A Challenge To Fate

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【現代女子ガレージロック進化論】ザ・クーレッツ/ザ・ジャケッツ/カクテル・スリッパーズ/ロス・ビッチョス/ザ・マギーズ・マシュマローズ

2022年08月19日 01時49分58秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


2・3年に1度は女子ガレージロックのマイブームが訪れる。今年の春頃にSpotifyで海外のガールズバンドを探してプレイリストを作っていたのだが、先日最も気に入っていたThe Courettesがギターウルフ主催イベントで来日することを知り、改めて聴き直して、その強烈なファズギターとキュートな60’sファッションに魅惑された次第である。そのまま関連アーティストを辿っていくと馨しきガレージ女子をいくつも発見した。そのすべてがヨーロッパのバンドということが興味深い。ロックンロール発祥の地であるアメリカ合衆国にももちろん現代ガレージ女子は存在するに違いないが、60年代への憧れをダイレクトに伝える継承者は、文明伝播の辺境地であるヨーロッパや日本にいるのかもしれない。そんな女子の素直なシャウトに耳を傾けながら、10月のThe Courettes来日ツアーを楽しみにしていよう。

●The Fabulous Courettes ザ・(ファビュラス)クーレッツ


ブラジル人のフラヴィアとデンマーク人のマーティンというクーリ夫妻によるロックンロール・ユニット。2015年にドイツのインディー・レーベル“サウンズ・オヴ・サブタレイニア”からアルバム『Here Are The Courettes』でデビュー。2017年に10インチLPでライヴ盤を出して。2018年にセカンド・スタジオ・アルバム『We Are The Courettes』、2021年3rdアルバム『Back In Mono』をリリース。これは日本盤もリリースされたが、日本語表記が「コーレッツ」になっている。本人はライヴで「クーレッツ」と言っているのだが、確かめないでコーレッツと名付けたとしたらちょっと悲しい。最新作は10インチ『Back In Mono (B-Sides & Outtakes)』(2022)。ベースがいないが、低音部をフラヴィアのドスの効いたファズ・ギターが担っている。アートワーク、タイトル、楽器、ファッション、すべてが60年代ガールズロックへのオマージュなのが素晴らしい。

The Courettes - "Misfits & Freaks"



●ザ・ジャケッツ The Jackets


2007年スイスのベルンで結成。Jack Torera (g, vo)、Chris Rosales (ds)、Samuel 'Schmidi' Schmidiger (b)の三人。これまでに4枚のアルバムをリリース。ヨーロッパ各国、アメリカ、カナダ、メキシコをツアー。最新アルバムは『Queen Of The Pill』(2019)。2022年1月The Courettesとのスプリット2枚組7インチをリリース。ホラーなメイクが印象的なジャック・トレラのワイルドなヴォーカルとギターは、ザ・クーレッツのフラヴヴィアと並ぶ現代欧州ガレージ女子の最高峰。

The Jackets - Losers Lullaby (Official Video)



●カクテル・スリッパーズ Cocktail Slippers


ノルウェイ・オスロ出身のオールガールズバンド。現在のメンバーはHope (vocals)、Rocket Queen (guitar)、Vega (guitar)、Miss A-OK (drums) 、Sugar(bass)。90年代に活動したガールズバンドThe Barbarellasのメンバーにより2001年に結成。同年レコードデビューし、2007年にブルース・スプリングスティーンEストリートバンドのリトル・スティーヴンのWicked Cool Recordsと契約。現在までに5枚のアルバムをリリース。最新作は『Shout It Out Loud 』(2021)。20年の歴史を誇るオールガールズバンドだけあって、ガレージロックだけでなく、グラムロックやハードロックの要素も持つきらびやかなサウンドが貫禄たっぷり。

COCKTAIL SLIPPERS - SAY MY NAME (from the album SHOUT IT OUT LOUD 2021)



●ロス・ビッチョス Los Bitchos


イギリス、ロンドン出身のインストロックバンド。Serra Petale (guitar), Agustina Ruiz (keytar), Josefine Jonsson (bass) and Nic Crawshaw (drums)。南米のチーチャやクンビア、トルコ・サイケ、サーフギターを融合させたサウンドが、クルアンビンへのイギリスからの回答と紹介され注目を集めている。2022年にデビュー・アルバム『Let The Festivities Begin!』をリリース。女子会っぽいマッタリしたリラックス感と真面目にふざけたMVが新世代ガレージ女子の証。

Los Bitchos - Las Panteras



●ザ・マギーズ・マシュマローズ The Maggies's Marshmallows


チェコ共和国プラハ出身のガレージパンクトリオ。Meg Janderova (vo,b)、Vaclav Dobes (g)、Vojtech Buric (ds)。2012年にCDRでデビュー。アメリカの老舗ガレージロックレーベルGet Hip Recordingsと契約し2014年に7インチシングル、2016年にアルバム『The Maggies's Marshmallows』をリリース。地面を這いずり回るようなダークなガレージロックには旧東欧のアンダーグラウンドカルチャーの残り香がある。その後の経緯は定かではないがほどなくバンドは解散、現在ヴォーカルのMegは女性ポストパンクトリオBibione、ギターのVaclavとドラムVojtechは、ガレージサイケバンドThee Lazy Eyesで活動している模様。

The Maggie's Marshmallows - Come along (OFFICIAL)


女子ロック
俺の心を
抱きしめろ

THE JACKETS & THE COURETTES - Chaputa!'s Double Feature Vol.4 [Full 2x7-inch split, 2022]
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