<金曜は本の紹介>
「人を動かす人になれ!(永守重信)」の購入はコチラ
この本は以前紹介した「情熱・熱意・執念の経営」の著者である永守重信さんが書いた本です。
今回は、仕事の中で、人を動かす心構えやコツなどについて100にまとめた本です。
真理や真実を突いていて、とても勉強になります。
やはり、他人のせいにするのではなく、自分が変わらなきゃ何もよくならないと改めて思いました。とてもオススメな本わがです!
以下はその中からの抜粋です。
・わが社では、勤務時間内は原則的にプライベートな会話をすることを禁じている。減点主義ではないので罰則は何もないが、普段から仕事のプラスになる話以外は、休みの時間か仕事が終わってからにするようにと、口を酸っぱくしていっている。プロというかぎりは、職場では真剣勝負でなければならない。この基本をはっきりとさせておかなければ、何もかもがいい加減になってしまう。
・わたしは苦労こそ財産だと考えているが、この理由は苦労には後で有形無形の大きな利子がついてくると実感しているからだ。完成した製品そのもの、そして技術力がカタチある利子の代表である。しかし、それよりも情熱、熱意、執念さえ持続することができれば、不可能も可能にすることができるという自信と信念、こうした無形の利子を得たことの方がはるかに大きな価値があった。
・人を動かそうと思えば、まず自分自身がこの楽しさや喜びを味わっておく必要がある。そのためには、仕事の苦しさや苦痛から逃げ出さないこと。この苦しみと楽しみの落差の大きさが、社員や部下に対する説得力にストレートに反映してくる。
・部下を係長に育てることができなければ、自分がいつまでも係長をやらないといけない。また、係長を課長にできないような人間に、次長や部長の席を任せることなどできるはずがないのである。こう考えていくと自分のポストは自分で決められることがわかるはずだ。「会社はオレの実力をわかっていない」とグチをこぼすより、部下を動かし、育てることに専念すべきである。
・部下と同じ目線にまで降りていき、こうした方が君の得になるという具体的なメリットをあげて、どうすればいいのかを一つ一つ教えてやれば、きっと部下は変わってくるはずだ。そうした努力もしないで、「いまの若い部下は・・・」とグチをこぼしているだけでは前進も進歩もない。部下がこうだから使えないというのは、使おうとする努力を怠っている言い訳にすぎない。部下が動かないのは部下に問題があるからだと考えているリーダーは、テコでも動かしてやろうという意欲がないことを、自ら証明しているのと同じだ。
・壁にボールを投げたときに、勢いがよければボールも勢いよく跳ね返ってくる。弱ければ力のないボールしか返ってこない。上司と部下との心と心のキャッチボールも理屈は同じだ。まず、自らを磨いて鍛え直し、大きな愛情を持って指導を行う。これに意気を感じた部下が期待に応えてくれるのである。自分が投げた力以上のボールが返ってくることはない。
・人の信頼を得ようと思えば、相手に不安を与えないようにしなければならない。そのためには、上司の方から小まめに話しかけること。部下の立場になれば、上司がムスッとしているだけでも不安になるものだ。とにかく「いわなくてもわかっているだろう」という態度が一番よくない。もう一つは、上司は聞き上手になること。部下が話しかけてきたら、相づちを打ち、話しやすいように質問をするなど、親身になって最後まで話を聞いてやることが重要だ。
・そこで得たのが「失敗は必ず解決策を一緒に連れてくる」という教訓である。つまり、失敗から目をそらさずに、むしろこちらから失敗のなかに飛び込んでいけば、必ず解決策を見つけることができるということだ。
・勝負を決するのは、スピードが50%、ハードワークが30%、トータル的能力が15%、学歴や経験が3%、社歴や知名度が2%だというのが、わたしの分析である。スピードの時代に重要なのは、強力なリーダーシップであることはいうまでもないが、この状況をリーダーがピンチと見るのかチャンスととらえるのか、これが勝負の大きな分かれ目である。
・得意ワザをどうれば身につくのかといえば、いろんな経験、特に辛抱を体験することが一番の近道となる。会社の仕事のなかには、それこそうんざりするような単純作業も少なくない。この苦痛や辛さを知っていれば、そうした仕事をしている部下との接点もみつけやすい。つまり、一つでも多くのことを体験しておくことが、人を動かすためのツールを増やすことにつながるのである。
・信頼に応える報告とは、よいことばかりを選んで知らせることではない。イヤなこと、都合の悪いことほど、早く正確に伝えるということである。火事でもボヤのうちに消火器を持って駆けつければ、被害を最小限度に食い止めることができるが、火が回りはじめてしまっては、打つ手も限られてしまう。
・経営者の立場から見て、うまく部下を動かし、なおかつ組織としての機能をフルに発揮させている幹部社員にはいくつか共通項がある。その第一のポイントが、ギブアップをしないということ。2番目のポイントは、陰で人の悪口、特に部下の悪口はいわない、いわせないということが大切だ。三番目はごまかさないということ。四番目は正論、すなわち理詰めで部下を追い込んでいかないこと。最後は休まないということ。どんなことがあっても休まないという信頼が、わたしを含めた多くの社員、そして取引先の人たちからの人望の高さにもつながっている。
・社員には気軽に名前やニックネームで呼びかけ、必ず二言三言わたしの方から言葉をかけるようにしている。これを邪魔臭がるような人間は、人の上に立つ資格はない。また、こちらから積極的に声をかけてみると相手のこともよくわかる。
・部下に自信をつけさせるのに、あまりあれこれ余分なことを考える必要はない。部下が何か成果をあげたときに一緒に素直に喜び合い、ストレートに褒めて評価をしてやればよいだけのことである。一方、なかなか成果をあげられない部下なら筋道をつけてやるとか、本人には内緒で根回しやサポートもすべきである。しかし、部下に自信を持たせるのだから、自分の力で成果をあげたというカタチにしなくてはいけない。これを繰り返し繰り返しやっていく。人を動かそうと思うのであれば、これぐらいの努力と工夫が最低限必要である。
・社員は各人の得意な仕事に専念し、社長は社長にしかできない仕事に専念する。これこそが強い組織をつくる一番の基本である。
・会社が倒産するときには必ず前兆や兆候がある。連鎖倒産を除けば、昨日まで順調にやっていた会社がいきなり次の日につぶれてしまうようなことは、まずあり得ない。社員や部下も同じで、普段の小さなミスや失敗を見逃しておくから、やがて致命的な失敗が起こるのである。これも経営者や管理者が人を動かすうえで、肝に銘じておかねばならない重要なポイントである。
・「楽をして儲かることはない」「うまい話には必ず大きな落とし穴がある」「理屈よりも行動することの大切さ」とことん集約すると以上の3点である。こうした話を何度も何度も繰り返すことで、頭で理解するレベルから、体で覚えこんでしまう域にまで高めていくのである。トップの考える原理原則を会社の隅々まで伝えていく。これこそが判断や決断と並んで、経営者にとって最も重要な仕事であると考えている。
<目次>
はじめに どんな状況にあっても、”この一言”がいえるか
序章 「1番意外はビリと同じ」と考えろ!
1 一流、一番をめざすから、人はついてくる
2 能力の差は5倍でも、意識の差は100倍まで広がる
3 相手が苦しみ、悩んだときこそ、リーダーシップを発揮しろ!
4 どんな場合もケジメをはっきりつけておく
5 苦労には有形無形の利子がつく
6 「仕事ほど楽しいことはない」といえるか
7 ともに酒を飲め、食事をとれ
8 自分のポストを脅かす部下を育てろ!
9 目先の楽をとれば大きなチャンスを逃してしまう
10 周囲に反対されるほどのことを実現させて、はじめて人がついてくる
1章 「人を動かすのがうまい人」のこのやり方
11 「部下が使えない」というのは自分に問題があると思え!
12 人間性が一流の人と、三流の人の、この人づかいの差
13 「いわなくてもわかっているだろう」という態度をするな
14 「失敗は必ず解決策を一緒に連れてくる」
15 「二番というのは一番の次ではない」-淘汰の時代の、この考え方
16 人を動かす人間に土日も盆も正月もない
17 どう身につける? 「人を動かすのがうまい人」の得意ワザ
18 「権限委譲」と「責任委譲」を勘違いするな
2章 指示の出し方-何をどう話すか
19 人望を得るために絶対必要な5つの条件
20 部下は「たったこれぐらいのこと」に感動する
21 大勢の部下を前に話すときは、テーマを一つか二つに絞り込め
22 いろんな年齢層の社員と話せ
23 相手のキャリアによって話の内容をアレンジする
24 会議だけでは現場や人は動かない
25 部下の提案に「しかし」をつけるな
26 部下の将来を具体的な数字で見せろ!
27 絶対忘れてはならない、指示を出す手順
28 反対されそうな指示を与えるときの私のやり方
29 自信をつけた者は「踏みつけ」、自信のない者には「感動」を与えよ
3章 叱り方、褒め方①-人を動かすこのノウハウ
30 成果をあげたら少し過大評価をしてその気にさせろ!
31 相手をこき下ろして闘争心に火をつける方法もある
32 やる気を出した男、出せなかった男のこの考え方の違い
33 大きな成功体験には大きな報酬を
34 加点主義の風土がやる気を生み出す
35 手紙やファックスで人間的な絆を深める
36 相手の土俵にあがって、自分の相撲をとる方法
37 「求められる人材」-5つの究極的条件
4章 可能性を秘めた人間を見抜く、育てる
38 仕事も人材も、ベストを求めずベターを追求せよ
39 成績よりも、トップのポリシーに共感できる人を使え
40 ハングリー精神を持った人材をどう見分けるか
41 夜遅くまで残業する人よりも、朝30分早く出社する人を重視する
42 短所にこだわるな!
43 部下には得意なことだけやらせておけ
44 部下の成長は、「眼光」と「顔光」、そして声の大きさでわかる
45 人に動かされるのがうまい人は、人を動かすのもうまい
5章 女性、中途採用-相手によって手法を変えろ!
46 女性社員を見れば会社の雰囲気がわかる
47 「競争原理」で女性社員の意欲を高める方法
48 「3倍の法則」が女性を動かす
49 マナー、礼儀作法を知らない社員は使いものにならない
50 「ここまでできれば、これだけ優遇する」と明言せよ!
51 中途採用者の意識改革のやり方
52 海外で人を動かすポイントは、成功報酬をケチらない
53 定年間近な社員は、この一言でやる気を出させる
6章 叱り方、褒め方②-”部下”を動かすこのルール
54 叱るときには徹底的に叱る、わたしの理由
55 一度叱ったことはすぐ水に流せ
56 褒め言葉を見つけてから叱るのがコツ
57 「カッ」と発奮のできる人間に育てろ!
58 自分と部下の間に隠し事をしないというルールをつくれ
59 5万円の損害だからこそ、5億円分叱れ
60 叱ることより皮肉というスパイスを効かせたユーモアは効果的
7章 理屈で人は動かない! だから-
61 手塩にかけなければ人は育たない
62 「大変な時代だが、これだけのことをやれば大丈夫だ」という一言
63 この3点だけを繰り返し、体で覚え込ませる
64 人は「怠けるカメ」と思え
65 「一流への道は大きな苦痛が伴う」という原理原則を教え込め
66 本当の会社の仕組みを教えるから、職業観が生まれる
67 モラルは「押しつける」のではなく、なぜ必要かを説明しておく
68 不良品は不良社員がつくる
69 つぶれる会社、つぶれない会社-わずかな意識の差が、将来の明暗を分ける
70 チームワークばかり叩き込むと、決断力、指導力がにぶる
71 自分の考え方を完全に理解してくれる分身をどうつくるか
8章 リーダーの敵は、妥協である
72 自分が働くことが好きでなければ人は動かない
73 全体の2割を味方につけろ!
74 自分の考え方を話すときは裏づけを用意しろ!
75 はじめて部下を持ったときの3つの原則
76 部下に対しては本音と建前を使い分けるな
77 1日100回でも同じことをいわないと、考え方、方針は理解されない
78 部下の身近な問題を解決できないトップは信頼されない
79 トップの指示や方針を咀嚼して、具体的な指示を出せ
80 トップダウンでしか動けない人間に、人を動かす資格はない
81 組織を乱す考え、行いには毅然たる態度で臨め
9章 組織を動かす人が絶対知らなければならない「考え方」
82 キャリア、年齢、学歴は一切関係ないと考えろ!
83 まず組織ありきでは人は動かない
84 ユーザーを意識する組織をつくれ
85 社員に3つのタイプ-「人を動かせる」のは第一のタイプだけである
86 社内結婚をしたくなるような会社にする
87 エリート集団の落とし穴-先に楽をとるか、後で楽をするか
88 落ちこぼれを出さないために共通目標を持たせたグループをつくる
89 一度、社風をつくってしまえば、新人も自然と教育される
90 我流、個人のスタンドプレーを戒めよ
91 勝者をより強くするよりも、敗者を勝者にするやり方を!
10章 1回でダメなら、20回続けよ
92 ともに笑い、ともに泣ける関係を築いているか
93 まず、自分がどういう人間か理解させろ!
94 私が社員を自宅に呼んで食事をする理由
95 鍛え直し、上昇志向を植えつけるのがリーダーの仕事
96 世間の常識に押し流されるな
97 煙たがられるのを承知で下積みの苦労をさせろ!
98 人に嫌われたくないという本能を捨てろ!
99 2流から1流へのしあがるためのリーダー学
100 夢やロマンを持つことは未来を買うこと-部下の未来を「買う」ことができるか
面白かった本まとめ(2007年)
面白かった本まとめ(2006年)
面白かった本まとめ(~2006年)
<今日の独り言>
4歳の息子に幼児用ピアノの楽譜を買いました。うれしいようで、少しずつ練習しています。まずは譜面を読めるようにならないといけませんね。
「人を動かす人になれ!(永守重信)」の購入はコチラ
この本は以前紹介した「情熱・熱意・執念の経営」の著者である永守重信さんが書いた本です。
今回は、仕事の中で、人を動かす心構えやコツなどについて100にまとめた本です。
真理や真実を突いていて、とても勉強になります。
やはり、他人のせいにするのではなく、自分が変わらなきゃ何もよくならないと改めて思いました。とてもオススメな本わがです!
以下はその中からの抜粋です。
・わが社では、勤務時間内は原則的にプライベートな会話をすることを禁じている。減点主義ではないので罰則は何もないが、普段から仕事のプラスになる話以外は、休みの時間か仕事が終わってからにするようにと、口を酸っぱくしていっている。プロというかぎりは、職場では真剣勝負でなければならない。この基本をはっきりとさせておかなければ、何もかもがいい加減になってしまう。
・わたしは苦労こそ財産だと考えているが、この理由は苦労には後で有形無形の大きな利子がついてくると実感しているからだ。完成した製品そのもの、そして技術力がカタチある利子の代表である。しかし、それよりも情熱、熱意、執念さえ持続することができれば、不可能も可能にすることができるという自信と信念、こうした無形の利子を得たことの方がはるかに大きな価値があった。
・人を動かそうと思えば、まず自分自身がこの楽しさや喜びを味わっておく必要がある。そのためには、仕事の苦しさや苦痛から逃げ出さないこと。この苦しみと楽しみの落差の大きさが、社員や部下に対する説得力にストレートに反映してくる。
・部下を係長に育てることができなければ、自分がいつまでも係長をやらないといけない。また、係長を課長にできないような人間に、次長や部長の席を任せることなどできるはずがないのである。こう考えていくと自分のポストは自分で決められることがわかるはずだ。「会社はオレの実力をわかっていない」とグチをこぼすより、部下を動かし、育てることに専念すべきである。
・部下と同じ目線にまで降りていき、こうした方が君の得になるという具体的なメリットをあげて、どうすればいいのかを一つ一つ教えてやれば、きっと部下は変わってくるはずだ。そうした努力もしないで、「いまの若い部下は・・・」とグチをこぼしているだけでは前進も進歩もない。部下がこうだから使えないというのは、使おうとする努力を怠っている言い訳にすぎない。部下が動かないのは部下に問題があるからだと考えているリーダーは、テコでも動かしてやろうという意欲がないことを、自ら証明しているのと同じだ。
・壁にボールを投げたときに、勢いがよければボールも勢いよく跳ね返ってくる。弱ければ力のないボールしか返ってこない。上司と部下との心と心のキャッチボールも理屈は同じだ。まず、自らを磨いて鍛え直し、大きな愛情を持って指導を行う。これに意気を感じた部下が期待に応えてくれるのである。自分が投げた力以上のボールが返ってくることはない。
・人の信頼を得ようと思えば、相手に不安を与えないようにしなければならない。そのためには、上司の方から小まめに話しかけること。部下の立場になれば、上司がムスッとしているだけでも不安になるものだ。とにかく「いわなくてもわかっているだろう」という態度が一番よくない。もう一つは、上司は聞き上手になること。部下が話しかけてきたら、相づちを打ち、話しやすいように質問をするなど、親身になって最後まで話を聞いてやることが重要だ。
・そこで得たのが「失敗は必ず解決策を一緒に連れてくる」という教訓である。つまり、失敗から目をそらさずに、むしろこちらから失敗のなかに飛び込んでいけば、必ず解決策を見つけることができるということだ。
・勝負を決するのは、スピードが50%、ハードワークが30%、トータル的能力が15%、学歴や経験が3%、社歴や知名度が2%だというのが、わたしの分析である。スピードの時代に重要なのは、強力なリーダーシップであることはいうまでもないが、この状況をリーダーがピンチと見るのかチャンスととらえるのか、これが勝負の大きな分かれ目である。
・得意ワザをどうれば身につくのかといえば、いろんな経験、特に辛抱を体験することが一番の近道となる。会社の仕事のなかには、それこそうんざりするような単純作業も少なくない。この苦痛や辛さを知っていれば、そうした仕事をしている部下との接点もみつけやすい。つまり、一つでも多くのことを体験しておくことが、人を動かすためのツールを増やすことにつながるのである。
・信頼に応える報告とは、よいことばかりを選んで知らせることではない。イヤなこと、都合の悪いことほど、早く正確に伝えるということである。火事でもボヤのうちに消火器を持って駆けつければ、被害を最小限度に食い止めることができるが、火が回りはじめてしまっては、打つ手も限られてしまう。
・経営者の立場から見て、うまく部下を動かし、なおかつ組織としての機能をフルに発揮させている幹部社員にはいくつか共通項がある。その第一のポイントが、ギブアップをしないということ。2番目のポイントは、陰で人の悪口、特に部下の悪口はいわない、いわせないということが大切だ。三番目はごまかさないということ。四番目は正論、すなわち理詰めで部下を追い込んでいかないこと。最後は休まないということ。どんなことがあっても休まないという信頼が、わたしを含めた多くの社員、そして取引先の人たちからの人望の高さにもつながっている。
・社員には気軽に名前やニックネームで呼びかけ、必ず二言三言わたしの方から言葉をかけるようにしている。これを邪魔臭がるような人間は、人の上に立つ資格はない。また、こちらから積極的に声をかけてみると相手のこともよくわかる。
・部下に自信をつけさせるのに、あまりあれこれ余分なことを考える必要はない。部下が何か成果をあげたときに一緒に素直に喜び合い、ストレートに褒めて評価をしてやればよいだけのことである。一方、なかなか成果をあげられない部下なら筋道をつけてやるとか、本人には内緒で根回しやサポートもすべきである。しかし、部下に自信を持たせるのだから、自分の力で成果をあげたというカタチにしなくてはいけない。これを繰り返し繰り返しやっていく。人を動かそうと思うのであれば、これぐらいの努力と工夫が最低限必要である。
・社員は各人の得意な仕事に専念し、社長は社長にしかできない仕事に専念する。これこそが強い組織をつくる一番の基本である。
・会社が倒産するときには必ず前兆や兆候がある。連鎖倒産を除けば、昨日まで順調にやっていた会社がいきなり次の日につぶれてしまうようなことは、まずあり得ない。社員や部下も同じで、普段の小さなミスや失敗を見逃しておくから、やがて致命的な失敗が起こるのである。これも経営者や管理者が人を動かすうえで、肝に銘じておかねばならない重要なポイントである。
・「楽をして儲かることはない」「うまい話には必ず大きな落とし穴がある」「理屈よりも行動することの大切さ」とことん集約すると以上の3点である。こうした話を何度も何度も繰り返すことで、頭で理解するレベルから、体で覚えこんでしまう域にまで高めていくのである。トップの考える原理原則を会社の隅々まで伝えていく。これこそが判断や決断と並んで、経営者にとって最も重要な仕事であると考えている。
<目次>
はじめに どんな状況にあっても、”この一言”がいえるか
序章 「1番意外はビリと同じ」と考えろ!
1 一流、一番をめざすから、人はついてくる
2 能力の差は5倍でも、意識の差は100倍まで広がる
3 相手が苦しみ、悩んだときこそ、リーダーシップを発揮しろ!
4 どんな場合もケジメをはっきりつけておく
5 苦労には有形無形の利子がつく
6 「仕事ほど楽しいことはない」といえるか
7 ともに酒を飲め、食事をとれ
8 自分のポストを脅かす部下を育てろ!
9 目先の楽をとれば大きなチャンスを逃してしまう
10 周囲に反対されるほどのことを実現させて、はじめて人がついてくる
1章 「人を動かすのがうまい人」のこのやり方
11 「部下が使えない」というのは自分に問題があると思え!
12 人間性が一流の人と、三流の人の、この人づかいの差
13 「いわなくてもわかっているだろう」という態度をするな
14 「失敗は必ず解決策を一緒に連れてくる」
15 「二番というのは一番の次ではない」-淘汰の時代の、この考え方
16 人を動かす人間に土日も盆も正月もない
17 どう身につける? 「人を動かすのがうまい人」の得意ワザ
18 「権限委譲」と「責任委譲」を勘違いするな
2章 指示の出し方-何をどう話すか
19 人望を得るために絶対必要な5つの条件
20 部下は「たったこれぐらいのこと」に感動する
21 大勢の部下を前に話すときは、テーマを一つか二つに絞り込め
22 いろんな年齢層の社員と話せ
23 相手のキャリアによって話の内容をアレンジする
24 会議だけでは現場や人は動かない
25 部下の提案に「しかし」をつけるな
26 部下の将来を具体的な数字で見せろ!
27 絶対忘れてはならない、指示を出す手順
28 反対されそうな指示を与えるときの私のやり方
29 自信をつけた者は「踏みつけ」、自信のない者には「感動」を与えよ
3章 叱り方、褒め方①-人を動かすこのノウハウ
30 成果をあげたら少し過大評価をしてその気にさせろ!
31 相手をこき下ろして闘争心に火をつける方法もある
32 やる気を出した男、出せなかった男のこの考え方の違い
33 大きな成功体験には大きな報酬を
34 加点主義の風土がやる気を生み出す
35 手紙やファックスで人間的な絆を深める
36 相手の土俵にあがって、自分の相撲をとる方法
37 「求められる人材」-5つの究極的条件
4章 可能性を秘めた人間を見抜く、育てる
38 仕事も人材も、ベストを求めずベターを追求せよ
39 成績よりも、トップのポリシーに共感できる人を使え
40 ハングリー精神を持った人材をどう見分けるか
41 夜遅くまで残業する人よりも、朝30分早く出社する人を重視する
42 短所にこだわるな!
43 部下には得意なことだけやらせておけ
44 部下の成長は、「眼光」と「顔光」、そして声の大きさでわかる
45 人に動かされるのがうまい人は、人を動かすのもうまい
5章 女性、中途採用-相手によって手法を変えろ!
46 女性社員を見れば会社の雰囲気がわかる
47 「競争原理」で女性社員の意欲を高める方法
48 「3倍の法則」が女性を動かす
49 マナー、礼儀作法を知らない社員は使いものにならない
50 「ここまでできれば、これだけ優遇する」と明言せよ!
51 中途採用者の意識改革のやり方
52 海外で人を動かすポイントは、成功報酬をケチらない
53 定年間近な社員は、この一言でやる気を出させる
6章 叱り方、褒め方②-”部下”を動かすこのルール
54 叱るときには徹底的に叱る、わたしの理由
55 一度叱ったことはすぐ水に流せ
56 褒め言葉を見つけてから叱るのがコツ
57 「カッ」と発奮のできる人間に育てろ!
58 自分と部下の間に隠し事をしないというルールをつくれ
59 5万円の損害だからこそ、5億円分叱れ
60 叱ることより皮肉というスパイスを効かせたユーモアは効果的
7章 理屈で人は動かない! だから-
61 手塩にかけなければ人は育たない
62 「大変な時代だが、これだけのことをやれば大丈夫だ」という一言
63 この3点だけを繰り返し、体で覚え込ませる
64 人は「怠けるカメ」と思え
65 「一流への道は大きな苦痛が伴う」という原理原則を教え込め
66 本当の会社の仕組みを教えるから、職業観が生まれる
67 モラルは「押しつける」のではなく、なぜ必要かを説明しておく
68 不良品は不良社員がつくる
69 つぶれる会社、つぶれない会社-わずかな意識の差が、将来の明暗を分ける
70 チームワークばかり叩き込むと、決断力、指導力がにぶる
71 自分の考え方を完全に理解してくれる分身をどうつくるか
8章 リーダーの敵は、妥協である
72 自分が働くことが好きでなければ人は動かない
73 全体の2割を味方につけろ!
74 自分の考え方を話すときは裏づけを用意しろ!
75 はじめて部下を持ったときの3つの原則
76 部下に対しては本音と建前を使い分けるな
77 1日100回でも同じことをいわないと、考え方、方針は理解されない
78 部下の身近な問題を解決できないトップは信頼されない
79 トップの指示や方針を咀嚼して、具体的な指示を出せ
80 トップダウンでしか動けない人間に、人を動かす資格はない
81 組織を乱す考え、行いには毅然たる態度で臨め
9章 組織を動かす人が絶対知らなければならない「考え方」
82 キャリア、年齢、学歴は一切関係ないと考えろ!
83 まず組織ありきでは人は動かない
84 ユーザーを意識する組織をつくれ
85 社員に3つのタイプ-「人を動かせる」のは第一のタイプだけである
86 社内結婚をしたくなるような会社にする
87 エリート集団の落とし穴-先に楽をとるか、後で楽をするか
88 落ちこぼれを出さないために共通目標を持たせたグループをつくる
89 一度、社風をつくってしまえば、新人も自然と教育される
90 我流、個人のスタンドプレーを戒めよ
91 勝者をより強くするよりも、敗者を勝者にするやり方を!
10章 1回でダメなら、20回続けよ
92 ともに笑い、ともに泣ける関係を築いているか
93 まず、自分がどういう人間か理解させろ!
94 私が社員を自宅に呼んで食事をする理由
95 鍛え直し、上昇志向を植えつけるのがリーダーの仕事
96 世間の常識に押し流されるな
97 煙たがられるのを承知で下積みの苦労をさせろ!
98 人に嫌われたくないという本能を捨てろ!
99 2流から1流へのしあがるためのリーダー学
100 夢やロマンを持つことは未来を買うこと-部下の未来を「買う」ことができるか
面白かった本まとめ(2007年)
面白かった本まとめ(2006年)
面白かった本まとめ(~2006年)
<今日の独り言>
4歳の息子に幼児用ピアノの楽譜を買いました。うれしいようで、少しずつ練習しています。まずは譜面を読めるようにならないといけませんね。