A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

Malcolm Mask McLaren@渋谷club asia/Queen+Adam Lambert@日本武道館 2016.9.22(thu)

2016年09月25日 02時07分14秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


昼と夜の長さが同じになる秋分の日に昼/夜ライヴ二連荘。奇しくも反体制/労働者階級の象徴であるパンクロックの仕掛人マルコム・マクラーレンを名乗るパンクアイドルと、体制/王室公認大物ロックバンドの両者を1日で体験できるとは、会場規模やチケット代金の格差も含めて、1977年英国ロックシーンを凝縮したような奇跡に違いない。しかも夜の部の日本武道館は20年前にセックス・ピストルズ初来日公演を体験した聖地。まさに「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」繋がりのAmzing Equinox Day(驚異の秋分の日)と相成った。

Sex Pistols (Live in Japan, The Filthy Lucre Tour 1996)- God Save The Queen


"ボヘミアン・ラプソディ"の一年後、パンクが勃発し、巨大に膨張していたロック・ミュージックとオーディエンスのライフスタイルは悉く糾弾されていった。ところがクイーンは、例えばEMIのレーベル仲間であり、隣り合わせのスタジオで仕事をしたこともあるセックス・ピストルズと陽気に冗談を交わす間柄になっていた。フレディなどはシド・ヴィシャスによく「あら、こんにちは、愛しの凶暴君!」と声をかけていたという。とはいえ、ジョニー・ロットンの歌う"ゴッド・セイブ・ザ・クイーン"とクイーンのショーの締め括りを飾るきらびやかな英国国歌("ゴッド・セイブ・ザ・クイーン")のギター・ヴァージョンとの間のあまりにも大きなギャップがクイーンにとって心地のよいものではなかったのは想像に難くないことである。(By Phil Sutcliffe from Q magazine / rockin'on 91年5月号)


●マルコム・マスク・マクラーレン Malcolm Mask McLaren


Malcolm Mask McLaren 2ndワンマンライブ
「Melodic Hardcore 1st Anniversary ONE MAN 」

9.22(木祝) 渋谷club asia
OPEN11:30/START12:00
【チケット料金】 前売り¥2,500/当日¥3,000(共に1ドリンク別料金)



アイドルグループ・Malcolm Mask McLaren(マルコム・マスク・マクラーレン)。2015年9月22日に東京・赤坂BLITZで開催されたイベント「アイドル甲子園」でデビュー。通称はMMM。mone、ai、naoの3人からなり、Sex Pistolsの仕掛け人とされるマルコム・マクラーレンの名前を冠する通り“パンクアイドル”をコンセプトに往年のパンクロック由来の楽曲群を歌う。またグループ名の通り、ビジュアル面のキーアイテムにはマスクが採用されている。

7月28日に一目見て恋に落ちてから約2ヶ月、マスク姿のパンク女子トリオMMMこと「マルコム・マスク・マクラーレン」の晴れのワンマンライヴは、しかし朝から生憎の大雨。「250人動員でアルバム制作」という目標を掲げて臨んだが、約2週間前の定期公演で筆者が購入したチケットの整理番号は80番。それでも「人数に関係なく全員を楽しませるステージを見せる!」という3人の心意気に、イントロの「アナーキー・イン・ザ・UK」の手拍子も今まで以上の気迫が籠る。

ハイテンションでスタートしたライヴ中盤のブレイクで再登場した3人は、筆者のフェイバリットナンバー「じるみー」のイントロでいきなりマスクを投げ捨て、素顔を初めて公開した。突然の出来事に何が起きたか分からないまま、頭の混乱と胸の動悸がフロアの熱狂とシンクロし、無我夢中で眩しい生顔に向けて拳を挙げてジャンプしモッシュする。それは恰も聖母マリアの処女懐胎に似た神々しい姿への宗教的昂奮のようだった。

これは「メロディック・ハードコア」を掲げる彼女たちが「ノー・マスク」即ちそのものズバリの「マルコム・マクラーレン」に転じることを意味するのではなく、ライヴ時のみマスクを外すことにより、パフォーマンスの質と幅を広げようとする、メンバー自身が常々表明して来た上昇志向への決意であった。それに応じて運営側からサプライズ発表されたアルバム制作決定の報に驚きポカンと口を開けるメンバーの表情がマスクに隠れて分からないアイロニーはマスクアイドル推しの醍醐味でもあった。

Malcolm Mask McLaren/じるみーLIVE ver.2016.3.21@TSUTAYA O-Crest

マスクアイドル「MMM」が1周年記念ワンマンで素顔公開! アルバム制作も決定


●クイーン+アダム・ランバート Queen+Adam Lambert


クイーン+アダム・ランバート
LIVE IN TOKYO 2016

2016年9月22日(木・祝) 日本武道館
開場18:00/開演19:00
◆料金:S席 16,500円 A席 14,500円  B席 12,500円
    SS席 40,000円 (※SS席はグッズ付き、数量限定の良席です。)



英国を代表する伝説的ロックバンド「クイーン」の来日公演が9月22,23日に日本武道館で開催されることが分かった。日本武道館公演は、85年の公演から31年ぶりとなる。今回は「神の声域」といわれる米歌手アダム・ランバート(34)をボーカルに迎え「LIVE IN TOKYO 2016」と銘打って開催する。ランバートとの来日は2年ぶり。91年11月にエイズのため45歳で死去したボーカリスト、フレディ・マーキュリーさんの没後25周年、生誕70周年と記念すべき公演となる。

90年代まではクイーンをきちんと聴いたことがなかったが、家人の影響で21世紀になって聴くようになり、トリビュート・バンド「グイーン」の定期公演にも通う一方で、2005年のポール・ロジャースとのさいたまアリーナ来日公演、2014年アダム・ランバートとのサマーソニック公演を観た。フレディじゃなきゃクイーンじゃないという意見はごもっともだが、彼らのライヴ演奏が世界で100万人を超える観客を熱狂させている事実は、たとえメンバー自身によるセルフカヴァーだとしても、超一流のロックアイコンであることは間違いない。

アダム・ランバート・ファンの叶姉妹も参戦し、ゴージャスな照明と良好な音響、そして何よりも"BUDOKAN MAGIC"で魅了するステージを、MMMでは使う機会のなかったキンブレを手に照明の変化に合わせて色を変えて観戦していたら、2年前のでんぱ組.inc武道館公演を思い出して胸の熱いトキメキと全身が震える歓びが沸いてきた。アイドルだろうがロックだろうがパンクだろうがジャズだろうが、武道館では集う観衆を楽しませることが最大の使命であり歓びである。その意味ではクイーン+アダム・ランバートもでんぱ組もセックス・ピストルズも相対性理論もThe Birthdayも上原ひろみも皆最高のエンターテインメント武道家なのである。

チケット発売中!31年ぶりの日本武道館公演決定!【クイーン+アダム・ランバート】テレビSPOTが到着!


パンク女子
ゲイクイーンには
負けませぬ

【衝撃の新事実】セックス・ピストルズ対クイーンの知られざる秘密


【秘密その1】セックス・ピストルズ『勝手にしやがれ』とクイーン『世界に捧ぐ』は同じ日に発売された!
『勝手にしやがれ!!』(Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols)
リリース:UK 1977年10月28日/日本 1977年11月
チャート:全英1位/全米106位/日本29位

『世界に捧ぐ』 (News Of The World)
リリース:UK 1977年10月28日/日本 1977年11月25日
チャート:全英4位/全米3位/日本3位

セックス・ピストルズのデビュー作にして唯一のスタジオアルバム『勝手にしやがれ』とクイーンの6thアルバム『世界に捧ぐ』はイギリスで同じ1977年10月28日にリリースされた。『勝手にしやがれ』日本盤の発売日に関しては1977年11月としか分からないが、当時の日本でのレコード発売日は月一回(レコード会社によって21日か25日、1日というのもあったかも)に決まっていたことを考えれば、『世界に捧ぐ』とほぼ同じだったと考えられる。アメリカ盤の発売日は不明(州によって違っていた)だが、イギリス盤と同じ頃だった可能性が高い。つまりこの2枚は同じ日にレコード店に並び、どちらが売れるか競ったのである。その結果本国イギリスではピストルズの勝利で、クイーンは「伝説のチャンピオン」にはなれなかった。アメリカ、日本ではクイーンの圧勝だが、『勝手にしやがれ』はアメリカでロングセラーになり15年後の1992年にプラチナディスク(100万枚)に輝いた。

【秘密その2】セックス・ピストルズは足音、クイーンは手拍子ではじまる!
恐らく世界初の発見かもしれない。『勝手にしやがれ』の1曲目「さらばベルリンの陽 Holidays in the Sun」は行進する足音でスタート。一方『世界に捧ぐ』の1曲目「ウィ・ウィル・ロック・ユー We Will Rock You」はライヴでお馴染みの手拍子ではじまる。パンクは戦争や危機を予感させる軍靴の響き、大物ロックは呑気に「幸せなら手を叩こう」。似たような音でも両者の意識の違いを如実に物語っている。経済危機に喘ぐ70年代末の大英帝国では、逼迫した軍靴の行進に共感し革命を求める民衆が多かったのだろう。

Sex Pistols - Holidays In The Sun


Queen - We Will Rock You (Official Video)


そう考えると、マルコム・マスク・マクラーレンのオープニングSEのセックス・ピストルズ「アナーキー・イン・ザ・UK Anarchy in the U.K.」で手拍子が起こるライヴ現場は、パンク革命と主流派王朝が手を結んだ幸福な世界の訪れを告げる福音に違いない。つまり世界はこれからMMMが描き出す新世界の予感にワクワクするしかないのである。

Malcolm Mask McLaren/myself(MV)








コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【速報】NECRONOMIDOL(ネク... | トップ | マージナル・コンソート@六本... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ガールズ・アーティストの華麗な世界」カテゴリの最新記事