昔使っていた手帳からメモが出てきた。本のタイトルがいくつも書いてあるだけ。多分その当時読んだ本の中で特に気に入ったモノを列記したんだろうと思う。捨ててしまおうかと思ったら、ここに記録として残すのも手かなと。では以下に。
愛を乞うひと (角川文庫)下田 治美角川書店このアイテムの詳細を見る |
これは本当にいい。買って何人かにプレゼントしたくらい。映画より原作が良いと思う。
ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)中島 らも集英社このアイテムの詳細を見る |
天才中島らもの大傑作。しかし手元にない。誰かに貸したままなんだろう。よくあること。「愛を乞う人」も手元にない。
殺手(サーソ)荻 史朗双葉社このアイテムの詳細を見る |
すごく面白かった。でも内容覚えていない(それじゃダメじゃん)
逃亡〈上〉 (新潮文庫)帚木 蓬生新潮社このアイテムの詳細を見る |
帚木蓬生は大好物な作家なんだけど、これがベストだと思う。
<移情閣>ゲーム 綾辻・有栖川復刊セレクション (講談社ノベルス)多島 斗志之講談社このアイテムの詳細を見る |
作者の多島さんは確か行方不明になっていたんだよね。寡作な人だけど、これを中心にどんでん返しと先が読めないプロットと凄い作品ばかり書いているのさ。
山妣(やまはは)坂東 真砂子新潮社このアイテムの詳細を見る |
最近坂東さんの作品読んでないけど、以前は結構読んだ。その中でもこれが一番好き。
龍の契り (新潮文庫)服部 真澄新潮社このアイテムの詳細を見る |
この作品で服部真澄という作家に触れた時の衝撃は忘れられない。
黒い家 (角川ホラー文庫)貴志 祐介角川書店このアイテムの詳細を見る |
これは怖かった。映画「シャイニング」よりも。
女たちのジハード (集英社文庫)篠田 節子集英社このアイテムの詳細を見る |
先日20代の女性が書店で手にしているのを見て思わず「それ面白いですよ」と声をかけそうになった。おいおいナンパかよ。
血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)梁 石日幻冬舎このアイテムの詳細を見る |
梁石日も出たら読む作家である。
以上。その内に同じメモになった海外編もアップする。参照:字がずっと多いマイフェイバリット【ミステリ小説中心10冊】
好きな作家の本は出版を首を長くして待っていますが、新しい作家さんは何かキッカケでもないと(例えば賞を取るとか)読む機会がないです。
↑ここに紹介されてる作家さんで私が読んでるのは、帚木 蓬生さんなら「閉鎖病棟」多島 斗志之さんは「症例A」貴志 祐介さんは「黒い家」篠田 節子さんは「女たちのジハード」くらいでした。
下田 治美さん「愛を乞う人」服部 真澄さん「龍の契り」は早速読んでみたくなりました。
最近物覚えが悪く(年齢のせいか)本棚から同じ本が2冊出てくることがあって困ったものです。
内容も忘れてることが多くてなんだかなぁって感じです(笑)
私の一番は白石一文さんの「一瞬の光」なんです。
白石さんは「一瞬の光」以来全部読んでるけれど、私の中ではこれを越えるものはないです。
ふるさんはどうですか?
再読すると最初に読んだときとは違う感じ方をすることが間々あって、それって当たり前って言えば当たり前なんだけど、ちょっとショックだったりするので「一瞬の光」は再読してないです(笑)
村上春樹の「ノルウェイの森」は20年ほど前に読んで、10年くらい前に再読し、そろそろまた読みたい気分になってます。
歳を重ねると良くも悪くも色々変わります。
わかった風なことを言ってますが、なかみは中途半端なまんまです(笑)
今夜も長いコメントになってしまいました、ごめんなさいね~~~
短いフレーズなのは字数制限が1万字なのですよ。Amazonの画像やらの文字が
結構多いため、私の文章はこれ以上入れられないという事情でございます。
「閉鎖病棟」「症例A」面白かったですね。
同じ本を何冊もは私もやりますね。夏目漱石のこころが二冊、Barbarians At The Gateが二冊、
片岡義男「彼のオートバイ、彼女の島」が4冊ありました(笑)誰かに貸した
ままになっている本も多くあると思うのですがそれも記憶喪失してます。
貸した金は多分忘れてなかったりして。
「一瞬の光」はとても良かったです。私は「この胸に突き刺さる矢を抜け」が
ベストですね。私の想像ですが、作品内で繰り広げられる特に哲学的世界観(?)
が、nikitaさんはご自分でお持ちのモノと「一瞬の光」のそれがフィットし、
私は「この胸に」のそれがフィットしたということではないでしょうか?想像の域を脱していませんが。
再読と言えば黒澤の七人の侍を三回目に観た時、意外なほど感銘を受けなかった
という事に強い衝撃を受けました。
年齢を重ねると、昔は分からなかった事が分かる=昔は美味しいと思わなかった
モノが美味しいと思う=美味しいと思えるモノが増える=美味しいと思える
チャンスが増える=幸せな事である
∴年齢を重ねる事は幸せな事である。
私がふるさんのブログに来始めて一年くらいになると思います。
白石一文で検索してふるさんの『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』のレビューを見つけたんです。
衝撃でした。
同じように白石に共感してる人がいるってことに。(もちろん他にもいらっしゃいましたが)
数年前に「一瞬の光」を読んで感じたことは白石一文と私は似てるって思ったことでした。
直木賞作家に似てるなんて失礼極まりないヤツだと思いますが、ウン十年生きてきて沢山の物書きさんの本を読んできて、これ程どきどきしたことはなかったんです。
白石の言葉は私の中にストンと落ちてきます。
彼は以前心を病んでいた時期もあると聞きました。
著書を読んでいるとわからなくもないです。
(私はそういうことはないですが)
哲学っぽいことをグダグダ言ってる白石も嫌いではないです。
私も本好きな友だちとは貸し借りをしますが、白石は薦め難い作家ですね。
登場人物にはエリートが多いし「持つものと持たざるもの」についてもはっきりしていて友だちに反感を買う理由でもあります。
可笑しなファン心理で「わからなくて良いも~~~ん」と妙に満足してる自分もいたりして(笑)
私がココを訪れる理由は、ふるさんにも少し似てるかも、って思うからかもしれません(ごめんなさいね)
年齢を重ねることは幸せな事である。
だって、こんなことも言えてしまうほど図々しくなれますから(笑)
白石一文に似ているとのお話。なるほどです。だとすると、
急速にその作家が大好きになってしまいますよね。
普通は小説ではなくエッセイや評論の方がその人の考えが
クリアに出てくるので、その人と自分の考えが合っているか
否か分かりやすいように思います。小説でnikitaさんがそれを
感じるということは、白石一文の力量なのか、それを感じる
ハートをお持ちだからなのか。
私が好きなのに友に薦めにくいのはハードSFですね。
「虎よ!虎よ!」とか「タウ・ゼロ」とかグレッグ・イーガン等。
よほどの好き者でないと楽しめないような気がします。
>ふるさんにも少し似てるかも、
光栄な事でございます。
愛を乞う人、読みました。
複雑な読後感です。
私には息子がひとりいて、愛情も母性も人並み(もしかしたらかなり強いかも)に感じている母親です。
自分が育つ過程(家庭)に於いてもこのような激しく執拗な虐待とは縁のないところにいるからでしょうか。
虐待する母親の気持ちは理解不能です。
幼児虐待でもDVでも暴力のあとに、逆の行動に出るって言いますよね。(DVであればSEXであったり)
この母親は一方的な暴力だけでした。
(娘を養育していることが暴力の反対側にあると思っているのならしょうがないですが)
こんな状態でも娘は母親の愛を求めてしまうのだ、ということが悲しかったです。
「おぼえてよ。死ぬまでにおぼえてよ、ひとの愛し方を」
これが娘の偽らざる願いですね。
わたしは彼女の背なかに腕をまわし、ふくよかな胸のなかに顔をうずめた。
わたしの顔が、彼女の体内にジグソーパズルのようにやわらかく埋まる。
そうだ、このやわらかさなのだ、おかあさんというのは。
子どもが抱きついたとき、自分のからだの肉をほんのひとけずりして、そのくぼみにちいさなからだを埋めこむことができるひとなのだ。(223頁より)
これは台湾で上野のおばさんに再会したときに幼い頃を思い出すシーンです。
子ども側からのこの感情は母親にとっての至福の時です。
平凡な日常が繰り返された家庭で育った人には愛を乞う娘の気持ちは分かっても母親の気持ちは理解できません。
これは当たり前のようで幸せなことかもしれませんね。
考えさせられた本でした、紹介してくださってありがとう。
nikitaさんは男性だと思っていたのですが、そうでないという事が分かりました。
>幼児虐待でもDVでも暴力のあとに、逆の行動に出るって言いますよね。
ふむ。これについてはなぜそうするのか私にはよく分からないのですね。
>こんな状態でも娘は母親の愛を求めてしまうのだ、ということが悲しかったです。
うんうん。これは私も強く感じました。息子と父親とはもしかすると違う
のが、この娘が母親に求めるところなのかなとも思ったのですが。
残念ながら母親にも娘にもなった事がなく、今後もなる予定がないため
よく分かりません。
>平凡な日常が繰り返された家庭で育った人には愛を乞う娘の気持ちは分かっても母親の気持ちは理解できません。
平凡な日常が繰り返されなかった家庭で育った私には、ある程度は分かる
でもある程度以上になると想像で埋めないと分からなかったですかね。
しかしその「想像」で埋めるという作業は、ひとの気持ちが分かるという「想像力」
を培うのに必要な修行だったのかも(?)
男性だと思われていたなんて!
自分のことを男性だと思わせようという意図が皆無で、そのような可笑しな勘違いをされていたなんてビックリしちゃって、花粉症で充血した眼球が50cmくらい飛び出してしまったくらい驚きました!
で、丸一日寝込んでしまいました!(笑)
私のコメントが男コトバだったかしら・・とか、
私の読書傾向が男っぽいのかしら・・とか。
いろいろ考えてみましたが。
結論は『やっぱりふるさんは変な人だ!』ってところに落ち着きました。
ふるさん、修行が足りませんことよ
どうしてなんでしょうね?白石一文が好きな人は男性に違いないという
誤った思い込みがあったせいでしょうか?nikitaはニキータと
見せかけて、二北もしくは二木太であると思ったからでしょうか。
>>結論は『やっぱりふるさんは変な人だ!』ってところに落ち着きました。
おっしゃる通りでございます。なお、私の性別が女性だと思っておられるかも知れませんが・・・・・・
『血と骨』読みました。
梁 石日さんは男性向けの本というイメージで、
これまでに読んだのは『闇の子供たち』だけでした。
金俊平なる人物が梁 石日さんの実父で内容がすべて事実であるなら、これは凄まじいですね。
小学生の頃に仲良くなったクラスメートが在日の子でした。
彼女の2歳年下の弟は高校を中退すると暴力団に入り、何度も地元紙の社会面を賑わしていましたが、30歳前にツマラナイ喧嘩で命を落としてしまいました。
子どもの頃はわからなかったけれど、随分苦労し生きにくかったんだろうと思います。
成漢(梁 石日さん)は父親に対する愛憎で苦しかったことでしょうね。
でも、子どもって父親と母親以外のものからはできていないんですよね。
どんなにか恨んだろうと想像しましたが、憎みきれないのもまた親子だとも思いました。
不器用な生き方をした金俊平に歯がゆさを感じながらイッキ読みしました。
「闇の子供たち」は映画になってましたね。観てないんですが。
「血と骨」は堪能していただいたようで何よりです。言葉が紙背から
飛び出すような、なんとも迫力のある小説でした。
誰かを強く愛する事が出来る人は、誰かを、ときには強く憎む。
のかも知れません。
誰かを強く憎む者こそが誰かを強く愛する事が出来る。
のかも知れません。いや全然そうでないのかも知れません。