すでに報じられているように、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)のボクシング・ライト級で大阪朝鮮高級学校の李健太選手が優勝しました。李選手は大会2連覇、2012年の選抜大会、インターハイ、国体、今年の選抜に続き、これで高校ボクシング5冠を達成したことになります。朝鮮高級学校の生徒としては初の快挙です。
高校ボクシングの頂点を決めるインターハイ。今大会は、94年に朝高生が初めて出場してから20回目となる節目の大会でした。この間、インターハイで優勝した朝高生は李選手を含め5人。全員が大阪朝高の生徒たちです。連覇はもちろん李選手が初めて。5冠達成は掛け値なしの偉業でしょう。
もはや「向かうところ敵なし」といった李選手ですが、やはり気になるのは高校卒業後の進路。彼ほどの実力と実績なら有名大学から引く手あまたのはず、それとも朝鮮大学校に進学? もしかしてプロ? などと勝手な想像を働かせてしまいますが、実は李選手、「将来は朝鮮代表としてオリンピックに出場したい」という夢を持っています。
http://chosonsinbo.com/jp/2013/08/in-box-06/
ということは、当面は大学に進学してアマチュアボクシングの道に進むということでしょうね。
「右の拳には朝鮮人としてのプライドを、左の拳には同胞たちへ希望と夢を与えるという強い気持ちを込め」
朝高のボクシング部の選手、監督を取材するたびに必ずといっていいほど聞く言葉です。背負ったもの(それはもしかすると、あえて背負わなくていいものかも)や周囲の期待を自分の力に変えることができるのが朝高ボクシングの強さの要因なのかもしれません(拳に物理的な力以外の何かが宿るという考え方はあまり好きではありませんが)。
今秋に東京で行われる国体で優勝すれば6冠です。ここまできたらぜひ達成して、文字通りの伝説を作ってもらいたいと思います。(相)
※アップした写真は今年6月末に大阪朝高を取材した際、ボクシング部の部員、マネージャーと撮った写真です。後列中央の赤いTシャツが李選手