京都市南区にあるこの学校の子どもは、トンネで育った子どもらしく、弁も立つし、なんせ元気がいい。最後の取材は7年前。運動会の練習中で、いっちょまえに記者をからかうので、写真を撮るのも一苦労だった。
校門の前の大きな道路は、大型トラックがスピードを上げ、子どもたちにはあまりに危険が大きい――。よく聞いた話だったが、実際目にしてみると、大人の私でも足がすくんだことを覚えている。学校には幼稚園児たちも多数通っている。今でも先生方は校門を出るとき、園児たちの手を固く握り、事故の心配から子どもたちを守っているのだろう。保護者たちは、この危険な場所をどうにかしてほしいと行政に何度も要請してきたが、今現在まで根本的な解決策は見出せていない。
4日に起きた騒動のあと、ある保護者から電話をいただいた。
「もどかしくやりきれない」―。警察に子どもの安全を守ってほしいと要請しても、取り合ってくれず保護者や子どもたちの不安が募っているという。
怒り、焦り…。大人たちが力を合わせてできることは何か、私自身も問われている気がした。長文だが、ある保護者の声を届けたい。(瑛)
皆様。
私は朝鮮第一初級学校に2人の子どもを通わせている保護者の金と申します。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、先日4日に名前を言うのも忌まわしいようなレイシスト(人種差別)団体が京都朝鮮第一初級学校のすぐ前で騒乱を起こしました。
今まで生きてきてこんな腹立たしく悔しい思いをしたことがありません。学校の前で子どもたちに聞こえるように、「スパイの子どもたち!」「朝鮮学校を日本からたたきだせ!」などと、人として信じられない暴言を拡声器の爆音をもって騒ぎ立てました。
子どもたちはおびえて、中には涙を流す子どもたちもいたそうです。
私が悔しい、腹立たしいと思ったのは、何もその団体に感じたことではありません。朝鮮語のことわざに「糞を避けるのは怖いからで無く汚いからだ」という言葉があります。私が本当に許せないのはこのような事態が許されている「この社会の規律と良識」に感じています。
当日、警察は子どもたちがおびえてるにもかかわらず「自分たちは間に入っている立場」とし制御しようともしない。スピーカを校門のまん前で校舎に向けて騒いでるにもかかわらず禁止させませんでした。これが言論の自由ですか? 法や警察は子どもを守ってくれないというのがむなしくてたまりませんでした。
自由に使用できる公園であるにも関わらず、「不法占拠」とののしり、地域の方々も使っているゴールポストを動かしたり、利用する子どもの安全のために設置されたスピーカーの線を切り、朝礼台と一緒に校門前に投げつける暴挙。器物破損ではないのですか?
「強制執行」は一般市民に権限があるのですか?子どもたちがおびえ、泣いているのに脅迫罪ではないのですか?そこにいる個人や団体を誹謗中傷し侮辱罪ではないのですか?そこに駆けつけた私たちは声がかれるまで警察に訴えたのに、取り合ってくれませんでした。
私は学校に駆けつける前に、某大学で人権教育の招かれ、「人権と子どもの学ぶ権利」を物知り顔で語っていました。このときほど「人権と子どもの学ぶ権利」が虚しく聞こえたときはありません。私はこの問題が一部のレイシスト集団の問題ではなく、それを許容する日本社会の「良識」の問題として、問いたいです。
たしかに、このような集団は日本人の一部かもしれません。「日本人は悪い人ばかりではありません。信じてください」とおっしゃりたい方もいるでしょう。そういう意味では日本の方々も被害者かもしれませんが、今回の問題の本質ではありません。
明確にこのような事態が起こったことは、これが許されたことになると思います。
いまこそ「日本社会の良識」に問うべきだと思っています。いままで本当に悔しい思いをいっぱいしてきましたが、もうたくさんです。今後このような事態が起こったとき、また私たち朝鮮人は門扉の前で歯を食いしばり、血の涙をのみながら我慢に我慢を続けないといけないのでしょうか?
正直に今回子どもたちに「守ってやれなくて申し訳ない」との考えが頭を離れず夜も悔しくて眠れませんでした。亡くなった祖父母や一世たちが空の上からこの事態を見ているならば、どんな思いをしてるでしょうか?自分たちの曾孫までもこんな仕打ちをされているのかと嘆き苦しんでいるでしょう。
長々と書きたて、最後まで読んでいただきありがとうございます。もうこのような事態が起こらぬよう、皆さんどうかこの社会の良識とあるべき姿を考えてください…。
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日本政府は人種差別撤廃条約を批准していますが、条約が求める差別禁止の立法措置はまるで無視しています。ここはひとつ連中自身がうpしている映像を、国連の人権委員会あたりでぜひ上映してほしいもんです。各国代表は開いた口がふさがらんのではないでしょうか。