褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ハリーの災難(1955) とにかくボケまくります

2013年09月10日 | 映画(は行)
 サスペンス映画の神様と呼ばれるアルフレッド・ヒッチコック監督って本当に凄いと言って、いきなり誉めてみたが40歳代よりも若い世代にとっては、彼の名前を聞いても余程の映画好きでないとあまりピ~ンと来ないのかもしれない。
 しかしながら、今のサスペンス映画のほとんどは何かしらアルフレッド・ヒッチコックの作品の影響を受けている作品ばかり。その作品の怒涛の如くの傑作群の中で、今回紹介する映画ハリーの災難はあまり評価が高くないような気がするが、俺が観ているアルフレッド・ヒッチコック作品の中では2番目に好きな映画だ(ちなみに1番好きなのは北北西に進路を取れ)。殆んどのヒッチコックの作品はどこかでボケが入るが、とにかく本作は大ボケの連発だ

 冒頭でいきなり頭から血を流している男の死体が仰向けになって、倒れているシーンから始まる。しかし、死体の場所がとても風景が綺麗でのどかな森の中、いかにも死んでいる場所としては場違いな雰囲気が漂う。しかも、その死体の服装だが、ピカピカの靴を履いていて、ビシッと上等のスーツを着こなしている。
 非常に不気味なシーンから始まったと思う間もなく、次から次と人が立ち替わり入れ替わり、死体が寝転がっている場所にやってくるのだが、どいつもこいつもチョッと頭のネジが緩んでいる奴ばかり。
 普通なら誰も現われないような場所に人がやって来ること自体が可笑しいが、死体を見た時の登場人物達の反応が非常に理不尽過ぎて笑える。

 俺なんかだったら、頭から血を流している人が倒れていたら早く警察に連絡しようと思うのだが、死体の見える場所でうっかり寝てしまう奴がいたり、なんだか死体を見てちょっと喜んでいる奴がいたり、死んでいると気付かずに倒れている男の顔をスケッチしている奴がいたり、死体に躓いて転んでいるのに気付かずにそのまま違う方向へ歩き出したり、靴だけを盗んでしまう浮浪者が登場したり。お前ら、もうちょっとビックリしてやれ!と俺なんかは観ていて思った。

 しかも、登場人物の中には『やべ~、きっと俺が殺したんだ』と思ったら、死体を丸ごと証拠隠滅するために穴を掘って埋めてしまう。そして実は『俺が殺したんじゃなかった』と気付くと、今度は死体を掘り出してしまう。
 死体を埋めたり、堀リ出したりすること数回繰り返されるが、その様子を見ていると大して罪悪感も無さそうに見える。そんなシーンを見ていて、俺はお前ら死体をそんなに粗末に扱うな、と怒りが込みあがってきた、と言うのは嘘。実はそんなシーンを見ていた俺は大爆笑の連続だ。
 しかも、死体を隠すのにテンヤワンヤしているのに最後は2組のカップルの恋愛が成就するなど、幸せな気分を味わえた。

 さて、ちょっと可哀相にも感じる死体だが、一体誰に殺されたのか?その死因は?その謎が解決された時に、観ている誰もがヒックリ返りそうになるストーリーとは如何なるものか。
 とっても紅葉が綺麗なバーモント州の小さな村において。
 4歳の子供であるアーニー(ジェリー・マシューズ)が森の中へ遊びに行くと、銃声が聞こえる。もう少し奥へ進んでいったところ、ハリーという名の男の死体が倒れていた。アーニー(ジェリー・マシューズ)はその場を離れると、その後に銃を持った元船長のアルバート(エドマンド・グウェン)が現われる。ウサギ狩りをしていたアルバート(グウェン)だったが、ハリーの死体が横たわっているのを見て、自分が撃ち殺したと思ってしまう。
 そうこうしている内に、次から次と死体のハリーが横たわっている場所に人がやってくるが、実はハリーを殺したと思っているのはアルバート(グウェン)だけではなく、他にも居たのだ。
 ハリーを殺したのは俺(私)?と思った人々は、各々が穴を掘ってハリーを埋めてしまい、実は俺(私)はハリーを殺していないと気が付いた者は、ハリーを掘り出してしまう。そんな行動が繰り返されている内に、村の保安官が殺人事件が起こったことを嗅ぎ付けるのだが・・・

 とっても紅葉が綺麗で抜群のロケーションが素晴らしい、と思ったらセットでの撮影がバレバレのシーンがあったりで、ロケとセットの違いが本作品は非常に明白すぎる。この手抜き感がいかにもヒッチコック監督らしさを感じる。しかし、この手抜き感がけっこう好きなんだよな~。
 それとこの映画は本当に無駄なシーンが一つも無い。ただ、ドアが開くだけのシーンにしても意味を持たせてるし、何気ない会話にしても後で意味を持たせてくる。特に画家の役を演じている人の台詞が面白すぎ。しかも、真面目な顔をして言っているだけに、余計に笑える。
 一つ間違えれば、超駄作になってしまう映画だと思うが、流石はヒッチコック。巨匠でありながら巨匠らしくない作品を撮りあげてしまうところに凄みを感じる。
 ヒッチコック作品を観たことが無い人が、いきなり本作から観ることはお勧めしにくいが、ヒッチコック作品が好きだけれどハリーの災難はまだ観ていない人は今すぐに観るべきだ

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シャーリー・マクレーン,エドマンド・グエン,ジョン・フォーサイス
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 監督は前述しているようにアルフレッド・ヒッチコック。名作、傑作が多すぎてお勧め作品は悩みますが、見知らぬ乗客はヒッチコックの演出の凄さが随所に出た作品でお勧め。しかし、北北西に進路を取れがやっぱり一番のお勧め。彼がハリウッドに来る前のイギリス時代の作品ではバルカン超特急がお勧めです。

 そして本作品がデビュー作で現在でも活躍中のシャーリー・マクレーンが、お母さん役で出演していますが、本当にキュートな魅力を振り撒いています。この人のお勧め作品はビリー・ワイルダー監督のアパートの鍵を貸します。メチャクチャ面白い映画です。
 ちょっと年齢がいってしまってからの作品ではジュリア・ロバーツ競演のマグノリアの花たちが特に女性にはお勧めです。

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