○三善晃 弦の星たち
○グリエール ハープ協奏曲
○グリンカ ノクターン
○ドヴォルジャーク 交響曲第7番
水谷晃(Vn)、吉野直子(Hrp)、広上淳一/群馬交響楽団
ドヴォルジャークの7番について、昨日は部分的なことを書きましたが、全体的にはとても躍動感に満ちた素晴らしい演奏であったと思います。全てではありませんが、テンポ設定や解釈がチョンの7番に似ているかなと感じました。
それと興味が持てたのが解説です。
ドヴォルジャークの7番についてのこれまでの常識を覆す、新しい見解が書かれてありました。要約すると、この7番は、これまで「親ブラームス」と言われてきたが、近年、「反ブラームス」の可能性があるという説があるということです。
それはそれとして、もっと驚いたのは、この楽譜が最初は、イギリスのノヴェロから刊行されたとする記述でした。この当時、ドヴォルジャークはブラームスから紹介されたベルリン出版社ジムロックと専属契約をしていましたが、交響曲のような大曲を買おうとしないジムロックとたびたびトラブルが生じていました。この交響曲の出版の際にも、トラブルがあったとのことですが、最終的には、ドヴォルジャークが出した条件によって出版されています。
ということで、その前段でノヴェロから出版されたということは、初めて知りました。この交響曲の次の作品、「聖ルドミラ」はノヴェロから出版されているので、これもありかなと思う次第です。
(桐生市民文化会館)
○三善晃 弦の星たち
○グリエール ハープ協奏曲
○グリンカ ノクターン
○ドヴォルジャーク 交響曲第7番
水谷晃(Vn)、吉野直子(Hrp)、広上淳一/群馬交響楽団
ハープ協奏曲は、曲に出だしでまるで天女が舞い降りたような、そんな気分にさせられました。癖のないとても聴きやすい曲でした。
ドヴォルジャークの7番は、ティンパニが張りきっていました。やりすぎかなと思うようなところもありましたが、1楽章の展開部、2楽章の中間部での盛り上がるところでの迫力は我が意を得たという感じでした。また、終楽章第1主題での全合奏後の強打も強烈でした。
一方、ホルンは少し物足りなかったように感じます。1楽章の出だしではちょっと不安定な感じがしましたし、なんといっても終楽章が残念でした。提示部での第2主題の伴奏は弱々しかったし、再現部で弦とともに第2主題を奏するところも物足りなかったです。
明日は、同じ演目を桐生でやります。明日も聴きに行く予定です。
(群馬音楽センター)
○ブラームス 交響曲第1番 フリッチャイ/北ドイツ放送交響楽団 1958年2月2、3日(ライヴ)
今日は、フリッチャイの没後50年。この記念の日、すでに紹介した演奏ですが、フリッチャイを偲んで、再度、登場です。
フリッチャイがブラームスの第1交響曲を指揮したのは、比較的遅く、知られている限りでは、1955年秋、ベルリンでのRIAS交響楽団の演奏会と続く演奏旅行ででした。
このときは、ヒューストン交響楽団の指揮者を辞任して、フリーのときでした。その後、1956年1月、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団へのデビュー、2月のスイス・ロマンド管弦楽団へのデビューで指揮をしています。そして、翌年の9月には、ベルリン放送交響楽団とオール・ブラームス・プログラムを組んで、最後に第1交響曲を指揮しています。1958年の2月には、北ドイツ放送交響楽団、1960年秋には、ルツェルン音楽祭で指揮をしています。
スイス・ロマンドと北ドイツ放送響の演奏はCD化されています。また、ルツェルン音楽祭でのリハーサルの模様がほんの数分ですが、音楽祭のドキュメンタリーのDVDに収録されています。
この北ドイツ放送交響楽団との演奏は、フルトヴェングラーをも凌駕するほど凄いのではないかと思わせるくらいの演奏です。
これから次々と新たなライヴ演奏がリリースされることを願ってやみません。