〇ドヴォルジャーク 交響曲第9番「新世界より」 マゼール/ベルリン放送交響楽団 1966年1月
マゼールは、フリッチャイ死後の1964年にベルリン放送交響楽団の首席指揮者に就任していますが、これはその早い時期の録音です。
初めてこの演奏を聴いたのは、もう50年近く前です。当時は、遅めのテンポのフリッチャイ/ベルリン・フィル盤に慣れていたため、この速いテンポとくせのある演奏には、とてもついていけませんでした。
最近YouTubeで見つけ、本当に久しぶりに聴きました。
あらためて聴いてみると、速いテンポのフリッチャイの演奏も知って久しいこともあり、テンポの速さは全く違和感なく、また随所で聴かれるユニークな解釈なども中々面白いなと思いました。結局、CDを購入しました。
第1楽章では序奏の最後のティンパニが1回叩きで当時はこれも好きではなかったですが、今はいろいろ聴いてきたので、それほど気になりません。ホルンによる第1主題を伴奏する弦楽器の後半をアクセントをかけていています。これはフリッチャイがよくやっていたことで、その名残なのかなという気がしないでもありません。第2主題はとても速いです。
第2楽章では中間部の入りがなかなか味わい深いです。第3楽章では、スケルツォ部を2回奏した後の第1トリオに入る前のテンポが極端に速く、驚かされます。ゆったりめの演奏をしていたフリッチャイもユニークでしたが、まったく逆のこの解釈もユニークです。そして終楽章はまさに痛快です。
(演奏時間比較)
マゼール/ベルリンRSO盤 11:20(8:48) 10:33 7:10 9:55 ( )内の時間は呈示部反復を除いた時間
フリッチャイ/RIAS-SO盤 8:50 10:05 7:45 10:16