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頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『カルニヴィア1 禁忌』ジョナサン・ホルト

2013-12-02 | books
ヴェネツィア、海辺に死体。女性なのに司祭の服を着ていた。腕には不可解なタトゥ。新興宗教か。担当は憲兵隊の女性大尉カテリーナ・ターポ。イタリアに駐在する米軍にやってきたばかりの女性少尉はホリー・ボランド。すぐに情報公開請求を担当することになった。ユーゴ内戦のときのクロアチアの将軍に関する情報を求める女性がやってきたからだ。しかし情報を公開する前にその女性は殺された。ダニエーレ・パルポはソーシャル・ネットワーク「カルニヴィア」の創始者、人嫌い。カテリーナとホリーとダニエーレが協力して解き明かす謎…

ユーゴ内戦+宗教+最新インターネットテクニック。古いものと新しいものを組み合わせている様はひどく巧い。ダン・ブラウン+スティーグ・ラーソンと言う人がいるそうだけれど、ちょっと違う。ラーソンほどどんでん返しが頻発するわけでもなく、ブラウンほど衒学趣味が炸裂するわけでもない。だからこそ読みやすいとも言えるけれど、もっともっと意外性で翻弄して欲しかったかな。

読んでいる途中でなんとなく筋書きが想像できてしまったけれど、読むのをやめなかったのは、登場人物の魅力、薀蓄、会話、そしてイタリアという舞台。イタリアの描写が本当にいい。またイタリアに行きたくなった。片言のイタリア語だけを駆使しながら観光していた私は、片言の日本語しかできない外国人旅行者と同じぐらい可愛かったに違いない。

登場するちょっとおぞましいボヴァリア島は、架空の島かと思っていたけれど、かつてはペストの患者を収容していて、狂った医者が患者を殺したというようなステキなエピソードのある実在の島らしい。ユーゴ内戦にNATOや米国が、抑止ではなく促進の方向に関わっていたということもどうやら事実らしい。ということを学んだのも収穫だった。

三部作の第一作だそうだ。とりあえず出て来た謎は解決した(はず)なので、新しい事件が同じ主人公たちによって解決されるのだろう。マフィアが国中に力を持っていることや、マフィアしか統制されて行動している組織はないという表現があったけれど、そういうイタリアの暗部へとまた切り込んでいく様を読みたい。

今日の一曲

イタリア。イタリア人が作ってイタリア人が歌った。大好きなオペラ、トゥーランドットのアリア「Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)」 歌うのも大好きな盲目のオペラ歌手、アンドレア・ボチェッリ



では、また。

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