頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『ブラック・ハート』マイクル・コナリー

2013-12-18 | books
LAPDの刑事ハリー・ボッシュシリーズ。第一作「ナイトホークス」は銀行の貸金庫侵入強奪事件。第二作「ブラック・アイス」はドラッグ。そしてこの第三作はサイコ・サスペンス。

11人の女性をレイプして殺し、被害者の顔に化粧したドールメイカー事件。ボッシュは丸腰のまま容疑者を射殺した。警察は射殺されたチャーチが真犯人であるとし、ボッシュを左遷して、一件落着したはずだった。「ナイトホークス」はこの事件の後から始まる。作中でドールメイカー事件に少しずつ触れて、ボッシュの内面を浮かび上がらせていた。

本作では、まずドールメイカー事件の容疑者チャーチの妻による民事訴訟が描かれる。無実なのに殺されたのだからとして賠償請求をしたのだ。賠償金はボッシュ自身が払うわけではなく市当局が払うが、ボッシュはずっと裁判に出席しなければならない。。相手方弁護士はかなりのやり手。こちら側はそうでもない。すると、4年前に真犯人は射殺されて終わったはずのドールメイカー事件がまた起こったのかも知れない。チャーチが死んだ以降に殺された遺体が見つかったのだ。もしかするとチャーチは無実だったのか。裁判とドールメイカー事件の行方の双方は…

いやいやいや。小説ってこんなに面白かったんだ。「ナイトホークス」も「ブラック・アイス」もすごく面白かったのに、「ブラック・ハート」はさらに面白くなっていた。

ずっと続く緊迫感。裁判上のテクニック、警察内部の軋轢、ドールメイカー事件に迫るプロセス。どれもが超一級だった。そして私の好みの組み合わせ「リーガル・サスペンス」+「サイコ・サスペンス」 美味しくいただいた。

今日の一曲

Blackから、Led ZeppelinのBlack Dogに行くかと思いつつ、Heartから、HeartでAlone



では、また。

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