褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ル・アーヴルの靴みがき(2011) 良い人ばかり登場します

2014年01月04日 | 映画(ら行)
 明けましておめでとうございます。今年は去年以上にもっと更新して面白い映画を紹介したいとおもっていますので本年もよろしくお願いします。さて、毎年のことだが年末から年始めにかけて、飲みまくりの食いまくり。なんだか胃はもたれるし、胸やけはするし、妙にだるくて体を動かすのも面倒。そのように感じているのは俺だけではなく、世の中の多くのお父さん連中もそのように思っているのではないだろうか。しかも仕事始めが近づく頃でなんとなく憂鬱な気分にもなってきたりする。
 もうそろそろ正月気分から抜け出さないといけないと思っている人に是非お勧めしたいのが今回紹介する映画ル・アーヴルの靴みがき。ユル~イ笑いとテンポがお正月で疲れきっている胃と肝臓に優しい映画だ。

 登場人物たちは無表情で台詞は少なく、映像表現における色彩、構図は単純。観終わった後に、よく考えるとけっこう大変な事が起きているのだが決してそのようには見せない演出。何だかワザと眠たくなる映画を作ってんじゃねぇ~の?なんて思えたりする。
 しかし、どこかすっとぼけたユーモアがけっこう笑える。この映画の主人公はタイトルから想像できるように靴みがきの職人さん。しかし、この主人公が万引きしたり、ツケがすっかり溜まっているダメダメ男で嫁さんには全く頭が上がらない。ところがそんな奴が時々格好良い台詞をボソッと言ったりする。きっと観ている誰もが『お前が言うな!』とツッコミを入れたくなるはずだ。
 さらに不法移民の黒人の少年が笑わす。ヒーロー面して逃げるのだが『お前の隠れ方、サイコ~』と思わず手を叩いて爆笑してしまった。

 他にも笑えるシーンがあるのだが、この映画の登場人物達が良い人ばかりで笑える、では無くて泣けてくる。どちらかと言えば細々と生きている人ばかり登場するのだが、彼らの善意に満ちた行動がとにかく暖かい気持ちになる。人間ってやっぱりお互いが協調して生きるべきなんだよな~なんて当たり前の事を気付かせてくれる。全員が小さくても幸せな気分になるって素敵過ぎる。

 現在ヨーロッパの各国において不法移民の問題が深刻化しているが、そんな社会問題を取り入れながらも心暖まるヒューマンドラマとは如何なるストーリーなのか。
 フランスのノルマンディー地方の港町であるル・アーブルが舞台。かつてパリで放浪生活をしていたマルセル(アンドレ・ウィルム)だが、今は靴みがきの職人として細々と暮らしている。しかし、彼には愛しの古女房であるアルレッティ(カティ・オウティネン)と愛犬ライカが家で待っててくれていることにささやかな幸せを感じていた。
 ところがある日のこと、アフリカから不法移民を乗せたコンティナがル・アーヴルの町にたどり着いてしまい、黒人の少年イドリッサ(ブロンダン・ミゲル)が逃げ出してしまう。イドリッサ(ブロンダン・ミゲル)が隠れているところを偶然発見したマルセル(アンドレ・ウィルム)は彼を本来の目的地であるロンドンへ行かせるために助けようとするのだが、時を同じくしてアルレッティ(カティ・オウティネン)が不治の病に罹ってしまい・・・

 なかなか本作の面白さが文章では伝わりにくいのが残念。個人的には大いにツボにはまって笑えるのだが、もしかしたらこの笑いが合わない人がいる可能性も高い。しかし、ル・アーヴルで暮らす人々の善意が素晴らしい。本当にこんな良い人ばかりが居るのだったら、フランスはパリではなくてル・アーヴルへ行きたくなってくる。
 そして、結末がアレレ!と思ったりするが、これはこれで嬉しすぎる気分になる。本作における夫婦愛、人の絆に感動し、ゆる~く笑えるル・アーヴルの靴みがきは個人的にはたっぷり睡眠時間を取ってから観て欲しい映画だ

ル・アーヴルの靴みがき 【DVD】
アンドレ・ウィルム(声:大塚芳忠),カティ・オウティネン(声:田中敦子),ジャン=ピエール・ダルッサン,ジャン=ピエール・レオー,ブロンダン・ミゲル(声:朴 叙ミ美)
キングレコード


ル・アーヴルの靴みがき 【Blu-ray】
アンドレ・ウィルム(声:大塚芳忠),カティ・オウティネン(声:田中敦子),ジャン=ピエール・ダルッサン,ジャン=ピエール・レオー,ブロンダン・ミゲル(声:朴 叙ミ美)
キングレコード


 監督はフィンランド人のアキ・カウリスマキ。日本でもなかなか人気のある映画監督。この人の作風は今や貴重な存在。記憶喪失からの再生と希望を感じさせる過去のない男、音楽バンドによるロード・ムービーが楽しめるレニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカがお勧め。

 良く出来た奥さんを演じるのがアキ・カウリスマキ監督作品の常連であるカティ・オウティネン。毎度無表情の演技を見せるが前述した過去のない男、他に同じくカウリスマキ監督の浮き雲の健気な奥さん役も印象的です。

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コメント (2)
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