1950年代のロンドン。裕福ではないが、優しい父親、なんだかんだいってもいい息子、非常に内気な娘。そしてこれほどいい人がいるだろうかという母親。彼らの平凡かつ、幸せな生活。
少しだけネタバレになってしまうが、これはDVDのパッケージなどにも書いてあるので。
母親が家族に知られないでやっていること。
それは堕胎。
子を産むことを望まない女性にしてあげているのだ。
ストーリーは、そこから大きく展開していく。しかしネタバレを避けて書かない。
最大の見所はなんと言っても、イメルダ・スタウントン(Imelda Staunton)の演技だ。決して美人ではないのに、なぜ夫からあれほど愛されるのか?
いい人である主人公ヴェラ・ドレイクの見せる表情、笑う、泣く。そして話し方。この役にこれほどフィットする女優は他にはいないだろう。そして、この役をこなせる女優もめったにいないだろう。
※以下余談
英国訛りとアメリカ訛りの違いがさっぱり分からないという話をよく聞く。しかしチャールズ皇太子の英語とアホのブッシュの英語は全く違う。タクシーをcabと言ったり、taxiと言ったりとか、地下鉄をtube、subwayと違う言葉で言うという違いもあることはあるが、それよりも話し方が、そう。関西弁と東京弁のように違う。
この映画はその英国訛りがうまく使われていて、50年代のロンドンを見るとともに、英国訛りあるいはブリティッシュアクセントってこんなもんなのかなを聞くに実にいい例だと思う。
ヴェラがよく使う表現で Lovely! とかDear!があるがこれも実に英国的。また、Hello を「ハロー」と言わずに
はぁーーろぉーーーぅ とやたらと伸ばして言うのだ。
これを聞くと、Londonに住んでいたときに、隣に住んでいたおばちゃん(どうやら上流階級の出らしいが)と玄関付近で会うと必ず言われたその「はぁーーろぉーーーぅ」を思い出す。
俺がこの映画を見ながらずっと「これが知りたい」という謎は結局説明されずに終わったという玉にキズはあるものの、それもこの女優の演技を堪能できたと思えばどってことない。
見かけはややブサイクの部類に入るヴェラ。しかしなぜ夫から愛されるのか?ヴェラの夫の弟、つまり義理の弟の妻はとても美人なのに、どうして義弟はヴェラの方を好むのか?未婚の男子諸君には嫁選びにこんな女性をオススメしておきたい。
また、自分が見目麗しくなく、それによって今後の人生を悲観してる女性は「見た目だけが全てではない」ことがこの映画を通して分かるかも知れない。
そして、役者を目指しているがなかなか目が出ない女優の卵には、演技とはこれなんだということもこの映画が一つ参考になると思う。
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イントネーションを平坦にして…人の後ろで暗がりから手をダランとたらして言ったらどうなるだろう?などと別な考えにふけってしまいました(笑)
なぜ夫から愛されるのか?
ユウマにも分かりません…
秋だな…愛…見るしかないか…「あい!」
そのHelloの言い方は、今では古きよき言い方かも知れません。特に裏があるわけではないので、映画を見れば「ああ、そう言ってる」と分かるかと。
夫に愛される妻の形なんて星の数ほどあるでしょうが、
その内の一つの形がここに描かれていると感じました。
あい・あい・さー!