNNY DAYS / IRE LODBROG
03. The Alternative Solutions / Sunrise
04. anne laplantine / Partitos
05. emamouse / Our House
06. Patrick Feaster / Melography
07. Cathy Eliot / Short Study in H Minor
08. emamouse / short last Prague
09. Unknown / Unknown
10. emamouse / wide water storage
11. emaouse / sand dune
12. Soap&Skin / Spiracle


●浅倉 玲音(あさくら れいん) 


今回のミックスは普段から演目でやっているリバースディレイをベース一本にかけて擬似多重録音の手法を取ったエレクトロアコースティックというジャンルにあたるものです。ベースを始めたきっかけがソロベースを弾く方でアンビエントにはまり演奏し始めたきっかけの人もソロベースを弾く方でそれを合わせた形になります。ディレイ以外のエフェクターは使用していないのですが使っているリバースディレイのおかげで生演奏だけど打ち込みっぽい、打ち込みっぽいけどメロディアス、即興ぽいけどコード進行も使うスケールも決まってる、という凄い抽象的なミックス(曲)になってます。今のメインの活動が抽象画家でもあるので平行してやっております。ただ自分の音楽と自分の絵とは関係性はやってる人が一緒なところだけです

1. アンビエントソロベース ベースインプロビゼーション


●DJ Malo23 aka.Mark Lowe


このプレイリストはマーク・ロウ入門なのかも知れないです。オリジナル曲、そしてカバー曲2曲入れています。もっと聴きたいなと思う人は是非SpotifyやApple MusicでMarc Loweを検索してください。それとwww.darkshroudrecords.comのホームページへどうぞ。

1. World of Flux
2. This Raging Storm
3. Want (Piano Version)
4. Grace (A Reinterpretation) [Jeff Buckley cover]
5. Dollar Days (feat. Joe Shotaro) [David Bowie cover]
6. World's End (feat. Sunny Yasuda)


●DJ Fujii Masahide a.k.a. FJ


Desolation of Rock and Roll 2020 mix
古き好きロックンロールミュージックを盤魔殿的な音響で再構築、と云ったイメージでmixし始めたわけだが演奏家が人前で演奏できない最近の空気感による気分の反映か妙に暗いmixが出来上がった。特に絶望しているわけでも無いのだが、ロックンロールが鳴り止んだ後の風景のようにも感じられる。もっとも、ここからまた花は咲いていく。毒々しくも。鮮やかに。
下記のトラックリストはmixに使った素材を全て挙げたものだが、曲によっては秒単位で部分が使われているだけであったりする。
Fujii Masahide a.k.a. FJ (バラナンブ) 2020.04.19

・Blue Moon / Elvis Presley
・For Your Pleasure / Roxy Music
・In My Hour of Darkness / Gram Parsons
・Ezy Ryder / Jimi Hendrix
・Bathroom Dance / Hildur Gudnadottir
・ Can We Be Lovers / Teddy Pendergrass
・Nite City / Nite City
・Me and My Shadow / Daniel Ash
・Come Sta,La Luna / Can
・Jailhouse Rock / The Spiders
・Automatic Pilot / Vodka Collins
・waterfalls / TLC
・Three Steps to Heaven / Eddie Cochran
・Tennessee Waltz / Jimmie Tokita & His Mountain Playboys
・Call Me Joker / Hildur Gudnadottir


●春日井直樹


1986年(7曲分)と1995年(1曲分)に録音したパンク・ユニット「牛若丸」の音源のメドレーバージョン。「リポビタンD」以外は現在、未発信音源となります。

1. 牛若丸のテーマ(牛若丸/春日井直樹・1986年録音)
2. リポビタンD(牛若丸/春日井直樹・1986年録音)
3. 生ザカナ(牛若丸/春日井直樹・1986年録音)
4. 名城公園のテーマ(牛若丸/春日井直樹・1986年録音)
5. 金くれ!(牛若丸/春日井直樹・1986年録音)
6. ハリキリママ(牛若丸/春日井直樹・1986年録音)
7. 恋のヨロレイヒ(牛若丸/春日井直樹・1986年録音)
8. お天気(牛若丸/春日井直樹・1995年録音)


●DJ TKD


DJ TKD 2nd ALBUM『PANDEMIC』
今の閉鎖状況を記録することができたらと、新作の『pandemic#1』と『pandemic#2』は作りました。ペストを連れてくるノスフェラトゥの船をイメージしたのでゴシック趣味が反映されています。
1stアルバムは宇田川さんの桜台プールでイベントの物販ブースに便乗して作りました。そして2ndアルバムは今回のSoundcloud版盤魔殿に便乗して、2年停滞していたものをもう一度サルベージさせ完成させました。

1  pandemic#1
2 BLACK DIAMOND
3 怪獣DAY
4 トロイの木馬
5 宇宙人が来る!
6 Physical battlefield
7  pandemic#2


●DJ 山崎怠雅


ベトナムから始まってエチオピアに着地する30分の連想ゲーム、だと思って頂ければ。

1. Dead Men's Orchestra - Totencombo
2. Albert Ayler - Bells
3. -Annette Peacock - Pony
4. 阿部薫 - Alto Improvisation No,1
5. Fifty Hoot Hose - If Not This Time
6. Clara Rockmore - Song Of Grusia
7. Ewa Demarczyk - Babuni
8. 宮西計三&Sa.yo.na.ra.エレベーションズ - (曲名不明)
9. King Tubby - Dubbing My Way
10. Erica Pomerance - We Came Via
11. T.Rex - Cosmic Dancer
12. Alèmu Aga - Sele Sene Fetret


●DJ Keroppy a.k.a. ケロッピー前田


DJ Keroppy 「原始音楽」
つい最近、『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)という本を書き上げた。まさにその本の執筆中、私のなかでは原始音楽が鳴り続けていた。

01 土取利行 ”翼を持った大角鹿”(瞑響・壁画洞窟)
02 土取利行 ”クロマニョン・ダンス”(瞑響・壁画洞窟)
03 土取利行 ”ドリーム・タイム”(瞑響・壁画洞窟)add Synth
04 土取利行 “せせらき”(サヌカイト)
05 高田みどり “石流”(百億年の交響詩)
06 David Tudor “Pepsibird” add Didgeridoo
07 Harry Partch “And on the seventh day petals fell in Petaluma”
Reading, Synth and Didgeridoo by Keroppy Maeda


●DJ hAj a.k.a. Seij minus aÇ


解説:

“Black Tape For A Blue Girl” は80年代後半から米Dark Waveシーンを牽引するProject Recordsレーベルの代表バンド。
“Incept Date” は90年代の独Dark Electroバンド。
“Intent:Outtake” は現在活動中の独Dark Electroバンド、拙作Seij minus aÇと同じ独レーベルのSonic-X Records、曲収録のEPは独Aggrotechシーンを代表するAgonizeと共同制作。
“Painbastard” もまた、独Aggrotechシーンを代表するバンド。
“Seij minus aÇ” は、私hAjによるAbstract Dark Harsh Electroプロジェクト、独レーベルのSonic-X Recordsから拙作をリリース。

1. Black Tape For A Blue Girl - The Flow Of Our Spirits [0:00]
2. Incept Date - Welcome On My Ship Of Love [3:22]
3. Intent:Outtake - Nennt es schizophren (Seij minus aÇ Remix) [9:18]
4. Painbastard - Final Day (V.03 2005) [14:46]
5. Seij minus aÇ - Less Physical Vortex [20:32]
6. Seij minus aÇ - Angry Water [24:10]


●DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda


<日常に潜むサイケデリック。>
現代的な解釈をしていると捉えた選曲を中心にお届けします。色々なところから拾って行きます。

1. NEUROSIS&JARBOE / WITHIN
2. Patti Smith / Are you experienced?
3. The Sisters of Mercy / GIMME SHELTER
4. Leviathan / Vexed And Vomit Hexed
5. Silencer / Death Pierce Me
6. Xasthur / Apparitional Void Of Failure
7. Dissecting Table / Silence in Blue
8. Siouxsie and the Banshees / CANDYMAN
9. FUJI-YUKI / manna(母性)
10. VANGELIS / BLADE RUNNER(End Title)

クラウドで
異端音楽
盤魔殿

▼過去の盤魔殿アーカイブもSoundcloudで公開中!










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【失われた女子バンドを求めて】第2回:エッグプラント eggplant~"なすび"という名の90's英国インディポップバンドの謎

2020年04月18日 02時38分23秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


1995年秋のある日、60年代サイケの中古盤探しで訪れた吉祥寺の輸入レコード店の新譜コーナーに面出しされていたシングル盤に目が留まった。元々ガールズバンドが好きだったが、このころはどっぷりサイケに漬かっていて、ガレージ系やモッズ系女子アーティストばかり聴いていた。"eggplant(なすび)"と赤いスタンプが押された『girl wants a dinosaur(女の子は恐竜が欲しい)』(Bus Stop / 94)という7インチ。ブライトン風の浜辺に立つボーダー女子は60’sガールグループやサーフポップ風にも見えたが、それだけではないハンドメイドのDIY精神を感じた。大好きだった80'sガールズパンクバンド、ドリー・ミクスチャー Dolly Mixtureを思わせるキュートな1分前後のギターロックが突っ走っるサウンドに一耳惚れした。

Eggplant ‎– Girl Wants A Dinosaur 7"


エッグプラント eggplant は、ジュリー Julie (g/vo)、タミー Tammy (b)、グラハム Graham (ds)の女子二人・男子一人の三人組。
このシングルは、ロンドン、ハックニーのRedchurch Studioで93年10月23日にレコーディングされ、イギリスのインディレーベルfluffからリリース予定だったが何らかの問題があって(”奴は完全に狂ってた”と書いてある)決裂し、アメリカ・アイオワシティのBus Stopレーベルからリリースされた。

とても気に入ったが、当時はネットが発達しておらず、雑誌やラジオで紹介されない海外のインディバンドの情報を得る術はなかった(いや、おそらく一部のクラブや輸入盤店に出入りしていれば情報通と知り合えたのだろうが、そこまでの社交性はなかった)。そうして数か月後、別の輸入盤店のフリーペーパーでeggplantのCD発売の情報を見つけた。『anorak twat(アノラックの愚痴)』というタイトルで、ジャケットにバイキンマンが描かれていることがちょっとした話題になった。全14曲入りですべて1~2分のジャングリーポップ。「このCDの前にBus Stop、Pop Narcotic、Elefantから出ているシングル盤を買うこと」と注意書きがあるように、93~94年にレコーディングされリリースされたシングル4枚のコンピレーションである。

Eggplant - Anorak Twat (Compilation Album)


それ以来都内・国内はもちろん、海外出張先でのレコード店巡りのときは必ずシングル盤の「E」のコーナーを掘るようになり、そのおかげでシングル盤3枚『Because Some Things Are Meant To Be Throwaway(捨てられるものもあるのだから)』(Pop Narcotic / 94‎)、『Crushed By Ale(エールに押しつぶされて)』(Elefant / 95)、『I Believe In The Loch Ness Monster(あたしはネス湖の怪獣を信じてる)』(Candy Floss / 96)と唯一のオリジナル・アルバム(Elefant / 96)を入手することが出来た。1stシングル『Sweet Anarchy(甘いアナーキー)』(Bus Stop / 93)だけ見つけられていないが、音は『anorak twat』で聴ける。アルバムはLPが『Catboy(キャットボーイ)』、CDが『Catgirl(キャットガール)』とタイトルが異なり、ジャケットも違うが内容は同じ。1曲を除き、すべて1~2分だが、アコースティックナンバーも含め音楽的な成長を感じる。5分を超えるラストナンバー「We Only Wanted To Be Loved」はジュリーのヴォーカルじゃないように聞こえる。アルバムにクレジットされているもう一人のKeriというヴォーカリストが歌っているのかもしれない。”私たちは愛されたかっただけ”というタイトルが意味深。

Eggplant - Can't Get Better Than This


バンドのことをもっと知りたくてレコードに載っていた住所に手紙で問い合わせた。写真やバイオやニュースレターが欲しいと返信用クーポンを同封したのだが、半年以上経った97年秋に届いたのはジュリーからのタイプ打ちの手紙1枚だけだった。「2年間楽しく活動してきたがバンドは終わりました。2,3か月中にElefantレーベルで新しいアルバムを録音するかもしれませんが、グラハムは大学に進学し、タミーは赤ちゃんが生まれ、私は世界の果てのスコットランドに引っ越すので多分無理だと思います」と書かれていた。その手紙通り、新たな作品がリリースされることはなかった。また、調べた限りでは、それ以降ジュリー、タミー、グラハムが音楽シーンに再び登場した記録は存在しない。

ジュリーがワット・タイラー Wat Tylerというパンクバンドのメンバーでもあったことを最近知った。ワット・タイラーは86年に結成され、政治や風俗をネタにしたお下劣なパロディソングを得意とするコメディ風パンクバンドだった。ジュリーがクレジットされている95年の『Tummy』という43曲入りコンピレーションアルバムをYouTubeで聴いてみたところ、8曲がジュリーのヴォーカルで、そのうち7曲がエッグプラントの『anorak twat』収録曲だった。タイトルは違うが聴き比べると全く同じバージョンであることが分かる。つまりエッグプラントはワット・タイラーの覆面バンドだったのか?ヴォーカルはジュリーで間違いないが、グラハムとタミーは架空の存在だったのだろうか?確かにYouTubeにエッグプラントのライヴ動画はないし、ネット検索してもアーティスト写真やライヴの記録は見つからない。しかしそうなるとジュリーからの手紙にふたりのことが書かれているのはなぜ?それも嘘っぱちだったのだろうか・・・・?

Wat Tyler - Tummy CD - 24 - 100% Top Quality(Girl Wants A Dinosaur 7" tr-1 Candy Floss Conspiracyと同じ曲)


Wat Tyler - Justify Your Book(この曲はエッグプラントとしてはリリースされていない。)


謎の答えは見つからないが、エッグプラントとしてリリースされた曲に漲る直向きな純真さは、ワット・タイラーの捻くれたユーモアとは全く異なるティーンエイジャーのDIY精神の証明であり、ジュリー、タミー、グラハムの三人がバンドと音楽にかけた我武者羅な情熱の証に違いない。たった2年間の活動に凝縮された輝きは、永遠に消えることはないだろう。それこそ不滅のロックンロールマジックに他ならない。

青春を
ギターポップに
捧げました



<参考 Reference>
Wat Tyler - Tummy / eggplant - anorak twat
2. Poems On The Underground / 4. Still We Fall (Into The Same Trap)
10. How Doesn Ed Cope? / 14. How Does Ed Cope?
14. Not Supersticious / 2. All I Can Do (cover of Letherface's song)
24. 100% Top Quality / 8. Candy Floss Conspiracy
35. Played For And Got / 11. Played For And Got
36. Big Girls Blouse / 12. Exactly The Same
40. Fuck Pump / 13. It'll Make You Wanna Throw Up

<参考リンク Link>
第1回:失われた女子バンドを求めて~RAP/Bárbara/OXZ 

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【クラシックの嗜好錯誤】第七回:ハンガリーのハングリーな新前衛主義者、ゾルタン・イェネイ Zoltán Jeney への遅すぎる追悼

2020年04月14日 12時43分30秒 | 素晴らしき変態音楽


2017年12月に15年ぶりに訪れたロンドンで、中古レコード店の見慣れたロックやジャズ・コーナーに飽きて、気分転換しようと足を踏み入れたクラシック売り場の現代音楽コーナーが全く知らないレコード満載の宝の山だと気がついた。メシアン、ペンデレツキ、ケージ、シュトックハウゼン、ヴァーレーズ、クセナキス、アイヴスなどの有名作曲家に交じって、北欧や東欧の名前も読めない作曲家の作品が多数あり、80年代初頭に雑誌『Fool's Mate』でRIO/レコメン系のユーロロックに出会ったときに似た衝撃と興奮が甦り、感動に震えながら勘だけを頼りに未知の盤を何枚も買い込んだ。日本へ帰って聴いてみて、多くはイメージ通りの”真っ当な”現代音楽で、それはそれで満足したが、1枚だけ予想外の奇妙なレコードがあった。A面すべてを使ったカルト教団の儀式のような詠唱と、10分近いジャンクノイズのインダストリアル音響。10数年前に初めて聴いたM.B.(マウリツィオ・ビアンキ)の『Neuro Habitat』の切れ目のない長尺バイオニックノイズの驚愕と歓喜を再び味わった。「こんなのありなのか!?」と耳から鱗の経験だった。それがハンガリーのZoltán Jeneyという作曲家との出会いだった(ハンガリー語ではゾルタン・イェネイと発音するようだが、個人的には英語風にゾルタン・ジェニーと呼びたくなる)。

イェネイのことは前々からブログで取り上げようと思っていたが、今回検索したところ、なんと昨年10月に亡くなっていたことを知った。日本では無名の音楽家だから報じられることもなく知る由もなかったが、コロナ禍で引きこもってネット検索をしていたおかげで訃報を知ることができたことは、幸運というべきか悲しむべきか。。。。遅すぎたとはいえ、追悼の意を込めて記しておきたい。

●Zoltán Jeney 『To Apollo / For Glass And Metal / Soliloquium No. 3』
(Hungaroton ‎– SLPX 12366 / 1982)


1982年にリリースされたイェネイの2作目の単独作品集。A面全部を占める「To Apollo」(1978)は、オルガン、コーラングレ(イングリッシュホルン)、アンティーク・シンバル、男女コーラスによるカンタータ。歌詞は古代ギリシャの詩人カリマコスによる讃美歌である。イェネイが古代ギリシャ音楽からヒントを得て生み出した「疑似モーダル音階」で作曲され、十二音音楽とも四分音とも異なる不思議な旋律を奏でる。手法的にはミニマルミュージックに通じるが、そこからイメージされる洗練さは皆無で、伝承民謡や土着の祭祀音楽と同質の呪術性が濃く感じられる。B-1「For Glass and Metal」(1979)は、彫刻家のBuczkó Györgyのガラスと金属の展覧会用に制作された曲で、鉄工所とガラス工房での録音素材を用いたミュージック・コンクレート。工事現場を思わせるジャンクノイズで始まるが、様々な音源の組み合わせの妙で抒情的なストーリー性のある音響組曲になっている。同じころ登場したスロッビング・グリッスルやキャバレー・ヴォルテール等のインダストリアル・ミュージックとの直接の関連はないだろうが、興味深いシンクロニシティである。B-2「Soliloquium No.3」(1980)は1979年に没した進歩的哲学者István Bibóに捧げられた曲。十二音技法によるシェーンベルク風のピアノ曲だが、日本でも人気のあるピアニスト、ゾルタン・コチシュが奏でる水滴が落ちるようにランダムなピアノの単音は、意図せず環境音楽/アンビエント・ミュージックに接近して聴こえる。ちなみに「Soliloquium(ソリロキウム)」とは、イェネイの無伴奏器楽ソロ曲シリーズのタイトルで、No.1:フルート(1967)、No.2:ヴァイオリン(1978)、No.4:オルガン(1980)、No.5:アルトサックス(2016)がある。スウェーデンに同名のドゥームメタルバンドがいるがもちろん無関係だろう。

Cantata on a hymn by Callimachus



●Zoltán Jeney ‎『Wohin?』
(Budapest Music Center Records ‎– BMC CD 240 / 2017)


『To Apollo』を聴いて俄然興味が沸いて、アマゾンで調べて唯一購入できた最新アルバム。1曲目「Wohin?」(2013)は"何処?"という意味の短い管弦楽曲。2003年のイラク戦争にインスパイアされて作曲された。一聴してベートーヴェン「歓喜の歌(交響曲第9番第4楽章)」のオマージュ(パロディ)だと分かるが、元々フランス革命の直後にドイツで愛唱された詩人シラーの「自由賛歌」を基にした歌詞を持ち、東欧革命やベルリンの壁崩壊を祝して演奏された原曲を、不安を掻き立てる不協和音でデフォルメして、"抱き合おう、諸人(もろびと)よ!この口づけを全世界に!"という元の歌詞を、"偶像崇拝に陥るのか、諸人よ?世界の創造主を知ってるのか?"と改作することで、悲惨な戦争への皮肉を表現している。他にハンガリーの詩人デジェー・タンドリによる"ヘラクレイトスの詩"にインスパイアされたピアノ曲「Heraclitus Series」(1980-2013)、ウィリアム・ブレイクの詩による歌曲「Songs Of Innocence And Experience」(2013)、電子計算機を使って作った音列を用いて作曲されたクラスター交響曲「Pavane」(2007)など革新的な作品を収録。70代半ばを過ぎてますます旺盛な創造意欲を証明した本作が、残念ながら遺作となってしまった。

Wohin? 2013



●Zoltán Jeney / László Sáry ‎『Contemporary Hungarian Music』
(Hungaroton ‎– SLPX 11589 / 1974)


ヤフオクで偶然見つけてつい1週間前に落札したレコード。同胞の作曲家ラースロー・シャーリ László Sáryとのカップリングでリリースされた『現代ハンガリー音楽』シリーズの中の1枚。ハンガリー音楽界で認められるきっかけになったフルートのための「Soliloquium No.1」(1967)、シェーンベルクに捧げたオーケストラ曲「Alef - Hommage à Schönberg」(1971-72)、ピアノ、ハープ、ハープシコードによるトーン・カラー(音色主義)作品「Round」(1972)を収録。B面のシャーリの作品も古典的な前衛音楽とは色の違う新鮮さが感じられて興味深い。前衛の停滞期と呼ばれる70年代初頭に、その反動として登場したポスト・アヴァンギャルドの息吹が漲っている。

イェネイの作品は概してレア盤ではないが、日本ではめったに見つからず、偶然の出会いを期待するしかないが、AB面同じフレーズが反復される超ストイックなミニマルミュージック『OM』(1986)は何とかして入手したいと夢見ている。なお、同姓同名のフルート奏者がいるので注意のこと。

OM - két elektromos orgonára - 1. rész



●バイオグラフィ


ゾルタン・イェネイ Zoltán Jeney (1943年3月4日生 - 2019年10月28日没。享年76歳)は、ハンガリーの作曲家である。
1970年代から80年代にかけてハンガリーで発展した実験芸術運動の代表的な人物の一人。

略歴
ハンガリーのソルノク生まれ。最初にピアノを学び、デブレツェン中等音楽学校でポングラーツの作曲クラスに参加。その後1961–66年ブダペストのリスト・フェレンツ音楽大学でフェレンツ・ファルカシュに作曲を学び、1967–68年ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアでゴッフレド・ペトラッシに師事した。1967年に作曲し1968年に初演されたフルートのための「ソリロキウム第1番」が高く評価される。

1970年にエトベシュ、コチシュ等志を同じくするハンガリーの若手音楽家たちと共にブダペスト・ニュー・ミュージック・スタジオを設立。このスタジオは作曲家や演奏家のための国際的に有名なワークショップとなり、1972年から1990年の間に600曲以上の現代音楽作品が発表された。

1986年からリスト・フェレンツ音楽大学の教授を務め、1995年からは作曲学科の学科長を務めた。90年代以降、ハンガリー作曲家協会、国際現代音楽協会(ISCM)、セチェニ文学芸術アカデミーなどで理事を務め、ハンガリー現代音楽界の重鎮として活動した。

フェレンツ・エルケル賞(1982年)、芸術功労賞(1990年)、コッスート賞(2001年)、アルティス音楽賞(2001年)、エイゴン・アート共同賞(2006年)を受賞。また、バルトーク・パシュストリー賞を2回(1988年と2006年)受賞している。

2019年10月28日 ブダペストにて死去。享年76歳。

作風
初期の作曲では、ベーラ・バルトーク、ルイージ・ダッラピッコラ、アントン・ヴェーベルンやアルバン・ベルクなどの新ポーランド学派、ジョルジュ・クルターク、ツォルト・デュルコの影響を受けている。1960年代後半には、ピエール・ブーレーズの理論、カールハインツ・シュトックハウゼンの作曲、東洋哲学に興味を持ち始め、ジョン・ケージの哲学に触れたことでその方向性が強まった。

1970年代にはミニマル・スタイルでの作曲を始め、その時期の作品は、極端に切り詰めた静的な作風を特徴としている。また、未知の音のつながりを研究するために、1973年から音楽以外の様々な素材(テキストの引用、チェスのマッチの動き、ソリティアのゲームの動き、テレックスのテキストのリズムなど)を形式、旋律、リズム、音色の要素として使用した。

1980年代以降、彼は再びバロックやバロック以前の時代を彷彿とさせる対位法を採用するようになり、テキストと旋律の形成において、グレゴリオの伝統とハンガリー民族音楽の伝統の両方を引用した、アーカイックな音色制作のスタイルが現れた。技術的には過去数十年間に自ら開発した基本的な音楽理論を継承しているが、近年の作品では、若い頃には厳しい構造の陰に隠れていた自由な感情と繊細な直観性が全面に現れている。

作品には、管弦楽曲、室内楽曲、歌曲、合唱曲、電子音楽、コンピュータ音楽、他の作曲家との共同作業、付随音楽(演劇、映画)などがある。彼の作品のいくつかは、ハンガロトン・レーベルとBMCレコードからリリースされている。

参考:Budapest Music Centerウェブサイト

追悼記事(ハンガリー語)

年譜
1943年3月4日
ハンガリー、ソルノク生まれ

1957-1961年
デブレツェンのゾルタン・コダーイ音楽高校でゾルタン・ポングラーツに作曲を師事。

1961-66年
ブダペストのリスト・フェレンツ音楽大学でフェレンツ・ファルカシュに作曲を師事。

1967/68年
ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアでゴッフレド・ペトラッシに師事。

1968年
ユトレヒトのゴーダムス音楽祭でフルートのための「ソリロキウム第1番」が初演される。

1970年
ペーター・エトヴェシュ、ゾルタン・コチシュ、ラースロー・シャーリ、アルバート・シモン、ラースロー・ヴィドツキーと共同で、ブダペストにニュー・ミュージック・スタジオを設立。まもなく、ギュラ・チャポー、バルナバス・デュカイ、ジャイオリー・クルターク・ジュニア、ゾルト・セレイ、アンドラーシュ・ウィルハイムが参加。

1971年
ゾルタン・フシャリク監督の映画『Szinbád(シンドバッド)』の音楽を担当。この映画が大成功を収めた後、いくつかの映画の音楽を依頼される。

1972年
ダルムシュタットのノイエ・ムジーク協会(Ferienkurse für Neue Musik)に参加し、クリスチャン・ヴォルフの講義と音楽に興味を持つ。
オーケストラのための「アレフ-シェーンベルクへのオマージュ」を完成させる。同年、ハンガロトンよりペーター・エトヴェシュの指揮で録音される。

1973年
音楽以外の資料(テキスト、気象データ、チェスのゲーム、テレックスなど)を音楽に応用する。

1974年
パリのニューミュージック・スタジオと3回のコンサートを行う。
ラースロー・シャーリ、ラースロー・ヴィドツキーとの初の共同作曲「Undisturbed」がハンガリーの音楽界で物議を醸す。

1975年
E.E.カミングスの詩に深く関わる。

1976年
グレゴリオ聖歌を専門とする合唱団「スコラ・ハンガリカ」のメンバーとしてフランスを訪れる。

1978年
ギリシャ訪問中に、古代ギリシャの2つの音階に基づいた「擬似的なモーダル音階システム」を発見する。このシステムは賛美歌「To Apollo」の中で探求されている。
ハンガロトンが最初のポートレート(単独)LPをリリース。

1979年
パリで発行されたハンガリー文学批評誌「マジャール・ムヘリー」からラヨス・カッサーク賞を受賞。

1980年
ドナウッシンゲン音楽祭でオルガンのための「ソリロキウム第4番」を初演。

1981年
ポーランドで開催された夏の作曲セミナーでゲスト講師を務める。
イタリアでバルトーク生誕100周年を記念して、ルイジ・ノーノからハンガリーの新曲コンサートの招待を受ける。
ハンガリー音楽家協会の実行委員会メンバーに選出される。

1982年
パリのIRCAM(Institut de Recherche et Coordination Acoustique/musique)でコンピュータ音楽を学ぶ。
ハンガリー文化省よりフェレンツ・エルケル賞を受賞。

1984年
スウェーデンでのツアーで、30曲以上の作品が9回のコンサートで演奏され、そのうち5回は世界初演となる。

1985年
ニューヨークのコロンビア大学で4ヶ月間研究教授を務める。アメリカのいくつかの大学で講義を行う。ニューヨークのエクスペリメンタル・インターメディア・ファウンデーションでポートレート・コンサートを開催。

1986年
ハンガリー・ジャイウール夏期作曲コース客員教授。
リスト・フェレンツ音楽大学の准教授として、オーケストレーション、バロックの対位法、和声、現代音楽の分析などを教える。

1988年
ベーラ・バルトーク=パシュストリー財団よりバルトーク=パシュストリー賞受賞。

1988/89年
DAAD奨学金を得て西ベルリンに滞在。

1990年
ハンガリー政府より功労芸術家に指定される。
ハンガリー作曲家協会の理事となり、1993~1996年まで会長を務める。

1991-1994
ブダペスト市長諮問委員会のメンバーとなる。

1992年
セビリア万国博覧会のハンガリー館のために、ラースロー・ヴィドツキーとサウンドプロジェクトを立ち上げる。

1993年
セチェニ文学芸術アカデミー(ハンガリー科学アカデミー設立)理事会メンバーとなる。
国際現代音楽協会(ISCM)のハンガリー執行委員会メンバーとなる。

1994年
大規模なオラトリオ「葬送の儀(Funeral Rite)」の3つのパートの第1番「Commendatio animae」がブダペストで、ユーディ・メニューイン卿が指揮するブダペスト音楽祭管弦楽団の委嘱により初演される。

1995年
リスト・フェレンツ音楽大学作曲科学科長に就任。

1998年
ペスト・ブダ・オブダ統一125周年記念のために作曲された「コントラクタム」初演

2001年
ハンガリー政府よりコッスート賞を受賞

2005年
ゾルタン・コチシュ指揮国立フィルハーモニー管弦楽団・合唱団による「葬送の儀」の初の全曲演奏(ブダペスト)。

2006年
ベーラ・バルトーク=パシュストリー賞受賞。

2019年10月28日
ブダペストにて死去。享年76歳。

Jeney Zoltán emlékére (1943-2019)(ゾルタン・イェネイが手掛けた映画音楽の紹介。インタビュー入)


*お断り:ハンガリー人の姓名は本来、日本人と同じく「姓・名」の順だが、ここでは馴染みのある英語表記に倣って「名・姓」の順にした。

ハンガリアン
ハングリー精神
アングリー

▼ジェニー(愛称)さん、安らかにお眠りください


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【えいたそモダニズム】Episode 32『救いのインターネット』~でんぱ組/アーバンギャルド/かもめ合唱団/SABOTEN/ハバナイ/笹口/ダフ・マッケイガン/水玉オンラインetc.

2020年04月12日 01時13分54秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


新型コロナウィルスが猛威を振るい世界は滅茶苦茶になってしまった。接触感染を防ぐためには人と触れ合ってはいけない、外出、特に三密(密閉・密集・密接)を避け外出しないことが感染防止及び疫病鎮静化のための第一の方法だといわれ、日本政府の緊急事態宣言が出る前からテレワーク在宅勤務をしている。特にこの一週間は話をするのは家族のみ、時折仕事関係の電話がある程度で、レコード棚が窓を塞いで”密閉”され、レコード・CD・本・雑誌が”密集”し、オーディオ・PC・楽器の配線コードが”密接”に絡み合った自宅で、完全に没交渉の引きこもり状態である。ドルヲタにとっては会社の同僚や知人よりも、推しメンと会えないのが何よりも辛い。ライヴはもちろんだが特典会という名の「濃厚接触」こそがヲタクの生き甲斐なのだから。そのフラストレーションを解消すべくアイドル側から「ネット配信ライヴ」や「インターネットサイン会」といったサービスが提供され、ヲタクの救いとなっている。

●爆裂女子-BURST GIRL-


爆裂女子は3月27日の定期公演が当日に中止になり、急遽無観客で配信ライヴを実施、インターネットを通していつも以上の爆裂パフォーマンスをみせてくれた。その後もメンバー個々にゲリラ的に行うツイキャスやネット飲みを通して素顔のトークを届けてくれる。配信が深夜に亘ることも多く、寝落ちしそうになりながら聴く推しの声は天国のように甘い子守歌。

●柿崎李咲・今泉怜・みしぇる


コロナ禍がまさに始まらんとしていた3月16日に突然のメンバー3人の脱退が発表されたネクロ魔ことNECRONOMIDOLの元メンバー柿崎李咲・今泉怜・みしぇるの3人は、4月7日に生配信版「to the future」トークイベントとインターネットサイン会を実施。脱退の理由は語られなかったが、今後もそれぞれ活動を続けていくことを表明し、タイトル通り未来の希望が感じられる幸せな時間だった。

●でんぱ組.inc


これまでも折に触れネット配信トークやイベントを行ってきたでんぱ組.incは、ニューアルバム『愛が地球救うんさ! だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』発売に向けて3月上旬から続けてLIVE配信やインターネットサイン会を実施。アイドルになる前は引きこもりだったメンバーもいるでんぱ組ならではのインターネットを通して伝わるファンへの真心は、暗いニュースばかりで落ち込んだ気分をハッピー状態に転化してくれる、まさに救いの太陽神である。



【えいたそモダニズム】Episode 32 『救いのインターネット』
その一方でSNSに跋扈するデマや偽情報に踊らされたり、ネット詐欺や犯罪に巻き込まれたり、依存し過ぎて正常な社会生活に戻れなくなったりといった、インターネットの暗黒面にも警戒しなければならない。果たしてインターネットは救いの神か悪徳の罠か、えいたそ☆成瀬瑛美さんのご神託に従って分析してみることにしよう。

●でんぱ組.inc 『もしもし、インターネット』


「愛」「ファミリー」をテーマとした、現体制初のオリジナルアルバムが完成! 6thアルバム『愛が地球救うんさ! だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』は、「愛」「ファミリー」がテーマ。夢眠ねむが卒業した2019年以降の活動の総括となる今作は、キャリアを重ねつつも常に止まる事なく新しい音楽性へと進化を遂げ、ビジュアル面でもギャルメイクや、90S'原宿ストリートスナップ風アー写がSNSで話題となり、アイドル界においてエポックメイキングな活動を積極的に行ってきた活動の集大成となる。

緊急事態宣言真っただ中の4月15日に発売と発売となるでんぱ組の新作は、ステイホーム(ファミリーワールド)、外出自粛(星降る引きこもりの夜)、花見禁止(桜が咲く頃に)、イベント延期(秋の葉の原っぱで)、生存率(いのちのよろこび)など時事問題を取り上げ、現代最高の社会派アーティストであることを証明した。ネット社会を告発するメッセージソング「もしもし、インターネット」のレトロ感は、活字⇒ラジオ⇒テレビ⇒ビデオ⇒インターネットとメディアは進化/変化しても、決して変わることのない人間同士のコミュニ―ケーションの普遍性を賛美し、対COVID-19(新型コロナウイルス感染症)戦争の勝利を誓う革命歌でもある。

でんぱ組.inc「もしもし、インターネット」Music Video



●アーバンギャルド『インターネット葬』


2018年にCDデビュー10周年を迎えたアーバンギャルドの記念アルバムにして、2年4ヶ月振り8枚目のオリジナルアルバム『少女フィクション』 (2018/4/4)に収録。

筆者がでんぱ組に出会い、地下アイドルヲタク道に足を踏み入れるきっかけになったアーバンギャルドは、インターネットに生まれインターネットで育ちインターネットに死ぬ現代の少女たちの歓喜と悲哀を軽妙なトラウマテクノポップで歌い上げる。デビュー以来、少女・性・死・病をテーマに心の闇と社会問題を取り上げ、東日本大震災や原発事故を歌にしてきた松永天馬が今回の「コロナ禍」をどんな曲に仕上げるか楽しみである。

【手書きPV】インターネット葬/アーバンギャルド

アーバンギャルド vs でんぱ組.inc@渋谷 O-Crest 2012.7.11 (wed)


●かもめ児童合唱団 『インターネットブルース』


三浦半島最南端の太陽の子供たち“かもめ児童合唱団”によるセカンド・アルバム。約40年(2016年時)の活動歴のある老舗の合唱団が、大きな声で伸び伸びと歌う独特の合唱スタイルで注目を集めている。メジャー第1弾となる今作は、日本テレビ系ドラマ『泣くな、はらちゃん』劇中歌「私の世界」「初恋は片思い」、坂本慎太郎とのコラボ曲「あなたもロボットになれる」のほか、カヴァー曲やオリジナル曲などバラエティに富んだ楽しい内容。 (2016/1/20)

インターネットの悲哀を描いたこの曲は当然ながら大人が作った曲だが、純粋な心の子供たちが歌うと愛唱歌や童謡のような日常風景を描いた普遍性をもつ。インターネットは日常だから。

かもめ児童合唱団 - インターネットブルース



●SABOTEN 『インターネットヒーロー』


今までの固定観念を吹き飛ばす新生SABOTENがここに誕生!平和(PEACE)を願い、様々な形であなたの背中を押す、この作品にかける明確で強靭な意志が宿った最高傑作! 10thアルバム『MASTER PIECE』(2015/11/4)

メロコア版インターネットソングはネットの中でしか生きられないヒーローへの鎮魂歌。気が付くと同じようにトレンドを追っている自分がいる。テレビとスマホをOFFにして、レコードに針を落とすことが必要だ。

SABOTEN "インターネットヒーロー" MUSIC VIDEO



●Have a Nice Day!『Kill All Internet』


Have a Nice Day! 通称"ハバナイ!"は東京を中心に活動するニューウェーブ。ジャンルを超えた踊れる楽曲と、そこに乗せられるロマンティックな歌詞で魅せる。シンガロングを生み出す熱狂的なライブが特徴。多数のタイアップソングを含む最新アルバム『DYSTOPIA ROMANCE 4.0』が満を持してavexより発売! (2019/11/6)

映画『モッシュピット』でアイドルグループおやすみホログラムと共演したハバナイ!は”すべてのYouTuberとインターネットを殺せ!”と歌うが、裏を返せばネットなしでは生きられない現代ロックバンドの存在の耐えられない軽さを弾劾する逆説的実存主義の歌である。

2020.02.16『Kill All Internet』/Have a Nice Day!(ハバナイ) at 渋谷O-nest



●笹口騒音ハーモニカ『インターネットストーキングガールフレンド』


ついに笹口騒音、通算10枚目のアルバム『三億年生きた笹口』大完成! 笹口聖誕3億周年にちなみなんと約30曲、約80分収録予定! 笹口史上最も遊び心と下心(エロ)にまみれた宇宙的大名盤の大予感! (2014/9/24)

ロックバンドうみのてのリーダーにして今はYAOAY名義で活動する笹口騒音ハーモニカは、空虚なファルセットヴォイスで、誰でもなれるネットストーカーの独白を歌う。志賀直哉の白樺派の流れをくむ私小説である。

インターネットストーキングガールフレンド



●ジ・インターネット The Internet


ジ・インターネット (The Internet) とは、アメリカ合衆国, カリフォルニア州, ロサンゼルスにて結成されたトリップ・ホップバンドである。代表曲は、"Love Song - 1"。現在は、タイラー・ザ・クリエイターが結成したヒップホップコレクティブ"Odd Future"に所属している。

その名もずばりのバンドがアメリカにいる。ソウル・R&Bは筆者の苦手なジャンルであるが、紅一点ヴォーカルのシド・ザ・キッドの健全なエロティシズムに心が惹かれる。それにしてもギタリストの名前がスティーヴ・レイシー(Steve Lacy)とは、フリージャズファンにとっては気になる存在である。サウンド的には特にネットや電脳世界の香りはないが、歌詞は人間同士のコミュニケーションに関するものが多いようだ。

The Internet - Come Over (Official Video)



●ダフ・マッケイガン『キル・ジ・インターネット』


元ガンズ・アンド・ローゼズのベーシスト、ダフ・マッケイガンが2015年にデジタル・リリースしたEP『How To Be A Man』に収録。元ガンズのいジー・ストラドリン(g)、アリス・イン・チェインズのジェリー・カントレル(g,vo)などが参加。(2015/5/12)

ダフ・マッケイガンは若い頃、パンクロックへの忠誠心を表すためにシド・ヴィシャスの南京錠ネックレスをつけていたが、あるときそれは彼自身ではなく他人のアイデンティティだと気がついた。同様にインターネットは他人の視点や意見を押し付け、自分自身の意見を持つことを阻害する。つまり首を絞める南京錠に他ならない。スマートフォンを叩き壊し、インターネットの呪縛から自由になれ。Kill The Internet!

Kill The Internet - Duff McKagan ft. Stradlin, Cantrell and Mayorga



●The Limousines『Internet Killed The Video Star』


2007年サンフランシスコで結成されたエレクトロポップ・デュオ、ザ・リムジンズのデビュー・アルバム『Get Sharp』(2011)に収録。

曲名からバグルスの1979年のヒット曲「ラジオ・スターの悲劇(Video Killed The Radio Star)」のパクリかと思ったら、全く別の曲だった。"インターネットがビデオ・スターを殺した"というのはレンタルDVD店の凋落をみれば事実であるが、ゾンビ軍団と子供戦士のバトル映画のMVと歌の関係が意味不明。キモいアルバム・ジャケットを見れば彼らの歪んだセンスが分かるけど。

The Limousines - Internet Killed The Video Star (Official Music Video)


インターネット
なければ死ぬか?
生き返るか?

●水玉おんらいん


現実社会ではちょっと根暗なヒキヲタゲーマー乙女、未鈴とえいたそ。しかしそんな二人は、知る人ぞ知る伝説のクソゲー「水玉おんらいん」のトッププレイヤーアイドルだったのだー(゜∀゜*)!!!!w 「「あなたのはーとにログインしたいの☆」」一緒にラブラブな冒険しよう!!!!水玉おんらいんヽ(*´∀`)ノヽ(´∀`*)ノ!!

でんぱ組incの古川未鈴と成瀬瑛美(当時はえいたそ)により2009年に秋葉原ディアステージで結成されたアイドルデュオ。でんぱ組のメジャー・デビュー以降はレギュラー活動していないが、今でもイベント等にサプライズ出演することがある。2009年11月2日に今は亡き六本木スーパーデラックス(スーデラ)に出演していたことを知った。当時筆者はスーデラに足しげく通っていたからニアミスしていた新事実! 実際に11月14日にキノコホテルをスーデラで観ている。えいたそと筆者の運命の赤い糸はその時結ばれたのかもしれない。

Mizutama online 091102

Mizutama online (from Dear Stage Akihabara) perform at Super Deluxe's 7th Anniversary party, November 2nd 2009
サンヘドリン@高円寺HIGH 2009.11.4 (wed)
キノコホテル@六本木Super Deluxe 2009.11.14 (sat)
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【えいたそモダニズム】Episode Extra(番外編)『引きこもり時代に効果あり!元気が出るえいたそ配信スクショ集』~成瀬瑛美/でんぱ組.inc

2020年04月10日 01時58分18秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界



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えいたそ伝説

でんぱ組.inc「愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」Music Video
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