日本軍「慰安婦」問題の解決を求める韓国水曜デモが1000回を迎えた14日、東京・霞ヶ関で行われた連帯集会を取材しました。
すでに報じられている通り、集会には日本各地から1300人が集い、「人間の鎖」で外務省を囲み、四方八方からこの問題の解決を声高に叫びました。
しかし、集合場所の日比谷公園に着くなり聞こえてきたのは、集会を妨害しようと訪れた「在特会」(在日特権を許さない市民の会)の罵声でした。
集会中、「在特会」をはじめとする極右団体は、今にも飛び掛らんばかりのはげしい妨害行動を繰り広げ、耳をふさぎたくなるような罵詈雑言を終始吐き散らし、集会は一触即発の雰囲気の中で進行されました。私自身、今回のような大規模な妨害を経験したのは初めてのことで、正直、圧倒的な負のエネルギー、ディスコミュニケーションに途方もない疲弊感を感じました。容赦なく降ってくる暴言から、日本社会の「慰安婦」問題への認識の浅さがいかに問題の解決を阻んできたのかを考えさせられました。同時にそれは、勇気を振り絞り名乗りを上げ、消し去りたい過去を20年にわたって何度も何度も話し伝え続けた被害女性たちの声を幾重にも消し去り、その度に彼女たちの癒えない傷跡を土足で踏みにじり、掻きむしってきたのだと、胸がつまる思いでした。
集会に参加していた多くの日本の方たちは、「日本人として恥ずかしい。ハルモニたちを1000回も立たせてしまって申し訳ない」と、皆一様に話していました。
また、「慰安婦」被害者の一人である宋神道さんも参加し、寒空の中、外務省を一周して参加者を鼓舞してくれました。
午後に行われた院内集会では、宋さんが国会議員たちに渇を入れたり、冗談を言って笑ったりと、会場の雰囲気を和ませてくれました。その奔放なまでの力強さに多くの人が勇気付けられたと思います。
集会で全国行動共同代表の梁澄子さんは、「『水曜デモ』が始まる前、被害者たちが、性暴力であるがゆえ半世紀近くも沈黙の中に過ごしてきた歳月の重みを認識することなしに、1000回に込められた被害者たちの切実な訴えを知ることはできない」、234人いた被害女性が63人になってしまったことにふれながら、「これこそが20年の歳月の重みだ」と、訴えました。
いま、重い扉が少しずつ開かれようとしています。18日、京都で行われる日韓首脳会談で「慰安婦」問題が協議されます。日本政府は、「20年の重み」をどのように受け、被害者たちの尊厳をかけた訴えをいかに聞くのか。
1000回アクションは韓国と日本のみならず、カナダ、アメリカ、台湾、フィリピンなどの世界各国30都市以上で行われました。首脳会談には世界中から関心が寄せられています。日本政府は、今回もまた無視を決め込み、対話のテーブルにつかないのであれば、全世界に恥をさらすことになるでしょう。(淑)