木村拓哉氏は基本的に凄い。どんなドラマも観る者に「この人が出ていなければまた来週観てもいいんだけど・・・」と思わせる。
観ない方がよいような気がしないでもなかったが、一応ドラマの初回は録画して観るようにしているので観てみた。内容については不要とみなして記載しない。
事件そのものや取り巻く人間模様は物凄くひどいとまではいかない。ラストの謎解きも凄くひどくはない。しかし凄くひどくなければそれでいいわけではない。良かったとか面白かったという要素がこれほど少ないドラマも珍しい。知り合いMちゃんは「最近お昼休みに水曜日の情事の再放送を見てるんだけど、これってキムタクドラマよりずっと面白いよ」って言っていた。日本屈指のドラ見ちゃんの彼女が言うのだから間違いない。
薀蓄から謎解きが一応脳科学がベースになっているが、それが現実の理論であろうが架空であろうがどっちでもいいから、もっと極端に驚かせてほしい。どこかで聞いたような話か、もしくは初めて聞く話でもそれがストーリーを骨太にすることに全く役に立っていない。
またキャストが無駄に豪華だった。チョイ役に大量の役者・芸人・アーティストを投入してドラマとしての格を上げようと努力しているが、肝心のストーリーがつまらないのだから、全て無駄である。制作費も随分使った感のある画面であったがそれもやはり無駄。自分が営業だったら、スポンサー様に合わせる顔がない。膨大なCMを打っているので視聴率は稼げるかも知れないが、それも費用対効果を考えたらビジネスとしてはダメだろう。
木村氏の演技もいつもと変わらない。首相になるドラマ、検事役のドラマ、いつでも彼は「飄々としていて、でもとっても出来る人」を演じている。それ以外を演じることができないのか、周りがそれを許さないのか。よく分からない。彼自身がこれで充分演技に満足しているのならそれはそれでよいのだろうが、そうでないのなら客の入らない舞台、あるいは客の入る舞台(阿佐ヶ谷スパイダースでもどこでも)あるいは蜷川演出のシェークスピアなどにぜひ出演してしごかれてもらいたいものだ。
中島みゆきは「闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう」と歌う。残念ながら木村氏は闘っていないと思う。
市川海老蔵と香川照之の演技はすごく良かった。Mちゃんが「海老蔵が意外と小さくてガッカリした」と言っていたが、歌舞伎の女形が身長185センチでは出来ないだろうが、と言い返しておいたら納得してくれた。
この記事を書いている今はTBS系列の情熱大陸の放送が終わったばかり、日曜夜11時半を過ぎたところ。小学校の金管バンドの死闘についてのドキュメントの第二弾。この先生は闘ってるし、子供たちも闘っている。懸命に生きる先には必ず何かがある。その姿を見て、とても心を動かされた。
明日こそ、ジムでサンドバックを叩いた時に、トレーナーに「お前のパンチは話になんえねえよ。弱いんだよ」と言われないようにしたいものだ。私も闘っている。自分と。
あまえはえらいんか
御心配なく、あなたが見なくても、視聴率は取れますから。
私はえらくありません。
もし私がテレビドラマを制作することを仕事にしているのなら、自分の作品を棚に上げてモノを言ってはいけないでしょう。でも、テレビドラマ制作に何の関わりのないところに生きています。
政治について批判する人はたくさんいます。その全員が政治学で博士課程まで進んだということではないですよね。それでも政治について批判する権利はあるわけです。自分が自民党の幹事長だったら、立場上批判してはいけないということはあるでしょうが。
映画、ドラマ、小説など作品は、鑑賞した人が褒める権利も貶す権利も有していると私は考えます。信賞必罰は私のルールです。全ての作品を褒める、あるいは全てを貶すようなブログに信頼してもらえるのかということもございますが、ブログのバランスを考えても、なんでもかんでも褒めるでもなく、なんでもかんでも貶すでもなくが私としては心地いいのです。私の心地が良くなることで他の誰かの心地が悪くなることを良しとするわけではありませんが、自分より読む人の顔色ばかり伺うようなブログになってしまうのもまた本意ではありません。
おっしゃる通りです。
宣伝をしないと観てくれる人が少ないし、
宣伝をし過ぎると、期待ばかり大きくなってしまい、
期待倒れのリスクを負う。という面はありましょう。
ふるさんと違ってキムタクの番組はこれまでは面白くみていたのですが、ここに至り、
「飄々としていて、でもとっても出来る人」を演じている。それ以外を演じることができないのか、周りがそれを許さないのか。」と、かの人の観客側のしんどさを感じてしまいました。
今までのキムタクドラマが面白かったのは8割、脚本の面白さ、2割キムタクのキャラがドラマに合ってた。とすると、今回は脚本は最悪、キムタクはマンネリ演技の泥沼ということで、ええとこひとつもありません。
この記事の初めの文、大笑いさせてもらいました!
第二話は見てません。
>今までのキムタクドラマが面白かったのは8割、脚本の面白さ、
>2割キムタクのキャラがドラマに合ってた。
これはなかなか言い得て妙だと思いました。
「婚カツ!」の視聴率が低かったり「アシテル 海容」が
意外と評判良かったり、何が起こるか分からないですね。
脚本もつまらないけど、演出も良くないのでしょうか
ストーリーが綺麗に流れてなくて、ウケなかったお笑いのような空気感を感じます
逆に他局の『BOSS』はプロの仕事ぶりを感じます
これって私だけかな?
脚本がどこまで書かれていて演出がどこまで解釈を広げているのか
我々視聴者にはなかなか知る事が難しいですね。
BOSSは私も観ています。これは面白いですね。
魅力的な登場人物、練られたプロット、無駄のない映像
なかなか良いですね。しかし録画してあった「星の金貨」久しぶりに
第一話だけ観たのですが、あれだけ質の高いドラマが日本に
かつてあったんだと思えば、今のドラマは面白くないと言われても
仕方ないんだろうと思います。