透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

「ぼくが ここに」

2014-04-03 19:58:04 | 日記

晴れのち曇り。最低気温2.6℃、最高気温7.2℃。

新学期が始まり、新一年生があちこちに誕生している。「一年生になったら」というまどみちお氏の童謡を思い出す。

まどみちおはペンネームで本名は石田道雄。ペンネームの「まど」は「家でも何でも、外に通じる窓がなかったらどうにもなりませんね。窓を通じて外の景色を見たりします。そんな感じでつけたんです。」(荒木茂の個人ホームページ参照)と語っていたそうだ。分かりやすい言葉で綴られた「一年生になったら」をはじめ、「ぞうさん」「ふしぎなポケット」「やぎさんゆうびん」は今でも子どもたちに親しまれ、口ずさまれている。  

まど・みちお氏の詩「ぼくが ここに」は、地球上のすべてのものが大切に守られている存在で、存在すること自体が素晴らしいことなのだと教えてくれる。地球上のあらゆることは循環の中にあって、影響を及ぼし合っている存在であり、それはどんなに微細なものでもそこにあることには意味があるということで、犯してはいけないことを基本とすべきなのだ。

まどみちお氏は20代から詩作を始め、25歳のときに北原白秋にその才能を認められる。33歳のときに太平洋戦争に召集されるも生還を果たし、生涯にわたって詩作を続けた。創作意欲の源が、政治・行政・教育・経済・戦争などに対する不満からだとウキぺディアで知った。少し意外に思ったのは、おおらかでユーモラスな作品の印象があったからだ。残念なことに今年の2月28日、104歳で亡くなられた。合掌。

「ぼくが ここに」                   まど・みちお

         ぼくが ここに いるとき
         ほかの どんなものも
         ぼくに かさなってと
         ここに いることは できない

         もしも ゾウが ここに いるならば
         そのゾウだけ

         マメが いるならば
         その一つぶの マメだけ
         しか ここに いることは できない

         ああ このちきゅうの うえでは
         こんなに だいじに
         まもられているのだ
         どんなものが どんなところに
         いるときにも

         その「いること」こそが
         なににも まして
         すばらしいこと として


        
      

コメント
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