A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

非常階段/突然段ボール/初音階段/突然段ボロイド@秋葉原Club Goodman 2013.9.15(sun)

2013年09月17日 01時54分46秒 | 素晴らしき変態音楽

(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

非常階段&突然段ボール
~林直人&蔦木栄一・10回忌記念/初音階段ニューアルバム&アウシュビッツCDボックス発売記念~


【出演】非常階段/突然段ボール/初音階段/突然段ボロイド



1977年結成の突然段ボール、1979年結成の非常階段は今も現役で活躍する東西地下音楽の最古参として長い付き合いがある。今年は突段の蔦木栄一と関西NO WAVEシーンの仕掛人にしてJOJO広重の盟友、林直人の没後10年に当たり、突段・マル非それぞれボックスとボカロ共演盤をリリース、初音階段の新作『からっぽの世界』と林直人のアウシュビッツのボックスのレコ発も併せ、全部まとめて一緒にお祝いしようという出血大サービス企画が開催された。聖地アキバだけにボカロヲタで満員かと思ったら、いつもと変わりないノイズファン中心。女子率が異常に低いことだけはアキバっぽい。初音とマル非は何度も観ているが、突段は久しぶりなので期待が高まる。

●突然段ボロイド


チェックしなければ、と思いつつ聴かぬままだった突然段ボロイド初体験。CD音源をバックに蔦木俊二がギターを弾き、オカルトタレント愛葉るびがリアルボカロとして歌う。るびの衣装はコスプレではないが、表情がとても愛くるしくてセクシー。最前列で観て息がかかりそうなほど接近して胸がドキドキ。もしガーターベルトだったら即死だっただろう。おかげで九死に一生を得た。全曲突段のオリジナル曲なので、同じボカロコラボでも初音階段とは別モノ。打ち込み機械ボイスだと、一聴して突段と判る楽曲の個性が際立つ。蔦木の変態ギターも堪能。




●初音階段


歌謡曲、フォーク、ロックのカバーの新作『からっぽの世界』をリリースした初音階段。ライヴを精力的に行い、ライヴバンドとして完成型に近づいた。白波多カミンのコスプレも定着。最初に観たときの驚きが強烈だっただけに、それ以上の経験はあり得ないかと思ったが、パフォーマーとしての進化(変化)に新鮮な感動を覚えた。確信犯的に鳴らされる激烈ノイズは、単なる伴奏ではなく、楽曲と歌声を破壊する殺戮兵器。方法論は同じだが、精神性はスター階段からJAZZ非常階段に至る階段コラボとは根本的に異なる。これらのコラボはノイズと楽曲が並列に存在することで、新しいサウンドを産み出そうとする錬金術があった。しかし8月のBiS階段のデビューライヴでは、ノイズでアイドルソングを破壊する闘争本能が発揮され、会場を埋めたアイドル推しのオーディエンス(研究員)を刺激し、異常にテンションの高いライヴ空間を現出した。破壊と闘争で別次元を産み出す白魔術が今の初音階段の醍醐味である。




●非常階段


初音階段のラストナンバー「白い目覚め」でJUNKOと岡野太が登場してそのままマル非に雪崩れ込む流れは6月の「自家発電Vol.1」の時と同じ。カミンミクがそのままギターで演奏に加わるのも前回通り。勿論JUNKOは魅力的だが、性的な意味で色気の無いマル非にコスプレ美少女が加わることは、ライオンの群れに投げ込まれた無防備な子ウサギの映像を見るように、痛々しくもいつどのように喰われるか成り行きから目を離せない魔性の魅惑がある。人間の隠れた残虐性を暴き出すマル非の挑発行為である。




●突然段ボール


バンドとして観るのは3年半ぶり。前回観た時は、持ち前のスカスカ脱力サウンドが、音数の多いお祭りロックになっていて驚いたが、近作を聴いて予習の上で臨んだ今回は、バンドサウンドに突段らしい諧謔と実験の精神が漲っていることが実感できて改めて感銘を受けた。マル非に比べ語られることは少ないが、紛れもなく日本の音楽シーンを作り上げた功労者にして、一生実験精神を貫く真の創造者であることは間違いない。現在新作のレコーディング中だが、「つくづく酷い時代になった」と語る蔦木俊二がテン年代の新作にどんな意思を込めるのか、興味は尽きない。




三十年
やっと到着
ふりだしに

●ふたりボロイド






コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 松田聖子/KARA/ナオト・イ... | トップ | でんぱ組.inc@日比谷野外大音... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (5-_29)
2013-09-17 11:14:35
青山ノイズ Vol.4 のライブレポと同じ曲の動画をチョイスするとは流石です☆
あの日、JOJO広重氏、蔦木俊二氏が、「来年、林直人さん、蔦木栄一さんが亡くなって10年になるから何かやろう」と話していたのですよね。
くっついて安心 (miro)
2013-09-17 13:30:04
青山ノイズの時はボカロ企画やボックス・リリースの話はなかったと思うので、1年間にいろんなことが起こったんですね。万物流転ですね。

コメントを投稿

素晴らしき変態音楽」カテゴリの最新記事