A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

NO CULTURE, NO FUTURE~アーバンギャルド「さよならサブカルチャー」

2012年09月21日 00時54分04秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


自分のアイデンティティは何処にあるのか?------------10代の頃そんな疑問を常に心の片隅に抱いて生きてきた。図書館で借りてきた古今東西の文学を読み漁り、名画座で小難しいヨーロッパ長編映画3本立てを観て、薄暗いレコード店の埃を被ったレコを掘る日々を過ごした。大衆的な人気を得た作品には背を向けて誰も知らないような虐げられた存在に憧れた。wikiによれば『「サブカルチャー(subculture)」とは、主流文化に対し、一部の集団(一例として若者)だけを担い手とする独特の文化である。』とある。その意味では私の10代はゴリゴリのサブカルだったわけだ。この歳になってこんなブログを書いているとサブカルの香りはどの時代にも常に魅惑的に囁きかけ多くの若者が感染してきたのだと実感する。

アーバンギャルドの2012年3枚目のシングルのタイトルは「さよならサブカルチャー」。前作の「病めるアイドル」で現代の主流の一つである偶像=アイドル賛美に警鐘を鳴らしたと思ったら、次のターゲットは自分達自身が属する非主流派たるサブカルへの決別宣言である。松永天馬氏の饒舌なコンセプト激文を引用しよう。
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アニメやマンガがCool Japanの象徴となり、アイドルやボーカロイド、同人音楽が音楽業界を席巻し、 純文学はラノベからの流入を避けられず、もはやサブカルチャーがハイカルチャー以上に影響力を持つ時代。
それはもはや、本来の意味の"サブ"カルチャーではない。
では、形式上残された「サブカル」という言葉に沁みついた、権威は、ファッションは果たして何なのか。
「サブカルっぽい」とも揶揄され、サブカルバンドの代名詞として語られることも少なくない
アーバンギャルドの新作のテーマは、ずばり「サブカル」との出会いと別れだ。

誰も知らなかった、
誰かに知られたくなかった、
誰かに聴かせたかった、
僕だけのサブカルチャー。
それからの決別は、即ち、これまでのアーバンギャルドからの決別を意味する。

子どもたち、お別れの時間だ。花をたむける代わりに、投げ捨ててくれ。
本を、レコードを、フィルムを、愛を。

(松永天馬)
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アップテンポのハードコア・テクノ・ビートによこたんのハイトーン・ヴォイスで♪さよならサブカルチャー/生きたいわたし サブカルチャー/鏡の中 わたしを殺したの♪という生死の境界を曖昧模糊とした空間へ放り投げるような歌詞が歌われる。ライヴのハイライトを飾るべく作られた曲調に自らのアイデンティティの放棄を託したアーバンらしい逆説的ナンバーである。常に冷静に分析的・諧謔的な世界を描いてきた天馬氏の戦略を見事に表現したPVも秀逸。カップリングのエスノ・ダンストラック「何となく、カタルシス」でも”死による浄化”を歌っている。このシングルのテーマは"死ぬことによる再生"であり、童貞処女、オタク、リスカ、病気といったマイノリティへの愛と叱咤激励を込め現代日本の病理とシンクロした世界を描いてきたアーバンギャルドの新たなる旅立ちへのステイトメントなのである。

「さよならサブカルチャー」PVはコチラ

3曲目には木村承子監督映画『恋に至る病』主題歌をリアレンジした「子どもの恋愛 OTONA remix」を収録。

真っ白な
灰になって
甦る

10/6(土)渋谷WWWにて80年代後半インディーズ御三家のひとつ"有頂天"で活躍するとともに、伝説の"ナゴムレコード"主宰者としてサブカルの象徴だったケラリーノ・サンドロヴィッチ氏率いるケラ&ザ・シンセサイザーズと対バンする。

そしてふたたび全国ツアー開催!!!!!!
『アーバンギャルド 病気の再来ツアー(仮)』
10/26(金)仙台 LIVE HOUSE enn 2nd 
10/28(日)札幌 DUCE
11/3(土・祝)名古屋 ell.FITSALL
11/4(日)大阪 Music Club JANUS 
11/11(日)赤坂 BLITZ 
11/16(金)京都 MOJO
11/18(日)福岡 VIVRE HALLopen
11/19(月)広島 ナミキジャンクション
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