「犬身」や「親指Pの修業時代」の作者。同性愛が話の軸になっているという印象があるけれど、男性が主人公でしかもヘテロ・セクシュアルという表題作「奇貨」
45歳本田は小説家。同じ勤め先にいたOL七島と同居している。あくまでもルームシェアしてるだけ。なぜから彼女はレズビアンだから。そんな本田の日常をセックスの話を大きく含めながら進む、私小説のような小説。
本田の「女っぽい」あるいは「女々しい」部分が妙に読ませる。七島に、自分より仲の良い友達ができると嫉妬してしまうというこの感覚。「あー分かる分かるー。俺にもそーゆー部分あるもんー」と読む男性読者や「あーあたしその気持ちすごく分かるよー」と読む女性読者もいると思う。(いや、たくさんいるに違いない)
七島が電話で何を話しているか知りたくて、盗聴してしまう。そこまでくると、「あー分かる分かる」という人は少なくなる…のかな?
私は本田の行動の全てに対して、個人的に共有できる部分を感じたわけではないのだけれど、自分にはない(自分ではないと思っているだけ?)「女性っぽいメンタルの男性」部分を読むと、まるで深海の世界に誘われたような感じがする(大げさか?)
男らしい、女らしいと男と女を差別化して考えることもよいけれど、男も女も同じだよなーと考えることもまたよかったりして、そんなことを「奇貨」が教えてくれた。レズビアンの世界や本田が糖尿病で勃たないという悲哀だけじゃなく、人に共通するある部分とか。
もう一編は「変態月」タイトルがすごい。
主人公は女子高生。子供の頃に知り合いだった年下の女の子が殺される。容疑者は同じ中学に通っていた暗い女。ということから主人公は妄想を膨らませる、という不思議な小説。
若干レズビアンの芽生えのような描写もある。残念ながら私はレズビアンにはなれないけれど、描写される世界は充分理解可能(奇貨の世界よりもさらに理解可能だったりする。なぜ?)でもあるし、もし微分がレズだったとしたらこういうことに胸を痛め、こういうことに萌えを感じるだろうと思う。
自分がもし女子高生だったらというのを、かなり深い部分で疑似体験させてくれる。短い話だったのに、味わい深かった。
今日の一曲
奇貨はキカ
キカと言えば吉川晃司
吉川晃司と言えばCOMPLEX
Be My Baby
では、また。
45歳本田は小説家。同じ勤め先にいたOL七島と同居している。あくまでもルームシェアしてるだけ。なぜから彼女はレズビアンだから。そんな本田の日常をセックスの話を大きく含めながら進む、私小説のような小説。
本田の「女っぽい」あるいは「女々しい」部分が妙に読ませる。七島に、自分より仲の良い友達ができると嫉妬してしまうというこの感覚。「あー分かる分かるー。俺にもそーゆー部分あるもんー」と読む男性読者や「あーあたしその気持ちすごく分かるよー」と読む女性読者もいると思う。(いや、たくさんいるに違いない)
七島が電話で何を話しているか知りたくて、盗聴してしまう。そこまでくると、「あー分かる分かる」という人は少なくなる…のかな?
私は本田の行動の全てに対して、個人的に共有できる部分を感じたわけではないのだけれど、自分にはない(自分ではないと思っているだけ?)「女性っぽいメンタルの男性」部分を読むと、まるで深海の世界に誘われたような感じがする(大げさか?)
男らしい、女らしいと男と女を差別化して考えることもよいけれど、男も女も同じだよなーと考えることもまたよかったりして、そんなことを「奇貨」が教えてくれた。レズビアンの世界や本田が糖尿病で勃たないという悲哀だけじゃなく、人に共通するある部分とか。
もう一編は「変態月」タイトルがすごい。
主人公は女子高生。子供の頃に知り合いだった年下の女の子が殺される。容疑者は同じ中学に通っていた暗い女。ということから主人公は妄想を膨らませる、という不思議な小説。
若干レズビアンの芽生えのような描写もある。残念ながら私はレズビアンにはなれないけれど、描写される世界は充分理解可能(奇貨の世界よりもさらに理解可能だったりする。なぜ?)でもあるし、もし微分がレズだったとしたらこういうことに胸を痛め、こういうことに萌えを感じるだろうと思う。
自分がもし女子高生だったらというのを、かなり深い部分で疑似体験させてくれる。短い話だったのに、味わい深かった。
今日の一曲
奇貨はキカ
キカと言えば吉川晃司
吉川晃司と言えばCOMPLEX
Be My Baby
では、また。

カッコいいな
たしかにいい曲ですね。